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第8回「営業白熱カフェ!」レポート


第8回「営業白熱カフェ!」レポート


 

 

講師も目からウロコ?

参加者同士の熱い意見交換が

互いのビジネスをレベルアップするきっかけに!





2011年6月8日(水)、第8回「営業白熱カフェ!」が東京神田で開催された。この勉強会は、営業改革コンサルタントの鬼頭秀彰氏(ZACCESS Consulting株式会社 代表取締役)が主宰し、営業をテーマにした講義と、少人数の参加者のフリートークで営業力を学び合い、人間力を磨くことをコンセプトにしている。今回のテーマは、「狙い通りの反応が得たい!営業ツールのつくり方」。NICeから5名が参加し、実践的な講義を受けた後、参加者それぞれが持参した営業ツールをもとに熱いディスカッションが行われた。


「営業白熱カフェ!」NICeコミュニティ



■勉強会の内容 

講義テーマ
「狙い通りの反応が得たい! 営業ツールのつくり方」

●商品・サービスはナマモノと同じ? 完璧!と思った瞬間にすでに衰退


営業活動で意識しておきたい“7つのポイント”「自立」「主導権」「スピード」「見切り」「Stay Foolish」「性格力」「他力本願」の中で、今日のテーマは「スピード」だ。新たな商品やサービスを提供しようとする場合、その完成度をどこまで高めてから市場へ出すかについて、鬼頭氏はその法則を以下のように解説し、スピードの重要性を述べた。

商品・サービスの完成の法則
・自分だけ、社内だけで考えたもの……完成度10%
・第三者の意見を聞いて改善したもの……完成度30%
・2〜3件を実際に受注できたもの……完成度50%
・事業として採算に乗ったもの……完成度70%
・これで完璧!と思った瞬間……すでに衰退

つまり、いつまでも完成度を高めることに執着し、悩んで市場に出さすにいると、所詮完成度の低いものしか生まれず、結局は時代に遅れ、どんどん価値を下げてしまうのだという。大切なことは、ともかく顧客や市場の反応をまず見ることであり、それに対応して変化をし続けること。営業に欠かせないポイントのひとつ“スピード”なのだという。その意識を持ち、常に改良改善をくりかえしていくことが最も重要だと述べた。それは営業ツールにも同様に言えることであり、そのうえで「狙い通りの反応を得るために」どのようにすればいいのか、今日の本題へと入っていった。

 

●ところで営業ツールの目的は何?

営業ツールというと、名刺、営業パンフレット、会社案内、Webサイトなどが思い浮かぶが、アプローチ用ばかりが営業ツールではないという。「そもそも、営業ツールは何を目的に使うのか?」と鬼頭氏は参加者に質問した。自社の商品・サービスの魅力をくまなく伝えるため? しかし、鬼頭氏によれば、「人はそれぞれの受け止め方、理解度が異なるものであり、また、つくり手側も感情が入りすぎて、営業ツール以上の内容を対面で話すケースが多々ある」と述べた。それにより生じるのが“ブレ”であり、失敗事例を交えて問題点を紹介した。

確かに、同じツールを用いても、相手の役職や立場によって理解度が異なることは多々あるし、プレゼンの場面では、書面に落とし込んでいないことも熱く話しがち。営業ツールの基本は、「営業する自分も、また顧客も、ブレないためのものであれ」という基本意識が重要なのだと解説した。

そのうえで、顧客のニーズを聞き出すため、説得のためなど、受注にいたる営業プロセスごとに営業ツールを使い分け、いろいろな場面ごとに使いこなせるツールをつくるべきであると強調した。

●相手が気付いていないものは、存在していないのを同じこと!

