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NICe関東×志成会 学び始めの会レポート



2012年1月14日(土)、東京・港区の女性就業支援センターで、「2012NICe関東×志成会 学び始めの会」が開催された。これは第7回NICe関東の頭脳交換会と志成会との合同開催で、プレゼンテーターもNICeと志成会からそれぞれ1名ずつ登壇し、豪華2部制で実施。参加者は東京都内を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県、さらに北海道からもNICeメンバーが参加し、総勢48名が年明けにふさわしい熱い学び始めを体験した。

■プロローグ



NICeの増田紀彦代表理事からのあいさつ。

「NICeと志成会と一緒に新年早々、思い切り脳に汗をかけるのがとても嬉しいです。世界は狭くなったと、いい意味で言われていましたが、流れが悪くなると、世界の狭さが日本にいろいろな面で影響を及ぼします。先行き不安だと、ニュースなどでも報道されています。ですが、あまりに周りをきょろきょろしていると、急速に移り変わる情勢に眩惑され、ビビるばかりになってしまいます。そうではなく、自分の足下をしっかり見つめて、目の前の仲間たちを信じて、力のある者同士がしっかりお互いの脳みそを交換し、知恵を出し合えば、どんなに時代が動こうと、必ず生き延びていけると思います。
自分だけなんとか生き延びようとするのではなく、人間が本来持っている共同性をもう一度思い出し、力を合わせて難局を乗り超え、感動を分かち合う。そんな時代の幕開けに今年をしたいと思います。その突破口が、本日の合同勉強会です。大いに他人の力のスゴさを感じ合って、いい成果を出していきたいと思います。よろしくお願いします」


志成会・代表 古屋文隆氏からのあいさつ。



「今年第1回めの志成会の集まりは、全国に起業家の仲間がいるNICeとの合同勉強会となりました。志成会は若手経営者・後継者が集い、切磋琢磨しながら学び合い、新しい価値創造を行っていくことを目的に2005年11月に設立しました。いろいろな企業が関わってきたことで、他業種へ進出したり、イベントを開催したりと、学ぶだけでなく、集まった人中心にコンテンツを広めることを大事にしています。また、歴史をつくろうという気概で、多くの指導者にお話をいただいています。さらにNICeと一緒にやる意味もそうですが、同じ志を持つ人とどんどん関わって、垣根なく、目的成就のために連携していこうと思っています。定期的に勉強会を開催していますので、NICeのみなさんも志成会へ、志成会もまたNICeへと相互に交流し、日本を元気に、世界をまたにかけていけたらと思います。今年は昇り龍ですから、それぞれのご発展に寄与していけたらと思います。今年もよろしくお願いします」


NICe関東・実行委員長 石井英次氏からのあいさつ。



「NICeは『つながり力で、日本経済と地域社会の未来を拓く』をテーマに活動しています。詳しくは、半公式ガイドブックに載っているURLでSNSを見てください。NICe関東では、頭脳交換会を定期的に開催しています。NICe内外から参加可能ですので、どうぞお越し下さい」
続いて、2月11日に福島市で開催するNICe大宴会in福島について紹介し、第1部のファシリテーターを務める横山岳史氏にバトンタッチした。


■頭脳交換会 第1部

ファシリテーターの横山岳史氏はまず頭脳交換会とは何か、イメージがどの程度つかめているかを参加者に挙手で問いかけた後に、こう説明した。

 

・頭脳交換会とは、プレゼンテーターの発表をもとに、各テーブルメンバーで意見交換をし、プレゼンテーターの課題解決に近付けていくこと。

その際のルールは、

・多種多様な価値観があるので、人の意見を否定しない、批判しない、批評しないこと。
・ネガティブな方向ではなく、プラスアンドで、面白いアイデアに乗っていくこと。
・相乗効果で意見交換すること。話題が横道にそれてもOK。ただし時々戻そう。
・奇想天外な発想もOK。そこから何か別のアイデア、ヒントが生まれることも大あり。
・卓上のお菓子は食べましょう。
 右脳の活性化に重要な役割であり、食べる=あごを動かす=脳が活性される。
 玩具もいじると手から脳に刺激になるので、いじろう。
・ペンと模造紙はフルに使い、メモしたりイラスト書いたり、脚色して書くのもOK。
 1色だとあきるので、なるべくカラフルに書こう。

