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「第3回NICe全国定例会」レポート

「第3回NICe全国定例会」

 

2010年7月26日開催 第3回 NICe全国定例会

 

「第3回NICe全国定例会」は、プレゼンテーターに大阪府摂津市から株式会社日鐘代表取締役・永山仁氏を迎え、オープン間もない「NICeさんちゃ」を舞台に開催されました。

 


プレゼンテーターを務めた、
株式会社日鐘・代表取締役社長永山仁氏

 

 

野菜工場で子どもたちの情操教育と、

 

地域活性化がしたい!

 

どう広める? ほかにも活かせる?

 

 


 

【プレゼンテーション】

 

「ミニ野菜工場で日本を救え!小中学校NICe化計画」事業について
大手化学メーカーの製造請負会社として創業42年、社員数139名を有する株式会社日鐘・代表取締役の永山仁氏は、製造請負・人材派遣業のほかに、2009年からフォークリフト教習事業、2010年からは玉掛け教習事業も展開している。これらは、いわゆるリーマンショック以降の不況に立ち向かうべく、同社が有していた資材と人材をフルに生かし実現した新規事業であり、既存の経営資源を生かすことで新規参入を果たせることを見事に証明したモデルケースである。とはいえ製造請負一筋だった同社にとって、新規事業はまさにゼロからのスタート。その発案から実動、軌道に乗せるまでのプロセスを経て、社内には自然とアントレブレナーシップが芽生えたと永山氏は語る。そして今、同社ではまた新たな挑戦が始まっていた。それが、今回のプレゼンテーションで発表したミニ野菜工場プロジェクトだ。

 


開発した装置は、蛍光灯の光線と、液肥を循環させて
野菜を栽培する仕組み。実際に社内で栽培したリーフ
レタスをおいしそうにほおばる日鐘の前田和幸氏の笑
顔も紹介された

 

ミニ野菜工場プロジェクトとは、長年培った技術力を生かして小型の野菜栽培装置を開発製造し、それらを小・中学校に提供して、理科学習や環境・食料問題の教材にしてもらおうというもの。さらには、地域商店の協力を得て、子どもたちが栽培した成果物を販売し、疑似経営体験によりアントレブレナーシップの育成と、地産地消のサイクル構築を目指す。また、現在市内での栽培農家が1軒だけになった摂津特産の「鳥飼ナス」の栽培技術を伝承し、地域活性化まで図ろうという計画だ。永山氏は、社内に設置された栽培装置の仕組みと成果物について紹介し、目で見える発根状態には自身も感動したと、身振り手ぶりをまじえ語った。

 

教育現場への導入に関してはすでに着手しており、今年5月に摂津市長を訪問し、翌月には摂津市教育委員会に提案。装置1台を教育委員会へ無償提供し、栽培を体験してもらっているところだ。今年9月からは、市内の小学校10校の4学年3クラスに計30台を無料貸与したい計画で、9 月以降に、栽培から経済の仕組みまで網羅した教育カリキュラムの提供、12月には市内の小学校10校、中学校5校への導入と、装置提供の有償化を目指している。そして、いずれは摂津市以外の学校へも広めていく方針だ。

 

なるべく早期に有償化したいのは当然で、そのための策が課題ではあるものの、今回の定例会では、NICeならではの発想と知恵を望むとして、1.工場野菜に対するイメージ、2.栽培してみたい作物の種類、3.小中学校以外の設置・活用場所、4.コストをかけない広報の方法などについて意見を願うと述べ、プレゼンテーションをしめくくった。

 


ファシリテーターはNICeチーフ プロデューサー増田紀彦氏

 

【参加者からの提案、アドバイス、共感のコメント】

 

◆工場野菜に対するイメージは?