ここで鬼頭氏は、TV広告を例に挙げ、「相手(消費者または顧客)が気付かないものは、この世に存在していないのも同じなのです」と、耳が痛くなるような言葉を発した。いかに、“瞬時に相手に刺さる”かが重要なポイントであり、「存在していないのを同じ」という突き刺さるようなキーワードもまた、アプローチの基本である“瞬時に相手に刺さる”見本なのだという。営業ツールには様々なアイテムがあり、その活用時期や手法も営業プロセスで異なると学んだが、大事なことは、どの段階でも、情報を単に届けるモノという位置付けではなく、それぞれの段階ごと、ツールごとに、“相手に刺さるよう”努めることなのだという。

その事例として、大手量販店のトップへ営業した際の営業ツールを紹介した。そのトップ商談に要した時間は、わずか0.5秒という。使用したツールは、本来なら商談が進んで具体的な提案として後の行程で見せるような営業ツールだが、この事例では最初からトップへアプローチし、“瞬時に刺した”成功事例だという。
 
そして、鬼頭氏はこのほかに、実際にある建設会社で用いた技術資料などの営業ツールを回覧し、それがどのような目的で、どの段階で、どのように活用したのかを披露した(次回の営業白熱カフェ!では、この部分を詳しくレクチャーする予定とのこと)。
参加者からは、実物のツールに関する質問のほかに、自身の体験談や、自分のクライアントが抱えている共通課題についても話題が広がり、講義の段階から、すでにディスカッションが始まる熱い場となった。

  

●いざ、営業ツールのブラッシュアップ!

ここからは、今日のメインである、出席者が持ち寄った営業ツールのブラッシュアップタイム。さっそく3名が自身の営業ツールを示しながら、課題を述べ、各20分の討議を行なった。

化粧品・健康食品などの美容事業専門経営コンサルタント会社の代表である中野氏は、自社Webサイトとチラシについて。クレーム対応の専門家であり対応研修を提供する企業の代表である大村氏は、自社パンフレットと媒体利用について。広告宣伝、販売促進、広報活動および経営コンサルティング会社の代表である原澤氏は、その多岐に渡る事業内容の営業ツールと、新規事業について、参加者から感想や意見を求めた。

   

話しを進めていくと、それぞれのツールの表面的な良し悪しの問題ではなく、そもそも営業対象がどこで、そこに対して、どのようなアプローチをすべきかといった、営業プロセスそのものの見直しを含んだ討議となった。しかも、かなり具体的な方法まで意見が交わされていたので、相談者にとっては、有益なヒントが得られたのではないだろうか。
それぞれ持ち時間は20分ほどだったにもかかわらず、密度の濃い“白熱”ディスカッションとなり、あっという間に閉会時間となってしまった。商品・サービスは常に改良改善を続けることが大事であるのと同様に、営業ツールもまた、常にブラッシュアップさせ、営業プロセスごとに“瞬時に刺さる”ものを追求していくことの必要性を参加者で共有できたのではないだろうか。次回はさらに、つくり込みを学ぶという。楽しみだ!

  


▲今回のスイーツは、自由が丘のイギリス紅茶専門店「St.Chistophers Garden(セントクリストファーガーデン)」のイングシッリュスコーンとオーガニックラベンダーのクッキーをセレクト。BGMは同じくイギリスのMIXERのKITO(まだ日本ではほとんど知られていませんが、facebookで“KITOつながり”だとか)


▲写真右から、大村美樹子氏、中野啓子氏、鬼頭秀彰氏、原澤雅和氏


●主宰・講師の鬼頭秀彰氏より一言
「今日のディスカッションは具体的な内容ゆえに、レポートでその詳細を紹介できないのが残念ですが、参加者同士の『あ、それなら、こういうことも!』と、その場でどんどんとアイデアが広がり、積み重なっていくところが、とても面白く具体的な学びになったと思います。私自身、やっていて楽しくて仕方ありません(笑)。次回7月13日の第9回は、『受注に至るまでの営業ツールづくり、全体像について』をテーマに、今回同様にワークを主軸とし、『あなたの営業に、どのツールが足りないのか? それをどうつくり込むか』を一緒に考えたいと思います」

取材・文、撮影/岡部 恵

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