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頭脳交換会 in いすみ(なみへい合同会社主催 NICe協力)開催レポート







2018年6月30日(土)千葉県いすみ市役所で、なみへい合同会社主催 NICe協力により、頭脳交換会inいすみが開催された。頭脳交換会とは、プレゼンターが自身の事業プランや課題を発表し、それをもとに参加者全員が「自分だったら」という当事者意識で建設的なアイデアを出し合い、問題解決へと前進するNICe流の勉強会のこと。今回は、第5回NICeなビジネスプランコンテスト(2017年12月開催)で本選出場・優秀賞を受賞した川野真理子さんが代表を務めるなみへい合同会社が、「平成30年いすみ市地域の魅力活用及び情報発信業務受託者」となり、事業の一環としていすみ市で「頭脳交換会」を開催するに至った。地元いすみ市を中心に、千葉県内の各市町村、さらには福島県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県から47名が参加した。

▼司会進行は、NICeの小林京子理事 ▼いすみ市役所 水産商工課 石井克己課長補佐


事業をなみへいへ委託した、いすみ市役所 水産商工課 石井克己課長補佐から、ごあいさつといすみ市の紹介をいただいた。

「千葉県の房総半島南東部に位置するいすみ市は、2005年に夷隅郡夷隅町(いすみぐんいすみまち)、大原町、岬町が合併し誕生した市です。
海あり山あり川があり、とても自然が豊かです。日本各地で地方創生に取り組んでいますが、いすみ市も同じく、地域の魅力発見・発信に力を入れており、“食の街いすみ”を推進しています。いすみは、海・山・里山の幸も豊かで、イセエビやアワビなどの高級食材もそろってはいますが、ただ素晴らしい食材が豊富、で終わらせるのか、それらを発信していくかで、大きな差が生じると考えています。地域の生き残りをかけて、食を通した活動を進めているところです。今日は、日頃から地域の活性化に取り組んでいらっしゃる5名の方が相談者として登壇されます。ぜひ、いすみを助けると思って、活発なアイデアやご意見をどうぞよろしくお願いいたします」

主催者、平成30年いすみ市地域の魅力活用及び情報発信業務受託者 
なみへい合同会社・代表社員 川野真理子さんから開会のあいさつ。

「今日はご参加くださりありがとうございます。今年1年、いすみでは大変お世話になると思います、この場をお借りして改めてよろしくお願いいたします。
業務受託の際に何度も、『いすみの風土を魅力を市民へ知らせて』という言葉を耳にし、書面にも5回も書いてありました。市民へと。今年2月に、東京のなみへいで、いすみ特集を開催した時(1カ月間に渡り、特定地域のメニュー提供と情報配信でその地域活性化を推進)、お客さまから『いすみって何県? 千葉県だったの! イセエビで有名なの? 知らなかった』と。これはいすみを宣伝しなくては!と、なみへいがこれまで築いてきた多くのネットワークを使って、いすみを知らせるぞ!とますます燃えました。そのイッパツ目が今日の頭脳交換会です。いすみで開催、ところが、私にはいすみでのネットワークがありませんでした。市民のみなさんはどこにいらっしゃるのかと、今日の開催に向けては実にたくさんの方に力をお借りして、情報を広めていただきました。
NICeとは古くからのご縁があり、日本中の地域で頭脳交換会を開催しています。地元の人の課題をみんなの頭脳を交換して解決のヒントへとつないでいく、という面白いワークショップです。これをいすみでやりたい!と協力を仰ぎ、安心してお任せしました。今日は2時間の長丁場ですが、どうぞよろしくお願いいたします!」


つながりワークショップ お楽しみ自己紹介


ファシリテーター 小林京子NICe理事

スタートは、NICe恒例の「つながりワークショップ」。これはNICeの集いで必ずオープニングに行うオリジナルの交流ワークで、名刺交換や肩書きだけではわからない、その人の“人となり”、人としての経験や資源や想いを短時間でわかり合うという自己紹介プログラム。



考案者の小林京子理事から、「まずは、ウォーミングアップから始めましょう。普通の自己紹介だと、『初めまして。私はこういう者でこういう会社で』と、固いところから知り合いますが、これは、柔らかく、人と人として、目の前にいる人はどんな人かな、というところから始める楽しい自己紹介です。みなさんへ配布している『つながりQ』シートに、これから記入していただき、この後、それを使って自己紹介をしていただきます。では3分間で記入してみてください」




