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代表から

増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」57「何が変わったのか?」


私の会社でカサの卸売りをしていたことがある。もう20年も前の話。
当時、1本100円くらいで仕入れ、200~250円で小売店に卸し、
小売店はそれを1本500円で消費者に販売していた。

今になると、ビニール傘が1本500円は高値の印象だが、
その頃は「わずか500円で傘が買える」という感覚だった。

当社は問屋から傘を仕入れていたが、
問屋はメーカーからさらに安く仕入れていたはずだから、
小売価格は、低く見積もっても原価の10倍前後だったことになる。
これだけのマージン幅があったからこそ、
メーカーと消費者の間に3社も入ることができたのだ。

だが、その後の日本はデフレ一直線。生産地のアジアは人件費高騰。
今や「原価率10%以下」など、夢のまた夢といった風情である。

とはいえ、当時も決して儲け仕事ではなかった。
1本売って粗利が150円前後。100本卸しても1万5000円にしかならない。

なのに、その商売を続けていたのは、当社のオフィスが渋谷にあり、
徒歩で納品できる範囲に、無数の小売店があったからだ。
加えて、急な雨に見舞われた場合、渋谷の各所に集まっている人たちが、
どこに駆け込んで雨宿りをするのか、見当が付いていたからである。
要するに、雨宿り場所の近くにある小売店に営業するだけ。
洋服屋、酒屋、文房具屋……。いろいろな店に取引していただいた。

もっとも現在の渋谷に、そうした規模の小売店はほとんどないし、
反対に、元々ビニ傘を販売しているコンビニがびっしり配置されている。
仮に日本がデフレでないとしても、もう、渋谷であんな商売はできない。
世の中は変わるものである……。

先月下旬、会食のために渋谷に出かけたら、猛烈な雷雨に見舞われた。

「これは傘が売れまくるな」と思ってコンビニを覗いていたが、
駆け込んで傘を買う客をついぞ見かけることはなかった。
そりゃそうだ。
ビニ傘ごときで、昨今の恐るべき豪雨に太刀打ちできるわけがない。
わずか20年の間に、世の中どころか、地球も変わっていたのである。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第57号(2014/8/7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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