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わくわくなるままに/「虚礼廃止」は失礼です



出張帰りに覗いた新大阪駅構内のお土産売り場で、
「蓬莱」の冷凍肉まんをごっそり買い込んでいる人を見た。

関西みやげということで、ご近所さんだとか、会社の仲間だとか、
あるいは取引先だとか、そういうご縁のある方々に配るのだろう。

例えばの話だが、この人をAさんとすると、
Aさんから肉まんをもらった人の中のひとりBさんは、
当然、Aさんにお礼を伝えるだろうし、
今度はBさんが、Aさんを含む複数の人にお土産を配るかもしれない。

気持ちと経済の好循環である。

ところが、会社組織などが好んで使う「虚礼廃止」は、
上記のような、人の交流活動とそれにともなう消費活動に、
プレーキをかけてしまう考え方である。

「経費節約」と、ホンネを言えばまだいいものを、
お付き合いや感謝の気持ちや贈り物などの行為をひっくるめて
「虚礼」と言い放つのは、いくらなんでも失礼だ。

それに、自分が支出したくないから相手にも支出するなという姿勢は、
個人と個人でも、組織と組織でも、お互い様という意識を希薄にする。

何より、「人と人のお付き合い」という市場に展開している、
大小あらゆる企業の経営を、窮地に追いやってしまうことになる。

長引くデフレ不況の影響がこの問題の大きな要因だが、
もうひとつの要因も侮れない。

法人税法が贈答などを含む交際費的支出を原則、損金不算入にしている点だ。
これが企業の消費マインドを低下させているのは間違いない。
景況が上向くまで、このルールを思い切り緩和してみてもいいと思う。

とにかく、十把一絡げの「虚礼廃止」などという失礼な文化こそ、
一刻も早く廃止したほうがいいと、
お土産屋さんのレジで順番を待ちながら考えた。 .

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