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代表から


『つながりを、力にするために 』

NICe(National Incubation Center)は、平成19年度から3年間、経済産業省の委託事業として営まれてきました。SNSを活用して業種や地域、世代の壁を超えた起業家の相互支援体制を築こうとする取り組みでした。

当時私は、その事業のチーフプロデューサーとして政策効果の発揚に邁進しました。しかし、インターネットを駆使すればするほど、人は実際にコミュニケーションした相手と会いたくなるのだということに気付いたのです。ネットは「会わなくても用件を済ませられる」利点と共に、「普段なら会えない相手と意気投合したがために、そしてもっと意気投合したいがために会いたくなる」という特質があることを痛感しました。


一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦
 

 


そこからこの事業を、ネットコミュニケーションとリアルコミュニケーションを相互に展開することで、異なる業種や地域、世代の人々が分散して有する情報や智恵や志を共有・循環させ、結果として、経済の底に埋もれている資源を表舞台に引っ張り出すものと位置づけ直し、SNS活動の強化と共に、全国津々浦々でのイベント開催を推進してきました。そして、この活動を一言で「つながり力の強化」と表すことにしました。
そうした活動が功を奏し、様々な「異」を越えた連携が誕生しはじめた矢先に、経済産業省委託事業としての3年間が終わりを告げてしまいました。

もはや予算もなく、指導官庁もなく、ましてや登録者のベースキャンプとなっていたSNSサイトもなくなってしまいました。ですが、3年間の活動によって育まれた、「互いを思い合う起業家や経営者、支援者たち」という財産が残りました。私は、この方々の志だけを頼りに、NICeを民間活動としてゼロから再出発させる決意をしました。それが平成22年4月のことでした。それからの日々は困難と葛藤の連続でしたが、1年余を経て、どうにか参加者自身、利用者自身の手によって安定的な運営ができるところまで到達しました。
折しも日本経済は終わりの見えない川下デフレーションと川上インフレーションの挟み打ちにあい、加えて震災と原発事故にのしかかられ、さらにはTPPに象徴される遠慮会釈のないグローバル市場主義に巻き込まれようとしているタイミングです。企業も個人も生きるのさえ容易ではない時代が到来しています。
「だから他人を切り捨てても、踏みつけても生きていくしかない」のでしょうか。NICeが目指し、取り組み、実現しつつあることは、むしろそれとはまったく正反対のことです。
「厳しいからこそ、互いを思い、助け合い、裏切らない人間関係をしっかりつくっていくべき」だと考えているのです。きれい事に聞こえますか? でも現に、「つながり力の強化を訴える活動は必要だ」と考えるたくさんの方々が毎月資金を提供して、このNICeを維持させている事実があります。仲間や共同体を思う気持ちは、本来はとても強いものです。

的資源こそが唯一の資源ともいうべきこの日本においては、人が点で存在するのではなく、つながって、能力や適性を交換・分担し、協働していくことが必須です。
悪しき個人主義を乗り越え、人間本来の共同性を取り戻し、物心ともに豊かな社会を私たち国民自身の手で築いていく。それが21世紀の日本に生きる私たちの使命ではないでしょうか。その実現のために、自立して生きる人、雇われずに生きる人、また、それらを目指す人々が手を携え合える場として、このNICeを全力で運営していく決意です。

ある多くの方々のご支援・ご協力、そしてご参加を切に念じて、代表理事の挨拶と代えさせていただきます。

 


平成23年7月

一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦
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