増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」330号 頑張れ! 商工会議所・商工会の若手たち

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<最近の嘱望> 頑張れ! 商工会議所・商工会の若手たち
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ベテランと若手、どちらが信頼できるかと言えば、
やはり知識や経験、人脈、責任感の違いなどから、ベテランに軍配が上がる。
その差を顕著に感じるのが、商工会議所や商工会の職員だ。
前々号の「増田通信」や11月配信のNICeメルマガで、
役員借入金が多すぎて、株式譲渡が困難な会社のことを話題にした。
その案件で、「いや、まだ何か打つ手はあるはず」と気を吐いたのが、
当の会社の社長ではなく、その会社を支援する地元商工会の経営相談員だった。
あるいは、コロナ禍時代に話題を集めた事業再構築補助金。
採択を受けるため、当該企業に代わって、
難易度の高い申請書と計画書の作成を一手に引き受け、
一度、不採択になった後も制度のポイントを研究し直し、修正を重ね、
ついに採択を勝ち取るという、執念を見せる経営相談員もいた。
また、NICeが講師を受託している静岡県長泉町の副業セミナーは、
同町の商工会職員が、「副業の指導に長けている人物」を調べまくり、
結果、私に到達して、実施の運びとなった。
その熱意と誠実さには、頭の下がる思いだった。
これらの事例を担当したのは、すべてベテランの経営相談員である。
半面、若手職員の中には、不勉強かつヤル気なし、
という印象の人を見かけることがある。
中には、「一度文句を言ってやるか」と思ったら、
とっくに退職していて、居所すらわからない人もいた。
うーむ。なんだろう、この問題は。
商工会議所や商工会は、北海道稚内市から沖縄県与那国町にいたるまで、
全国2135カ所(商工会議所515・商工会1620)に設置されている。
つまりは、大半が地方に存在している。
ベテランたちが若者だった時代は、
地方にも少なくない数の小売業や卸売業、製造業や加工業を営む企業があり、
それらの多くが商工会議所や商工会の会員になっていた。
だから昔の若手は、会員企業の期待に応えるべく、努力したのだろう。
しかし、今はどの地域も会員企業が減少しているし、
残った企業の経営者も高齢化しており、
若手職員と膝を突き合わせてやり取りする、といった展開にはならない。
つまり、経営の現場に立って力量を高める機会が、若手にはあまりない。
にもかかわらず、事務作業だけはやたらとある。加えて、
ベテラン相談員たちからは、「何をやっているんだ!」と詰められる。
そういう空気に耐えたところで、人事異動もなければ短期昇進もなく、
仮に頑張ってみたところで成果報酬もない。
しかも、毎年、新人が入ってくるわけでもないので、
へたをすれば何年もの間、最年少のペーペー扱いを受ける。
まあ、やる気が出ない、その流れで退職するという選択も、当然か。
だが、ベテランたちは順次引退していく。
引退しなくても、最新のビジネス事情に段々ついていけなくなる。
だから、若手が商工会議所や商工会から消えてしまっては困るのだ。
むしろDXの推進、SNSの活用、移住者の起業、副業の開始、働き方改革などは、
若手のほうがフィットするテーマではないだろうか。
これらのテーマごとにプロジェクトを立ち上げ、若手にリーダーを任せることで、
彼ら・彼女らの意欲の醸成と支援力の育成を図ることもできるだろう。
地域の企業を支え、企業と共に地域経済を支え続けるために、
商工会議所と商工会には、思い切った若手登用を期待したい。
企業から感謝される喜びを知っているベテランたちは、
その喜びを若手も味わえるよう、道を付けてあげてほしい。心から願う。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第330号(2025/12.15発行)より一部抜粋して掲載しました。
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