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地域NICe勉強会

第12回 NICe関東 頭脳交換会レポート

2012年7月2日(月)、東京・港区の女性就業支援センターで、第12回NICe関東・頭脳交換会が開催された。頭脳交換会とは、プレゼンテーターが抱える事業の悩み・課題などを聞き、参加者全員の頭脳でディスカッションしながら、建設的にアイデアを出し合い、解決策をさぐっていくNICe流の勉強会のこと。今回のプレゼンテーターは、前々月のNICe関東頭脳交換会に兵庫県姫路市から初参加した女性起業家。東京都内を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県、さらに福島県、大阪府から合計13名が参加し、知恵を出し合った。


■プロローグ

 

まずはNICe関東実行委員長の石井英次氏があいさつ。続いて、ファシリテーターを務める小林京子氏によるウォーミングアップゲーム「シンクロニシティを探せ!」が行われ、リラックスしたところで頭脳交換会がスタートした。



■頭脳交換会


●プレゼンテーション 

テーマ:「復興支援HAPPY PROJECTの事業化を進めるには」

プレゼンテーター 株式会社バンブー 代表取締役 竹内香織氏


 

姫路駅の近くで雑貨店と2軒の金券ショップを経営している竹内氏だが、今回のプレゼンに登壇した目的は、本業とは別の『HAPPY PROJECT(ハッピープロジェクト)』について。

『HAPPY PROJECT』とは、竹内氏が2011年夏に立ち上げた東日本大震災復興支援活動だ。現在、2つのプロジェクトが進行しているという。その両方に共通しているものは、阿蘇の天然水をボトリングした、500ml入りのオリジナルミネラルウォーター『ハッピーウォーター』。この販売収益を被災地の子どもたちへ全額寄付することから支援活動をスタートした。が、現在は並行して、もうひとつのプロジェクトを強化しているという。それが、今回のプレゼンの本題だ。

それは、福島第一原発事故の影響により、水道水に不安を抱いている福島県内の幼稚園や保育園へ、無料で『ハッピーウォーター』を届けるというプロジェクト。『ハッピーウォーター』48本を1口として企業や個人から協賛を募り、その協賛社(者)の企業ロゴやシールをペットボトルに貼り、安心な水を必要としている各所へ無料配給している。また同時にこれには、もうひとつの支援活動も含まれている。ボトルにシールを貼る作業そのものを、震災後に仕事量が激減した福島県内の障害者の作業所へ委託し、雇用創出支援もしているのだ。シール作成は竹内氏の会社で行ない、印刷したものを作業所へ送り、シールをボトルに1枚貼るごとに10円の工賃となる。協賛シールが貼られた『ハッピーウォーター』は、ボランティア・スタッフが県内の保育所や幼稚園へ届けるというしくみだ。

この協賛&創職&無料配送のプロジェクトでは、ボトル5万本を計画しており、うち約1万本は協賛を得て、JR貨物で現地福島へ配送済みとのこと。残り4万本分の協賛をどのように得ていくか、そのアイデアを求めるとして、プレゼンを締めくくった。


●質疑応答



Q:活動を始めた動機は?
竹内氏:震災後、自分に何ができるのかと模索し、辿り着いたのが、人間が生きていくために絶対必要な“水”でした。日々の生活に密着したもので支援につながればと、南阿蘇のミネラルウォーターの会社に依頼し、500ml入りのペットボトルを『ハッピーウォーター』と命名して販売を始めました。なぜ子どもたちを支援したいかというと、私は7年前からワールドビジョンジャパンという社会奉仕活動に参加し、バングラデシュの子どものチャイルドスポンサーになっています。毎月4500円、その子が二十歳になるまで支援を続けていきます。それで自然と、被災している子どもたちの支えになりたいと思うようになりました。

Q:ラベルなしの状態で原価は?
竹内氏:仕入れ値は1本94円です。販売価格は1本150円です。差額の56円分は、「ふくしまこども寄付金」に全額寄付しています。

Q:本題の協賛プロジェクトについて、流れをもう一度
竹内氏:48本7200円を1口にして協賛を募り、お名前、企業ロゴ、応援ひとことメッセージなどのシールをうちで作成し、ボトルに貼る作業を1枚10円の工賃で福島県内の障害者作業所へ委託しています。1万本はJR貨物で福島県内へ届けてあります。残り4万本のボトリングはまだです。

Q:これまではどのように協賛を募っていたのですか?
竹内氏:イベントなどに出店し、販売と同時に協賛の呼びかけをしたほか、Webサイトやブログ、Facebook、メールや電話などで呼びかけています。

Q:協賛した人は、『ハッピーウォーター』の現物を一度も見ないこともある?
竹内氏:はい。

Q:受け取った幼稚園や保育園の写真などは?
竹内氏:可能ですが、今はまだ掲載していません(※7月下旬から掲載開始)