質問:グループワークで意見を集約しなくてもいいのですか?
横山氏:2度に分けてグループワークしてもらいます。最初に事業の説明がありますので、それをもとに、1回めは各テーブルのメンバーでブレーンストーミングして発散していただきます。その後、各グループから、アイデアを1分ぐらいで発表してもらいます。そして2回めのグループワークで、より具体的なアイデアに集約してもらい、また発表です。この2回めで、他のグループのアイデアを取り入れることもOKです。

では、さっそく、プレゼンテーターの大村さんに、事業内容と持っているスキルを説明していただきます。テーマは、持っているサービスとスキルをどう活用していくか、です。


●プレゼンテーション
テーマ;「クレーム対応から次の一手は?」
株式会社アイビー・リレーションズ 代表 大村美樹子氏




「NICeネームはClaimQueenといいます。その名のとおり、クレーム対応の研修とコンサルティングをしています。ちなみに命名者は増田代表です」と場内をわかし、プレゼンをスタートした。

まずは、クレームに対する大村氏の姿勢から。“クレーム対応”というと、どちらかと言えばネガティブなイメージ、いやな感じと思うかもしれないが、クレームをチャンスに変える、対応担当者が楽しくなるにはどうすればいいかをテーマに取り組んでいると語った。事業内容は、クレーム対応・顧客対応のスキルをセミナーや企業研修で提供しているほか、個別のクレーム対応コンサルティング、産業カウンセラーの資格を活かしたメンタルヘルス相談などだ。

課題は、大村氏が提供するサービスに対し、クレームスキルアップの重要性に賛同してくれる企業経営者は多いものの、実際の成約になかなか直結しない点だという。その理由は、経営者が「自分(経営者)で対応できるから」という。このような企業経営者に、どのようにアプローチしたらいいか。また、他に利用したいサービスやノウハウがあるなら、その意見を聞きたいと述べた。

続いて大村氏は、起業動機を語った。もともと大手コンピュータメーカーに24年勤務し、商品企画、営業、そして顧客対応部門であるコールセンター統括を担ってきた。クレーム対応実績は1000件以上にのぼり、経験もスキルも豊富。だが大村氏が心を痛めていたのは、クレームそのものよりも、コールセンターの職場スタッフの心労だという。中には心の病になり退職したり、仕事へのモチベーションが上がらずに苦しんでいたりするスタッフも。そこで大村氏は、「クレーム対応する現場の人が楽しく働ける環境づくりをしたい」との思いから、起業を決意。心の病の原因は多種多様あるため、一から専門的に勉強しようと大学に入学し、臨床心理学研究に打ち込んできた。そして今春、大学を卒業するのを機に、専門知識を習得したバックグラウンドを生かし、事業を本格始動したいのだと述べ、プレゼンテーションを終えた。



●質疑応答
横山氏:サービスとスキルについて、もう少しつっこんで聞きたいという方、どうぞ。
Q:これまでで一番印象に残るクレームとその処理は?
大村氏:オペレーターの態度が気に入らないと個人情報を調べたお客さまがいて、そのオペレーターが心労から退職を余儀なくされました。もしあの時に私が割って入ればうまく解決したかもしれない……というのが印象に残っています。

Q:ほかに同じようなお仕事している方は? またその中で、大村さんの強みは?
大村氏:ビジネススキル研修のひとつとして提供している方がいると思います。私の場合は、心理学を体系立てて勉強した点、正確にアプローチできる点が強みだと自負しています。

Q:クレームに対応する側の心理だけでなく、する側も分析できるのか?
大村氏:電話対応で診断まではできませんが、ある程度予測でき対応できます。

Q:大村さんの会社として提供できる範囲や規模は? スタッフはいるか?
また、システム的な対応を望まれると思うが、会社のオペレーション、つまりコンサルを重視しているのか? それとも現場スキルが主か?
大村氏:痛いところを突かれました。私ひとりなので、ひとりでできる範囲となります。コンサルか現場研修かは、お客さまの要望によります。

  

Q:クライアントのターゲットは? これまでの企業規模、業種などは?
大村氏:業種は問わず、規模は従業員10〜100名くらいです。業種というよりは、接客と電話対応を必要とする会社さんからの相談が多いです。

