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地域NICe勉強会

NICe関西 第5回 勉強会@大阪 レポート



2011年4月16日(土)、NICe関西(みんなで関西を元気にするコミュニティ、略して「みんかん」)主催の第5回勉強会(頭脳交換会)が、大阪天満インキュベーションラボで開催された。参加者は地元大阪府を中心に、東京都、滋賀県、京都府、兵庫県、ニュージーランドから総勢23名が結集した。

冒頭、永山仁氏より、宮城県石巻市への支援物資運搬についての報告と、震災復興支援活動資金ご協力の要請があった。
「4月9日から10日にかけて、宮城県石巻市へ、皆さんからお預かりした支援物資を運搬してきました。NICeから支援活動への支援金として3万円いただき、交通費に充てさせていただきました。被災地の被害は甚大であり、継続的な支援が必要です。募金箱を持ってきたので、支援金のご協力をお願いします」と。


▲6月上旬に第4回目の支援活動で現地へ向かう永山仁氏


<勉強会>
■プレゼン前の婚活市場レクチャー

今回のプレゼンで発表する松浦ちあき氏のテーマは、婚活。そのプレゼンの前に、野崎ジョン全也氏から、“婚活市場”についてのレクチャーが行われた。


▲婚活市場についてレクチャーした野崎ジョン全也氏

<婚活ビジネスが拡大している背景について>
婚活ビジネスが昨今広がった背景には、結婚観の変化や、ITの発達による適齢期男女の多忙化も副次的な要素ではあるが、最大の要因は“社内結婚の低下”にあると野崎氏は述べた。2000年では、結婚に至る出会いの場として1位であった「職場・仕事の関係」が、2005年には2位に転落したという。その背景にあるのが、それまで当たり前であった大量の男女が一斉に入社するという形が失われた就職氷河期だ。こうして職場での出会いが減少し、現在の30代以降=結婚適齢期と呼ばれる世代が、新しい出会いを求めて婚活サービスを利用するようになったという。

<市場規模と今後の予想について>
婚活市場がより大きく成長している背景には、インターネットによる集客がしやすくなったこと、またネットを介して出会いを提供する機能が誕生したことを挙げた。2000年の電通による市場調査では、300億円だった市場規模が、2007年の経済産業省の調査では600億円へと成長。現代の日本において、以前のような大量採用が復活するとは考えにくく、職場以外に出会いを求める声=婚活市場へのニーズは今後も高まることが予想される。

<事業参入のポイントについて>
現在、主に会員制ビジネスと、ライフスタイルに関するビジネスを展開する企業がシナジー効果を期待して、お見合いパーティーや婚活サイト事業への参入を始めており、サービス提供事業所は会員数数十名規模から数十万名規模まで、全国で1000を大幅に超えている。また、個人としては、カウンセリングを付加価値として、堅実な成長が見込める結婚相談所事業がスタートしやすいと言われている。その際のポイントとなるのは、適齢期世代に受け入れられる工夫がなされているかどうかだ。

婚活市場は確実に伸びているが、その一方で”結婚相談所”といった言葉に抵抗を感じてしまう人が多いことも事実であり、このマイナスイメージをいかに払拭できるかがひとつのキーと言える。

<業界としての課題について>
企業間の顧客獲得競争は激化しており、強引なサービスを提供する企業も少なからず存在するため、業界全体のイメージ低下という悪影響を及ぼしていることも否めない。実際に、結婚相手紹介サービスに対する苦情の件数は年々増加の一途を辿り、国民生活センターの発表によれば、2000年度には1500件程度だった苦情が、近年では3000件を超えるなど実に2倍以上に達している。

苦情の大半が、「勧誘が強引だ」「高額な中途解約金を請求された」など、契約時や解約時のトラブルであり、業界のイメージを大きく損ない、市場のさらなる拡大を妨げる要因になっている。

こうした悪いイメージ要因を払拭し、利用者の立場に立ったサービスに対する安心感を高め、利用者拡大を図るべく、業界では、2007 年1月に『日本ライフデザインカウンセラー協会(JLCA)』を設立。サービス内容の明確さ、広告の適切性、契約時や中途解約時の明確さ、個人情報保護の厳格さなどが審査され、適格と認定された業者に対しては“CMS”というマル適マークの使用が許可される制度がスタートした。当該マークを取得した業者は、認証費用を支払えば3年に亘り資格を活用して事業を展開することが可能になる。

以上、野崎氏からのレクチャーにより、婚活市場についての基本情報を参加者全員で共有した後、松浦氏のプレゼンテーションが始まった。


■プレゼンテーション

故郷・京都のまちづくりと婚活支援

ふたつの夢を実現したい!

