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復興・事業支援 8月25日会合レポート




水・食品用放射線量測定器の設置に向け

福島県伊達市で会合







●実施日/2012年8月25日
●主な支援活動地域/福島県伊達市

●支援内容
増田紀彦代表理事、小林京子理事、NICe正会員の横見全宣氏、河合栄佳氏、岡部恵の5名は、同じくNICe正会員である竹内竜哉氏が経営する福島県伊達市内の理髪店にて会合を開いた。この席には、昨年12月開催の第12回NICe全国定例会inさいたま(レポートはこちら)で鼎談(シンポジウム)に登壇いただいた五十嵐勝氏にも同席を願った。
まず増田代表理事から、会合の趣旨と経緯が説明された。大阪在住の横見氏はこれまでも東北支援活動に尽力してきたが、今秋から、横見氏と河合氏の会社(環境計測機器製作株式会社/大阪府吹田市)が、水・食品用放射線量測定器の製造販売を開始する。この事業の背景には、福島県内の水道食品関連企業へ自社の放射線量測定器提供することにより、県内の中小企業に事業・創業支援を、子どもたちには安心な水を提供したいとの想いがある。計画では、自社製品3機種の測定器のうち、持ち運び可能な25㎏タイプを県内に普及したい考え。そこで、県内関係者から情報提供ならび測定器に対する見解を聞きたいと、横見氏から増田代表理事へ要請があり、この会合を開くに至った。

次に横見氏から、放射線量測定器のスペックが説明された。福島県へは各所で測定しやすいよう持ち運び可能な25㎏タイプを想定している。測定対象は、食品(肉類・魚類・野菜)、水、粉末、固体。測定核種は、セシウム134、セシウム137。測定時間はバックグラウンド一定化時間含め合計35分間(連続測定回数に準じる)。測定範囲は10~9999Bq/kg(or l)。測定誤差は±20%>10%>5%(測定時間に比例)とのこと。性能に関しての質疑応答が行われた後、横見氏は測定データ収集に協力してくれる施設または企業、個人に使用法をレクチャーしたうえで、1台は無償で設置したいと述べた。

これに対し出席者からは、民間で測定することは大きな意義があり、社会貢献度も非常に高いものの、事業として展開するのであれば、県内にも適正価格で販売すべきとの意見が出た。また放射能問題は5年後、10年後、その先も深刻であり、長期的に役立つ機器であることから、継続的に支援するならば事業として利益を出してこそ持続可能との意見も。加えて校正頻度などのランニングコスト、使用マニュアルや講習会などの必要予算も考慮すべきとのアドバイスも寄せられた。

横見氏と河合氏は実機による測定を希望しており、そのモニター測定に協力してくれる関係者への打診を竹内氏に依頼した。まずはモニター測定からスタートし、定期的に実証数値を収集しながら本格設置協力者を確定させ、いずれ県内企業の事業・創業支援を急ぎたいとして会合を終えた。

●感想・課題・今後の予定
「この会合後、さっそく横見氏と河合氏は実機製造に着手し、竹内氏はモニター測定協力者へ打診。そしてNICe頭脳交換会が初めて福島市で開催される9月11日に、伊達市内3カ所にて測定を行うことが決まりました。放射能問題を抱える地域での事業創出を支援したい、と取り組む横見氏と河合氏に対し、NICeとしては引き続き応援に努めるとともに、この活動の進捗状況を報告していく予定です」

取材・文、撮影/岡部 恵

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