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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」197 文学の深淵 ~~石川啄木からのメッセージ~~



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<最近の発見> 文学の深淵 ~~石川啄木からのメッセージ~~
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人間は、水平方向ならいとも簡単に移動できる。
右に向かって歩くのも、左に向かって走るのも、特段苦はない。
ところが、垂直方向の移動となると大変だ。
鳥のような翼があるわけでもなく、
昆虫のような爪と関節があるわけでもない。
だから、人間にとっての縦の移動は、
自己の生存能力の拡張を懸けた、重要な挑戦であり、鍛練だ。

塀に登り、木に登り、石垣を登り、崖を登る。
そうやって子供は、筋力を鍛えていく。

見事、目標地点まで登れれば、今度は地面目掛けて飛び下りる。
そうやって子供は、胆力を鍛えていく。

私もそうだった。

もちろん、上りも下りも、はなっからうまくいくほうが珍しい。
目標とする枝に手が届かず、力尽き、しがみついた幹から滑り落ち、
手足が擦り傷だらけになったこともあるし、
エイッと飛び下りたものの、着地の衝撃に耐えられず、
膝頭に顔面をしたたかに打ちつけて、大出血したこともある。

だから「もう止めよう」などと思ったことは、もちろん一度もない。
どうしたら、登り切れるのか、どうしたら、うまく降りられるのか、
ただただ、それだけを考え、
ただただ、その答えを得るために、
登って降りてを、何度も何度も繰り返した。

神に誘(いざな)われるが如く、迷いも躊躇いもなく、繰り返す。
人間の成長は、かくも単純な努力の連続によって達せられる。

結果、筋力は強化され、
強化された筋力に対する自信と成功体験が、胆力の源泉となった。

そんな子供時代から、すでに半世紀以上が経過した。

あの頃の心意気と、ひたむきさは、果たして、
今も私の中に生き続けているのだろうか……。

そうあってほしいと願う。
だが、正直、少し心配だ。
仮にそうでないとすれば、それはもう成長を放棄したのも同然。
そんな人生だけは勘弁願いたい。
有限な人生である。無為に過ごすこと勿れと、言い聞かせよう。

こんなことを考えるに至ったのは、一篇の短歌を目にしたからだ。

高きより飛び下りるごとき心もて
この一生を
終るすべなきか

明治43年発行『一握の砂』に収められた歌である。

今さら、啄木に叱咤激励されるとは……。

文学の深淵に、恐れおののく。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第197号(2020/0514発行)より一部抜粋して掲載しました。
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