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代表から

増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」196 コロナより怖いのは、自分を追い詰める自分自身の心


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<最近の提案> コロナより怖いのは、自分を追い詰める自分自身の心
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過去、私は大きな肺炎を二度患っている。

一度目は、2011年3月から4月にかけて。
二度目は、2016年4月から7月まで。

一度目は、とある大学の付属病院で診察を受けた。
40度を越える高熱が連日続き、検査の結果、重症肺炎と判明。
正確には「粉塵性過敏性肺炎」という診断がくだされ、
「生命の危険に晒されている」と告げられた。

通常、肺炎はウイルスなどによる感染症が原因となるが、医師は私に、
「あなたは典型的な粉塵性過敏性肺炎の症状を示しており、
長年、粉塵や化学物質を吸入したことによるアレルギーが原因」と説明した。

「えっ?」。

その指摘は、思い当たらない、どころか、あり得ない話だ。
私の職業や生活環境を説明すると、医師も絶句してしまった。

その後、3人、4人と医師が現れては検査を繰り返したが、
ついに原因を突き止めることはできなかった。

だが、私自身は、粉塵などとはまったく異なる、
別の理由に見当を付けていた。
無論、私には医学の知識など欠片もないが、
本人だからこその、「思い当たる節」があったのだ。

◆◆◆

その私の予想が正しかったことがわかるのが、
二度目の肺炎を患い、東京の世田谷区にある自衛隊中央病院に駆け込んだ時だ。

いや、私自身は、病院に向かう前から、
「もう、これは間違いない」と思える原因を予測していた。

一度目の肺炎発症は、東日本大震災の直後。
二度目は、熊本大地震の直後である。

いずれも、つながり力を訴えるNICeの代表として、
何としても、被災された方々の力にならねばと苦闘していた時期である。

しかし、それは本当に本当に、大変なことだった。

力になりたい。だが、力になりきれない。
力を合わせたい。だが、力はひとつにならない。

思いと現実の狭間で、私の精神力は日に日に磨耗していった。
そして「もう、心も体も限界か……」と思ったすぐ後に、
二度とも、肺炎を発症した。

二度目も、当初は市中の病院に通ったが、
肺炎ではあるものの、やはり理由がわからないという。
そこで、より専門的な医療機関での検査が必要となり、
私の方から「自衛隊中央病院に行きたい」と申し出た。

昔、神経痛を発症した時に自衛隊中央病院の世話になっており、
その時に、検査能力や対応能力の高さを実感していたからだ。

◆◆◆

原因不明の肺炎である私を診察したのは、田村格医師(1等海佐)だった。

最近、自衛隊中央病院が、
ダイヤモンド・プリンセス号のコロナ感染者を200人以上引き受けながら、
一人も院内感染者を出していないことが話題になっている。
この「大量患者治療作戦」を陣頭に立って指揮しているのが、田村先生だ。

先生は私に、「畑に入ったか? 何を食べたか? 周囲の人の状況は?」などなど、
もはや思い出すのも困難なほどの、たくさんの質問を投げ掛けてきた。
恐らく、過去のすべての問診時間を合計しても、この1回には満たないだろう。

問診だけではない。ありとあらゆる検査も実施してくれた。
中には両腕から同時に血液を採取するという、見たことのない検査もあった。
採血も、採血センターに任せず、先生自身が行った。
たった一人の患者のために、ここまで徹底的にやる医師が日本にもいた……。

その田村先生が指揮を執っているのだから、
自衛隊中央病院のコロナ対策が万全なのは、当然だと思った。

さて、様々な検査の結果、
私の肺炎は、やはりアレルギー性でもなければ、ウイルス性でもない、
ということがわかった。なら、何か?

田村先生は、こういう言葉を使った。

「免疫の暴走」。

◆◆◆

ご存じのとおり、免疫は、体内に好ましくない微生物などが侵入した際、
それをやっつけるために分泌される物質のことだ。
ところが私は、そうした外敵の侵入がないにもかかわらず、
勝手に免疫システムが発動して、悪くもない体を攻撃していたという。

最近になって、新型コロナウイルス感染症患者の死因は、
感染症そのものよりも、
この免疫の暴走が主たるものという報告を見聞きするようになった。

免疫物質が過剰に生み出され、嵐のように吹き荒れることから、
「サイトカイン・ストーム」とも呼ばれる。
サイトカインは、体内細胞から分泌される免疫物質の総称だ。

そして、こうした事態が起きる理由のひとつに、極度のストレスがあるという。
私が感じていたとおりだった。

あらためて、ストレスの恐ろしさに思いが至る。
「胃が痛い」「頭が痛い」などとよく言うが、
それらの理由のひとつがストレスであることは、よく知られている。
だが、私のように、それが重い肺炎にまで至ってしまうこともある。

だから、皆さん!
どうかどうか、ストレスを溜め込まないように。
頑張りすぎないように。
頑張らねばいけないと、思い込みすぎないように。

コロナの収束が見えない中、どうやって事業を守ればいいのか、
頭を抱えている人がたくさんいると思う。

苦悩は当然のことだ。
私も、人が集まるセミナーを主要な仕事にしているために、
収入の見通しがまったく立たなくなってしまった。
だから、苦しんでいる皆さんの気持ちはよくわかる。

しかし、ちょっと考え方を変えてみてほしい。

どうにかなることは、どうにかすべきだが、
世の中には、頑張ったところで、どうにもならないこともあるのだと。

仕方がない……。
たまには、そう開き直ってみるのも手だ。

コロナに感染しなくても、
ストレスのせいで、免疫が暴走してしまえば同じこと。
いや、そっちのほうがむしろ生命にとっては危険かもしれないのだから。

幸いにも私は二度の危機をくぐり抜けたが、それでも死にかかった。
だから、もう、今回のピンチに対する徹底抗戦は諦めている。

繰り返すが、やれることは、もちろんやる。
が、やれないことは、やろうなどと一切思わないようにしている。

それが我が身を守る方途であり、
我が身を守ることこそ、大切な人たちを守ることになるからだ。

◆◆◆

何を、どこまで書くか、迷った。
自分の病歴を赤裸々に書くなど、出来れば避けたかった。
「いつも偉そうなことを言ってるけど、本当は弱いやつなんだな」。
そんなふうに思われるのも、いやだった。

だが、私の「恥」を晒すことで、
私の弱さを語ることで、
それで救われる人が一人でもいるのなら、
何百倍も、そっちのほうが、価値があると思った。

起業家は、弱くてもいい。
むしろ、自分の弱さを自覚し、思い上がらず、無茶をせず、
攻撃を食らっているときには、
頭から布団を被って、ひたすら防御に徹すればいいのだ。

繰り返しになるが、コロナ以上に怖いのは、
自分を追い詰める自分自身の心だ。

あなたは、十分頑張っているはず。
だから自分を、少し、許してあげてほしい。

◆◆◆

さあ、まずは、大きく深呼吸!
(ただし、近くに人がいない場所でね)


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第196号(2020/0507発行)より一部抜粋して掲載しました。
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