Q:経験を生かしてコンピュータやIT関連企業を狙いたいのか? 現状の得意先は?
大村氏:大手メーカーは自社で持っているのでアウトソースしてくだされば、ですが、個人情報の取り扱いがあるので、研修対応はできますが、アウトソースは難しいのが現状です。業種は、エンドユーザー向けのお仕事をされているところがメインです。商材は無関係だと感じています。

Q:成約を阻む要素は何だと思うか? 対競合か、価格か、需要を感じていないのか?
大村氏:手応えは、経営者は自分で対応できるとのお考えが多く、需要を感じていないのだと思われます。

Q:組織づくりとありますが、労使間のクレームは考えているか?
大村氏:今は考えていませんが、人間関係という点ではあるかも知れませんね。
Q:そういう意見もアイデアとしてありか?
大村氏:はい。
Q:車の事故の場合、当事者間に入ると、双方納得しやすい、そういうのもあり?
大村氏:仲を取り持つコールセンターもあるので、ありです。

  

Q:そもそも小規模でエンドユーザー相手の企業ならば、クレームはチャンスと捉えると思うのですが、そうは取られないでしょうか?
大村氏:経営者はご自分では対応できる、でも現場の方々はスキルを持っていない、と。私は現場の方にお伝えしたいのですが。
Q:現場みんながスキルを養えば、明らかに業績がよくなります、というロジックは提示されないのですか?
大村氏:企業側はどうしてもコストに目がいくので。それこそ事例をつくってプレゼンすればいいかもしれないですね。
横山:その切り口を頭脳交換で上げていただければと。
Q:ですね!

  

Q:どのような研修で、期間は? また年間クレーム数が研修後はこうなったという実例は?
大村氏:これから本格的に動き出すので、まだ年間数値はありません。今関わっている企業さまは個別対応です。

Q:研修とコンサル、どちらが嬉しいですか? 研修で単発か、コンサルで細く長くか?
大村氏:どちらも好きなのですが(笑)。クレームは何もなくてご用聞きにならないので、企業さまは、何もないのにコストを掛けたくないのだと思います。経営コンサルのように業績でわかるものではないので、ちょっと違うかなと思っています。

横山氏:質疑応答ですが、どうしても自分の提案を受け入れてくれるかのジャッジを求めることがあります。私からひとつ大村さんに質問します。こういうアイデアは受け入れがたいというものがあれば教えてください。
大村氏:こんなお客さんに困ったとか、事例を話してください、と言われるのがあまり好きではなりません。というのも、クレーマーというのは企業側にとっては困る存在かも知れませんが、わざわざ意見を言ってくださるわけで、とても大事な存在だと思うので。そういう方を軽んじるような、面白おかしく話してというご要望はお断りします。

Q:企業研修して良かった事例をお話しください。
大村氏:窓口の方々に、こういう心構えをという話をした後、サービスセンターの成績が上がったというご報告をいただくと良かったなと感じます。

20分間のグループディスカッション開始!

  

  

  

●第1回目の発表タイム
横山氏:今の段階で、各グループ、こんな話し合いになっています!ということを発表してください。

・クレームは楽しい、こんな楽しいことはない。会社を楽しませようという話で、ここからさらに意見交換したい。

・クレームは期待の裏返しであり、ビジネスチャンス。クレームの多い会社がどれだけ減ったか社会実験して、効果を出し示すのはありかと。また、問題発生後の対処法を法律でどこまでクリアできるか。さらに、本を出版するとか、あるいはテキストにして事例に集めつつ本に、クレームに強い人材を生み出す権威的な立場を確立していただきたい。「俺はその大村さんの知り合いだぞ」と自慢したい、という段階。

・クレームはお客さまの声なので、ゼロにするのはいかがなものかという話に。現場が暗いのはその先が見えないからであり、その最後のハッピーな映像を集めてドラマ化したいなぁと。こんな解決してハッピーだと。また、各社のクレーム対応マニュアルをチェックさせてくださいという低いハードルで企業側に入り、従業員満足度&売り上げもアップします、という切り口はどうかという話に。

 



