一般社団法人起業支援ネットワークNICe

ユーザーログイン
最新イベント


お役立ちコラム



Column
NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」327号 「若きウェルテルの悩み」改め「喜び」



──▼─────────────────────────────────
<最近の発見> 「若きウェルテルの悩み」改め「喜び」
──▼─────────────────────────────────

起業セミナーの教え子(と言っても私より年長)に、
『シャルロッテ』というニックネームの女性がいた。

この人はいわゆる文学少女だったのかもしれない。
そう思って尋ねると、案の定だった。
シャルロッテはゲーテ作『若きウェルテルの悩み』に登場するヒロインの名前。

私や先輩たちが学生だった頃は、
インテリゲンチャの端くれたらんとする風潮がもてはやされ、
クラスメートの中に一人や二人は、必ず、
ゲーテやニーチェ、ヘッセ、ブレヒトなどの詩を読み耽る友がいたものだ。

人間とは? 生きるとは? 愛とは? 恋とは? 善悪とは? 
そんな問いに対するヒントが、
詩人たちの作品のどこかにしたためられている……。そう信じていた。

ところで『若きウェルテルの悩み』はどんな物語だったのか?
大雑把に言えば、前述のシャルロッテに恋をしたウェルテルだが、
実ることなく、日々悶々とするなか、最後は自死するというストーリー。

何ともかんとも「古めかしさ」が滲む粗筋である。

今どきは、悲恋の末の自死や心中(しんぢゅう)など、
文学はもちろん、エンタメの世界ですら流行らない。

恋愛を妨げる壁が低くなったからなのか、
あるいは人生における恋愛の地位が低下したのか、
もしくは恋愛感情そのものが湧いてこない人が増えたのか。
いずれにせよ、恋愛はもはや人生最大の重要事ではないようだ。

もちろん、恋愛をしなければならない道理はないが、
恋愛感情は、親元から独立し、パートナーと力を合わせながら、
自分の力で社会生活を営むための初期的な原動力になると、私は思う。

むろん、それだけがエネルギー源ではないが、少なくとも私は、
好きな人と一緒にいられる時間と空間を手に入れたくて、努力を重ねてきた。

あっ、そうか。なるほど。
ちょっとピンときた。

大事なのは、恋愛に没入することではなく、
「何かを手に入れたいと思って、努力を重ねる」ことのほうかもしれない。

言ってみれば、生き甲斐である。

確かに恋愛は人生を彩るが、
恋愛だけを生き甲斐として生涯を重ねることは不可能だ。

「○○のためなら、いくらでも頑張れる」。
そういう対象と気概があれば、人生を途中で終わらせる判断はない。

ウェルテルが恋愛とは別の心ときめく何かを見つけてさえいたら、
作品の結末はまったく違うものになっていたかもしれない。
ゲーテに言わせれば、余計なお世話かもしれないが。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第327号(2025/11.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 
 前の記事



最新のお知らせ NEWS
2025-12-11 08:02:09NEWS
 本日配信:NICeメルマガvol.245【シリーズ「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」第9回 専門分野の連携と協働、全国ネットワークを目指して、 福祉介護事業を志援する一般社団法人に法人化

プライバシーポリシー
お問い合わせ