株式会社ACCURATE(アキュレット) 井居義晴 さん 滋賀県大津市 |
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特殊精密機器の企画・設計・製造・販売です。主要製品は、排水管洗浄装置「ARKIREI(アーキレイ)」。高圧力の空気や水、研磨剤などによる粉砕除去ではなく、化学薬品などによる溶解でもない。天然素材を材料とした専用洗浄剤の持つ「分解洗浄能力」と「弊社開発技術」との融合により生まれた、短時間で排水管を洗浄できるシステムです。
ビルメンテナンス業者、ハウスクリーニング業者、清掃業者、配管敷設業者、機材リース業者など、広範囲なユーザーを想定しています。既存の排水管洗浄作業では、様々な機材、運搬用の大型車、4?6人の作業人員が必要で、多額のコストがかかっていました。弊社の装置「ARKIREI」はコンパクトサイズで、1?2人で作業可能です。人件費が3分の1で済み、また、営業中の店舗でも、開店前・中休み・閉店後のわずかな時間で、洗浄・消臭・抗菌ができるのも特徴です。
既存の化学薬品による溶解洗浄は、洗浄廃液の二次処理が必要なうえ、薬品付着などによる安全性に問題がありました。しかし、「ARKIREI」は天然素材の洗浄剤と水道水のみを使用するので、廃液による環境汚染の心配もなく、作業される方も安全です。もうひとつ、高圧洗浄機による粉砕洗浄は、配管結合部の損傷などの事故を起こしやすく、また、高額な大型機材や多数の作業員が必要となります。対して「ARKIREI」は、狭い通路や階段での移動が容易なコンパクトサイズ。1日複数件のオペレーションが可能で、作業一件当たりに対するコスト抑制を実現した点も差別化になっています。
個人事業主から大手企業の契約システムエンジニアとなり、その後、開発主任として様々なプロジェクトに参加。建築木材切削機、半導体製造装置など数多くの産業機械の共同開発に携わり、超音波洗浄機などの洗浄装置開発も勉強させてもらいました。取引先建築関係者とのつながりにより、ホタテ貝殻焼成粉末の持つ分解浄化・消臭抗菌効果に着目し、同時に排水管洗浄装置の開発に着手。支援していただける方々の協力もあり、思い切って3年前、自社ブランド製品を確立するため起業に踏み切りました。
まず会社の信用を得ることが第一と考え、経営革新計画企業の承認、滋賀県企業ランキングの「めきき・しが」Aランク(滋賀県28社目)を習得。それにより、金融機関・公共機関などの信用を得ることができました。また新聞・テレビなどにも取り上げていただき、展示会にも出展するなど、少しずつですが認知していただけるようになりました。
「ARKIREI」といえば排水管洗浄だと多くの方に認知していただけたことでしょうか。私が生まれ育ったここ滋賀県には年々水質が悪化している琵琶湖があるため、洗浄装置開発が盛んな土地なのです。起業して会社を大きくするには、都会でないと無理だろうと皆さん思われるかも知れませんが、あえて滋賀県から全国へ、会社とこの洗浄装置を認知してもらいたかったのです。弊社の洗浄装置は、天然素材の洗浄剤と水道水のみ使用していますので、洗浄後の廃液による汚染の心配はありません。琵琶湖の水質問題対策にも貢献しつつ、全国展開を目指しているところです。
これまでは展示会への出展、知り合いの紹介、滋賀県の事業可能性委員会で「めきき・しが」Aランク企業の認定をいただき、そのテレビ出演を見ていただいた方からの問い合わせなどから特約店を開拓していました。その他に、2007年10月に東京ビックサイトで開催された、東京ビジネスサミットに出展させていただけたことも、大きなPRの場に。しかし、特約店・施工店の進捗状況が、なかなか思うように進んでいません。設立して3年、今でも販路拡大が一番の課題です。
夢を現実化する企画・設計・開発力です。排水管洗浄装置「ARKIREI」は、実際に様々な業者さんや店舗オーナーさんから、「既存の排水管洗浄作業では満足できない、困っている」と現状を聞いたのが開発のきっかけでした。ユーザーの声を聞き、問題点を解決する開発・技術力には自信があります。その力と経験、実績を生かして、必要とされる精密機器をより多くつくりだし、オンリーワンの企業を目指します。
できるだけ早く全国47都道府県に特約店・施工店を構築し、洗浄装置の稼働率を上げ、さらに新しいアイテムの洗浄装置を世の中に送り出すことです。あらゆる洗浄ができる製品ラインナップを拡充して、フランチャイズ展開で全国制覇をするのが夢です。特約店として販売していただける企業・業者さんに心当たりがありましたら、ぜひご紹介ください。
仕事が趣味というか、ともかく夢中ですね。朝早くに出社して、夜遅くまで会社で仕事して、帰宅後も夜中までパソコンに向かっていたり。休日も、会社にいたほうが何か落ち着くので、私用がない時は愛犬「ミント」と会社へ出ます。平日も一緒に出社してますから、すっかり会社の看板犬です(笑)。3歳のアメリカンコッカースパニエルで、会社設立の年に産まれたんですよ。私は昔から犬が大好きで、幼い頃から数えると5匹目。ペットの死を何度か経験していますので、もう飼うのは正直イヤだったんですが、子どもがどうしても飼いたいと、仕方なく・・・。一番私になついてくれているので、体は疲れていても心が癒されます。
【文】NICe編集委員 岡部恵