記入タイム終了後、グループごとの自己紹介を始める前に、小林理事から全員へ、どこから参加したのか、挙手で聞いた。やはり千葉県勢が最も多く、遠くは愛知県から、福島県からも、と紹介されると、場内から歓声と拍手が自然と沸き上がった。続いて、いすみ市内からの参加者へは、いすみの自慢は? 市外からの参加者には、いすみのイメージは? とお題を投げかけ、場内を沸かした。



「市外からの方は初めていらした方が多いのか、いすみのイメージはこれから、ですね。では、各グループでシートを見せ合いながら、自己紹介してください!」



ほとんどの参加者が初対面、半数以上がつながりワーク初体験にも関わらず、あっという間に和やかな雰囲気に。このワークは、過去どこで開催しても必ず、自然と拍手と笑い声がわき起こる。





「ありがとうございました! 短い時間でしたが、グループの輪ができたように見えました。では、ここからは頭脳交換会です。NICe代表・増田が進行いたします!」と増田代表へマイクをつなげた。



頭脳交換会

 
ファシリテーター:増田紀彦NICe代表理事



「こんにちは。初めまして、の方も多いと思います。辿れば、知り合いの知り合い、という方もいらっしゃるかもしれません。今日は、いつも私の自宅前の直売所で、一宮から野菜を売り来ている女性も参加してくれました。初めての方も多いですが、誰かの知り合い、そんないろいろなご縁の線があると思います。知り合うことで、ならばこの人のために、と考え、いろいろなアイデアが出てくることがあります。普通の会議だと、なかなか意見もアイデアも発言されないものですが、この頭脳交換会は、驚くほど出ます。まるでテンションが高い小学生の集いのようです(笑)。全国各地で開催していますが、必ず盛り上がります。
今日は5人の相談者が登壇しますが、経営者というのは当然のことながらご自分でも課題解決へ向けてあれこれ考えていますよね。が、今日は参加者が40人以上ですね。ひとりでうんうん考えるのと、40人で考えるのとでは、どちらが早いか、多くの考えが浮かぶか、です。ひとりの頭の中には、常識もあるし、しがらみもあるし、思い出せる範囲も限られています。自分が思い出せる範囲は、自分ひとりでは越えられません。しかし、40人のいろいろな種類の脳みそで考えると、40人が体験してきたこと、40人が知っていること、知恵も知識も40人分と、それだけ豊かな頭で考えることになり、思いもつかなかったアイデアがどんどん出てきます。相談者にとって、とても有難いことですが、相談者だけに良いのではないのです。みなさんもまた、異業種の役に立てることが言えた、アイデアが浮かんだと、ご自分の可能性が広がっていくことを実感できると思います。傍目八目で、異なる業種、異なる経験、異なる立場だからこそ、距離を置いて見えてくる。そんな可能性を感じていただけると思います。これから相談者に課題を投げていただきますが、ひとつだけお願いがあります。否定的な意見ではなく、前向きに発表者の立場になって、応援しよう!という気持ちで、楽しみながらアイデアを出し合ってください。では、さっそくおひとりめ、いきましょう!」


相談者1

出口幸弘さん(千葉県いすみ市)
いすみ市商工会 会長・大原漁港「港の朝市」運営委員長

http://www.isuminavi.jp/minatonoasaichi/

テーマ:5年目を迎えた港の朝市の今後について。
港の朝市は周知され、 以前に比べるとファン増えている。
しかながらリピーターは横ばい傾向、
新規のお客さんが伸び悩んでいる。
どうすればリピーターが増え、新規のお客さんも増えるか?




いすみの活性化に長年尽力され、酒店の経営者でもあり、大原漁港で毎週日曜日に開催する「港の朝市」運営委員長でもある出口さん。5年前にゼロから朝市をスタートした当時のことからお話しいただいた。月に1回・第3日曜日の開催からスタートし、当初は「3回くらいで終わるんじゃ?」と囁かれたそうだが、回を重ねるごとに賑わい、毎週開催を目標に掲げ、2年前にはそれも達成。現在は毎週、出展者90近くが入れ替わりに店を出し、1回あたり平均で25、26店舗が並び賑わっている。出口さんらは、出展数100店、年間売上10億円、そのくらいの経済活性化になるような取り組みを目指して奮闘していると語った。
ここで出口さんは参加者のみなさんへ、「朝市に来たことがない人は?」と声をかけた。半数以上が挙手したのを見て、「残念ながら、まだまだ知られていませんね、もっと有名にしたいです」と話を続けた。
みなで力を合わせて運営しているが、どうしたらさらに出展者も増え、売上も上がり、地域により貢献ができるか。どうすればリピーターが増え、新規の来場者が増えるか。お知恵をいただきたいと願った。

