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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」172 ネットが、分断を増長させるものだとしても……



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<最近の発見> ネットが、分断を増長させるものだとしても……
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「つながり」の逆は、分断だ。
NICeが誕生した当時、私は分断された様々な属性が、
インターネットの力を活用することで交流を大々的に開始すると考えた。
しかし、その出発自体が、
ネットを使う人と使わない人という、分断をもたらしてしまった。

当時のネット端末といえばパソコンである。
それを操作できる技術の有無という、単純な事柄ではなく、
操作できる技術を有する属性と、そうではない属性という問題が浮上した。

年代が高くなるほど、活用者は少なくなるという世代の問題は当然のこと、
就いている職業の違いも大きかった。
たとえ、パソコンを操作できるとしても、
農林水産業や製造業、建設業、運輸業、あるいは接客業などの現場に立つ人は、
日中、自由にパソコンを触れる状態にはない。
と、同時に、そういう職業の人々の多くは、都市ではなく地方に分布していた。

結局、NICeに限らず社会人を対象にするSNSは、
「オフィスワークに従事する都市部の若い世代」のツールだった。

つながるためのコミュニケーションツールが、
コミュニケーションできる対象を色分けし、
コミュニケーションできれば、価値あるつながりを生むはずの人々を、
あっち側とこっち側に分け隔ててしまったのである。

この痛苦に満ちた矛盾を克服しようとして育んだのが、
「異業種・異地域・異世代のつながり」という価値観であり、
「ネットとリアルの相互活用」という方法論だった。
そして、携帯端末が広がり、さらにはスマホが普及することで、
パソコンという道具の障壁もずいぶん緩和された。

しかし、ことは簡単には運ばない。
ネットは、「知らぬが仏」という美徳を大胆に踏みつぶした。

意見の衝突が憎しみを生み、心ない書き込みが情緒を揺すぶり、
誰と誰が「つながっているのか」と、疑心暗鬼を増幅させ、
そんな世界の中で棲息するための虚栄や虚飾に蝕まれていく……。
一般論ではあるが、NICeのSNSにおいても無縁な話ではない。

気付けば、「ネットを使う人と使わない人」という分断以上に、
ネットを活用する人同士の分断のほうが、はるかに問題になっていた。

あえて否定的なコメントをすれば、つながりを生み出すより、
世界中のあらゆる対立を深刻化させ、加速化させることのほうが、
ネットを使う上では、むしろ容易な目標なのかもしれない。

それでも、私はネットを活用するし、みんなもネットを活用するだろう。

なぜなら、「ネットが夢のように素晴らしいもの」だからではなく、
単に、活用するのが当たり前のものだからだ。

普及してしまえば、良いも悪いもないのがツールである。
結局、良いも悪いも人間自身だ。

分断や対立を助長させず、人と人がつながって幸せを生み出すためには、
ネットをどう使えばいいのか、その課題に向き合い、手を尽くすことが、
小なりと言えども、ひとつのSNSを運営する私の責務だ。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第172号(2019/0507発行)より一部抜粋して掲載しました。
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