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どうする?日本経済

NICeなビジネスプランコンテストは、未来を照らす


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

     第39回 
     NICeなビジネスプランコンテストは、未来を照らす
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【グランプリは、22歳の青年が提案した「会話型見守りサービス」】

今年で4回目を迎えたNICeなビジネスプランコンテストのグランプリは、
イベント参加者全員の投票の結果、群馬県の萩原涼平さんによる、
『孤独な高齢者を救う! Zoomを活用した会話型見守りサービス』に決定した。

萩原さんは今年度から地域おこし協力隊員として、群馬県甘楽(かんら)町に移住。
その地で出会った、明るく親切な高齢者たちに惹きつけられる半面、
各地の孤独な高齢者の暮らしに胸を痛めていたという。

その両方の思いを結合させる形で発案したのが、今回の受賞プランだ。
Zoom(テレビ電話)を使って、甘楽町の元気なお年寄りたちと、
各地の孤独なお年寄りをつなげて友達の輪を築き、広げていくサービスである。
出色は、趣味や興味が一致する人をつなげていくシステム。
そうした「生きる喜び」を提供しながら、同時に見守りも果たす仕組みだ。

とはいえ、高齢者がIT機器を使いこなせるのだろうか?
「できます」と、萩原さんはプレゼンした。
萩原さんが講師を務める、甘楽町の高齢者対象スマホ講座を通じて、
参加者が見事にスマホを活用する様子をリアルに報告。
この実績も、多くの票を集める要因のひとつになった。

高齢化社会ニッポンの課題解決を行政に委ねるのではなく、
ビジネスを通じてはかろうという、22歳の若者の心意気に、会場が痺れた。


【準グランプリは、女子大生が提案した「大学を使った子供の預かり」】

準グランプリに輝いたのは、大阪経済大学3年生の清水美子さん。
グランプリの萩原さんより1歳年下の21歳。若い力が上位2つを占めた。
受賞プランは『学生による大学での子ども預かりサービス「OKE」』。

大学の空き教室を使って、3〜12歳の子供を預かるサービスだ。
予約、送迎、習い事の内容、管理、セキュリティ、課金など、
クリアすべき課題すべてに実現可能な回答を用意して臨んだプレゼンは圧巻だった。
また収支予測の精緻さ、実施への強い思いも支持を集める要因となった。


【上位2つのプランは、いずれも「つなげる」ビジネス】

萩原さんのプランは、
元気な高齢者と、孤独な高齢者をつなげることで価値を生む。
清水さんのプランは、
使われていないスペースと、行く場所のない子供をつなげることで価値を生む。

上位の若者2名のプランは、奇しくも、社会的課題を、
人々が見逃している社会的財産を活用することで解決しようという発想である。

これまで日本の企業が「新しいもの」の提供に血道を上げてきた姿とは対照的に、
「今、あるもの」に着目し、生かし、両者win−winの関係をつくり、
その「結び目」に位置して、事業責任を果たすことで利益を生むモデルになっている。

萩原さんと清水さんの公共性の高さと着眼点の秀逸さは、
成熟社会にある我が国において、何を、どう始めればいいのかを明瞭に示している。


【日本の将来を明るく照らす、若者たちの起業家精神】

もうひとつ。
勤務先のハラスメントに悩み、苦しむ若い社会人が少なくない中、
2人のように、自らの問題意識と才覚と責任に依って人生を開こうとする若者がいること、
また、その若者の挑戦を後押ししようとする人々が多くいることは、
今の日本にとって、実に明るい材料である。

今回、ベスト5入りこそ逃したものの、奨励賞を受賞した6名の中には、
東北大学の笠井康平さん、早稲田大学の青木元太さんも含まれていた。

現在の起業は、かつての学生ベンチャーのように派手で、特別なものではなく、
若者にとっての、極めて現実的かつ有効な人生の選択肢なのだと実感した。


【異文化対応、防災備蓄、過疎対策。優秀賞3名にも高い共感】】

優秀賞を受賞したのは3名。
こちらの受賞者は、それぞれ30代、40代、50代である。
若者ばかりが価値を生み出すわけではない、
ということを示してくれた3名に、中高年世代を代表して敬意を表したい。

なお3名の受賞プランは次のとおり。

赤穂雄磨さん(東京都)
「ハラル恩典ガイドブックで三方よし 日本の飲食店・特産物の利用拡大へ」

市川ゆきひろさん(滋賀県)
「『ナリワイ』を応援する、 端数ワークの紹介システム」

長柴美恵さん(埼玉県)
「防災備蓄の社会的普及を目的とした
『防災備蓄のための収納を構築するプランナー』の育成事業」


赤穂さんは世界的にも我が国においても増加するイスラム教徒の人々が、
戒律に触れずに、日本での食事や暮らしを楽しめる方法を考案し、
またそれをもって日本の飲食店業やサービス業がチャンスを掴む方途を提案。

市川さんは、「仕事がない」ために生じる地方の人口流出に歯止めをかけるべく、
パート的・スポット的な仕事を効率よく組み合わせ、紹介するサービスを考案。
地元・滋賀県甲賀にちなんだ忍者装束でのプレゼンに、会場が沸いた。

長柴さんは、地震などの自然災害が頻発する日本において不可欠な防災備蓄を、
正しい知識に基づいて推進するプランナーを育成する必要性を主張。
「Stock! Beauty & Smart』こそ、日本国民の利益だと、高らかに訴えた。


全国78件のビジネスプランの中から一次選考、二次選考を勝ち抜いた
5組によって競われたファイナルステージは、
以上のような価値を参加者全員で共有する場となった。

グランプリをはじめとした5つのプランの実現、実施には、
言うまでもなく、大小さまざまな課題が存在している。
その課題を突破していくための知恵と情報と資源を、
NICeの持てる力を結集して提供していこうと思う。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.49
(2016.1221配信)より抜粋して転載しました。
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