グループでの話し合いの前に、質疑応答。
「開業時間は?」
「朝8時から12時までです」
「リピーター横ばいで、新規も伸び悩んでいる、と言うが、それは出展者のことか?来場者のことか?」
「両方です。地域外からのお客さまが多いです。だいたい2000~3000人、年間で10万人。アンケートを取ると、何度も来ている、とあるのですが、私たちは頭打ち感を感じています」
「リピート客は、何が良くて再訪すると思うか?」
「炭焼きバーベキュー台を無料で提供していることが大きな魅力と思います。お皿は有料にしていますが、食材を朝市で購入していただいて、バーベキューしていただくようにと設けています。ですが、持ち込みも自由にしていますので、有料のお皿をご使用にならず、食材もお持ち込みされるお客さまも。出展者からは、それってどうだろうという話も聞こえますが、楽しんでいただいているのも事実です」
「冬は?」
「冬は、たこしゃぶが人気です。朝市からの提案で定着してきました。いすみの魅力を味わい、それを発信できたり、出展者やお客さま同士が出会ったり、というきっかけの場になっていると思います」
「魚の種類は多い?」
「日本一の漁獲量を誇るイセエビ、アワビが有名です。日本を代表する料理人さんが買い付けに来てくださいます。ただ、一般のお客さまからは、イセエビ高い!とのお声も。イセエビは、国内でいすみの漁解禁日が最も早いので、イセエビの値段を決定する地でもあります。お値段は高いですが、それだけ品質も良いのが、いすみのイセエビです」



「もっと聞きたいところですが、この辺で。では、各グループで、こうしたらもっと人が来るんじゃないの?出展者も増えるんじゃないの?というお題で自由に話し合ってください!」




シンキングタイム終了後、各グループリーダーから発表。

「まだまだ知られていないので情報発信する、Facebookでいいね!したら何かプレゼントするようなサービスをするのもひとつ。また、公共交通での来場客は、海鮮を買って帰るのに困る。なので買わない。たとえ購入しても、その荷物を手にしてしまうと、その後なかなかゆっくり市を見て歩けない。そこで、宅配してくれるサービスをしてはどうか。店舗ごとではなく、朝市として。宅配ののぼりは目立つし、購入意欲を上げてくれる」

「営業時間を延長して、昼市もしたらどうか。都心から来られるエリアだが、車でせっかく来ても朝市が終わっている可能性がある。ランチ以降まで時間を延ばしたら集客は伸びると思う。また、朝市の後、どこへ行ったらいいの? という人が多いのでは。例えば、いすみ鉄道。車で朝市に来て、市を楽しんで、その後に代行で駅まで送迎してくれるとか。釣り船の保有台数も日本一とのことなので、釣りから戻ってくる時間まで営業時間を伸ばしたらいい。たとえ釣り客が釣れずに陸へ戻っても、市で買って帰れる」

「いすみ市以外の人は出展できないと聞いた。市外まで出展者を広げて、広域いすみ出展計画をしてはどうか。来場者は市内外に関係なく来るのだから、出展者も市外から呼んでは? たとえば、市内外で出展料の違いを設定すればいい、商工会会員ならいくら、会員以外や市外はゲスト価格で設定すればどうか?
もうひとつ、グループ内の漁師さんからの意見として、魚は良いものであれば安売りしたくないのは当然、イセエビもいいものなら高価で当然。であれば、安く買える野菜などを客寄せにして呼び込んではどうだろう。フロントエンド、バックエンドで商品構成のバランスを考えてみてはどうか」

「営業時間の件は私たちのグループでも出た。昼市、夜市もいい。また、市外の出展者には、軽トラで出展してもらうのもありだと思う。実際に朝市へ行ったが、農産物が少ない、新鮮さがウリなのに演出がないと感じた。マグロの解体ショーのような、イセエビ解体ショー。お客さんが競りの帽子をかぶって、競りごっこのような、参加型の企画や触れ合い企画が欲しいと感じた」

