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vol.241【シリーズ「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」第8回 物流に特化した人材派遣の新事業 「トランスタッフ・サービス」で、協働へと力走 



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Vol.241          2025.10.14 
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。


  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ

   起業は、し続けるもの。
   先輩たちのNICeな挑戦
 
   第8回 古沢 繁さん(埼玉県) 
 
   

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「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」

第8回 物流に特化した人材派遣の新事業
「トランスタッフ・サービス」で、協働へと力走

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起業することはゴールではなく、そこからが始まり。
出現する問題や予期せぬ出来事を乗り越えて、
一歩また一歩と、ステップアップしていくのが起業家の道。
そんな先輩たちの挑戦から学ぶシリーズ。

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 古沢 繁さん 1970年設立(2004年、専務就任) 
 埼玉県さいたま市岩槻区
 
 株式会社旭運輸 専務取締役
 https://www.asahi-transport.com/

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父親が創業した運送会社を兄弟で承継し、
兄が代表に、3歳年下の繁さんは専務取締役に就任。
特に兄弟で、膝を突き合わせて話し合ったりはしないものの、
2008年の燃料費高騰、その直後のリーマン・ショック、
そして、東日本大震災、コロナ禍と、いくつもの苦境を共に乗り越えて、
自然と兄弟の結束が強まったように感じているという。
また役割分担は、資金面や業界団体との関わりなど、いわば表側のことは兄、
お客さま対応や営業、人事面など内部、事業の新しいことは弟、
というように、おのずとそれぞれの得意分野で棲み分けが生まれ、
お互いに信頼し合っているそうだ。

そして、2018年、繁さんは新規事業へと挑戦した。
物流に特化した人材派遣業「トランスタッフ・サービス」だ。
始めた当時は「特定労働者派遣事業」の許可を受けていたが、
法改正により、「特定」と「一般」が一本化する方向が判明。
ならば!と改めて一般労働者派遣事業の許可を受けた。

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「私たちは、精密機器や高圧ガス容器など、
産業機材を主に扱う運送業が生業ですので、
人材派遣も運輸に付随したサービスです。
具体的には、配送先の企業さんの倉庫で、
フォークリフト作業をするオペレーターの派遣です。

せっかく許可を受けたので、お客さまにお伝えしたところ、
喜んでいただけて、ご依頼いただくように。
同時に、弊社の新規事業として本格的に推していきたく、
NICeでご縁ができたアートディレクターの西尾望さんに、
ネーミングも考えていただいて、
「トランスタッフ・サービス」と打ち出しました。
運輸に付随する人材派遣、という意味合いで、
トランスとスタッフの“ス”が融合しているんです。

人材不足はどこも課題ですし、
つながりのある企業や倉庫業界と協力し合って、
互いの課題にも立ち向かっていきたいと考えています。

ですが最初の頃、頭を痛めたのは、採用と定着でした。
リソースが“人”ですので、常に課題ではあるのですが、
面接を担当しているのは私。なので、離職者が出てしまうと、
人を見る目がないのかと、自分を責めたり、落ち込んだり、
そもそも自分は面接に向いていないのではと、苦手意識が増したり。
少しでも課題解決の参考にと、人事関連のセミナーなどで学びましたが、
時流もあってか、面接時に質問してはいけない項目やタブー知識が増すばかり。
毎日のように、課題の雨が降る、そう感じる時期もありました。
私にできることは何か、試行錯誤しながら、ようやくここ最近、
定着率が安定してきたかなと、少し感じられるようになったところです。

私が心がけてきたこと、今もしていることを挙げるとしたら、
弊社・配送先の企業・倉庫内の環境も含めて、
いかに安心・安全のための取り組みに徹しているか、
その点を社員へしっかり伝え、理解をしてもらうこと。
不安や不満も言いやすい、コミュニケーションしやすい関係を築くこと。
それと、月に何度か、私が倉庫へ顔を出して、
場の空気を自分の肌で感じるようにも努めています。
今のご時世で、雇用の安定はなかなか難しい面もありますが、
人と人との感覚というか、自分の手触り感を
これからも大切にしていこうと思っています。