Q:シールは何か決まったカタチがある?
竹内氏:あります。
Q:たとえば、企業ロゴは?
竹内氏:可能です。現在はロゴなどをデータで送っていただき、うちで成形し印刷しています。
Q:シールになった状態でロゴを用意している企業もありますよね?
竹内氏:はい、本当はそのほうがありがたいです。

意見:自分も『HAPPY PROJECT』に協賛しました。震災から1年以上も経って、福島県内でもミネラルウォーターは店頭で普通に売られているはずで、本当にニーズあるのか? と最初は正直思いました。でも、障害者作業所の仕事になるならと思っていたのです。ところが、うちのロゴが貼られたボトルを受け取ったという方が、わざわざ104で電話番号を調べて、電話をくれたのです。乳幼児へのミルクにとても気を遣っていて、(『ハッピーウォーター』をもらえて)助かったと。どうしたらもらえるのか?と。震災以降、県内ではお水は深刻で、今も県外から取り寄せているそうです。こういう支援はとてもありがたいと感謝されました。今でもこんなに必要とされているのかと意外でした。

 

Q:現在の配布地域は、郡山市内だけですよね? 僕は郡山より北の伊達市に暮らしていますが、周囲の親御さんは水に関してはとてもシビアです。子どもに水道水は飲ませないと聞いています。たとえば、シール貼り作業は郡山市内の作業所だとしても、配給は郡山だけでなくほかの県内地域も可能ですか? 
小林氏:現在、郡山に限定している理由は?
竹内氏:ご縁があって、郡山市にある「JDF被災地障がい者支援センターふくしま 被災地交流サロンしんせい」に依頼しています。どこに配るかも考えていただいているので。
Q:どういうご縁ですか?
竹内氏:東北応援隊さんからのご紹介です。

Q:販売のほうのプロジェクトについても説明を
竹内氏:販売はこれまで約6300本に達したところです。姫路で開催されたB1グランプリで店頭販売しました。またうちのショップでも販売しているほか、取り扱い店舗は、ラーメン屋さんや接骨院さん、エステティックサロンさんなどです。1本130円で納品しています。

Q:協賛は残っている4万本だけでなく、今後も事業として継続していきたいのですね?
竹内氏:はい、今後も安心なお水『ハッピーウォーター』を、必要とされる各所へ、継続的に支援を続けていきたいです。

▼3グループに分かれてディスカッションがスタート!


  


●発表タイム



Aチーム
・イチ企業や個人に協賛を募るだけではなく、地域活動をしているグループへアプローチしてはどうか
・たとえば、ママさんサークルや親父の会など、特に子どもたちへの関心が高いので、賛同してくれると思う
・一気に1口分を集めるのはなく、締め切り日も設定せず、1団体で7200円集まったら、という提案だと受け入れやすくなるのでは
・分散方式のほうが賛同が得やすい、という意見から、野球やサッカーなどの観戦チケットの一部を協賛してもらうなど、広く長く考えてはどうか

 

Bチーム
・企業のCSRとして、またテレビやラジオのスポンサー協賛枠はどうか
・『ハッピーウォーター』を喜んで受け取るのは0〜6歳児の子どもを持つお母さんだと思うので、化粧品、粉ミルク、紙おむつなどのメーカーさんにアプローチする。ただし大企業は既に何かしらの支援予算を組んでいるので、中小企業のほうが柔軟に対応してくれるのでないか
・あえて福島県内の企業や店舗にも呼びかけては。自分は伊達市に住んでいるので、うちの店のシールを貼って、プレゼンを兼ねて説明して広げていけると思う
・海外に向けたアプローチもすべき。Webサイトは日本語だけでなく、英語、中国語(簡体字、繁体字とも)など、海外へ発信する。海外に暮らしているので何か支援をしたいけれど何をしていいのかわからない、という層へ向ける
・そのためにはWebサイトの充実は必要。なぜこのプロジェクトに取り組むのか、なぜ始めたのか、ストーリー性をもっとアピールし、配給先の実績なども掲載したほうがいい
・シールに関して。ボトルの1面に貼るだけではなく、F-1の車体広告のように、ボトルの多面を活用して複数のスポンサー企業のシールを貼るパターンもいいのでは



 


Cチーム
・飲料メーカーさんに協力をお願いし、自動販売機に設置してもらうのはどうか
・また、社内に自販機を置いている企業に協賛を要請するのもありではないか
・海外の企業が復興支援先を探しているという話があるので、海外向けに発信する。ただ海外の企業は、どういう支援団体か、実績、透明性をとてもシビアに求めてくるので、Webサイトで情報開示をすることが重要
・現在、竹内さんはほぼひとりで活動している状態とのことなので、協力してくれるメンバーを募る。パッピー“プロジェクト”というからには、プロジェクトチームとして活動できるようにする必要があると思う