「自分は出展者でもある。思うのは、活気は出てきているとは感じるが、もっと楽しみを加えるとしたら、DJはどうか。出展者の人物や商品紹介をしたり、解体ショーなら実況をするとか、声で盛り上げる。出展者でつなぐマイクマラソンみたいに、マイクを回すなど、連携してお客さんを楽しませたらいいなと。前々から思ってはいたが、言うと『やれ!』と自分へ来そうなので発表するか悩んだ(笑)。毎回でなければ、何人かで当番まわせればいいかな」

「それはすぐ話題になりそう! ニュースになる。運営側が頑張るというのもあるけれど、出展者も一緒に頑張る、お客さんとも一体になるアイデアでとてもいい!」

「駐車場で車をチェックして、どこから来ているのか、リサーチをしっかりして、プレスリリースしていく」

「私はかつて米屋で、神奈川のたまプラーザといういところで、軽トラ元気市に出展していた。店の特色をどう演出しようか考えて、店の前でクイズを始めた。商品の販売価格は200円で、クイズに正解したら100円としたら大ウケだった。クイズは子どもにも大人にもウケる」

「日本人はクイズが好き! お金かけずに盛り上げられる。先ほどのDJと絡ませてクイズ企画してはどうか」






「みなさん、いかがでしたか? たくさんアイデア出ましたね! 費用をかけずできることも出ました。もちろん、これらを急に着手するのは大変でしょうし、漁協さんとのやり取りや、関係者との調整も必要でしょう。今人気のバーベキューだけでなく、イベント型、参加型で、面白い朝市という方向性がひとつ、他地域との差別化のヒントになったのではと思います。では、この勢いで2人目の相談者へ行きましょう!」


相談者2

西澤真実さん(千葉県いすみ市)
いすみ竹炭研究会 代表 

https://www.isumitikutan.org/

テーマ:いすみ市の豊かな自然を次世代に繋ごうと立ち上がった救世主。
地産地消。いすみの資源をいすみに還したい。
里山再生、農業、畜産業、川の浄化に拡げたい。
皆様の素敵なアイデア楽しみにしています。




放置され薮化した竹林を整備し、切った竹を竹炭(ちくたん・細かく柔らかい炭)という土壌改良の資源に換えて、里山や田畑へ還すという活動をしている西澤さん。そもそもご自身がなぜ竹炭に興味を持ったか、いきさつから語った。一昨年2月に、いすみ市で開催された「竹炭シンポジウムinいすみ」に参加し、里山が衰退して困っていること、荒れた竹林を資源化して生かし健全な森に再生すること、に共感。竹炭がどれほど素晴らしいか、自ら体験して確かめようと6カ月プロジェクトに参加し、確信を得たという。そして「いすみ竹炭研究会」を発足。当初は18名の有志でスタート、現在は140名の会へと発展中だ。この活動を通じて、里山から川へ、農地へ、大地へ、海へと、素晴らしい環境に循環し、自然との共生を実現し、次世代へと受け継ぎたいと願っている。「竹炭を知っている人?」とここで西澤さんは場内へ声をかけた。挙手したのは3分の1以下。それを見て、「全員知るくらいの活動にしたい。資源であること、竹炭を使えば使うほど薮化した竹林が美しく整備され、環境も良くなることをもっと広めたい。アイデアをお願いします」と締めくくった。

グループディスカッションを始める前に増田代表から、竹藪整備と竹炭とを組み合わせて事業化し、環境にも地域にも雇用にも貢献している、福岡県のベンチャー企業の事例が紹介された。
「事業化することで活動も普及させ、経済も回す、このベンチャーは経済産業省からも評価されたモデルです。ひとつの参考に。では、みなさん、話し合ってみてください!」

シンキングタイム終了後、各グループリーダーから発表。




「住宅設備として広める。竹炭を床下に撒くことで湿気や臭いを吸着し、シロアリの発生も抑制できる。それだけではなくプラスして、万が一の非常時には燃料としても使えるので防災備蓄になることも謳える。西澤さんの会では市価の3分の1、かなり安価なので、消費者も導入しやすいと思う。購入してもらい、活動を知ってもらう。あるいは、市にも働きかけて、いすみ市全住宅へ撒けるよう、補助金を得られる仕組みがあれば利用する」

「いすみブランドにしてしまう。非常事態が起きなければ、バーベキューで。朝市のバーベキューに使ってもらえば?」

「SNSを活用して、こんな使い方ができます、というアピール。インテリア、魔除けなど、使い方をシェアし合う。また、サンプルを市役所や人が集まる施設に置かせてもらい、QRコードを添える。希望者へは送ります、とすれば入手しやすい。もうひとつ、キャラクターを考えてはどうか。“すみこ”ちゃんから発信する」

