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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」34 資本にまさるもの 




川上、川中、川下……。
製品の製造工程を川の流れに例えて、こう呼ぶ。
川上は原料や素材、川中は中間製品、川下は最終製品だ。

先日、埼玉県の正会員、古沢繁さんがこんなことを言っていた。
「やっぱり川上物流をやりたいんですよね」と。
古沢さんは運輸会社の経営者である。

川下である宅配や店舗配送より、川上のほうがいい商売になるのだろう。
だが川上物流市場においては、
倉庫や荷役などを運輸と合わせて提供できる大資本が有利ではないのか?
私はその疑問を古沢さんにぶつけてみた。

実に明快な答えが返ってきた。

「輸送に技術が必要なもの。だれでも輸送できるものではないもの」。
こういう「ブツ」に特化して運べば、勝算ありというのだ。

確かに原料や素材といった川上物資は、取り扱いが難しい。
運送の仕方や保管の仕方ひとつで、ダメにしてしまうことも少なくない。
また、それらは危険物であることも多いから、
それこそ扱いを間違えれば、大事故や大惨事を引き起こす恐れもある。
だからこそ、これらの運送は誰でもできるわけではないし、
だからこそ、これらの運賃はそれなりにいい値段になるのだ。

儲け仕事を取れるのは、
資本と体力にまさる大企業だと決めつけていた私が浅はかだった。

資本も武器だが、「確かな技術」は、それ以上に強力な武器である。

古沢さんの会社は、もともと高圧ガス運送を専門としてきた会社であり、
「取り扱い注意の素材は、任せてくれ!」なのだ。

そんな古沢さんの言葉は、実に普遍性に満ちている。

「●●に技術が必要なもの。だれでも●●できるものではないもの」。

●●の箇所に、あなたが今取り組んでいる業務名を入れてみよう。
あなたは、それをやれているだろうか?

あなた自身の、あるいは、あなたの会社自身の強みを見極め、
それを欲している相手を見つけ出せれば、
どんな大きな企業が競合でも、堂々と渡り合えるということだ。

反対に、古沢さんが言う「だれでも●●できる」世界に踏み込んでしまえば、
あとは、価格競争地獄に引きずり込まれるだけである。


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増田紀彦NICe代表理事が、
毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)にお送りしている
【NICe会員限定レター/「ふ〜ん なるほどねえ」スモールマガジン!】
増田通信・第34号(2013/08/14発行)より、抜粋してお届けしました。
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