増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」337号 「菜」を取るか「実」を取るか

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<最近の視察> 「菜」を取るか「実」を取るか
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3月上旬、雪が降りしきる福島県白河市を貸し切りバスで出発し、
同県の太平洋沿いの街・いわき市の大規模トマト農場の視察に向かった。
白河市のNICe賛助会員のみなさんも同行。
その農場、一言で言えば、
農業施設というより、環境産業施設というほうが的を射ている。
もちろん生産されているトマトは、
業務用として全国の大手流通や大規模小売店に出荷されていて、
それだけでも年間3億円近くを売上げている。
しかし、徐々にトマトの「実」よりも「菜」(葉っぱや茎)が、
その施設の主力商品に置き換わりつつある。
もちろん葉や茎は、現在も堆肥や害虫忌避剤として活用されている。
しかし、その活用法ではさほどの利益にならない。
ところがこの農場は、それらを処分する特殊な焼却炉を完成させ、
炉の内部に残るシリカ(二酸化珪素)を効率的に取り出すことに成功。
シリカは自動車のタイヤの主要原料であり、
ガラスやセメント、コンクリート、乾燥剤(シリカゲル)、
化粧品、歯磨き粉、食品添加物など、多彩な分野で使われている。
何よりシリカは、半導体に必須のシリコンの原料である。
だからこの農場には、「シリカを買いたい」という、
あらゆる業界のメーカーが商談に詰めかけている。
植物由来シリカの時代が本格的に到来したのだと痛感した。
不要物が副産物になり、さらには主要産物へと変わる。
こういう展開があるから、科学と産業のかかわりは面白くて仕方ない。
極寒に耐えて出掛けた甲斐があった。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター
「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第337号(2026/4.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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