「東京の高尾山で同じような会があり、参加型イベントにしている。ボランティアで手弁当だが、ナタの使い方などを教わりながら、自然を楽しむ体験を通じて、こういう活動はいいねと感じてもらえる。そんな楽しさを前に出したイベント型で人を増やし、活動を広めては」

「市販の3分の1とのことだが、伐採や活動に参加せず購入するだけの方へはもう少し高い値段で売っていいのでは? それを広告宣伝費用に充ててはどうか。活動費を確保するのも必要だと思う」

「伐採した竹を使った親子体験会はどうか。いきなり竹炭ではなく、竹そのものも活かす普及もあると思う。竹クラフトづくりを楽しむところから入って、竹炭へ、その効果へと、親子体験を通して学べる層・段階設定もありだと思う」


相談者3

椎葉康祐さん(千葉県いすみ市)
地域起こし協力隊 
Bashi’s kitchen(バーシー’s キッチン)

https://www.facebook.com/bashikitchen/

テーマ:「食」と「農」の大切さや豊かさを
よりたくさんの人たちに伝えるためには何をすればいいか?




「旅する料理人です。バーシーと呼んでください」と発表を始めた椎葉さん。昨年4月から地域おこし協力隊員としていすみに移住し、無農薬農業をしながら、マクロビオティック料理や発酵食、ルワンダ料理を提供するBashi’s kitchen(バーシー’s キッチン)運営のほか、前職JETROから関係が深いルワンダへ今も3カ月に一度は赴き、交流活動を継続している。食を通じて、食べものの大切さ、自然の大切さ、心の豊かさを広める体験づくりを、日本で、そしてルワンダで提供したいと活動中だ。昨年秋からはルワンダ農村体験ツアーも不定期開催し、近い将来は、いすみ市・実家のある宮崎県・ルワンダにて、農村体験民泊を立ち上げたいという計画もある。椎葉さんは大学時代から、食・自然・アフリカに興味を持ち、幾度となく訪れ感動しているという。特にルワンダは、素朴で質素な生活ながらもとてもフレンドリーで、自分のようなよそ者も本当に大切にしてくれて、楽しく生き生きと心豊かに暮らしている素晴らしいところだと紹介した。それだけに、「アフリカ=治安が悪い、飢餓、内戦」と、多くの日本人がアフリカに対して抱いているマイナスイメージを何とか払しょくしたいという思いもある。今回のお題は、ルワンダって国? アフリカ? それどこ?というくらいに興味がない人に、どのようにすれば関心をもっていただけるか。どうしたら「食」と「農」の大切さや豊かさを興味持っていただけるか、アイデアを願いますと締めくくった。

「食や自然が大切だとわかっていて、関心事ではありますが、実際に励行しているかというと、そうではないこと多々ありますね。ガラッと急には変えられなくても、1歩ずつ進む、そんな小さなアイデアから欲しいテーマです。ところで、ルワンダの踊りってどんなの?」と、増田代表からの突然のリクエストに、ステップを踏みながらダンスを披露してくれた椎葉さん。拍手喝さいを浴びて、いざグループディスカッション開始!

シンキングタイム終了後、各グループリーダーから発表。



「大人の事情から考えると難しくなるので、子どもからアプローチする。小学校でアフリカ料理を子どもたちへ提供する。アフリカは何語なの? という小さな関心から、あいさつくらいの語学も合わせて一緒に知りましょう、とすれば、子どもからまず興味を持ってくれるのでは? 子どもから親へと話してもらい、食べ物を通じてアフリカのこと、自然のこと、を啓蒙していく」

「うちのグループも子どもたちからという意見。ルワンダの子どもたちを小中学校へ招いて、まずルワンダを知ってもらい、子ども同士が交流することから始める。お互いの料理を食べ合うなどして、子どもから親へ、大人へ、と広める。互いの子どもたちも自分たちの郷土料理がつくれるようになるし、自分で料理することから食への関心も芽生えると思う。また、いすみ市と姉妹都市になってもらっては?」

「やはり子ども。修学旅行で行く、招く。その中での交流から発展させる」

「学校給食でルワンダ料理を出して関心を持ってもらう。難しいテーマから入るとどうしても暗くなるので、楽しいことから始めるほうがいい。今日はこの会で、椎葉さんから話を聞けた私たちも関心を持つ機会になった。同じように、椎葉さんから話しかけられたら関心を持つと思う。こういう話す機会と場づくりを広げていくことが大事」

