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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第26回/前田政昭さん(東京都目黒区)デザイナーのキャリア&ライフワークの撮影活動が合致。個人の想いに応えるオートクチュールフォトブック制作


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

     第26回
     デザイナーのキャリア&ライフワークの撮影活動が合致
     個人の想いに応えるオートクチュールフォトブック制作

     
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 東京都目黒区/NICe正会員・前田政昭(まえだ・まさあき)さん
 amaguri bears creative 代表
  http://amaguribears.jimdo.com/
 てくてくま
  http://tekutekuma.jimdo.com/
 オートクチュールフォトブック FORM
  http://photobookform.jimdo.com/
 NICe会員情報はこちら
  http://www.nice.or.jp/category/members/members-tokyo
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◆デザイナー目線の創作活動から、個人の想いを受けたパーソナル撮影へ

デジカメや携帯ツールの機能向上で、誰でも簡単に写真撮影する昨今、
かけがえのない一瞬を撮ったはずの画像は、
その後、どう扱われているだろう。
データのままPCにお蔵入りか、数枚プリントアウトして終わりか。
それで撮影する側・された側、ともに幸せを感じることができるだろうか。

心にも、手元にも残して、幾度となく愛でてもらえたら……。
そんな思いを、ふと提案したことで、
オートクチュールのフォトブック制作の新規事業を始動させたのが、
グラフィックデザイナーの前田政昭さんだ。

デザイナーとして活動していた前田さんが、撮影に関心を持ったのは20代。
制作プロダクションに勤務していた時、
広告用写真の撮影に立ち会ったのがきっかけだ。

「被写体をただ美しく撮るのではなく、意図を持って演出し、
写真をひとつの作品へと創り上げていく面白さ。
ちょうどその頃、父から、使わないからと一眼レフをもらい、
ますます探究心がわき、プライベートで撮影するようになりました」

それから20年以上。
人物の生の迫力を、最終的な制作物をイメージしながらデザイナー目線で撮る。
そんなプライベートな撮影活動の中で、
「今を写真に」と望む個人が多いことを知る。

2006年に妻を亡くした前田さんは、さまざまな病気と闘う患者さんや
その支援者とのつながりがあった。
自然で最高に輝く今を引き出し、残すことで、
その人のクオリティオブライフに貢献したいと、個人からの撮影依頼を受け、
現在、Simply Pure 乳がん経験者がコーディネートするフォトサービス
http://simplypure7.wix.com/simplypure 
のカメラマンとしても協力している。


◆デザイン・編集の本業に、撮影をプラス。ワンストップで1冊のかたちに

新規事業のオートクチュールフォトブックは、そんな個人からの依頼で生まれた。
時々飲みにいく店で顔なじみになった“呑み仲間”との雑談がきっかけだ。

ある夜、家族旅行の話題になった時、家族持ちの男性が、
「自分で撮影すると自分は写らないし、子どもとのコミュニケーションも取れない。
カメラマン同行の旅をしてみたい。前田さん、撮ってくれない?」と話しが弾んだ。

面白い! けれど撮ったあと、何か形にしたいよね、と話が進み、
「僕は編集もできるから1冊のフォトブックにしては?」と提案。
こうして2011年、前田さんは2家族合同の1泊2日旅行に同行し、
撮影も編集もデザインも、前田さんがすべて担当して
20ページのオリジナルフォトブックに仕上げた。

翌年には、NICeの懇親会で、コピーライターの渡邊真弓さんと出会い、
前田さんの妻が生前製作したテディベアの作品と、渡邊さんの文章との合作
写真絵本『てくてくま』を出版。
さらに同年、またまた行きつけの店で顔なじみになった人から声がかかった。
「お世話になっている人の還暦パーティをプロデュースすることになった。
そのお祝いの様子を撮影してくれないか?」と。
聞くと、撮影画像はプリントアウトして渡す考えだという。
そこで前田さんは、フォトブックにして贈ったら記念にもなり喜ばれるのでは?と提案。
結果、予想した以上に大喜びされたという。

その後も、余命宣告された愛犬のフォトブックを、
自分が本当に満たされるオリジナルの写真集を、など依頼が続いている。


◆関わる誰もが幸せになれる、個人に寄り添うオートクチュールフォトブック

前田さんがデザインの世界へ進もうと決めたのは中学生の時。
美術の教科書で見たサルバドール・ダリの絵に衝撃を受け、
直後に、東京の百貨店で開催されたダリ展を観に行った。
生の作品に感激したのはもちろんだったが、それにも増して惹かれたのが、
会場で販売していた、1冊の作品集。
見事な装丁、美しい構成、1冊のそれは、統一感ある作品そのものだった。
「どういう人がこういうものをつくるんだろう?!」
調べてみると、グラフィックデザイナーという職業があることを知る。
ダリの作品集のように、手元に置き、幾度となく愛でてもらえる制作物を。

「商業デザインも撮影も好きですが、個人の想いに応えるフォトブックは、
1冊になった時の全体構成をイメージしながら
自分で撮り、自分で編集し、つくっていける。それが何よりも楽しいし、
できあがった時の先方の喜びようが、企業さんの仕事とはまったく違う。
こんなにも喜んでもらえるのかと、こちらが感激します」

ご縁を大切にし、本業も趣味もライフワークも総動員した結果、
自身も相手も幸せにできる新規事業を生み出した前田さんである。


2015.2.23 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.27

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