山梨県発 売り上げ・集客UPを約束する Web戦略・提案事業

ネット&リアルを融合させて「売る・集客する」ビジネス戦略を提供

事業内容は?

メインの事業は、アクセス数の高いWebサイト制作から、上位表示も含めたSEO対策、アクセスしたユーザーを最短で目的ページに導くためのLPO作成(ランディングページ最適化 )まで、売り上げ・集客UPのためのWeb戦略を提供することです。オリジナル商材として、初級の「Web制作&簡易SEOプラン」から、最上級の「SEO&LPO60プラン」まで、個々の顧客の要望に応じたセットプランもラインナップ。また、本格的にネットビジネスに参入していきたい会社限定のコンサルティングも。ほかには、企業間のコラボレーション内容に合わせた戦略の提案、ネットビジネスとリアルビジネスの融合を促進するためのセミナーや講演会の主宰も行っています。顧客は様々ですが、特に強いと自負するのは、物販よりも問い合わせ数を増やしたい業種。中古車販売会社やリフォーム会社などです。

その事業はどのような顧客・市場を狙っている?

やり方によって、多くのWebサイトが、まだまだ売り上げを伸ばすことができると考えています。過去に知り得た対策に頼りすぎてネットの進化や変化に対応できず、廃業した企業、同業者をたくさん見てきました。そうならないためにも、様々な手法をミックスして、どんな状況でも集客に困らない対応を続けること。そのうえで、きちんと売り上げを確保するというのが弊社が提供しているサービスです。当然ターゲットはネットビジネスに参入している企業、個人事業主ですが、向上心があり、弊社からの提案に真剣に取り組んでくれるお客さまのみに限定。「とりあえずホームページだけつくってほしい」「すべてお任せでお願いしたい」といった仕事の依頼はすべてお断りしています。

同業者や競合との差別化ポイントは?

売り上げ・集客UPの戦略提供に特化している点が、Webサイト制作のみを行う同業他社とは大きく異なります。顧客リストの収集からその有効的な活用方法、また、既存顧客に「より上位の商品」や「別の商品」を購入してもらうアップセル・クロスセルの戦略策定など、ネット&リアルの仕組みをフル活用した提案をしていることが、大きな差別化になっていますね。弊社独自のルートでいち早く業界の最新情報が入手できるため、それらの成功事例を元にして、顧客の商材・ビジネスに合わせた応用提案ができる点も強みです。

ITの知識も経験もなく営業力だけで独立。危機から生まれた発想と努力で進化

起業のきっかけや動機は?

学生の頃から、いずれは社長かフリーランサーになりたいと考えていました。それで、グラフィックデザイン会社に就職したのですが、24歳の時に不況の影響でリストラ対象に。会社からは独立の話もいただいきましたが、当時はまだ自信がなくて、いったん同業他社に転職。その後、独立するためには営業力が必要だと考え、営業職として運送会社へ転職しました。そこで新規開拓のトップセールスとなり、役職もついた頃、「IT業界で独立しないか?　共同事務所をつくろう」という誘いを受けたのです。当時の私には「IT」がとても魅力的な言葉に聞こえて、何の準備も無いまま10日後には会社に辞表を出していました。グラフィックデザイナーなら「パソコンに詳しいだろう」と思われるかもしれませんが、その当時のデザインはすべて手作業。つまり、独立後に初めてパソコンの電源の入れ方を覚えたという大バカ者です(笑)。

事業を軌道に乗せるために、どのような創意工夫、改善をした?

追い込まれると人間は何とかしようとするものですね(笑)。IT関係の知識はほとんど独学で吸収してきました。開業から約3年間は、新規開拓で食いつないでいましたが、自分の知識不足を感じながらの営業がイヤになってきたんです。それを解消するために、新規開拓を止めて既存顧客のフォロー強化に方向転換。現在のメイン事業である“戦略提案”の商品化に注力したのです。顧客ごとに提案内容は異なりますし、一度顧客の要望で作成したサービスが雛形となり、フォーマット化すればすべて商品化。それらをグレードアップさせ、さらにアップセル・クロスセルも充実させました。どれもが実在の顧客からの要望に合わせて作成したプランですから、幅広いニーズにも十二分に応えられるというわけです。また、自分で営業せずとも、お客さんがお客さんを連れてきてくれる紹介制度の充実を図り、新規開拓をせずともWeb上で顧客が集まる仕組みを構築しました。

これまであったピンチは?　それをどうリカバリーした?

