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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」93「真の「大岡裁き」とは?」



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<最近の発見>  真の「大岡裁き」とは?
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これを書いているのは2月3日。今日は何の日?と思って調べてみたら、
大岡越前守忠相が南町奉行に就任した日だそうな。
「大岡裁き」で知られる名奉行……と言われるが、
むしろ大岡は都市政策改革など、司法よりも行政で活躍した人物で、
自ら判決を下したのは、わずか1回だけというのが事実らしい。

ところが後世、講談や落語を通じて「名裁判官」に祭り上げられてしまった。
ご本人もあの世でさぞや苦笑いしているだろうが、
中でも『三方一両損』という落語に出てくる裁定内容は、さすがに首を傾げる。

Aさんが三両入りの財布を拾得した。Bさんの財布だったので、Bさんに届けた。
ところがBさんは、「落としたときに諦めたものだ」と言い張って受け取らない。
Aさんも「拾った金を自分のものにする男だと思われたくない」と、譲らない。

奪い合うのではなく、譲り合う江戸っ子気質が微笑ましい。
が、いずれにしても決着がつかないので、奉行所で裁定を受けることにする。

ここで大岡越前守の登場だ。
「ではその三両はいったん私が預かる。その上で私が一両加えて、
それぞれに二両渡す。二人とも三両得るところ二両だから一両の損。
そして、この大岡も一両の損。どうだ、文句はあるまい? ワッハッハ」。
「へへ~~~~~」、という話である。

無茶苦茶だ。これが判例になれば幕府の財政は破綻してしまう。
「三両落とした、拾った」というコンビが続出するのは目に見えている。

教訓。経営者たるもの、判断を下す際は、
後々同様の問題が発生したときも、同様の処置が取れるのかを考えよ。

かくいう私も、現金出納が合わず困った挙げ句、
自腹を切って帳尻を合わせてしまった経験があるが、これは過った判断だ。
経営者が取り組むべきは、問題発生のメカニズムの解明であり、
そこから再発防止策を講じることである。
なお、消えたお金は雑損計上し、後にお金が出てきた場合は寄付をするなど、
あらかじめ有効活用方法を決めておけばいい。

もし本物の大岡越前守が、例の財布拾得事件を裁いたとしたらどうか?
「では二人の忠義を汲み、江戸の町の改革のためにこの三両を使わせて頂く」。
そう言っただろう。これなら同様事件が発生しても、何も困ることはない。
その上で、都市政策担当者の大岡としても、おいしい話である(笑)。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第93号(2016/2/8発行)より一部抜粋して掲載しました。
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