・クレームコンサルのニーズをなぜ感じてくれないのか。発生させないシステム、従業員資質の研修など意見が出たが、企業にどう売るかは事例集やソフトなどをつくってはどうか。また、隣の会社の事例が知りたいというニーズもあると思うので、同業種の事例を集約する。モンスターペアレントに困った私立の学校にターゲットを絞ってはどうかと。

・製造の開発段階からクレームは眠っているという話から、出やすい不満足と出にくい不満足があるので、分析してはどうか。クレームには顧客のお申し出やニーズが眠っている、つまりビジネスチャンスが眠っているので、クレームのポジティブな部分をマーケティングし、その部分を分析し、企業のデータベースをつくりますという提案はどうか。また、無料セミナーを開催し、成功報酬型の営業方法にするなどのアイデアが出たところ。

・顧客ターゲットを前提に展開。製造業のようにモノが見えているような業種は自社商品に自信があるのでクレームの考え方は薄いだろうと推測。しかし、無形の業種は興味があるはすなので、狙う業種を絞った方がいいのではないか。たとえば、ケーキ屋さんと不動産業のクレームは異なるのだから、業種絞りは重要では? また、担当者レベルと経営者との温度差は、経営者は情報漏洩を恐れていると思うので、大村さんひとりの強み、安心感を売りにしてはどうかと。

・クレームに関しては良くない印象から始まったが、クレームこそが財産だというところまで展開。この問題点を解決することでサービスも商品も向上すると。半年なり一年間なり、クレームを集めてデータ化することによって翌年改善できるという提案はどうか。また3カ月間お試しなども提案してはどうか。






横山氏:すでに具体的なことまで落とされているグループがありました。では、この後もう1度、ディスカッションしていただきます。今の発表から別のグループのアイデアを組み合わせるのもOKです。ただ、みなさん、今の発表を聞いていた大村さんの表情を見ていましたか? 大村さんが明日から動けるようなこと、ニーズに合ったこと、大村さんが「いいな。やってみたいな」という提案へ近付けるアイデアを、ここからもう一度考えていただければと思います。

 
小林京子さんが1回目のアイデアをホワイトボードにリストアップ。これを参考に、第2回目のグループディスカッションがスタート!

 


●第2回目の発表タイム

・クレームは財産にしないといけない。本人が言うクレーム、代理で言うクレーム、いろんなケースがある。大事なことは、言ってくれた人をファンにすること。また、受け手がオペレーターの場合は、その職場環境づくりもひとつ提案事項に加える。ミドルウエアの努力提案をすることで、鎮静効果などもあるとし、ゲートウエイにする。

・大村さんの事業拡大をテーマに話し合った。ひとつは、大村さんが入ったことでどのくらいクレームが減ったか実績、成功事例が必要。そのための案として、初回は無料で対応する。成功事例が集まったらメール発信する。それも1回ではなく続きがある読みもの形式で月2回くらいで認知してもらう。また、顧客対応システムはどうかという意見もあり。

  

・少人数でできることは何かを検討した。導入としてはマニュアルチェックを無料でという切り口。スタッフからもリサーチし、現場の味方となる。いろんな会社のマニュアルでいいところ取りもできる。また、現場はクレームをつける人の気持ちがわからないと思うので、クレーマー体験バスツアーを実施するのはどうか。そこで今まで受けた難しいクレームを実施してみる。ツアーの受け入れ先もまたコンサルに入っている企業とすることで、覆面調査もできる。1粒で3度美味しい企画になる。そして来年は、『世界一受けたい授業』に出演して有名になり、映画化、小説家。ドラマ化。いずれクレーム御殿を建てる。そこに私たちを招き、クレームブリュレ食べ放題でもてなしてくれる(笑)。

・実績がまだ少ない大村さんがいかに社長にアプローチするか。クレームの実例は楽しい、うまくいった&だめだったパターンの事例をクイズ形式で社長にぶつけてはどうか。こんな面白い切り返しでクレームは楽しいんだと思っていただく。事例集はNICeで集約でき、業種別にデータ化できる。続きは次回!

