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【起業・独立の強化書】 3.事業プランを立案しよう




3.事業プランを立案しよう




(1)「6つのS」を「6W2H」に置き換える

「起業・独立の心構え」の章で説明した、事業の継続・発展に必要な6つのS、すなわち、信念、仕組み、資金、商品、市場、支援。これらをしっかり固めていれば、起業後、あわてふためく心配はありません。したがってその6つのSを、どのように考え、どのように準備し、どのように動かしていくのかを、綿密に計画したものが事業プランだと言ってもいいでしょう。そしてそれらは、「6W2H」の問いに対する回答というかたちで考えていくことができます。

「6W2H」とは、以下の課題項目のことです。

・Why? ~なぜその事業を始めるのか?
・Where? Whom? ~誰(どの市場)を狙って始めるのか?)
・What? ~どんな商品やサービスを提供するのか?
・How to? ~どのように商品やサービスを提供するのか?
・When? いつからその事業を始めるのか? いつから黒字化するのか?
・Who? 誰と(どのような関係者と)その事業を始めるのか?
・How much? 開業資金はいくら用意するのか?(どう用意するのか?)

この「6W2H」には、考えを進めるうえでの原則的な順番があります。実際のケースの多くは、「What?」から入って、次に「Where? Whom?」へと進んでいきます。ですが、結局は狙う市場やセグメント、つまり「Where? Whom?」を定めて、そこに提供できる商品やサービスを考案することになります。いずれにしても、「What?」と「Where? Whom?」の2つを頻繁に往復してプランを深めていけば、どちらからスタートしてもかまいません。そして「How to?」へと進みます。つまり、狙った相手に、決めた商品やサービスをどのように提供していくのかを考えるわけです。どのようにとは、販売方法や営業方法はもちろんのこと、宣伝や広報といったコミュニケーション戦略の立案や、価格や対価の回収方法などの設定も含む課題です。ここがまさに事業プラン立案の山場といったところです。
そのうえで大事なこと。それは、たえず「Why?」に立ち返ることです。なぜ、自分はそれをやるのか? なぜ、人々(市場)はそれを必要とするのか? その回答が曖昧なプランは、「机上の空論」になりかねません。起業・独立は理屈ではなく、自身の人生を懸けた行動であり、お客様に購買というかたちの行動を取ってもらう働きかけです。自分も頑張れる! お客様も来てくれる! そうであるための「理由」を、しっかりと確立しておきましょう。

 さて、ここまでで説明した項目が、いわば事業の基本プランと呼ばれるものの構成要素です。残された「2W1H」が「When?」「Who?」「How much?」の3項目。つまり、事業を実際に稼働させていくための諸課題に取り組む段階です。したがってこの項目によって成り立つのが事業の実施プランと呼ばれるものです。どんなに素晴らしい基本プランを立案しても、実行・実施のためのプランが甘ければ、それは「絵に描いた餅」になってしまいます。実は、この点のツメが甘い人が少なくないのです。仮に事業を1年間行うとして、必要な開業資金はいくらか? 運転資金はいくらか? では、その資金はどうやって用意するのか? また、どのような仕事をするスタッフが何人必要なのか? そのスタッフはどうやって集めるのか? 社外の協力者はどうする? それらをいつまでに、どのようにして決めていくのか? この段階では、もはや夢を語っている場合ではありません。現実的で具体的な計画だけが求められるのです。


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