起業3カ月目に大ピンチが勃発。当時はレンタルサーバーの販売がメインで、Webサイト作成は、サーバー契約時に5万円程度の追加で受けるという程度でした。Webサイト作成は外部に委託していたので、その差益は1、2万円。未経験・新規分野に入った当時の私としては、販売ノウハウを身に付けるだけで精一杯でしたから。ところが、このサーバーが販売停止となり、Webサイト作成単独で売り上げを挙げていくしかなくなった。外部委託していたら利益が出ない。自分でやるしかない。この時に、一緒に事務所を借りた仲間が去ってしまい、家賃をひとりで背負うことに……。ここからが本当の苦闘の始まりでした。Webサイト作成で食っていくレベルになるまでは本当に必死でしたよ。でも、そのピンチがあったおかげで、Web戦略により顧客の売り上げUPに貢献できる方法を提供する、という現在のスタイルが生まれたのです。元トップセールスですから、営業は得意。それを生かせる方法をWeb上で構築しようと。以来、あらゆる知識を必死で吸収しながら、売れる商材を開発し続けています。そして起業5年目には、未集金の連続で資金ショートし、一度会社を手放さるを得ず、また買い戻すというピンチ&リカバリーも経験。この時は、本業プラス3交代制の工場に派遣として入り、別のアルバイトをかけもちし、アフィリエイトを同時進行でこなし、1日睡眠時間2時間で4カ月間、寝る間も惜しんで働き、取り戻したのです。さすがにここまで落ちると、何も怖くないという状況になり、ここから今の状況まではあっという間でした。

ロハスなプチ・リタイヤ生活を夢見つつ、若手起業家の育成・ネットワーク構築を

いま、一番課題だと感じる事柄は?

現在は、ありがたいことに新規顧客からの依頼はお断りしている状況です。ここ3年ほどで急成長したため内部体制が追いついていないことが課題。従業員を増やし、社員教育体制を強化して、既存顧客の満足度向上を図りたいと考えています。また、外部委託できる業者の開拓と、弊社の商材を販売してくれる代理店制度の拡大も検討しています。現在、代理店は5社ですが、弊社の商材を取り扱うには一定の知識がないと難しい。さらにコンバージョン・レートを高めるためにも、代理店指導を強化する必要があると考えています。

今後、実現したい経営上の目標は?

2009年6月末に法人化を予定しているので、体制強化を早急に図ること。そして、社員数2名ほどで年商2億円を挙げ、利益率70%の企業に育てあげることが目標です。さらに、若手起業家支援や会員制ビジネスなど新事業を立ち上げ、それぞれの分社化も視野に入れ展開したいと考えています。また本業とは別ですが、山梨の自然環境を生かして、食と住宅をコンセプトに、経営者仲間と健康を推進する活動も開始しました。「健康住空間推進協議会」という営利団体で、私は理事を務めています。将来的には、地元に畑付きの別荘や村をつくり、田舎暮らし体験や入居者を募っていきたいと考えています。

事業を継続発展させることよって実現したい夢は?

会社を育て、自分の貯蓄が10億円になったらプチ・リタイヤすること(笑)。完全リタイアではなく、プチです。会社運営の大部分を社員に任せ、私は監督の役目をしつつ人材教育に力を注いでいきたいと考えているんです。地元で活躍してくれる若手起業家を育て、山梨を活性化させたい。起業家のネットワーク、まさにNICeのような。また、いつか農業法人を設立して、ロハスな自給自足生活もしてみたい。それもあって、5月から「健康住空間推進協議会」で農作業も開始しています。いずれは太陽の下で土をいじる健康的な生活がしたなぁと。パソコン仕事をしていると、太陽に憧れを持つのでしょうか。いずれにせよ、私がいなくても会社運営に支障がない状況に移行していかないと、いつまでもプチ・リタイヤできません。そのために、やらねばならないこと、やりたいことがまだまだ山ほどあるんです。

桑原さんのプライベート&ストレス解消法

ボルダリングで体とビジネスのリズムを保ち、海釣りで気分爽快

ストレス発散と体力づくりのために毎週スポーツクラブに通い、クライミングの一種“ボルダリング”をしています。この時間だけはなるべく予定を入れないよう、これも仕事なんだと自分に言い聞かせて強制的にスケジュールに詰め込んでいます(笑)。趣味は海釣りで、チームにも属しています。かかり釣り、黒鯛釣りなど、1日中海上に浮かんで釣り糸をたれていると、ストレスがアッという間に解消されますね。とはいえ、なかなか釣りに行く時間もないので、日々のリフレッシュはストレッチです。眠い時にも、逆に眠れない時にも効果的。最近は年齢のせいか、体が硬くなってきたので、毎日5分ほど必ずやっています(笑)。

【文】NICe編集委員 岡部恵