  

・1回目とがらりと変わった。どう説得したらいいかにフォーカスしたが、そもそも大村さんがしたいこと、違うのでは?と。心理学を学び、現場のメンタルヘルスがしたい、というところに気付いた。売り上げが上がるために役立ちます、は違うのではないかと。そこで、ひとつは大きな会社の中の多数のクレームの中にある、一握りの事例を扱ってみてはどうか。それが企業にとって致命的であるというアプローチ。方法は、研修会社の中に組み込む、また、事例を集めるアンケート案を考えた。

・1回めの他グループのアイデアをパクって話し合った。学校向けにモンスターペアレンツという案から、学園ドラマを製作する。ただし経費がかかるので、ここのメンバーで製作してはどうか。また、企業で頭脳交換会をしてもらう案。業界もいろいろあると思うので、どう対応するかクレームをテーマに頭脳交換会していく。その場合、どこの企業でも経営者が口を出してしまうので、口出し禁止で、社員同士でやってもらう。そのファシリテーターを大村さんが担う。最初は社内会議に無料に参加させてもらい、この社内頭脳交換を提案してはどうか。

・パンフレットやホームページを、提案型ではなく、解決型の結果をわかりやすくアピールする。ターゲットを絞る、たとえば病院。弁護士沙汰になる前に対応できるのは強みであり、病院にはプロパー、システム導入しているITなど、業種も様々あり、そこで企業を紹介してもらう。また、無料お試しのセミナーで知名度を上げる。クレームは社長が対応すると社員にそのノウハウは共有されない場合があるので、共有できるシステムづくりを提案する。また、システム業者と組んで、ホームページ作成を依頼するお客さんにオプションでつけてしまう。自動的にクレーム実例が集まるのでは。

  

大村さんの感想/
たくさんのアイデアをありがとうございました。事例をどう集めるのか課題でしたが、そうだ!NICeも志成会もある!とわかったので、みなさんのご提案を生かすためにも、クレームを教えていただいていいでしょうか?
参加者「いいとも!!」



拍手!!!


■頭脳交換会 第2部

休憩をはさんで頭脳交換会第2回めが開始。さっそくファシリテーターを務める小林京子氏から紹介された長谷川雅也氏がプレゼンテーション。

●プレゼンテーション
テーマ「地域主体の自然エネルギーの普及」
自然電力株式会社 長谷川雅也氏





世界中に自然エネルギーを広めたいとのビジョンを掲げ、メンバー3人で2011年6月に創業したのが自然電力株式会社だ。前職は、大型風力発電所を企画・建設・運営するベンチャー企業勤務。20万kW程度の風力発電所を国内外に設置してきた経験があるという。今日の頭脳交換会では、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーの中でも、太陽光のメガソーラーに特化してプレゼンしたいと述べた。

まず会社としての中長期計画を示し、現在は基盤づくりの段階だとしたうえで、創業から半年間の実績を挙げた。すでに長野県、千葉県、兵庫県淡路島でメガソーラーが稼動しており、九州2、3カ所の計画と海外でのコンサルティングも進行中。次に「メガ」の規模感を説明した。太陽光でいえば、100m×100m(1へクタール)の広さの土地にパネルを敷き詰めると、1メガワットの電力が出力でき、これは一般家庭300世帯分の電力消費量に相当するという。そして、メガソーラーとは、これと同等またはそれ以上の規模の大規模太陽光発電所を指すと説明した。計画では2017年前までに、福島第一原発の5基分に相当する500メガワットの電力供給を目指しているという。

提供するサービスは、発電に関わるすべて。つまり、発電所の開発(自然条件およびキャッシュフローのシミュレーション、電力会社との交渉手続き、各種申請、設計、資金調達補助)から、機器の選定、運送・建設、そしてメンテナンスも含む運営までのトータルソルーションだ。1メガワット規模で総費用は3、4億円。それら資金調達補助も含め、トータルで納入するのが我々だと長谷川氏は述べた。

太陽光パネルの耐用年数は20年であることから、導入から運営、メンテナンスまで、継続したビジネスモデルが確立でき、また市場規模は、ここ10年間で30倍の見込みとのこと。さらにターニングポイントとなるのが、今年の7月から施行される再生エネルギー特別措置法だと続けた。

施行により何が変わるのか。電力会社が電力を買い取る際の価格が、固定価格買取制度になる点が大きいのだという。その価格と期間は未定ではあるが、固定価格買取制度が導入されることにより、ビジネスとして安定し、採算がとれ、自然エネルギーの普及率も加速すると長谷川氏らは見ている。だが、さらに普及させるためには、「地域一丸」を重要ポイントとして展開したいのだと述べた。