効果的なイメージアップとは?



▲プレゼンテーターを務めた松浦ちあき氏

プレゼンターの松浦ちあき氏は、まず自己紹介を兼ねて、今回プレゼンに臨んだ率直な気持ちと感謝の意を述べた。「去年の6月までの私は、このように人前で話すこともできませんでしたし、夢があっても話せず、自分すら信じられず、愚痴ばかりこぼし、仲間という仲間もいませんでした。でも今は、一生の友達ができる場所がいくつもあります」という。そして、今年2月に病気が判明し、先月手術を受けたこと。その病気を知った時は病院のトイレでひとり泣いたが、全力で励ましてくれる仲間の顔が何人も浮かび、5分で立ち直ったことなどを語った。「それに、もし命がなくなったとしても、その瞬間まで私は夢を追いかけるまでだなと思えたから」であり、そんな強い意志を持てるようになったのは、大きく影響を受けた4人の人物との出会い、そこで出会った仲間の存在があったからこそであり、NICeの皆さんもそういう仲間だと述べ、プレゼンをスタートした。

松浦氏には、大きな夢がふたつあるという。ひとつは、京都のまちづくりをしていくこと。もうひとつは、誰もがパートナー探しを楽しく抵抗なくできる世の中にすることだ。これを同時に行いたい。一見異なるように見えるが、パートナー探しができる“場づくり”は、イコール地域づくりであるという考えからきているという。

まず、京都のまちづくりに関心を持った理由は、自身が京都生まれであることはもちろん、他府県から京都へ訪れた友達に「京都って舞妓さんがうろうろしていると思った」「ビルとかあって、普通やん!」と言われ、「がっかりさせてごめん」という気持ちになったのがきっかけ。世界的にも貴重な歴史のある京都を、みんなの理想通りの京都にしていくことが 京都生まれの自分たちの責任だと思うようになり、100年前の祖先が落胆しない京都にしなくてはならないし、また1000年後の京都市民にも、京都を京都らしく大切に思ってほしいという。

まず自分にできることから始動しようと、すでに松浦氏は京都市のまちづくり市民委員へ応募し、また市民参加型組織の100人委員会にも参加している。さらに、京都のまちづくりを一緒にしてもらえないかと、島田紳助氏へ手紙を出し、その返事が半年程たった今月に届いた。とても嬉しかったが、その返信内容は、京都市への怒りと絶望でいっぱいだったそうだ。しかし松浦氏は落胆するどころか、「自分の出番!」と、がぜんやる気になったと語った。

そして、もうひとつの夢が、婚活支援だ。もともと恋愛話が好きで、結婚相談所で働いた経験もあり、ライフワークにしたいと思っていた。また、同年代の友達が結婚したいと思いながらも未婚であること、そして両親が離婚したことなども動機だという。年齢に関係なく、誰もがパートナー探しができ、孤独のない温かい社会をつくることが自身の目標であり、結婚後も介護や夫婦間の問題、育児や仕事、お金のことなど相談に乗れる窓口でなりたいと述べた。

だが、現状では、結婚相手が欲しい人の多くが、本当は自然な出会いを望んでおり、お見合いパーティーや合コンに対してすら抵抗を抱いている。まして、結婚相談所に登録するのは恥ずかしいことであり、最終手段だと思っている。

「そんなマイナスイメージを変えたい」と松浦氏は強調した。いつかパートナーができたらと密かに思っていながらも、出会いの場に行かない人、行けない人はずっとひとりだ。心から欲しくても「欲しい!」と言えない何かが障壁となり、したいことをしたいとも言えず、自信がなく、どうしていいかわからない。「それは、まるで10カ月前の自分と同じではないか……」と。そこで、松浦氏が目指す婚活支援は、ブロックのかかった内面を解放し、磨き、異性に好感を持たれる外見をつくり、自信を育て、欲しいものがぜんぶ手に入る将来を描く力を身につけられるトレーニング型の“出会いの場”だ。それらを事業として展開したいという。

