Vol.66 浅井崇弘さん

神奈川県発 自転車日本一周と100人社長旅に挑む、 SI請負事業&Webマーケティング会社

0903株式会社 浅井崇弘 さん
神奈川県川崎市

大手企業のSI請負と、専門事業分野に特化したWebマーケティング

事業内容は?

現在はシステムインテグレーション(SI)事業とWebマーケティング事業を行っています。また、本業とは別の活動として「ママチャリで日本一周の旅」と、「100人社長の20代を振り返る旅」をしています。「ママチャリで日本一周の旅」は、何年かに分割して日本一周を目指しています。始めたのは会社勤務時代で、学生時代から自転車で実家の岡山に帰ってみたいという気持ちがあったのと、当時の彼女と別れて、一緒に買ったママチャリが駐輪場にあるのが切なくて、「実家の岡山に持って行ってしまえ」というのがきっかけ(笑)。ですが、実際に走り始めると、もっと多くの人と出会いたい、その素晴らしさを伝えたいと思うようになり、今はそれがテーマに。また、「100人社長の20代を振り返る旅」は、本業の合間をぬってアポを取り、100人を目指してインタビューを継続。両方の記事をブログでアップしています。

同業者や競合との差別化ポイントは?

SI事業は大手企業の業務請負として、またWebマーケティング事業は、主にリサイクル関連企業と連携し、集客やシステムのサポートをしています。差別化は、「ママチャリで日本一周している経営者の会社」という点かも(笑)。SI事業は、景気や大手企業の判断に左右されてしまいます。請負体質から脱却するべく、自社発信のオリジナリティのあるビジネスを打ち出せるよう、様々な戦略を模索している段階です。ですが、ただ稼ぐという発想では面白くありませんし、情熱が注げないので、自分自身がワクワクして楽しめることを、利益の伴う事業に成長させられればと思っています。可能であれば、「ママチャリで日本一周」をテーマに事業ができたら面白いと考えています。旅が好きな人、冒険が好きな人、自転車が好きな人、楽しんでいる大人や社会人に憧れている人。そういう人たちへ向けたサービスや価値、感動を提供できたらいいなと思っているところです。

理念なき利益追求の職場に空しさを感じ、情熱を注げる生き方を目指し独立

起業のきっかけや動機は?

大学卒業後、入社した大手企業とは別に、手伝いをしていたベンチャー企業の社長にだまされ、多額の資金を持ち逃げされた苦い経験があります。睡眠時間を削ってバイトを掛け持ちし、少しずつ返済していくしかなかった。その後、知り合いとふたりでベンチャー企業を設立し、SEやプログラマーなどのIT関連人材の特定労働者派遣業を始めました。お金で苦労したので、「とにかくどんどん稼ごう!」と、ガツガツ働きました。創業3年後には社員100名を越え、自分はナンバー2として社員を取りまとめ、営業のトップというポジションに。収入も増え、借金も完済することができました。ただ、収入が増えていくに連れて何か大切なものを忘れていた気がします。安定に慣れてきたのと同時に、社長のやり方や価値観に違和感を覚え始め、仕事も会社もつまらなさを感じるように。「自分も社員も面白いと思えるビジネスに情熱を注ぎたい」「そんな会社をつくっていきたい」と、思い切って退職。「100人社長の20代を振り返る旅」は、そんな独立直後に試行錯誤した中で始めました。29歳というなんとも素敵な節目の歳だったので、面白いことができるんじゃないかなと思ったのと、純粋に聞いてみたかったのです。それをブログで紹介することで、多くの人に勇気や元気、やる気をもってもらえたらステキだなと。また、楽しそうにしている多くの経営者を見て、自分もそのようなステキな経営者になりたいと思えたことも継続につながっています。

事業を軌道に乗せるために、どのような創意工夫、改善をしたか?

独立後、社員を雇い事業が動き出した頃、リーマンショックがぼっ発。ある程度は大手からの仕事が継続的にもらえるだろうと予想していたのですが、完全に見込み違い。次々と契約は打ち切られ、スタートから厳しい状況でした。営業に出向いても、どこも「不景気だ」と元気がない。それで、あえて既存の営業スタイルを捨てました。それからしばらくは、ブログで情報発信をする方法を勉強したり、様々な交流会に参加。集中するために大学の図書館へ通い、会社のビジョンや理念の構想、自分はどうしていきたいのかなど思考を整理する日々を続けました。これまでと違う発想、ほかの人とは違う視点で動けるように、思考を切り替えるように努めたのです。その結果、少しずつ「ママチャリ」「日本一周」というキーワードからの広がり、認知度、コラボレーションなどが展開し始めてきました。まだまだこれからですが、自分がやっていることに共感してもらえ、応援されることで、やる気と嬉しさを味わっています。

2112年9月3日の創業105周年に、記念日を笑顔で祝わってもらうことが目標

いま、一番課題だと感じる事柄は?

まだまだ企業というよりは、個人事業レベルだと思っています。社員や仲間を十分に満足させてあげられるほどの売り上げも出せていないので、もっともっと成長しなければと。一番の課題は、あれもこれも自分でこなしてしまっている点です。業務を振り分けて、自分自身の物理的な負担を軽減させ、経営者として集中すべきところに力を注ぐようにしないと、いつまでたっても成長できません。その課題を克服するためには、人に任せるためのフローの確立や、信頼できる仲間の確保が急務だと思っています。

事業を継続発展させることによって実現したい夢は?

20代前半の頃は「とにかく稼げるようになりたい!」とガツガツしていました。ですが、それを達成しても、空しさだけが残った。前職場は利益や社員数など規模重視で、社長に目標やビジョンを聞いても明確な答えはなく、それが不満でした。そういう会社は誰もが楽しそうではなく、どんどん人が離れていく。その会社を反面教師に、共感してもらえるビジョンをしっかりと意識していきたいと強く思うようになったのです。当社の会社設立日は、9月3日です。2112年の9月3日は、有名なネコ型ロボットの誕生日。それは当社にとって、創業105周年を迎える日になります。まずは105周年に向けて一所懸命に頑張って、2112年9月3日に、盛大なお誕生日会をするのが目標です。すでに毎年、設立記念日には、お世話になっている大勢の人を招いて予行演習もしています(笑)。もともとドラえもんが特に好きというわけではありませんでした。ステキな未来につなげる“想いの象徴”です。でも最近、意識するようになり、好きになってきました(笑)。

浅井さんのプライベート&ストレス解消法

趣味のバイクと社長インタビューでパワーアップ

趣味は、20歳過ぎから乗っているバイクです。ツーリングやママチャリでの旅が、ストレス発散になっていると思います。普段の移動手段は主にバイクなので、ヘルメットをかぶった状態で歌うことも、いいリフレッシュになっています。また、新しいことを企画して、それをやるためにはどうしたらいいのか試行錯誤し、いろいろな人を巻き込むことも好きですね。そしてマイブームは、やはり社長インタビューです。はたから見れば、仕事のように思われるかもしれませんが、とても勉強にもなりますし、楽しくて仕方ありません。そもそも仕事が大好きなので、まったく苦になっていません(笑)。


【文】NICe編集委員 岡部恵