 

・画一化された野菜という印象(茅原裕二氏)
・おいしいのか? 自分が食べたことがあるのか、わからない(高橋光二氏)
・機械のような味がしそう。大地の味がしないのでは(石井英次氏)
・清潔な感じはするが、栄養価はどうだろう(村田健二氏)
・近未来的。スペースコロニーのイメージ(高橋慶蔵氏)
・工場という名称のイメージが良くない(北出佳和氏)
・無農薬で安心(清水洋美氏)
・工場という言葉の印象は良くないが、安定供給できるというイメージ(横山岳史氏)
・採れたてで新鮮(田中秀行氏)
・企業が参入しているイメージ(森英樹氏)
・生産量が天候に左右されない(原克也氏)

 


 

・農家の作業軽減ができるので、選択肢のひとつだと思う(相澤松吾氏)
・味がわからない。太陽に当たっていないので味のイメージがわかない(川田理華子氏)
・都会か地方か、年代によっても印象が違うと思う(松村彩子氏)
・健康的なイメージがない(蓮池陽子氏)
・消費地と生産地が近く、地産地消できる(田中秀行氏)
・アミューズメント施設のイメージ。擬似的な自然をつくっているところで体験コーナーが可能では(原澤雅和氏)
・葉姿がきれいなイメージ、虫食いがない(若新雄純氏)
・自然でないととれない栄養素があるのでは? (目次哲也氏)
・工場野菜とハウス野菜とでは、言い回しが違うだけ。なのにイメージが大きく異なってしまう(相澤松吾氏)
・工場野菜は味があっさりしていると聞くので、野菜嫌いな子どもにならないよう、最初に食べる野菜として適しているのではないか。徐々に濃い野菜の味になれていくような売り方もあると思う(田村康子氏)
・屋上で育てている小学校があるが、野菜への愛おしさが沸いてくると聞いたので、教育現場に導入することのメリットはあると思う(細谷裕代氏)
・食べたことある。確かに青臭さはなかった(吉田裕美子氏)

 

・畑でも、野菜工場でもようは「育った環境」を目にしているかどうかで、子どもは食べるのかもしれない(池田美佳氏)
・自分も工場野菜は味が薄いと思っていたが、実際に食べて濃さに驚いた。栽培方法によって異なるのだと知った(石田恵海氏)
・ワイナリーの中のレストランはあるが、畑の中では虫も来て子どもが嫌がる。でも野菜工場の中ならいいと思う(小林京子氏)

 


普段知らずに食べていた野菜が実は工場野菜で、
露地栽培だと思い込んでいたことに驚くメンバ
ーも少なくなかった

 


参加者から次々と意見やアイデアが飛び出した。
司会の佐藤浩司氏が書記を務め、発言を書きき
れずホワイトボード両面を使用するほどに

 

 

——–露地栽培は、太陽光で育ち、大地から多くのミネラルを吸収し、栄養価も高いと思われている。一方で、工場野菜は逆のイメージが多いことが判明した。しかし、露地栽培も人的な計画栽培であることに変わりはない。そんな固定概念を覆す話題が上った後、事業プランのメリットに付いての質問、意見が交わされた

 

・露地栽培の野菜の根は土の中で見えないが、工場産は根の状態を見られるのがいい(石井英次氏)
・根の状態を見たことがない。露地栽培は勝手に土の中で育って、健康にいいものだと思い込んでいた。成長過程が目に見えたら驚くと思う。売るという観点からすれば、食料自給率の問題からしても露地栽培は限界が来ている点を強調し、露地物と工場野菜の対比を示して販売してはどうか(若新雄純氏)
・どこでも設置できる点が野菜工場のメリットなので、太陽光と組み合わせてはどうか(小谷野幸夫氏)
・太陽光の水耕栽培は藻が増えるという負荷も教材には適していると思う。いっそ装置自体から子どもたちにつくらせてはどうか。野菜のおうちをつくるのは子どもにいい刺激になると思う(森英樹氏)
・装置からつくらせるのなら、低学年と高学年で学年通しで取り組むのも情操教育にはいいと思う(染谷光亭氏)

 

◆どんな作物をつくってみたいか、子どもが喜びそうな作物は?

 

・ニラとか三つ葉、自分が好きだから(森英樹氏)
・マンゴー、付加価値がありそう(高橋光二氏)
・液肥の色を変えて、いろんな色のキュウリ(小林京子氏)
・ハード型のキュウリ(細谷裕代氏)
・次々に花が咲いたり実ができたりするつる性の野菜(川田理華子氏)
・ぐんぐん伸びるアスパラガス(久田智之氏)
・栽培日記を書いてほしいので実がなるものがいい(南木正和氏)
・ジネンジョ。長くてすごい(横山岳史氏)
・レンコン。蓮の花も育ててもらって、公開して観光収入も(相澤松吾氏)
・その地域の特産の野菜(小谷野幸夫氏)
・○○小学校豆腐ってのも面白いし、何より、大豆の加工まで体験できる。日本の文化にもつながるのでは(池田美佳氏)

 

◆学校以外の活用場所は?