「地域一丸」とはどういうことか。長谷川氏は、今までにないエネルギーのフランチャイズ化、地元の人が主体的に取り組めるようなフランチャイズ展開をしたいのだと述べた。これは長年風力発電に関わってきた経験からの教訓だという。風力の風車は、ジャンボジェット機を立てたほどの大きさがあり、低周波など様々な問題がクローズアップされ、地域住民からの反発もクレームも少なくない。そのため、自然エネルギーは賛成だが総論賛成・各論反対で、2005~06年ぐらいから風力発電の普及が止まっているのだという。この問題が、ほかの自然エネルギー普及の阻害要因にもなっているため、太陽光では「地域一丸」で賛同してもらえ、地域で取り組めるしくみづくりを推進したいと強調した。

そのしくみのひとつとして、資金調達を例に挙げた。過去の風力発電所の場合、1プロジェクトの費用約100億円は、大手銀行やベンチャーキャピタル、海外のファンドからの融資であり、地元の金融機関はノータッチ。住民も知らないうちに建っていたというケースが多いという。それでは地域住民に愛着が生まれるわけもなく、風車がうるさいから止めろ、とクレームになりやすい。だが、ヨーロッパでの風力発電成功事例では、地元が市民ファンドを募り、自分たちでコストを負担し、発電の売電利益は出資した市民へ還元されるしくみなのだという。こうすることで、市民はクレーマーどころか出資者であり受益者となるため、風車が止まっていようものなら「回してよ!」とサポーターになるのだそうだ。いかに設置地域の住民を主体的にした発電所をつくれるか。ここが普及のポイントであり、長谷川氏らの会社としても注力したい点なのだと述べた。

このような地域主体のスタイルで太陽光発電を普及させるために、どのような仕掛け、仕組み、アプローチがあればいいか。太陽光パネルには様々なサイズがあるが今回は、設置1ヘクタールのメガソーラーにフォーカスしてアイデアを願いたい、とプレゼンを締めくくった。


●質疑応答

小林氏:自然の中でも太陽光であり、メガソーラーに限定する。地域主体で動くために、どのような仕掛け、仕組み、アプローチがあればいいか。地域をクレーマーからサポーターに、主体に、そしてビジネスとして成り立つ前に、どのような仕掛け、仕組み、アプローチがあればいいかでした。では質問のある方、どうぞ。



Q:風力だとクレームの内容はイメージがわくが、太陽光ではどのような?
長谷川氏:これからなので、あまりないのかもしれません。が、反射は考えられます。今時点でのクレームはありません。

Q:メガソーラーに必要な最低限の投資、ファンドの条件は?
長谷川氏:1メガで約3、4億円です。1メガ、2メガ、3メガと上がればスケールメリットはあります。回収期間は10〜15年。ファンドは不特定の大人数なら匿名組合出資などです。その動きは震災後に『おひさまファンド』など出て来ています。小口を集めて屋根の上に設置し、発電したお金を分配するという方法です。

  

Q:送電線を使うのに電力会社の協力が必要になりますよね。電力会社の承諾が取れなければ、話はなくなる。また、太陽光パネルのメンテナンスについて教えてください。
長谷川氏:はい、必要なのは土地の合意そしておっしゃるとおり送電線です。電力会社の送電線がメガソーラーの設置場所から離れすぎていると、それだけコストもかかるし、電圧の状況も関係してきます。電力会社への申請手続きも当社で行います。また、メンテナンスは必要です。電圧が通らない陰ができ、ホットスポットという現象が起きると、そこだけ発電しなくなり、直列でつないでいるとことがすべてダメになります。ですのでメンテナンスは大切なのです。あまり、こういうことがメーカーから言われていないのですが、これまで業界がビジネスベースでやってない、イメージ先行だったからかもしれません。また、太陽光パネルのメーカーは、世界中にあり、中国も参入したことから、従来の50%にコストが下がってきています。アメリカのトップスリーの2企業が倒産しました。たぶん今年、さらに大きな動きがあるでしょう。メーカーと機種選定は慎重を期します。

 

