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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」135 素養(例えば、礼状に写真を添える)



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<最近の発見> 素養(例えば、礼状に写真を添える)
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素質が、人の生涯に大きく影響することは否めない。
しかし、人は長い歳月を生きる。当然、鍛えられるし、磨かれる。
そうやって身につけた力が、素養だ。

4カ月ほど前、御歳八十という金融機関役員の方とお会いした。
教養、見識、礼節はもちろんのこと、情熱にいたるも、
私よりはるかに優る御仁だと感じた。何より胆力に凄味がある。

昭和の高度成長期、オイルショック、バブル経済とバブル崩壊、
失われた10年、そして長引く平成のデフレーション……。
様々な様相を見せてきた日本経済の荒波に飲まれず、乗り越え、
今も経済活動の陣頭に立つ日々が、氏の素養を磨き上げたのだろう。

その日、私は、氏が籍を置く金融機関の大会にお招き頂き、
地方経済の可能性と課題、地域金融機関の任務などについて講演した。
終了後のパーティーで、氏は「良い話しだ」と声をかけてくださり、
そこから長い時間、言葉を交わした。

途中、氏は若手職員を呼び止め、カメラを手渡して、
「増田さんと一緒の写真を撮ってくれ」とオーダーした。
講演の後に、撮影を頼まれることは少なくないので、
その際は、別段、気に留めなかった。

数日後、立派な封書が私宛に届いた。くだんの金融機関役員からだ。

「我逢人」という禅の言葉で、私との出会いを讃えてくださり、
身の引き締まる思いがした。

その手紙とは別に、封書にはもう一つ綺麗に畳んだ和紙が入っていた。
開封すると、パーティーの時に撮った写真と、
その土地の名勝の写真が何枚か納められていた。

上記したように、撮影を頼まれることはよくあるが、
写真をプリントして、丁寧に送ってくださる方は、まずいない。
半ば驚きつつお礼を伝えると、
「一緒に写ってくれた方に、私は必ず写真を送ります。
相手が総理大臣や有名な女優さんでも、そうしてきました」との説明。

すごい……。
「当たり前のこと」と言われればそうかもしれないが、でも、すごい。

目に見えないはずの「感謝」や「縁」を、
こうやって目に見える形に仕上げていくのか……。
もし、氏から何事かを依頼されたら、
私は出来得る限りのことをしようと思うだろう。
わずか数葉の写真に、私のハートはつかまれた。いや、私は落とされた。

鍛えれば身につく力、つまり素養。
私を含む戦後生まれの日本人は、その価値をもっと知るべきだ。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第135号(2017/11/7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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