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どうする?日本経済

反グローバリズム時代が始まった!


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

     第40回 
     反グローバリズム時代が始まった!
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【ビートルズは、英国のEU離脱を予見していた?】

半世紀ほど前のエピソード。
1969年1月、ロンドンのとあるビルの屋上から、突如、大音響が鳴り響いた。
あのビートルズの最後のライブとなった、ルーフトップ・コンサートだ。

このコンサートにおいて、3回も演奏されたのが、
後期ビートルズのヒットナンバー、『ゲット・バック』である。
実はこの曲、当初は『Don’t Dig No Pakistanis』というタイトルだった。
直訳すると、「パキスタン人は気に食わない、不要だ」である。

当時、パキスタンから流入してくる大量の移民が、
イギリス人労働者の仕事を奪っていると問題になり、
パキスタン人を排除しようとする空気がイギリス中に広まっていた。

人種差別を嫌うポール・マッカートニーは、その空気に一撃を!と、
逆説的な歌詞で曲を仕上げたが、かえって問題が大きくなると反対され、
結果、私たちが知る『ゲット・バック』に変更されたのである。
「Get back to where you once belonged」(元々いた場所に戻れ)という、
同曲の「決めゼリフ」は、元の歌詞の名残。


【「まさか」が二度続けば、それはもう、まさかではない】

それから47年を経た昨年、欧米が大きく揺れた。
「欧」は言うまでもなく、イギリスのEU脱退であり、
「米」は、トランプ氏の大統領選勝利だ。
世界をして、「まさか」と言わしめた2つの出来事の根は同じである。

イギリスでは、国境を越えてやってくる低賃金外国人労働者に、
半世紀に渡って仕事を奪われ続けた自国労働者の我慢が限界に達し、
アメリカでは、職場が国境を越えて出て行ってしまったために、
仕事を失った白人労働者の怒りが爆発したのである。

経済に国境はない。が、政治には国境がある。
昨年の「2つのまさか」は、世界経済の主流となったグローバリズムに対し、
それぞれの国の労働者が投票行動を通じ、
政治によって、ストップをかけようとした点で共通している。


【政治が経済を変えてしまう時代の到来】

この展開を、果たして経済学者は予測し得たのだろうか?
経済学の基本的な理論には、国民投票による変化や、
独裁的なトップの登場による変化といったファクターは見当たらない。
正直私も、ニュースを聞いた直後には、「まさか」と思った。
新自由主義の波に乗る多国籍企業の力を、
私自身、過大評価していたと認めざるを得ない。
加えて、イギリスやアメリカの労働者の窮状に無知だったと反省している。

今年の元日、日本商工会議所の三村明夫会頭は、
メキシコへの工場移転を予定していたアメリカの空調大手キヤリアが、
インディアナ州の雇用を維持することでトランプ氏と合意したことにふれ、
「強い圧力で企業の合理的な意志を曲げることは褒められない」と、
コメントを発表したが、上記したように、
現代は、政治が経済の姿を変えてしまう時代になっている。


【日本は腹を括り、官民合わせて内需創出に挑戦しよう】

では、日本はどうするのか?

第45代アメリカ大統領に就任したトランプ氏は、何も「変な人」ではなく、
たまりにたまった反グローバリズムパワーの代弁者と認識すべきである。
したがって、日本政府や財界は、トランプ新大統領が、
従来の世界経済体制に理解を示してくれるなどと決して期待しないことだ。

むしろ、国境を超えた生産や流通は、今後しばらくの期間、
停滞していくものと腹を括り、内需の創出に知恵と資源を投入してほしい。
というか、そうせざるを得ないはずである。

そうであるなら、私たち小規模事業者は、
あらためて、自分のまわりをよくよく見回す必要がある。
日本人の生活や、日本人の仕事において、不足する物事は何か?
今後、何が求められてくるのか? そこを捉えた事業展開を意識したい。

2017年は、「Don’t Dig No Globalism」の始まりの年である。

<一般社団法人 起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.50
(2017.1.23配信)より抜粋して転載しました。
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