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地域NICe勉強会

第1回 EAST学縁(現NICe関東) 相談会レポート



2011年1月29日(土)、EAST学縁(現NICe関東)主催の第1回相談会が東京駒込で開催された。参加者は東京都を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府から合計15名が集った。


■オープニング
EAST学縁(現NICe関東)管理人代行の横山岳史氏の開会あいさつに続き、まずは全員が30秒ほどの自己紹介。そして、第1回EAST幹事の上久保瑠美子氏が配布資料を示し、改めてテーマを説明して会がスタートした。


   
▲会場となった店の入り口には「NICe EAST」の歓迎ボードが。
コーヒーとお菓子をいただきながら始まった相談会は、コミュ管理人代行の横山氏のあいさつに続き、各自自己紹介、そして幹事の上久保氏からEAST学縁(現NICe関東)のテーマが復唱された



■相談会


愛を感じる在宅看護事業が

自身の体の問題で継続困難に。

どうする? 何する? どこへ向かう?





相談者/株式会社アイナース 代表 八木京子氏

・相談者に立候補した背景
個人を対象に在宅看護サービスを提供してきたが、自身の身体の具合が悪くなり、これまでのサービスを提供できなくなっている。NICeは異業種の集まりなので、自分が看護師だから、ではなく、違う視点で自身が考えられないようなアイデアをいただけるのではないかと思い、EAST(現NICe関東)の趣旨に賛同して相談者に立候補した。

看護師経験を生かし、「愛を感じることのできる在宅看護が私たちの使命です」をコンセプトに在宅看護事業をしてきたが、自分が考える愛というのは、ストレートにこうだ!というものではなく、ゆとり・ゆらぎという考え。その意味でも、NICeメンバーの得意分野が組み合わさって、つながっていけたらと思っている。そのゆらぎとは意味が違うが、自身が今後のことで揺らいでいる。新しいことをやりたい、というよりも、していかなくてはならい状態にいる。

続いて、八木氏が思案しているマーケットとプランについて。
●BtoCかBtoBか
個人相手か法人相手か、また対法人の経験がないので、どうしたらいいのか?

●検討案/救急対応の看護知識・ホスピタリティを広めるサービス
急病人に遭遇した場合に、『救急車を呼びましたから』と声をかけるしかできない人がほとんどではないか。社内で緊急救命の研修は受けていると思うが、救急車を手配する、声をかける最低限のことだけではなく、本当のサービス、ホスピタリティとも言うべき部分をサービス業へ向けて提供できないか。

●検討案/社会の中へ看護マインド・認識を広めるサービス
個人客に同行する外出中に、世の中にもっと看護のノウハウ、ハートがあればと感じていた。普段の生活の中でも、社会の中でも、『こういうところに看護の心得があればいいな』と感じている。

●自分を必要としているところはどこか
これまでは、自分が行く現場には必ず看護を必要とする人がいることが前提であり、行く現場も限られていた。それ以外に、必要としているかもしれない対象があるのではないか。自分では思いつかないので教えてほしい。

そして八木氏は最後にこう述べた。
「自分の中でも整理しきれていないので、今日ここでご意見をいただき、それをまた持ち帰って、自分の中で見えていける方向を整理し、それをまた、NICeのいろんな方たちとつながっていけたらいいなと思います。私が相談することで、皆さんにつながっていただければいいなと思っています」

 
▲八木さん(左から3番目)の相談を真剣に聞き入る参加者たち



■座談会

自由な雰囲気の中で発言がスタート。看護知識が欲しいというニーズから、それをどうビジネスに発展させるか。また、日常の中での不便・不足、専門家の様々な経験や業界情報、提供できるノウハウまでアイデア飛び交い、予定していた90分はあっという間に過ぎていった。「終了!」との何度目かのかけ声で、話題の続きは懇親会で、NICeのSNSコミュニティで、と相談会はようやくお開きに。


●ニーズに対する主な意見

・自分は道で倒れている人に遭遇するケースが多い。自分ができることは何か、救急車を呼ぶことはできるが、それまでどうしておいたらいいのかわからない。やれるかどうかは別として、方法を知識として持っているかどうかは大きい。八木さんのような人に教えてもらえたらありがたい。

・私は「家族が家庭内で倒れたら」という時の知識を持っていたい。

・ホットラインが欲しい。身内でも、救急車を呼んでいいのか、そうでもないのか……。救急病院は電話対応の時間もないと思うので、遠隔操作で知識を持った人がアドバイスしてくれるようなものがいい。