Q:場所の問題、たとえば国立公園ではできないのでは? 土地の制約は? 
長谷川氏:日本は土地の制約条件が非常に多いです、国立公園にはもちろん設置できませんし、遊休農地の転用も弊害が多いです。国として農地確保を重視しているため、保守的な考えが根強いのでしょう。農地利用はかなり時間がかかると思います。

Q:雇用について、地域で進めるための雇用見込みは?
長谷川氏:残念ながら工場とは違うので、パネルのケアは数人でまかなえ、あとはリモート管理となります。建設に関しては地元企業に落としたいので、地元の建設業者にお願いします。また現地法人を設立して運営するため、固定資産税は地元に納税されます。

13分間のグループディスカッションスタート!

●発表タイム(各チーム1分ずつ!)
・コンテナを並べて屋根に設置し、コンテナの中は野菜工場に。雇用も生まれ、コンテナの仕組みそのものも提供できる。

・設置場所としてはショッピングモールの駐車場、工場の屋根、廃校はどうか。村おこしのような、テーマパークをつくり、通常の施設運営は太陽光でまかない、災害時にはその電力を各家庭や病院に。そうすれば雇用も生まれるのでは。

・企業誘致、経済的な同意性を求めない方法として、ギャザリングして規模が詰まれば、採算性が高まるのでは? つまり広い土地ではなく、趣旨に賛同する人を集めて、各家庭に配電してメリットを実感してもらったうえで、としたらどうか。

  

  

・雇用は大事であるというところからスタート。太陽光プラスの発想で、野生動物進入防止の電木、吹雪よけファザードに設置する。また陸地の代替として海はどうか。何艘も船を浮かべて船の屋根に設置し、運航させれば海洋環境に影響なく、またその船間で養殖もし、トータルに観光資源にもしてしまう。また水素は海外へ販売できるのでは。

・農地転用できないのは厳しいが、野菜工場はどうか。メガは難しいとのことで各家庭で可能なパネルを輪番していろんな地域に置き、トータルでメガにする。また学校や公共設備の屋上を利用し、企業広告により収入源にする。

  

・地域主体での出資を募るために、地方で土地活用したい人をターゲットにする。また初期投資ゼロのビジネスモデルをつくり、ファンドを募る。携帯電話やLEDもゼロ円でというビジネスモデルがあるので、それを拡大できればと。

・課題である設置場所と市民意識の賛同をどう得られるか。その両方を解決するには、地域の学校を使う。屋上を全面太陽光パネルにし、なおかつ多くの地域の人が集まる場所であることから、エネルギー祭りを開催したり、エコ教育の推進地として認知してもらう。全国各地から人が集まることで、地域の人には誇りに感じてもらえるので、賛同も得られるかと。

  

 

長谷川氏の感想/的を射ているなと、考えていることに近いなと感じるポイントが多々あり、確信を持てました。また時間があればお話ししたいと思います。ありがとうございました。

 


■エピローグ

5月26日に北海道帯広市で開催する「第14回NICe全国定例会」実行委員長・河村知明氏があいさつ。



「3月17日の福井県敦賀市の次の開催地は、帯広です! 広大な場所で、廃校の校舎を借り切る計画です。オールナイトで頭脳交換できる内容を考えていますので、みなさんお越し下さい。どうぞよろしくお願いします」



■第1部プレゼンテーター 大村美樹子氏の感想と今後の抱負

「頭脳交換会、期待を大幅に上回る素晴らしいギフトをいただいて、感無量です。
いくらSWOT分析をやってもなかなか事業のポイントが見えてこないのは、自分の目から強みの分析を行おうとしていたからだと気づきました。

自身のフォルムは、鏡に映して正面から見るだけでなく、横から見たり、下から見上げたりしないと多面的にはわかりませんよね。そんなふうに、求められるサービスは、他人から見て初めてわかるものだということも、今回の頭脳交換会で知ることができました。

ご参加いただいた方おひとりおひとりに、もっとご意見をお聞きしたいし、お礼の言葉も伝えたいです。みなさんのアイデアをもとに事業展開して、きっとクレーム御殿を建てて、ご招待しますね♪ 本当にありがとうございました。とっても楽しかったです!