 

・童心に戻れるので、老人ホームやデイサービス(染谷光亭氏)
・特別支援学級や職業施設(石田恵海氏)
・地下鉄の駅通路。銀行もいい、金利に合わせて成長させる(笑)(森英樹氏)
・都会の大ビルのエントランスやエレベーターホール(若新雄純氏)
・地下鉄の通路はいいと思う。駅員ではなく通勤客が会員になって育てては(松村彩子氏)
・マンションの共有スペースで住人がシェアする(高橋光二氏)
・まぐろ漁船など遠洋漁業の船内(久田智之氏)
・刑務所(細谷裕代氏)
・アフリカに持っていく。日本の農業をアフリカで教えている人、知っています (吉田裕美子氏)

 

◆コストをかけずに広がる方法は?

 

・スーパーで野菜売り場に売る(北出佳和氏)
・回転寿司のように回転野菜工場(相澤松吾氏)
・教育や介護系のボランティア団体(横山岳史氏)
・冷蔵庫やシステムキッチンに組み込んでビルトインしてしまう(森英樹氏)
・移動野菜車をつくってデモする(相澤松吾氏)
・スーパー銭湯のように集客力があって、かつ健康志向の施設に置かしてもらったら、大勢の客が見るのでは(豊島大輝氏)

 


会場は、2010年7月14日にオープンしたNICeさんちゃ。
猛暑の中、都内を中心に栃木県、埼玉県、千葉県、神奈
川県、新潟県、愛知県、大阪府などからメンバーが駆け
つけ、定員オーバーの26名に。またUstream+Twitter
でのWeb参加者は14名も!

 

 

【プレゼンテーター永山仁氏の感想と今後の抱負】
すでに社内で議論を尽くしてきたので、もうアイデアは出切っていたと思っていたのですが、見事に覆されました。驚くような発想や知恵をいただき、とても興奮しています。正直、このプランでは皆さんが白けてしまうのではないかと不安でしたが、次から次と意見が出て、まるでスロットマシンでスリ−7を出した後にコインが山ほど出てくるジャックポットのようでした。これまで提供先を小中学校に固執していましたが、ほかにも販路があることにも気付かされましたし、現役の教育委員会のメンバーから具体的なアドバイスもいただけたので、まずは教育現場に注力して成功させ、販路拡大をしていきたい。「面白いぞ!摂津」と思わせるように頑張って、日本全国をワクワクさせたいと思います。

 

【新潟県小千谷市からNICe定例会に初参加した高橋慶蔵氏から一言】
ひとつの意見から、次々と発想が展開していくのを目の当たりにして、すごい集まりだと改めて実感しました。できるできないにかかわらず、個人の考えからはみ出していく面白さと、パワーを感じました。私のような風変わりな公務員をもっとNICeに引き込んで、さらにパワーアップさせていきたいと思います。

 

【ファシリテーター増田紀彦氏から一言】
永山さんのプレゼンはとてもわかりやすく、参加者が自分の視点や意見で答えられる質問項目もとても良かったと思います。生鮮品はどうしても従来の生産方法がいい、天然がいいという固定概念があり、新しい生産方式にアレルギーが生じやすいものです。しかし、そうした思い込みはあらゆる事業分野にも言えることで、根拠なく旧い方法がいいと思い込んでいるケースが多々あります。その意味でも、今回のプランは、野菜工場に限らず、固定概念に固執しない自由な発想を持つことの大切さを示してくれたテーマだと思います。今後の定例会も、参加者が自分の言葉で、生きている言葉で意見を交わし合い、刺激し合い、プレゼンテーターにとっても参加者にとっても有意義な会にしていきたいと考えています。

 


懇親会の前に、ワクワクさまの集合写真。
次回の定例会開催は9月。お楽しみに!

 

 

取材・文・撮影/NICe編集委員 岡部 恵
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