逆に、想定外の嬉しいこともありますよ。
弊社のドライバーとフォークリフトオペレーターの間に、
自然と仲間意識が芽生えて、良好な人間関係ができていること。
私が介することがなくても、配送先の現場を接点に
社員同士が自然とつながり、信頼関係ができて、
モチベーションアップにもつながっている、
プライベートでもやり取りしていると聞き、とても嬉しいです。

現時点で提供している派遣業務は、フォークリフトオペレーターのみですが、
将来は、運送に関わる事務をはじめ、物流全般に関わる業務へと
サービスも広く展開していきたいと考えています。

運送業はとても地味ですが、地味なりに、粘り強く続ければ、
その先にチャレンジしたくなるような何かがある!と、ずっと思ってきました。

実は、前々から私の中には、
弊社のドライバーたちの第2の人生というか、
年齢を重ねて、ドライバーとしては業務がきつくなっても、
運輸の関連業務でセカンドワークを提供できれば、という気持ちがありました。

弊社に限らず、65歳以上の人の働く場はますます求められていくと思います。
そこにまた何か、新しい、トライする楽しみがきっとあるはず。
そう信じて、これからも地味に粘り強く、チャレンジしていきたいと思っています」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
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新規事業という言葉を耳にすると、
夢が広がる経営者もいれば、反対に恐れをなしてしまう経営者もいます。
ですが私は、どちらも正しくない反応だと思っています。

小規模企業にとっての新規事業の開発・開始は、
自社を存続させるための必要不可欠な打ち手であり、
それに取り組むことは、経営者にとって当たり前の仕事だからです。

私は常々、小規模企業経営者に対して、
「既存事業にプラスワンを!」と訴えています。

新しい事業をひとつ始めることで、
・本業のリスク回避
・季節や需要の波の平準化
・既存資源の有効活用による収益の拡大
・顧客満足度の向上
・柔軟な人員・資源配置
・経営者としての視野の拡大
といった、効果を獲得することができるのです。

そして、プラスワンのタネは、
既存事業の「すぐ隣」や「既存事業の中」に潜んでいます。

運送業の経営に長く携わってきた古沢さんは、
まさに、「本業の近く」に新規事業のタネを見つけました。

藪から棒に人材派遣業を始めたわけではなく、
もともと関係のある配送先の人員不足に目をつけ、
そこに人材を派遣するかたちで始めたわけです。理想的な着眼点です。

古沢さんはインタビューの中で、
「運送業は地味」と言われていました。

だから、新規事業に取り組むうえで絶好の業界なのです。

派手で話題になりやすい業界では、
次々と新たな商品やサービスが生まれていき、
競争は容易ならざるものがあります。

ですが、地味な業界は、
えてして新しいことに着手する競合が少ないものです。

運送業を核にして、その周辺で新規事業を起こし躍進する。
そんな古沢さんの今後が目に浮かびます。
傍から見れば、その躍進の仕方は地味でしょうけど(笑)。
(ますだ)



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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「NICeな挑戦」にご登場いただいた古沢さん。
毎日のように、課題の雨が降ると感じる時期もあった、
とのことですが、日頃からどのようにして、
気分転換やリフレッシュをされているのか伺ったところ、
お答えは、趣味のひとつでもある「走ること」でした。
「米粒を小瓶いっぱいに入れて上下に振り続けると、
米粒が徐々に揃って、整っていくのと同じように、
走り続けていると、その振動で、全身の分子が揃い
整っていくような気がするのです」とのこと。
それは身体だけでなく、気持ちも、思考も、心も、だそうです。
今月末には、茨城県水戸市で開催される
フルマラソンにご出場予定。
沿道からの「ナイスラン!」のかけ声の中、
気持ちよく快走されますように。

次号の「つながり力で起業・新規事業!」NICeメルマガは、
10月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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