■第1部ファシリテーター 横山岳史氏の感想

「NICe関東は、実験の場なの?と、思ったりします。年明け一発目、志成会さんとのコラボだったのです!!このコラボを通して、ひとつ大きな確信を得たように感じます。

それは“異文化との頭脳交換の重要性”というものです。そんなのわかってるよ!という声が聞こえてきそうですが、頭でわかっているのと、肌で感じるのは違うのですよね(笑)。ファシリテーションという役割を頂いて良かったと思うのは、こういった肌感を得るときだったりします。

メンバーの経歴の違い、文化の違いなど、これから先を進む上で、ある意味邪魔となりそうな違いを、乗り越えるのではなく、波乗り感覚で楽しむ時なのでしょうね。だからこそ、交流会に足を運び、頭脳交換という場に、継続的に関わっていきたいとも思うのです。
遺伝子レベルでさえ、そのことを承知しているのですよね…(笑)。最初にコラボの話を聞いたとき、とても心が躍ったのを憶えています。交わること、関ることで、心踊る機会も増え、益々、楽しい一年になりそうですね!!」


■第2部プレゼンテーター 長谷川雅也氏の感想と今後の抱負

「原発事故をきっかけに自然エネルギーは各方面で注目されるようになりました。しかしエネルギービジネスは関係者以外には馴染みのない世界かもしれず、そのため頭脳交換会でのテーマとして適しているのか不安もありましたが、結果的に非常に幅の広い業界から多様なアイデアを頂く事ができ大変有益な時間とさせて頂く事ができました。たとえば、農業と上手く組み合わせる方法として植物工場利用、小中学校をエネルギーと地域の共生の場として利用するアイデアをはじめ、直ぐに実行に移す事ができそうなものを多く頂くことができました。

一度に50人もの方に自分のビジネスに関するアイデアを頂く機会など、そう無いことですので、とても貴重な会だと思います。今後もこの素晴らしい頭脳交換会が育っていってほしいと思います。少し弊社が成長したフェーズで機会があれば、またプレゼンさせてください! ぜひ宜しくお願いします!!みなさま、ありがとうございました」



■第2部ファシリテーター 小林京子氏の感想

「まだお正月ボケが完全には治っていない頭に、バシッと刺激を与えるような頭脳交換会でした。年末からの打合せで志成会×NICeという図式は出会いの機会で、頭脳交換会ではお互いの属性を超えた交流を目指していましたが、まさにそのとおり。

ファシリテーターとしては、長谷川さんの『自然エネルギーの普及』に関する参加者の基礎知識のばらつきをどうカバーし頭脳交換会を盛り上げていくかが課題でした。始まってみれば心配無用。長谷川さんの初心者でもわかるプレゼンと、ひとりひとりの積極的な“興味=知りたい”で、時間を切るのがむずかしいほど、たくさんのアイデアが出ました。
4時間はあっという間、もっともっと話したい~と言いう気持ちを胸に懇親会に突入しました!」


■志成会 代表 古屋文隆氏から一言


「学び始めの会を開催して頂き、会の垣根を超えて、活発なやりとりが繰り広げられた事に志成会代表として大変嬉しく思っております。大村さん、長谷川さんのプレゼンと、それぞれの事業を発展させるための頭脳交換会。様々な規模・分野・業種から集った方々による建設的な意見交換から、当事者としての意識を醸成する興味深い交流になったと感じています。ここから事業創造、連携へと広がっていくことで、個々人のつながりが、会のつながりへと発展し、これからの日本の発展へとつなげていければと思います」


■NICe関東 実行委員長 石井英次氏から一言

「先日の学び始めの会は、志成会との共催でしたので
いつものNICe関東とは違う雰囲気と人数の中で、どうなるか?
といった不安もありましたが、大成功に終わったと思います。

ひとつ修正点をあげるとしたら、“時間”ですかね。

プレゼンテーターがふたりということで、
あらかじめ時間配分などは考慮していましたが、実際には時間が足りなく、
特に2部の長谷川さんの事業に対する頭脳交換会の時間が極端に足りなく感じま
した。

今回は大きな刺激を受けることができた学び始めの会だったと思います。
プレゼンテーターさん、参加者の皆さん、スタッフの皆さん、
ありがとうございました」



取材・文、撮影/岡部 恵

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