・緊急の時のために、こうしたらいいよと伝える仕事、看護師経験を伝える仕事はどうか。看護の話を聞きたい人はいっぱいいると思う。

・看護コンサルにした場合、派遣して対応するようなスタッフの要請が視野か、それとも現場で対応できる一般人を増やす方向か、2パターンあると思う。

・研修・コンサルのニーズはあると思うが、ウォンツまであるか。顧客研修にプラスするというレベルではこのご時世で、絶対的に不可欠な需要として喚起させるのは難しい。その解決策を探っていければ、需要は取れると思う。

・ユーザーのニーズに差がある気がした。緊急なのか、日常なのか。その部分が、ゆとり・揺らぎにもなるとは思うけれど、それぞれの業態・レベルによって、どういう展開をしていくかを整理して考えたらいいと思う。

・救急救命は呼吸停止や心臓停止を想定しているので。日常的なレベルなら、ご近所の人同士で訪問し合う活動もある。そういうレベルから深刻なレベルまで幅広いと思う。

・介護・看護疲れの人もいる。本人ではなく家族のケアもできそう。


●ビジネスプランについての主な意見

・元看護師で、現在は仕事をしてないという人も全国にたくさんいるはず。そういう方をネットワークして、各地域で活動できるようにする。たとえば、車いすの散歩を家族に代わってとか。ご近所さんだとよほど仲良くないと頼めないので。

・自分の母は家族旅行を計画した時、「足が痛くなるから留守番している」と言う。車いすの用意があると言っても、いいと。同行者に負担をかけたくないのだと思う。でも旅行会社に看護師が同行するツアーがあったら、何かあった時も安心で参加意欲が増すかもしれない。いざという時にお手伝いしてくれるネットワークはニーズがあると思う。

・受け入れる宿泊施設も看護師が同行していれば安心できる。

・保育園、幼稚園に看護師がいると安心。今は、子どもが熱を出した、下痢をしたと、お迎えに来てくれと連絡が来る。そのあたりをターゲットすることで、幼稚園側のメリットにもなるのでは。

・親が要介護状態になったらどうすべきかわからない。医者の説明もわからない。介護をどこで教えてくれるかわからない。

・30代、40代の長男の最も大きな悩み。結婚していれば親は4人、祖父祖母も元気だったりすると、一体いくらかかるのかわからない。なので、今はとにかく稼いでおかねばという気持ちで一杯。その気持ちが少しでも楽になる情報が欲しい。

・たとえば、軽い感じで、インターネットで入れる老人ホームはどうだろう。そこに入会すると、いろんなこと調べられる、普段から知識も与えてくれる。サイト内で保険や保証の商品販売もありだと思うし、セミナー開催のお知らせ、みんなの悩みを投げ込めるコーナーなど、いろいろできそう。さほど負担にならない程度の入会金に設定しても、入会者が何万人単位で集まればいける。高齢者に限らず、若い世代でも知りたいことは多いし、若い世代も入会できるバーチャル老人ホームという発想。看護意識の改革の入り口として、そういう軽めのものがあってもいいんじゃないか。ライトな部分が足りないなと思った。

・自分はユニバーサルレルトランを開業する予定。ユニバーサルの研修はあるが、看護の面では弱いと思っていて、その研修を受けたい。また運送会社ではホスピタリティ&緊急救命研修を実施していると思うが、自身いま妊婦なので、うちに届いた荷物を手渡しせずに、床に置いてくれるのが嬉しい。企業として救命まではいかなくても、ホスピタリティ研修を実施しているかどうか、企業の底力を感じる。飲食店も、喫煙者を避けて席をすすめてくれる店もあれば、気にしない店もある。商店街単位での研修できたら素敵だ。



●生活の中で気付く看護認識不足についての意見


・駅の改札口を広くして車いすを通れるようにしているけれど、普通の人はなぜ?と思うのでは。そういうシミュレーションもしたらいい。また、イギリスでは車いすでタクシーに乗れるが、日本のタクシーは少し屈辱的に感じる。

・自分で車いすを買って乗車してみた。でも、乗れるタクシー、乗れないタクシーがあるのにびっくりした。

・マナー広告で結構変わると思う。タバコもそうだけれど、気付かないところをマナー広告でアピールすると、日本はまだまだ良くなる。

・イメージ的にはネットワークかと思う。民間の『弁護士ドットコム』というネットサービスがある。「こういう相談をしたい」と投稿すると、それに対して弁護士側が入札するしくみ。その中から納得したところへ依頼をする。信用情報はユーザーの書き込んだ意見で確認できる。こういうイメージで。


