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どうする?日本経済

年金不透明時代を、起業で生き抜け!




【自らの生涯は、自らで支える!】

9月末、独立・開業情報誌の『アントレ』(リクルート社)が、
先輩起業家と起業希望者との懇談会を開催した。
独立や開業にまつわる本音のぶつけ合いは、価値ある取り組みだ。

その日の先輩起業家の中に、人材紹介業を経営する50代前半の男性がいた。
聞けば、まだ開業1年という。なぜ、その年代で開業を?

「政府の動きを見ていて、老後は守ってもらえないと思った」。
自分が70歳になったときも、家族の生活を支えていようと思えば、
年金に頼る生き方は危険だと判断したという。
自らで、自らの生涯を支える仕組みづくり。そういう意味での起業である。


【現役を退けない、これからのシニア】

最近はいわゆる晩婚傾向であり、
50〜60代になっても、教育費などの負担が大きい人も増えてきた。
人材紹介業の経営者も、実際にそうだという。
加えて、自らや配偶者の「長寿」にも対応していかなければならない。

高齢化ニッポンの問題点は、多々指摘されているとおりだが、
そのひとつに、今後ますます、好むと好まざるとにかかわらず、
「長く現役でいなければならない」という課題が広がっている。

しかし、2012年の厚生労働省調査によると、
雇用確保措置を講じる企業の約83%が継続雇用制度を導入しているものの、
そのうち、「希望者全員を継続雇用」した企業は、43%にとどまるという。

こうした実態を鑑みて、今年4月、改正高齢者雇用安定法が施行された。
定年退職から年金受給開始までの「無収入期間」を発生させないという趣旨だ。
だが、「無収入ではなくなる」=「生活が成り立つ」というわけではない。
シニア層の選択肢に、起業が浮上してくるのはもっともだ。


【赤字に陥りがちなシニア起業】

事実、シニア層の起業は増加傾向にある。
『新規開業白書2013年版』(日本政策金融公庫総合研究所)によれば、
新規開業者の中に占める55歳以上の人の割合は、
この20年で以下のように増えている。

1991年……5.3% 1992年……4.4% 1993年……5.4%

2010年……19.0% 2011年……13.9% 2012年……12.1%

では、増加するシニア起業は、うまくいっているのだろうか?
残念ながら、そうとは言えない。前出の新規開業白書によれば、
開業後の業績が赤字に陥っている世代別の割合は、以下のとおりだ。

34歳以下……27.2% 35〜54歳……37.4% 55歳以上……45.5%

シニア層の実に半数近くが赤字である。
そうなる要因は複数考えられるが、私が思う最大要因は、
シニア世代のキャリアと社会のニーズが、一致していないことである。

たとえばシニアの仕事経験は、どこで培われてきたか?
製造業、建設業、運輸業、卸売業、公務などが大半だろう。
今からこれらの分野でビジネスを起こすことは容易ではない。
ゆえに経験のない(少ない)分野で起業するケースが多くなる。

また重厚長大業界の組織は、上意下達のピラミッド型が基本。
だが、起業すれば一転、自己完結とネットワーク参加が基本になる。
不慣れな専門分野と不慣れな働き方。これで好業績を望むのは難しい。


【企業も政府も、シニア起業支援に本腰を!】

どうすべきか?
日本経済新聞10月16日夕刊記事によると、
2014年夏から、政府は本格的にシニアの起業支援に取り組むという。
これはこれでいいことだが、「それでは遅い」という面もある。
せめて起業の基礎は、退職前にしっかり理解しておいてほしい。

つまり企業自身が、雇用する高年齢者社員を対象とした
起業・独立のための社内研修を実施することが望ましい。
政府には、その企業研修を評価する制度を用意してほしい。
もともとパワーも根性もあるシニアだ。学べば頑張れる。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>



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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.11(2013.1021配信)
より抜粋して転載しました。
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