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どうする?日本経済

NICeなビジネスプランコンテストを、日本の隅々にまで


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

     第50回 
     NICeなビジネスプランコンテストを、日本の隅々にまで
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【第5回ビジコンは、男女ほぼ同数がエントリー】

今年で5回目を迎えたNICeなビジネスプランコンテスト。
エントリーは過去最高の121件。
特筆すべきは、その内訳が男性61件、女性60件と、男女ほぼ同数だったことだ。

その勢いどおり、ファイナルステージに進んだのも、5名中4名が女性だった。
これまでも毎回、ファイナリストに女性が含まれてはいたが、
過半数を女性が占めたのは、今回が初めて。
そして、グランプリと準グランプリを獲得したのも、やはり女性だった。


【グランプリは、圧倒的共感を生んだ「学校では学べない社会体験」の提供】

イベント参加者全員の投票の結果、グランプリに輝いたのは、
愛知県名古屋市の佐々木亜由子さんによる、
『子どもの「やりたい」を見つける! 学校では学べない社会体験! 』だ。

一見、ボランティア活動のようにも映るタイトルだが、
佐々木さんは、事業の意義を十二分に訴えた上で、
どのように収益化していくかもしっかりとプレゼンし、
事業内容への共感と、プランとしての高評価をつかんだ。

佐々木さんは、こう訴えた。
「子どもが社会を体感し、将来の選択肢を広げられる、
ストーリー性のある体験型の教育サービスを提供したい」と。
実に的を射た主張である。


【子どもの「将来の選択肢」を広げることこそ、豊かな未来の基礎】

かつての日本の子どもたちは、自ずと多彩な職業に触れることができた。
私自身の経験を振り返っても、徒歩圏内に農家があり、町工場があり、
商店があり、旅館があり、工務店があり、寺院や神社があり、
医療や教育、鉄道や役場、会社や農協に勤務する人たちの家庭があった。
その環境で育つ友人たちとの付き合いの中で、特に意識することなく、
子どもの私は、職業に対する「向き不向き」や「好き嫌い」を判じていた。

しかし、高度経済成長期からバブル経済期にいたる過程で、
日本の「地域」は、その多様性をほぼ失ってしまった。

工場街、商店街、オフィス街、住宅街……。
経済効率だけを追求した国家的なゾーニング戦略の結果、
日本の国土はきれいに色分けされ、
子どもたちは、地域において「同じ色」しか見ることができなくなった。
これでは職業観を形成することは難しい。
だから現代は、子どもたちに対し、意識的に選択肢を見せてあげる必要がある。

子どもたちの幸せは、親の幸せの元であり、社会の幸せの元である。
佐々木さんのプランは、本当の意味での豊かな日本を再生するための挑戦である。


【準グランプリは、地方移住女性が挑戦する「地ビール」づくり】

準グランプリに輝いたのは、新潟県十日町市の高木千歩さんによる、
『クラフトビールで町おこし 「妻有ビール」プロジェクト』だ。

妻有は「つまり」と読み、新潟県十日町市や津南町一帯を指す古い呼称。
同地域は、日本有数の豪雪地帯であるが、その雪解け水が、
「魚沼産コシヒカリ」のブランドで知られる美味しい米を育て、
その美味しい水と米が、絶品の日本酒を生み出しているのはご存じの通り。
しかし、妻有地方には、地ビールがなかった。

「ないなら、作ろう」と、酒造素人の高木さんが壮大な計画にチャレンジした。
その夢の大きさと、それを実現に至らせる緻密さが、会場の評価を獲得した。
年が明けてそう時間を経ず、妻有ビールは完成・発売になる。


【2年連続で「地域おこし協力隊員」のプランが高評価獲得】

ちなみに高木さんは東京出身だが、ご両親の出身地である新潟県十日町市に、
地域おこし協力隊員として移住。そこからこの挑戦が始まった。

記憶に新しいが、昨年開催した「第4回NICeなビジネスプランコンテスト」で、
グランプリに輝いた群馬県の萩原涼平さんも、地域おこし協力隊員だ。

地域おこし協力隊は総務省が支援する活動で、今年でスタートから9年となる。
その中から、高木さんや萩原さんのような人物が輩出されたことは、
同活動の意義深さの証左かもしれない。


【迫力満点だった、優秀賞3つのプラン】

優秀賞は以下の3名の方々によるプランだ。

小倉健二さん(埼玉県)
NSCパワーアッセンダーで3つの守るを実現する。
(1.インフラを守る。2.人命を守る。3.ドローンやロボットを守る。)

川野真理子さん(東京都)
首都圏の飲食店にふるさと応援団が集う
拠点から始まる「何度も行く!ファンを作る!地域創生事業」

松山久美さん(愛知県)
「まちの保健室」づくり
妊娠・出産を経験した女性のための健康サポートシステム運営事業

小倉さんは独自開発した小型のパワーアップセンダーの実物を示しながら、
高所作業や難所作業を安全に遂行するための技術の価値を訴えた。

川野さんは、10年目を迎えたレストラン「なみへい」を一区切りさせ、
次の10年に向けた新たなチャレンジを開始すると宣言した。

松山さんは、行政や企業の「産後ケア」の不十分さを指摘し、
自らが中心になって、その問題を解決する事業を起こすと意欲を伝えた。


【生で5組のプレゼンテーションを聞けた参加者たち】

一次選考、二次選考を経て、12月9日にファイナルステージが行われた、
第5回NICeなビジネスプランコンテストは、上記の結果をもって閉幕した。

栄誉に浴したファイナリスト5名が得たものの大きさは言うまでもないが、
ある意味、もっとも、「いい思い」をしたのは、
その5組の素晴らしいプレゼンテーションを生で聞き、
その5つのプランに対して真剣に順位をつけた、
100名を超す会場の参加者たちだったのではないだろうか。
こういう経験をして、刺激を受けない人など、いるはずがない。

私たちはこれからも、NICeなビジネスプランコンテストを通じて、
日本の隅々にまで、起業の喜びを浸透させていこうと思う。

<一般社団法人 起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.61
(2017.12.21配信)より抜粋して転載しました。
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