▲弁護士ドットコムのHPを回覧



●看護の行為、どこまで可能かについて質疑

・看護師はできることも限られている。点滴は医者の指示があればできる。看護師なので、技術的にできることがあるが、全部をやっていいというわけではなく、医者の診断と指示がないとできない。患者の家族はやっていい。

・診断は医師しかやってはいけない。線引きが難しいが逆に言えば、医師まで巻き込めばいいのでは。ネットで医師も巻き込むシステムにする


●ネット環境、情報落差、社会問題との融合についての意見

・高齢者のデジタルデバイトの部分のサポート。検索してお手伝いできるサービスあればいい。それと、在宅看護を受けるだけではなく、その人たちが貢献できるシステム、たとえばおばあちゃんの知恵とか。こういう経験教えて欲しいと若い人から聞く。高齢者の生き甲斐にも貢献できる。

・検索結果を教えるサービスは見たことがある。家電の価格帯をネット検索して教えてあげるサービスがある。

・買い物をサポートするサービスもある。

・高額な生命保険だと医者に相談できるサービスがある。

・実家が青森県で電気店を経営している。青森県はネット普及が日本で最下位。なぜ実家が儲かっているかというと、ネットとアナログのパイプ役をしているから。ネットで調べれば簡単に購入できるものでも相談が来るので、ネットで探して教えてあげて購入してもらえる。。

・友人にPCを持っているのに、ネット環境がない人がいる。携帯でいつも長文メールを送ってくるので、てっきりPCのネット環境もあると思ったけれど、PCではない。私の年代でもそうなので。

・ネットの何がわからないかのかをわかっていない人も多い。

・クラウドが普及すれば、PCレスでやりとりできる。

・エンディングノートで、亡くなった後の財産が……というより、飼っている猫や犬のほうが心配なのかもしれない。

・保護された犬や猫の里親を捜している知り合いの団体では、独り暮らしの高齢者にもご夫婦にも譲らない。犬や猫が死ぬまで幸せに生きていけることが第一なので、飼う人の癒ししより、そちらが優先。ペットという言い方は人間主体なので。

・里親探しをしているNPOの中には、飼い主が老人ホームに入所するので里親を募集するケースもある。今は飼っていられるが、面倒を看られなくなったときのために事前契約を結んでおく。


●自分たちが八木さんへ提供できることについて

・需要として欲しいもの、組織だって提供できるサービス、教育、いろいろあると思う。その中で、自分らが直接できるものもあると思う。ネット老人ホームは、年齢的にNICeもいずれそうなるのでは。実験的にコミュをつくって、そこで情報提供するのもありと思うし、自分も技術は提供できる。

・直接ではないが、友人が司法書士で財産管理をしている。そういう人を紹介することはできる。

・お寺の仕事をしているが、菩提寺を持っている人が最近は少ない。団塊世代の人で、本家のお墓に入れない、本家自体そのものもないという人も多い。お寺の敷居が高いので霊園を選ぶけれど、本当ならお寺に入りたい、という人も。そういう人にご紹介して、ご供養お願いする人もいる。以前に、成年後見をサポートしている知人へお寺を紹介したことがある。後のこと考えた時に、安心につながるのであれば、ご縁をつなげられるかなと思う。

・ターミナルケアもあるけれど、孤独死すると役所がやるしかない。孤独死で家族がいない、あるいは家族が拒否する。焼却までは役所で行うが、納骨が問題。ネットワーク持っていることが大きく左右する。その辺りを連携できるといい。

・ご先祖さまについてのセミナー講師をした。60歳以上の人が対象で、自分の方が教えを請う年代なのに、ご存じない、不安に思っている人が多いと感じた。そのあたりでお役に立てるかなと思う。みんな、興味関心があるとも感じた。生きている時に亡くなった後の安心を提供できる。知識を持っていれば、信じる信じないは別で、そういうことも困る前に知っておくと安心。関連できればと思う。

・お墓参り代行、お墓の掃除代行もある。高齢になるとお墓参りに行けないからと、移転する人も多い。映像で言えば、その昔に旅したところの風景を見せると認知症予防になるだろうと思う。