 


Dチーム
・4万本分の協賛をどのように募るかが頭脳交換の課題だったが、協賛を得た後に、いかに責任をもって子どもたちへ配れるのか。4万本という数から、協賛を得た先のことを考えておいたほうがいいとの観点で話し合った
・たとえば、地元の宅配業者と提携してはどうか。また、保育所に何かしら定期的に納品する業者と提携する
・さらに届けてくれるうえに、協賛もしてくれる企業であれば、なお嬉しい。ハードルは高いが、協賛からお届けまでトータルに達成できるのでは
・配るだけではなく、取りに来てもらう方法もありでは。保護者や子どもたちが集まって来そうな施設や店舗に、保管と受け渡しに協力をお願いすれば、安定的に渡せるのではないか

  


●フリーディスカッション



急遽、第2テーマ「届け方」でフリーディスカッション。
こういう人たち、こういう団体、頼めそうな届け人とは? 
届けるプラスαのアイデアは?
 ↓
・バイクのツーリングは特に目的はなく、走ることがメインなので、
 愛好家たちに協力してもらえるのでは
・スタンプラリー的に届ける
・ハッピーライダー!
・それで協賛シールもできるのでは
・バイクメーカー、ヘルメットやパーツメーカーの協賛も
・車の愛好家でもいい
・ビンテージカーのクラブ
・ハーレー愛好者。サイドカーなら数も運べる
・二輪も四輪も各地に愛好家クラブが多い。趣味とボランティアも兼ねて協力してくれるところがあるのでは
・バイク愛好家の雑誌にツーリング記事を投稿する時は、『ハッピーウォーター』を手に持った写真を載せてもらうようお願いする
・ライダーが目的地へ届けるだけではなく、聖火ライナーのように、つないで届けると認知も広がるのでは
・イベントにしてしまうのはどうか。『ハッピーウォーター』は伴走する車部隊が運ぶ
・マニア系のイベント運営会社やマニアの愛好家クラブに打診する。そのためにもWebサイトは見直したほうがいい



・ハワイに長年暮らしていたが、ボランティア活動にはみんな熱心で、社会貢献は職場の査定にも影響するほど。また海外の支援活動では、セレブリティをうまく活用して盛り上げるのがとても上手。極端に聞こえるかもしれないが、レディ・ガガは、すぐに福島へ飛んできてくれた。セレブリティを動かすことで、ムーブメントが起きやすいので、国内にとどまることなく海外に向けたほうが話が早いのではないか。また、震災に関して、アメリカの注目度は高いし、エネルギーの廃棄処理に関しては日本の報道よりも多く、国民の関心も高い。もっともっとアメリカのみなさんの支援が欲しいと訴えれば、支援してくれる民族だと思う



・国連本部にはかなり多くの日本人がいるので、一気に動くかもしれない。日本国内だけでなく、海外に向けた発信はポイントになると思う
・そうなると、ますますプロジェクトの協力者が必要で、組織立ててチームとしての活動となる
・協力者を募ることから始めては



●発表直後の竹内氏の感想:
「最初は4人で始めたプロジェクトですが、本業が忙しくてひとり抜け、ふたり抜けと、ずっとひとりでやってきました。協賛を得ることだけで頭がいっぱいになっていたので、どう届けるかなど、考えなくてはいけないことが、まだまだいっぱいあると痛感しました。どういうふうに案内したらいいのか、細かいこともわかりませんし、メールや電話での呼びかけを自分でするしかない状態です。私の会社は社員1名、アルバイト13名で、本業をする中でこのプロジェクトを継続的に、どのようにスピードアップするかも課題です。これから考えていきますので、また今度ともよろしくお願いします。一生懸命考えてくださりありがとうございました!」

「一緒に考えようよ!」
「協力して行きましょう!」

 


●5月NICe関東(参照レポート)でプレゼンテーターを務めた
前田政昭氏からその後の報告




「写真絵本『てくてくま』はまさに本日、納品になりました(拍手!)。ご購入いただいた方々には、ぜひクチコミで広めていただきたいです。本としてやっとカタチになったところですが、NICe以外にも広報活動をし、またNICe内でのプロジェクトで絵本以外の展開もしていく予定です。第一弾は既に動いていますので、また進捗状況をご報告します。初版限定のシールは名古屋のNICe正会員である野田哲也さんがプレゼントしてくださいました。
竹内さんの『ハッピープロジェクト』もチーム体制が必要なように、こちらも、“チームてくてくま”として、コミュニティをつくって活動していくのがいいかと考えています。今後ともよろしくお願いします」

■次回のNICe関東は、9月11日(火)18時~20時 福島県福島市にて開催
「NICe頭脳交換会in福島(NICe関東・福島出張頭脳交換会)」
詳細はこちら



取材・文、撮影/岡部 恵

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