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「事例に学ぶ! 新事業実現法」第37回/野崎ジョン全也さん(大阪市浪速区)ひとり暮らし高齢者を笑顔にしたい。共感する同志をつなげ、“新しいご近所つきあい”で支える福祉サービスを事業化

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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

  第37回
  ひとり暮らし高齢者を笑顔にしたい。共感する同志をつなげ、
  “新しいご近所つきあい”で支える福祉サービスを事業化
         
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 大阪市浪速区/NICe賛助会員・野崎ジョン全也(のざき・じょん・まさや)さん
 NPO法人 ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会 理事長
 http://www.npo1182.com
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-osaka
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◆徹底リサーチで介護保険制度外に着目、望みやお困りを廉価でサポート

煩わしい、面倒くさいからと、近所つきあいを敬遠する若者が増えている
と聞くが、ひとり暮らしの高齢者へ、近所つきあいの安心感をと
新規事業を立ち上げたのが、大阪市の野崎ジョン全也さんだ。

「知り合いのマンションで数カ月の間に立て続けに高齢者の孤独死が発覚。
ショックでした。どうにかできないものだろうかと考えていた矢先、
たまたまニュースで、中国上海市が高齢化対策として、
“地域での見守り”という取り組みをしていることを知ったのです」

「日本でもご近所による助け合いのしくみができるのでは?」と
その当時、経営コンサルタント業を営んでいた野崎さんは、
心当たりのクライアントへ新規事業として提案。
だが賛同は得るも、どこも動かなかった。

「ならば自分で!」と、野崎さんは友人知人に声をかけ
400人もの福祉介護関係者にリサーチ。
現場の声を聞き、さまざまなニーズと課題に応えるべく、
介護保険制度だけではカバーしきれない日々のサポート提供と、
地域コミュニティの再生・発展を目指すNPO法人設立へ向け準備開始。

そして2012年10月、少額謝礼で双方の負担も軽く、誰でも参加できる
NPO法人 ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会を設立した。


◆高齢者を中心に、家族・医療・介護・ケア関係者の間を橋渡し

「コンサルと言っても、僕はオペレーションにまで入り込んでやるタイプ。
社会的意義も感じましたし、何よりこの事業ならフローが少なく始められる。
一緒にやろうという仲間ができたことも大きかった」

経営コンサル業を休業し、自らもスタッフとして高齢者のもとへ赴く。
ひとり一人の要望に応え、家事援助や買物代行などの生活全般から、
通院、外出、入退院など、ちょっとした「困った」をサポートする。

「こちらが考えたというより、日頃の会話の中で要望を知ることが大半。
目の前でつくった温かなお味噌汁が食べたい。懐かしい場所へ再訪したい。
そんなちょっとした目に見えるサポートから、表には出にくいご要望も。
昔なら、家族やご近所さんが当たり前のように助けていたようなこと、
ケースワーカーやケアマネさんが半ばボランティアで補っているようなこと、
そんな医療と介護の橋渡し、ご家族との橋渡しも担っています」


◆地域を越えて関係機関とタッグ。日本全国に“新しいご近所付き合い”を

大阪市平野区と松原市でスタートしたサービス地域は、
現在、全国へと広がりつつある。
行政、社会福祉協議会、地域包括支援センター、介護事業所、
高齢者住宅、病院など100を越える機関とも密接に連携。
また、生活面でのサポートに加え、2013年には日本初となる入院時身元保証を、
2015年にはお子さんと離れて暮らす方を対象にした合鍵管理、金銭管理、
入院特化型の身元保証、家族サポート、施設入所特化型の身元保証サポートも開始。

信頼を重ね、順調に展開しているように見える一方で、
デリケートな問題や法改正など環境変化にも直面している。

国は介護保険制度の見直しと法改正を重ね、
2018年度からは市町村事業として実施するよう、
「介護予防・日常生活支援総合事業」を推進中だ。
これにより自治体の負担が増し、地域差が生じ、利用者にはサービス低下、
介護事業所は利用者軽減になるのではと、さまざまな議論が交わされている。
野崎さんの事業にも影響が及びそうだ。

だが、国の制度では賄いきれない部分に特化し、
高齢者に寄り添ったサービスを提供してきた野崎さんたちは、
「ピンチはチャンス」ととらえ、
変貌する介護保険業界の動向を見据えつつ、
食材メーカーとの連携やファンドレイジングも構想する。

多少の煩わしさはあるものの心が通った“ご近所づきあい”。
今日からやろうと思っても、1日にして成り立つものではない。
日々の積み重ねで関係性を築いてこそ。事業もまた同じだ。


2016.2.22 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.39
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