・看護のコンテンツを提供してもらって、映像をアップするという共同コラボもあると思う。

・DVDなら一緒にできると思う。30代や40代でも知りたい情報のDVDと、セミナーをセットにするなども面白いと思う。

・旅行で言うと、高齢者の観光客を増やそうと沖縄県が頑張っていて、久米島は大作戦をしている。若者は来るけれど、もっと高齢者にきてもらおうと。調べてみるといいのでは。

・ホスピスに入らず最後を家で迎える人で、遠い親族に会えない人いる。映像を録れる人が撮ってUST配信するというサービスもできる。撮影の仕方、配信の仕方を教えることもできる。

・八木さんの興味はまだまだあると思うので、深く掘り下げたい項目でコミュにトピックスを立ててみては。

   
▲北出さん(左)が書記を務め、皆の意見を模造紙に。それを壁に貼る相澤さん(右)


■管理人代行・横山岳史氏から一言

「皆さんが能動的に発言してくれたことで有意義な会になったと思います。相談者の八木さん自身が明快に課題を話してくれたので、みんなも前向きな意見が言えたのではないでしょうか。EAST(現NICe関東)は、いい意味でのゆるさ、何でも言えるゆるさを大切にしつつ、この先のステップでビジネスへとつながっていけたらいいですね。人が集まれば、多種多様な温度感や価値観があるのは当たり前で、それを受け入れられる土壌があることを確信できましたし、さらに回数を重ねることで、豊かな土壌にしていけると感じました」

■幹事・上久保瑠美子氏から一言
「初回の幹事を務めさせていただきましたが、NICe十和田の実行委員長を務めた時とは違う意識で、頑張り過ぎてはいけないと臨みました。というのも、幹事役は持ち回りで毎回変わるので、誰もが継続可能な役割を意識したのです。EAST(現NICe関東)発起人の石井さんが大切にしている“ゆるさ”さえ設定できればと意識し、つなげること、ゆるい場を設けることを心がけました。いきなりゴールを目指したり、きっちり進行したりするのではなく、みんなで集まってスキルや経験を分かち合い、そこからまた発展していくスタイルなのだと改めて実感しました。次回は私が相談者ですが、皆さんにどうにかしてもらおうという気持ちではなく、私の相談ごとで皆さんがつながれるきっかけになればという思いで臨みます」

■今回一番の遠方である大阪府から参加した小林一三氏から一言
「調査を兼ねての上京で関東でのNICeイベントに初参加しましたが、一言でいうと、良かったです。八木さんの状況について、SNSの書き込みを拝見していましたが、やはり実際にリアルで聞いてみないとわからないこともあります。その点をじっくり聞けたことも良かったですし、参加者ひとり一人が何かしらの意見を言えたことも有意義でした。人が集まることでエネルギーになり、そこから何かが生まれる。何かできるというエネルギーがまた生まれる。議事進行に規制をつくらなかったことも、自由な発想で各自発言できた要因だと思います。縁をつくる力がとても感じられました」

■相談者・八木京子氏の感想
「当初は、事前に相談ごとをアップして皆さんからの意見をうかがうという計画でしたが、いざアップしたものの戸惑っていました。自分がどうしていいのかわからないから相談する、迷いや整理が付かないから相談したいのだと。それで事前の書き込みを白紙に戻したことで、とても気が楽になりました。参加してくださる方はもちろん、参加できない方も相談に乗ってあげよう!という思いは、わからないではないのですが、NICe全国定例会でもプレゼンターが事前に課題を公開しないことと同じで、今回もそれでいいのではないかと思ったのです。今日、皆さんに相談してみて、視野が広がり、可能性が見えてきたと感じました。たとえば、ネット=検索するもの、と思っていた自分の常識を覆してもらったことは驚きでした。人のビジネスアイデアを惜しげもなく提供してくれる、ご自分のビジネスと結びつけて考えてくれる。NICeはすごいなぁと改めて感じます。EAST(現NICe関東)の構想が生まれた集まりに私も参加していましたが、その時に「この人たちならきっと、○○さんのために考えてくれる」と信じられたんです。NICeが好きでこの会に参加し、NICeが好きで相談者に立候補しましたが、今日終えてみて、ますますNICeが好きになりました!」

 
▲2時間の相談会を終えて笑顔の集合写真! 同じ畳の部屋でレイアウトを変えて懇親会がスタート



取材・文・撮影/岡部 恵
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