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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第10回 /石田恵海さん ママ目線と編集者視点で共感の輪を広げ、ともに成長していける親子サークルを事業化


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

     第10回
     ママ目線と編集者視点で共感の輪を広げ、
     ともに成長していける親子サークルを事業化

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 東京都世田谷区/NICe協力会員・石田恵海(いしだ・えみ)さん
 株式会社つくるめぐみ 代表取締役/Restaurant愛と胃袋 オーナー
 おやこのおへそ 代表
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-tokyo/page/3
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◆レストラン開業半年で、自身が欲した親子サークル事業を開始

目に見えるモノがあると、人はそれに固執してしまいがち。
投資額が多ければ、なおさらモノをフル活用しようと意識が向く。
だが、店という“モノ”がありながら、柔軟に優先順位を組み替え、
ママサークル『おやこのおへそ』を事業化したのが石田恵海さんだ。

2011年9月、石田さんはご主人の信作さんと
全23席の和フレンチ「Restaurant愛と胃袋」をオープン。
こだわりの国産食材と、障害福祉のウェルフェアトレード品を多く取り入れ、
車いす利用者も楽しめるバリアフリー設計の、オープンキッチンの店舗だ。

開店当時、石田さんは生後8カ月の長男をおぶってホールを担っていた。
その姿に共感・安心してか、近隣の若い親子が来店するようになり、
ランチタイムには店先にベビーカーがズラリ並ぶことも。

子連れウエルカム!だが、食以外にも親子の楽しみを提供したい。
いずれは店を生かして、イベントを開催したいと考えていた石田さんは、
まさに0歳児を抱え、そのニーズを強く感じていた当事者でもあった。

今の自分にできること、したいこと……。そうSNSに書き込んだところ、
0歳からの読み聞かせや親子コンサートを企画・開催する
鈴木美美子さんからコンタクトがあった。


◆再び0歳児のママになれた喜びと学びを糧に、次々と人気イベントを開催

鈴木さんから読み聞かせの講師を紹介してもらった石田さんは、
2012年3月、『第1回ランチ付きおはなし会』を開催する。

これを機に、石田さんはママサークル『おやこのおへそ』を立ち上げた。
この時、石田さんのお腹には、7カ月になる元気いっぱいの次男がいた。

同年7月に出産。すぐに復帰したが、年子での出産や女性ホルモンの影響か、
いざ仕事となると効率が悪く、思うように動けない。
そんな自分に落ち込んだこともあったが、同じようなママもいるのではと、
『おやこのおへそ』会員へ配信しているメルマガに書いてみると、
案の定、共感の声が殺到。それがまた石田さんの次への力になった。

同時に、もう一度、0歳児のママをさせてくれてことに感謝しているという。
「0歳の時は毎日が慌ただしく、その時々で大変さが多かった。
それなのに、半年もすると忘れちゃうんです。
でも、年子で次男が生まれてきてくれたおかげで、
0歳児ママの当事者だからできることを次男が思い出させてくれたのです」

次男出産後、石田さんは次々と親子のためのイベントを企画し、成功させる。


◆ママサークルだからこそ異なる属性との交流を進め、継続のために事業経営を

講座やイベント実施のプロセスは、雑誌づくりと同じだという。
石田さんは長年雑誌の編集・ライティングを生業にしてきただけあって、
取材対象者を選ぶように、編集者目線で、
伝えたい企画内容にベストな講師を自ら探し、オファーしている。

一般的な親子サークルでは、講師を主宰者自身かママが行うことが多いが、
石田さんがこだわるのは、男女を問わず、ママにこだわらない講師の人選。
「ママ以外の男女や独身者など、異なる属性と交流することで、
ママ自身の視野が広がると同時に、子どもを持たない講師の方たちには
リアルに接することで、ママたちは何が困難なのかを知る機会になればと。
属性の異なりを超えた活動が、次につながっていくと思うのです」

ママもいずれ社会へ復帰する、その段階的な環境を応援したいと、
男女を問わず、ママ経験者に限らず、企画に最適な講師を選び、
講師報酬と経費を計算し、会場の規模と参加予定数を割り出し、集客する。
継続的な活動のためには、事業として成立させることが不可欠。
そんな経営者視点も欠かさない。

現在は、0歳児のおはなし会、3最児までのおとあそびの会などのほか、
『ママが復職にあたって大切にしたい子どもへの接し方 講座』、
『親と子のための叱り方講座』などの勉強会も企画。
会を重ねるたびにほかの子育てママサークルとの横つながりも広がっている。

今後、子どもたちの成長と共に、講座もイベント内容も変化するのだろう。
だが、「当事者の自分ができること・したいこと」という軸にブレはない。
たとえ何歳になっても石田さんが母であることは、不変だから。

2013.9.24 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.10

※その後、八ヶ岳に家族で移住され、
つくるめぐみ(Terroir愛と胃袋)女将としても活躍中。
http://www.aitoibukuro.com/

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