以上を踏まえ、京都のまちづくりについては、どんな京都になったらいいか、現在の京都のマイナスポイントはどこか。また1日に2000~3000万円の赤字という京都市営地下鉄を黒字に変えるにはどうしたらいいか。
婚活については、パートナー探しに参加することをマイナスイメージにしないためどうすればいいか。どんな出会いの場だと行きたくなるか。出会いの場を紹介されて、実際に行ってみようと思える動機、きっかけについてアドバイスを求めると述べ、プレゼンテーションを締めくくった。





■頭脳交換会


松浦氏のプレゼンが終了し、京都の街づくりに関するチームと婚活イメージアップに関するチーム、それぞれ2チームに分かれ、ファシリテーターを立てた後、みん関恒例のホワイトボードミーティングを開始した。

 
▲▼京都について、婚活について、の2つのテーマでチームを分け、頭脳交換が行われた
   




■各チームの主なアイデア   ※抜粋、敬称略

<京都について>

 

●内田チーム(内田、野崎、松田、村田)
・市営地下鉄の黒字化はテーマが重いという事で、まずは京都のイメージを挙げてみた。 旦那衆、伝統産業、和文化、歴史といったビッグワードに続き、京都議定書、京野菜、寺社仏閣、観光、京都ブランド、山と海、花灯路をはじめマーケティングのうまさ、ベンチャー企業、試作品を売りにした工業団地。洛南、洛北、宇治等場所によってもイメージは大きく違うといった発言も。

・京都に住む村田氏が「京都は地味なイメージ」と発言したのをきっかけに、一気に議論が盛り上がる事に。
大阪の人間である野崎氏には、京都はとても華やかな印象がある。また、滋賀に住む松田氏は、京滋という単語が表すように、滋賀は京都の影に隠れているというイメージを拭いきれない、すなわち京都への対抗心があることが共有された。

・生活者と外部の人間という構図も浮き彫りに。
景観条例(京都全域で和風な建物しか建ててはいけないと言う規制)について、村田氏は益々地味になると真っ向から反対の姿勢。一方、松田氏や野崎氏は京都には京都らしくあって欲しいと賛成の立場。
・京都は今後、特に観光・環境・学と知・ものづくりといった四つの分野で産業を育てていくことが大事である
・全体をとおして、立場や環境が違うとものの見方や考え方がこれ程までに大きく乖離するのか、ということを目の当たりにできたのが一番の収穫であったのではないか。


●前田(昌)チーム(井居、塚原、前田(和)、中島)
・京都のマイナスポイントについては、閉鎖的(外から見たイメージ)、観光シーズンの渋滞、観光客向けのウェルカムな姿勢とは裏腹に、普段はよそ者に対して閉鎖的な2面性を感じる。伝統的なものを守ろうとするあまり住みにくい。
(一方では革新的な技術開発をする企業も多い。)

・どんな京都にというイメージは、京都に暮らす人たちと、観光で訪れる人たちとでは理想とする京都が違うのではないか。
・渋滞の緩和策として、市街地入り口に巨大駐車場をつくり、そこから市街へは公共交通機関を使う。駐車場代に交通機関の割引券をつけたらどうか。バスの1日乗車券は500円!(案外知られていない)地下鉄も有効活用。市内に大型の観光バスを入れない。(通行税?)

・京都の地下鉄の赤字対策については、そもそも必要だったのか? 観光地としての京都で多大なる利益を得ているはずのお寺は非課税であるが、利益を市民に還元するべきではとの発想から、地下鉄の赤字に対して負担をしてもいいのではないか。
・わかりやすい(使いやすい)ガイドブックの作成など。


<婚活について>

 

●山本チーム(榎崎、好田、小西、永山、前田、増田、山本、)
・まず、婚活に抱くイメージを出し合った。自信がない、サクラがいるのではないかという場所に対する猜疑心。頑張って出会いを求めている、といったネガティヴなイメージが先行した。

・マッチングしてもらってまで出会いたくない。自然に出会いたい。離婚せず、永いパートナーをつくるためには、まず良い人間関係を構築し、結果として結婚という流れが良いのではないか。婚活ありきではなく。
・年収や趣味などのデータで選んでも、長く良好な関係継続は難しいのではないか。

・ターゲットを絞る。たとえば、離婚し再婚できていない人や再婚を躊躇している人など、再婚活ビジネスはどうか。
・離婚相談カウンセリング、過去の経験や気づきを活かしより良い再婚につなげる場をつくる。

・婚活というキーワードでは集まりにくいのでは。たとえば「独身者の悩み」や「京都好き」「京都ボランティア」といった独自のキーワードを設定し、そこに反応した人が集える場を設定してはどうか。


