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どうする?日本経済

ヘルスケアは地域産業が担う!


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

     第21回 
     ヘルスケアは地域産業が担う!

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【「地域ヘルスケア」を掲げる二つのファンド】

「地域ヘルスケア」の文字が入るファンドが今年、相次いで組成された。

一つ目は『地域ヘルスケア成長ファンド』(以下、『成長ファンド』)。
日本政策投資銀行と三菱UFJリースが5月に組成した投資組合である。
「健康・医療産業の中核的存在である医療機関等においては、
老朽化した病院の建替や医療機器の更新等による医療機能の高度化、
今後の地域環境に対応した医療体制の構築に向けた取り組みが進められている」
として、医療機関を対象に資金を供給する。

二つ目は『地域ヘルスケア産業支援ファンド』(以下、『支援ファンド』)。
こちらは地域経済活性化支援機構が旗振り役となり、
同機構の子会社や都銀、地銀などが9月に組成した投資組合である。
どちらのファンドの総額も100億円。

両ファンドは名称こそ似ているが、投資対象が異なっている。
『支援ファンド』は、医療機関のみならず介護事業者、
さらには公的保険サービスの外側にある様々な健康増進(疾病予防)産業、
また、これらの機関・企業の合弁事業にも資金支援を行う計画だ。

『成長ファンド』は、いわば従来のヘルスケアサービスを支援し、
『支援ファンド』は、新たなニーズに基づくヘルスケアサービスを支援する。
そう、分類してもいいと思う。


【『支援ファンド』は国家戦略の一環】

さて、今回の話題の中心は『支援ファンド』のほうである。
地域における健康産業を支援するという趣旨は、
政府が6月に発表した「『日本再興戦略』改訂 2014」に記載されており、
同ファンドの組成はその実現のための一手だ。

この施策を研究・検討してきたのが次世代ヘルスケア産業協議会で、
同協議会が同じく6月に発表した「中間とりまとめ」が興味深い。


【地域産業が健康と国家財政を救う?】

同協議会はその中で、2011年度に38兆円を突破した医療費が、
わずか14年後の2025年には60兆円に達するという見込みを述べ、
併せて2011年の医療費の3分の1が生活習慣病だったと記している。
要するに、運動不足や食生活の問題が、
医療費を押し上げる要因になっていると分析している。
だから、予防・健康管理のための「公的保険外サービス」の創出・発展が
国民の健康増進と医療費の削減の両方に寄与するという論旨だ。

具体的には、以下の項目が提言されている。
●「医・農商工連携」推進のため、新事業に関するモデル実証事業を支援
●地域版「次世代ヘルスケア産業協議会」を全国展開し、優れたモデルを普及
●「地域ヘルスケア産業支援ファンド」の創設(上述のとおり)
●政策金融によるヘルスケア産業創出融資制度の検討
●保健師等専門人材やアクティブシニア人材活用のためのマッチング事業支援

見る人が見たら、俄然、やる気のわいてくる支援メニューだと思う。


【プライマリ・ヘルスケアの具現化か】

もっとも予防・健康増進を地域主体で取り組むべきという考え方は、
30年以上も前から、世界保健機関(WHO)などが提唱してきたことであり、
この考え方を一般的にプライマリ・ヘルスケア(以下、PHC)と呼ぶ。
直訳すれば「(住民にとって)優先的もしくは身近な健康管理」だ。
WHOはPHCを遂行する上での4原則として以下を掲げる。
●住民のニーズに基づく方策
●地域資源の有効活用
●住民参加
●他のセクター(農業、教育、通信、建設、水など)との協調、統合

抽象的な記述だが、「中間とりまとめ」とダブる印象はないだろうか。

『成長ファンド』は、なかなか手の届かない資金かもしれないが、
『支援ファンド』の活用は、連携プランを含む事業計画次第と言っていい。
全国各地の健康関連ビジネスの経営者のみなさん、チャンス到来である。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.22
(2014.0924配信)より抜粋して転載しました。
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