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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第22回/鵜飼岳展さん(愛知県名古屋市)異業種交流会の活動から発展し、郷土愛の育成と地域活性化に貢献するNPO設立


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

     第22回
     異業種交流会の活動から発展し、
     郷土愛の育成と地域活性化に貢献するNPO設立
    
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 愛知県名古屋市/NICe協力会員・鵜飼岳展(うかい・たけひろ)さん
 株式会社XYZ(エクシーズ) 代表取締役
 NPO法人 名古屋国際観光推進協議会 理事
 
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-tokai/page/2
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◆知らなければ誇れない。地域資源の魅力再発見の必要性を認識

故郷の魅力を、あるいは今暮らしている街の歴史や文化について、
どれほど語れるだろうか。しかも、誇らしく、堂々と。

名古屋市栄区で生まれ育った鵜飼岳展さんは、
仕事で訪れる京都で、住民たちの地元精通ぶりに驚いた。
「普通の住人が、『この路地には今から200年前に○○があって』と
まるで観光大使のように語ってくれるのです。
世界屈指の観光都市と言われるだけあって、
京都の人たちには郷土愛と誇りがある。果たして自分はどうか……」

飲食総合支援業(株)XYZ(エクシーズ)を2011年に設立した鵜飼さんは、
飲食店紹介をメインにした名古屋案内フリーペーパー
『PickUP!ナゴヤ』を隔月で発行している。
鵜飼さんはこれを単なる地域産業誌とは位置づけておらず、
交流があるようで実は少ない飲食業界とホテル業界とをつなげ、
連携してサービス向上を図ることを目的にしているという。
さらに鵜飼さんは、双方がリアルにつながれる交流会も主催。
だが、おもてなしをする側が、京都の人ほどに名古屋を語れるのだろうか。

「自分も語れるほど知らないなと、情けなくなりました。
なら学ぼうと、いざ取り組んでみると、実に面白い。
名古屋は城の築城から栄えた街で、なぜ、この地が選ばれたのか。
熱田神宮はどういうエリアなのか。知れば知るほど深く、
学ぶほどに愛郷の念が増していくと感じました。
魅力がたくさんあるのに、知らないだけ。だから誇れないのだと」

交流会仲間に話してみると、「実は自分も」という声が出た一方、
詳しいメンバーもいた。ならば自分たちで勉強会をしようと動き出す。
「これは観光業だけの問題ではなく、地域全体の問題ではないか?」
そう思った鵜飼さんは、魅力を知る場や機会を広げようと、
NPO法人設立を決意する。


◆熱い思いを語ることで共感の輪が広がり、千載一遇で強力な仲間も

法人設立へ向けて準備する中、強力な後押しとなる出会いもあった。
とあるホテルでの催事にひとりで参加した時のこと。
席を探していた鵜飼さんは、見知らぬ外国人の向かいに空席を発見。
合席してもいいかと声をかけると、快く迎えてくれた。
その男性に自己紹介をかね、活動構想を語ると、相手は興味津々。
それどころか大共感を得て、この後、NPO法人の設立メンバーに加わり、
副理事長に就き、活動を共にする仲に。

その男性とは、ラジオDJでもあるクリス・グレンさん。
名古屋在住20年のオーストラリア人で、
日本の戦国史・伝統文化に詳しく、名古屋城へは500回以上も通い、
甲冑具足師に弟子入りして自ら製作するほどの熱烈な日本ファン。
そんなふたりが意気投合しないわけがない。


◆郷土の魅力を広め観光都市へ。地域活性化と国際交流を

こうして2013年5月、NPO法人名古屋国際観光推進協議会を設立。
『名古屋城の魅力を再発見!名古屋城ツアー』をはじめ、
県外からも研究家や専門家を招いて、名古屋の魅力を学ぶ
「郷学」セミナーを定期開催している。今後はさらに、
名古屋城木造復元推進、次代を担う子ども向けのワークショップ、
外国人コミュニティとの交流、名古屋マニア&ファン拡充も計画。

「産業都市として出張族も多いのに、観光面では後進地域です。
また外国人も多く暮らしていながら、交流機会が少ないのも課題。
観光都市化と国際交流により、地域活性化へとつなげて、
ひいては日本経済にも寄与したいんです」

名古屋市民はもちろん、出身地に関係なく魅せられたファンが
ひとりでも多く、“観光大使”ならぬ“おもてなし武将”となり、
誇りと愛を持って国内外へ発信していく。
そんな未来を目指している。
知ることで互いを尊重でき、知ることで愛も誇りも生まれる。
人も街も、同じだ。


2014.9.24 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.22

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