「食の大切さをどう伝えるかを正面から話し合った。いすみ市内に超健康特区をつくり、有機や自然栽培はもちろん、生活面でも合成洗剤や化学製品を使わずマグネシウムを使うなど、生活・農作物生産・加工もすべて超健康にこだわった特区。その上で、健康状態などをきちんとデータ収集し、発表・発信していく。もうひとつ、マクロビオティック料理は流行ってはいるが、どこで食べられるのかわかりにくい。千葉県や房総でマクロマップを作成し、ここで食べられると広めてはどうか」

「無農薬について話し合った。いすみ米は無農薬で栽培し、市内の学校給食へも提供しているとのこと。市の給食センターで一括3000食をつくっているとのことなので、そこにルワンダ料理のメニューを採用してもらえば興味関心を広めるにはスムーズではないか。コストはかかるが、特区として補助金を得られれば実現可能では」



増田代表「食と農とアフリカとルワンダをお題に、たくさんのアイデアが出ましたね。テーマも子ども関連、国際交流、健康へと広がりました。今回のこのアイデア出しですが、今日だけやればいい、これで終わり、ということではなく、今出たテーマでさらに絞り込んで、テーマごとにまた話し合っていくと、もっともっと実行可能なアイデアが出てくると思います、ぜひ続きを継続的にしてほしいです。実現には資金も必要ですが、クラウドファンディングや補助金申請など、その訴えをすること自体がまた知ってもらう機会になります。ぜひ頑張ってください!」




相談者4

青木太郎さん (千葉県いすみ市)
農園タロとあき

テーマ:もうここ日本じゃないかも。
増え続ける外来生物の驚異に晒される農業。
どう減らす?それとも上手に共存できるか?




前職はエンジンや農業機械などの開発者だった青木さんは、脱サラし千葉県香取市で就農。その後、結婚を機に妻の実家があるいすみ市へ移住し、農園「タロとあき」を始めた。米、野菜、エディブルフラワーなどを無農薬・無化学肥料で栽培している。今回のお題にあげた外来生物は多種多様だが、最近はアメリカザリガニによる被害が大きいそうだ。青木さんの田では稲を切られてしまい、壊滅させられたという。調べてみたところ、ザリガニは摂食目的で苗や水草を切るのではなく、自らの生息に適した環境にしようと、住まいづくりのために切るのだという。水田の稲苗も、水草も切られると、オタマジャクシも減り、水田に暮らしていたほかの生物も減ってしまう。またザリガニだけでなく、いすみ市や南房総市では、シカの一種・キョンによる農作物の被害も増えている。さらに、まだ青木さん自身はまだ被害に遭っていないが、交雑種のアカゲザルやジャンボタニシなどの繁殖も時間の問題だろうとのこと。それらの駆除を農業従事者だけが負うのは、費用も労力も大きく、継続は厳しい。かと言って、そのために農薬などは使用したくない。食で地域を盛り上げるのであれば、獣害や外来種対策もセットで活動する必要があるのではないかと思う、と語り、それら多様化する外来生物との共存のアプローチはあるのか、打開策はあるのか、一緒に考えていただきたいと願った。

増田代表「獣害鳥害などで農作物が全滅というのは、青木さんだけでなく日本各地の問題です。その対策も農作業の傍らで農業者が行うのは現実的に大変ですし費用も負担です。収穫間近でやられると、脱力しますし、生産意欲がなくなる。大変な問題です」
ここで増田代表は、福井県の農家が行った獣害対策事例や、福島県でおこなわれている動物が敬遠する植物などにについて紹介した。
「そういう専門的な知恵や情報ではなくても、突拍子もないアイデアも大歓迎です、話し合ってみてください!」







シンキングタイム終了後、各グループリーダーから発表。

「アメリカザリガニとキョン、映画のタイトルではなく、狩猟選手権inいすみを開催する。ザリガニは子どもたちに採らせ、大人はキョン退治。焼いて食べる。焼くのは竹炭、場所は朝市で。もうひとつは、ホップを農園の周りに植えると獣害が減ると聞いたことがある」

「イセエビは高価で、という話があったので……ずばり、ザリガニを安価な食材として利用する! アメリカザリガニはちゃんと腹わたを除去すれば、食材になる。ヨーロッパでは実際に食材として使われている。またどのようなタイミングでザリガニが稲を切るのか、植苗直後なら、苗を大きめにするとかカルシウムで硬めにするとかの策もある。あるいは浅水にして、鳥やアライグマにザリガニを食べてもらう。浅水と深水を交互にして栽培してはどうか」

