最新情報最新レポートNICeとはつながり力NICeとはSNS代表から講演取材依頼ユーザーログイン

「事例に学ぶ! 新事業実現法」第2回 /白川正志さん(新潟県柏崎市) ものづくりと、空間・時間・仲間づくりを融合し、運動サポート&レクリエーション事業を展開

■□■───────────────────────────■□■
    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

     第2回
     ものづくりと、空間・時間・仲間づくりを融合し、
     運動サポート&レクリエーション事業を展開
■□■───────────────────────────■□■


┌───────────────────────────────┐
 新潟県柏崎市/NICe協力会員・白川正志(しらかわ・まさし)さん
 (株)笑足ねっと(わらかしねっと) http://www.warakashi.net/
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-koshinetsu
 
└───────────────────────────────┘

◆◆精密機器メーカーの3代目 脱・下請け!の思いから夢実現に着火◆◆

“つくり手の顔が見える商品”とはよく聞くが、逆に、
“つくり手”が、つかう人の顔を見る機会はどれくらいあるのだろうか。

そんな“つかう人の顔”、しかも満面の笑顔に出会えるのが、
柏崎市の中心街にあるジュニアとシニアの「運動あそび塾・しらさん家(ち)」。

ここで、一番人気の遊び道具が『ばらんすてっぷ』だ。
3人組を基本としたバランス運動促進遊具で、
足踏みボンベのような6個の膨らみがホースでつながれている。
そこに3人それぞれが両足を乗せて、手をつなぐ。
誰かが片足に体重をかけると、ホースを通じて他の人の足下が膨らむ仕組み。
とてもシンプルな仕掛けだが、やってみると実に愉快。
互いにバランスを取りながら支え合い、自然と笑い合えて、
“つながる”“感じる”“愉しむ”を体感しながら、バランス運動ができる。

これを開発したのは、「運動あそび塾・しらさん家(ち)」を運営する
笑足ねっと(わらかしねっと)代表の白川正志さん。

白川さんは、(株)白川製作所の3代目の代表取締役でもある。
同社は、工作機械や自動車エンジンのピストンリングの精密機器メーカーだ。
「将来、ハイブリッド車が主流となれば
下請け業者である我が社はどうなるのだろう」と、
33歳で経営を継いだ時、漠然とした危機感も抱いていたという。

脱下請けの思いは、その後、白川さんの夢を膨らませる源にもなっていく。
白川さんは大学時代、メカトロニクス分野を専攻し、
子どもの頃から、ロボットをつくりたいと夢見てきた。
それも、人の生活を豊かにするようなロボットを、だ。


◆◆大好きな祖母のように、笑顔と生きがいのある生活を◆◆

さらに白川さんは、自称・健康オタクでもある。
食事に気を遣い、体重体組成計で毎日、総消費カロリーや内臓脂肪レベルも測定。
コーディネーショントレーニングなどのレクリエーション分野も積極的に学び、
トレーナー資格も有し、オリジナルの手足遊び運動も考案してきた。

脱下請けの思いと、人の生活を豊かにするものづくり、健康づくりへの情熱。
その原点は、祖母かもしれない、という。
姉ふたり・末っ子長男の白川さんはおばあちゃん子だった。

その大好きな祖母が体調を崩し、入院して5日で亡くなった。
「ぴんぴんころり、人として理想の逝き方ですよ」と白川さんは言う。

ところが、福祉介護機器の研究会で老人ホームを訪問した時のことだ。
そこで暮らすお年寄りに笑顔がないことに気づき、衝撃を受ける。

ただ長生きすれば幸せなのか?
人と触れ合うことで、もっと楽しく、生きがいを感じられるのではないか。
「祖母のように最期まで元気でいてほしい」。そんな思いから、
白川さんはシニアの健康と生きがいのためのものづくりに着手する。


◆◆被災した子どもたちの遊びの場として開放、世代を超えた笑いの場へ◆◆

そして誕生したのが、バランス運動促進遊具『ばらんすてっぷ』だ。
当初はこれを自社で製造し、介護施設やシニア向けに販売する計画だったが、
エンドユーザーの笑顔にじかに触れたいと、
2007年1月、株式会社笑足(わらかし)ねっとを設立し、
元映画館を借りて、運動あそび塾『しらさん家(ち)』を開業した。

ところが、開業わずか3カ月後の7月、新潟県中越沖地震が発生する。
白川さんらは、仮設住宅への出張レクリエーションをはじめ、
被災して遊び場がなくなった子どもたちに対して、
運動あそび塾『しらさん家(ち)』を無料開放した。

これが機となり、白川さんらが用意した“遊び”の数々が、
シニアのみならず、子どもたちに喜ばれることを知ることになる。
仲間が集えばコミュニケーション能力もグンと向上する。
幅広い世代が集えば、街の活性化にもつながる。
こうして現在は、子どもからシニアまで、
さまざまな教室を企画提供し喜ばれている。

『ばらんすてっぷ』も今なお進化を続け、
新潟工科大学人間機械系研究室と連携し、学生たちからアイデアを募り
新たな遊び方の可能性が広がっているところだという。
また、全国の施設や教育の場に『ばらんすてっぷ』をリースし、
いずれ柏崎で、全国大会開催も実現したいという構想もある。

大学の卒業研究で白川さんがテーマにした「人と協調するロボット」。
その先に待っているものも、白川さんを突き動かす原動力も、
人の生活を豊かにするものづくり、つかう人の笑顔のため。
その思いに尽きる。


2013.1.21 「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.2
コンテンツ