●山中チーム(山中、堀尾、長沼、中村、市川、尊田、横見)
・婚活に参加するのに抵抗があるのはマイナスイメージがあるから。それはどのようなイメージか。モテナイ人のように思われる
・お金がかかる、サクラがいるんじゃないかなど、運営会社自体に信用がない。たとえ、それでゴールインしたところで、お見合いや、婚活パーティーで出会ったことを言うのが恥ずかしい、などなど。
 
・マイナスイメージを払拭できたら、参加率はあがるのではないか? 「婚活」や「お見合い」という言葉のイメージが悪い。
・共通点(趣味)や年齢など、様々なカテゴリーで参加者を募れるネーミングにしたらどうか。条件に(独身に限る)と記載する。たとえば、釣り大好きパーティー、ボウリング大会、「サラリーマン集まれ!」、「NICe頭脳交換会」(独身にかぎる)「30代のパーティー」(独身にかぎる)など。
 
・年齢、年収、家柄重視するお見合い派と、気軽に友達からお付き合いしたい派と同時に開催するから、それぞれ抵抗がある。なので、お見合いのように条件重視のパーティーと、気軽にフレンドからのパーティーとを分けて開催すると目的にあった集客ができるのではないか
 
・ビジネスとして収入源は年会費やパーティー参加費。宣伝ツールはFaceBookなどで、ターゲットを絞り、たとえば30代・大阪府在住・会社員のようなワンクリック広告を載せてはどうか。


  
▲NICeチーフプロデューサー増田紀彦氏もみん関に初参加

 
▲初参加の好田恵理氏が震災復興支援の横断幕を持参。NICeメンバーも応援メッセージを書き込んだ


■プレゼンテーター松浦ちあき氏の感想と今後の抱負
「NICeの頭脳交換会のいいところは、私のように起業を目指していて、プレゼンや自己紹介を満足にしたことのない者でも温かく応援してくださり、全力で時間いっぱいかけて アイデアを出してくださることです。さらに会終了後の懇親会までも、頭脳交換会第2部と化し、時間内で出し切れなかったアイデアを惜しみなく伝えてくださいました。足りないところも伝えてくださり、本人の成長に真剣に向き合ってくださいました。発表の場は自分の考えを整理するチャンスです。発信したい内容がある人も、今はまだまだで、これからという人も、遠慮することなく発表者に立候補される事をオススメします! 温かい仲間が応援してくれます!」



■NICeチーフプロデューサー増田紀彦氏より講評
「いつもUSTを見て楽しそうだな、参加したいなと思っていました。願いがかなって最高です。ちなみに頭脳交換会という名称は、よく耳にする意見交換会というものが、何か口先だけの会合のような印象があり、もっと本気で知恵を出し合う会合ということで付けてみました。この集まりにはファシリテーターの存在が不可欠ですが、増田ひとりではまかないきれません。ですが、みん関では、たくさんのファシリテーターやリーダーが出てきています。それが実感できたことが本当に嬉しかったです。
 東日本大震災、原発問題で、日本の半分が実害に加えて心理的にも悪い状態が続いていますが、5月28日に姫路で開催されるNICe全国定例会を含め、西日本の皆さんには大いに頑張って、盛り上げていただきたいと思います」



■みん関リーダー 永山 仁氏から一言
「頭脳交換会のテーマを2本立てにしたのは、みん関初の試みでした。京都の町づくりと楽しい婚活は、一見まったく異なるテーマでしたが、議論を深めていくうちにつながっていくように感じられました。京都という舞台で、さまざまなイベントを企画すれば、きっと素敵な出会いの場がたくさん生まれるのだろうと思いました。生まれ育った京都の町が大好きで、ひとりでも多くの人に素敵なパートナーが見つかることを望んでおられる松浦さん。今回の頭脳交換会で出たアイデアが彼女の事業の成功に寄与することを切に願います」


▲「みん関」の横断幕を自作してくれたのは、撮影も担当してくれたデキシーさん
こと中島昭二氏。勉強会後、その見事な横断幕を囲んで記念撮影


▲次回、5月のNICe関西は、NICe全国定例会として5月28日に兵庫県姫路市で開催!
その実行委員長・前田昌宏氏。詳細・申込みはこちら!!



取材・文/中島昭二氏中村恵子氏永山 仁氏野崎ジョン全也氏松浦ちあき氏山中智香氏岡部 恵

撮影/井居義晴氏中島昭二氏


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