「ザリガニを肥料にしてしまう。摂って発酵させカルシウムに。いすみ肥料として販売する」

「自然界の生き物に人の知恵は通じない。羊飼いがなぜ羊を守るために犬を飼うのか、と同じく、犬を飼ってみてはどうか。犬が遊びで採ってくれるかもしれない」

「撲滅はできないだろという発想から、共存の道を話し合った。都内ではペットとして販売している。しかも、わざわざ販売用に飼育したザリガニ。ただで摂れるので、売って利益にする」

「上野のアメ横では食材として売られている。特にアジア圏の飲食業者が購入している。経済効果のてこを利かせると、人は動きやすい。ところで青木さんは無農薬・無化学肥料とのことだが、水は?」

青木さん「湧き水です」

「湧き水で育てたザリガニ! 高級食材としていけるのでは? いっそ、養殖」

「米価はその年によって上げ下げがあるので、水田の湧き水をそのまま活かして魚養殖に転向して成功している米農家もいる!」






相談者5

池田征弘さん(千葉県茂原市)
イタリアンレストラン「ペッシェ・アズーロ」オーナーシェフ

http://www.pesce-azzurro.net/ 

テーマ:いすみ市とその近隣地域の連携での
郷土創作料理の発展と発信の仕組みづくりに必要なものとは?
必要な人とは?




いすみの食材をこよなく愛する池田さんは、いすみとの関りとして、いすみ鉄道の話からスタート。開始以来5年間、大好評で満席状態が続いている、いすみ鉄道の本格イタリアンランチ「レストラン列車」の専属シェフも務めているのだ。現在、もうひとつのプロジェクトが進行中とのこと。それは、美食の街を目指しているいすみの料理人たちと連携して、地元の食材を活かした新たな郷土料理を創作しようという取り組みだ。メニューはこれから考案していく段階だが、その一方で、いすみ食材を使用しない飲食店も少なくなく、現状として地産地消が進んでいないという課題も感じている。もっといすみの食材を使ってほしい、郷土を愛してほしい、食材の魅力を知って実践してほしい。そのためのアイデアをお願いしますと締めくくった。



シンキングタイム終了後、挙手制で発表。

「いすみには素晴らしい食材、いい食材があるのに、なぜ使わないのか。使わせる仕組みとして、グルメに関心がある人の会員制度。会員に、今回はこれ、といすみの食材を選んでもらい、この食材からどんな料理をつくるかをシェフたちに連携して創作料理を考えていただく。使わざるを得ない状況になるし、関心がある会員さんが会費を払って、食べて評価もしてくれるのだから、モチベーションも上がるのでは」

「地産地消の企画のチラシなどを小学校で生徒へ配って、子どもから親へ見てもらう、知ってもらう。最初から大人へチラシを渡しても受け取らない、受け取ってもちゃんと見ない。子ども経由だとアプローチしやすい」

「学校給食ではメニュー予定表が配られる。そこに料理名とシェフの名前も記載する。この日のこの料理は○○シェフが担当しましたと、順番に入れていく。シェフの腕も上がるし、程よいプレッシャーにもなる。地産地消の取り組みも創作料理も、この活動も、子どもの給食から始めたら、親に知ってもらえて広まると思う」

「そのアイデアの延長として、給食に出して月ごとに子どもたちに品評会などをしてもらい、結果発表する。コンテストにして、一番人気を商品化して、朝市で販売する!」

「いすみに限らず、もっと広域で外房の料理人を巻き込んではどうか。千葉の房総半島エリアで、根性据えて郷土料理コンテストを開催する。プライドをかけてやらざるを得ないので、士気も上がり、訪問者もさらに増えるのでは?」

「子どもたちとは逆で、年配の方に向けてもありでは。素材の良さはよく聞くが、食べる側にも注目してみるといいという意見。東日本大震災で、福島県いわき市では沿岸部の主婦の方が大勢亡くなった。生き残った男性連中が集うと、『かあちゃんがよく作ってたあれ、食べられるのはどこかないかな、誰かつくれないかな』という話が良く出る。それが郷土料理ではないかと思う。主婦の素材選び、調理の感覚、すごいので、そこからシェフたちが学んでアレンジするのもありでは」

