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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」67「人間好時節」



誓って言うが、運動不足とか、そういうことが原因ではない。
私のからだの節々は、生まれながらにして硬い。遺伝的なものだ。
現に、三つ年下の弟も、一回り年下の妹も、幼少時からカチカチだった。
だから私たち三兄弟は、胡座(あぐら)が大層苦手である。

その苦手な胡座を、私は長年強いられた。
小学校に上がると同時に柔道場に通い始めたのが、まずかった。

もっとも、禍転じて福となすというのは、よくあることで、
同門たちが胡座をかいて休憩している時、私はそれがいやで、
黙々と腕立て伏せや受け身の練習をしていたものだから、
道場主のおぼえめでたく、少年の部代表として武道館に派遣してもらい、
東京五輪金メダリストの岡野功五段に稽古をつけてもらう栄誉にも浴した。

だが、世の中やはり甘くない。胡座はしようと思えばできるが、
こと座禅となると、それこそ手も足も出ない。手は関係ないか。
まあ、どうあがいても足を組めない私は、一転、道場の笑い物になった。
以来、「禅」という字を見るだけで、私は暗澹たる気分になってしまう。

そう言えば、最近、体罰が問題になったとき、
禅寺関係者が、「背中をピシャリとやるのは体罰じゃない」と声明していたが、
同感である。板で打撃されるくらい何でもない。私には座禅自体が体罰だ。

さて昨年末、知人から「禅語こよみ」と題したカレンダーが送られてきた。
幼少体験の因果とはいえ、禅に対し、無知蒙昧なままの自分であることを、
恥じらう気持ちも多少あり、いい機会と思って綴られた言葉を読んでみた。
が、思想の体系がわからないせいか、まるで理解が進まない。

そもそも一度で理解しようという魂胆に無理があると考え直し、
今度は気を楽にして、書かれた漢文をつらつらと眺めてみた。
すると、あら不思議。すーっと心に染み込む言葉に出合えたりする。

春有百花秋有月、夏有涼風冬有雪。
若無閑事挂心頭、便是人間好時節。

どの季節もいい時期。だから世の中はいつでもチャンスに溢れている。
そう解釈した。人間(じんかん)は、世の中という意味。

この詩文を眺めているうち、すぐさまパロディが浮かんだ。
からだの硬さとは反対に、私の頭は柔らかい(笑)。

春有花粉秋有台風、夏有熱中症冬有凍結。
どの季節も「ろくな時期ではない」と、くさしてみたのである。

ところが、悪口を並べ立てたところで結局、「人間好時節」なのだ。
花粉対策、台風対策、熱中症対策、凍結対策、
どれもこれも、ビッグな市場を獲得できるチャンスばかり!

問われるのは、心の持ちようか。

景気が良くても悪くても、お金があってもなくても、
からだが柔らかくても硬くても、すべてこれ「人間好時節」。
さあ、いい一年の始まりだ。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第67号(2015/1/7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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