「池田シェフは勉強会もたくさん開催しているので、逆に主婦たちから披露してもらう会をやってみてもいいのでは。また、朝市で売っているこれらの食材でつくれますよ、と公開すると、話題にもなりさらに広がるのでは」

「いすみの料理人さんたちは、市外から来た人たちが、いすみへ来たなら、いすみのものを食べたい、と思っていることに意識が向いていないのではないか。私が思う美味しい、の解釈は、懐かしいか、珍しいか、旬、この3つが決め手。美味しさの基準を見直してみてはどうか」

「東京の店で何度か、各地域のお母さんたちの料理会を開催したが、必ずと言っていいほど、お母さんたちは『こんな料理でいいの? 普段の家庭料理だよ』とおっしゃる。でも、東京のお客さんたちは、美味しい美味しいと感動している。その姿を見て、お母さんたちは初めて、喜ばれる料理なんだ、美味しいんだ!と驚くと同時に誇りと自信が芽生える。そういう意識の換え方もありだと思う」

「自分は日本全国あちこちへ出向くのだが、今日はいすみ、せっかく来たのだからお昼はいすみの海の幸を食べたいと思って来た。しかし、車を運転していて目につくには、焼き肉屋やラーメン店ばかり。市外から来る人目線ではない。地元の人たちが地元の魅力を知らないのだと思う。外から来たら、どこにでもあるようなものではなく、ご当地の漁師メシなどに惹かれる。よそにはない、ここにしかないものだと思う。それと同じく、最初の朝市のチラシも、表紙は出展者目線の情報で、本当にお客さんが見たい、知りたいと思う情報は裏面に書いてる。お客さん目線で、楽しい、面白いを前面に出したほうがいい」






「地域の人へいすみの魅力を、と最初の川野さんのあいさつでも出ていましたが、地域の人が知らない、気づいていないというのは、料理人さんたちもまた同じかもしれません。飲食店は原価や仕入れ先とのお付き合い、これまでの取引もしがらみもあるので、急に変えることはできなくても、新プロジェクトとして進んでほしいと思います。さて、あっと言う間でしたが、5組の相談が終わりました。頭脳交換会いかがでしたか? 
常識やしがらみがない内外からのアイデアがこうして出てくるのが頭脳交換会です。アイデアをもらったからやらなくては、ではなく、これで終わり、ではなく、今後の前進のヒントにしていただければと思います。みなさん、ありがとうございました!」


閉会の挨拶



「たくさんのアイデア、みなさんありがとうございました。今日はお泊り組もいらっしゃいます。どうしても、朝市へ連れていきたかったので、頭脳交換会を土曜日に開催しました。明日、お泊り組は朝市を見て、またアイデアが出てくるかと思いますので、どうぞお聞かせください。
今後ですが、7月29日には、いすみ市のシンボルを飾り巻き寿司で作る新しい太巻き体験教室を、8月1日には、干物作り&BBQ in いすみを開催します。 8月1日はいすみが誇るイセエビ漁の解禁日。よーいどん!と一斉に船が港から出港する様子を東京の人に見ていただきたくて、この日にしました。
いすみの魅力を、風土を、市内外へ広めていきます。いすみの素敵なところ、魅力を多くの人へPRしたいと思います。市内の方へ、そして市外の方へ、魅力を見せて、大勢に来ていただき、いすみの良さを認めていただき、広めていただけるよう、何度も何度も、朝市プラス○○企画をしたいと思いまます。生まれも育ちもいすみの方の視点、移住して来られた方の視点、外からお連れする新しい目もお借りしてまいります。1年間どうぞよろしくお願いいたします!今日はみなさま、ありがとうございました!!」



7月29日(日)いすみ市のシンボルを飾り巻き寿司で作る新しい太巻き体験教室
in 千葉県いすみ市@なみへいハウス(古民家) 
詳細&申し込みはこちら
 http://www.namihei5963.com/namihei-board/detail.cgi?sheet=hp3&no=2267

8月1日(水)干物作り&BBQ in 千葉県いすみ市
 詳細&申し込みはこちら
 http://www.namihei5963.com/namihei-board/detail.cgi?sheet=hp3&no=2266





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次回、頭脳交換会は、2018年8月10日(金)
愛知県名古屋市で開催です、NICe東海 頭脳交換会 
共催インターアクトスペースWits
詳細はこちら https://www.nice.or.jp/archives/42554

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取材・文、撮影/岡部 恵

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