一般社団法人起業支援ネットワークNICe

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復興・事業支援 熊本のNICeな起業家報告1






NICeでは、東日本大震災後の2011年3月より現在に至るまで、段階別に東北経済活性化支援活動を続けています。2011年3月〜8月は、復旧・生活支援に取り組むNICeユーザーに対する資金援助。同年9月からはNICe内に「震災復興支援委員会」を設置し、復興が進む地域での起業・就業支援と、放射能問題で復興が遅れる福島県に対する除染技術等の情報提供、2012年8月からは、被災地創業・創職支援を強化し、経済的・人道的支援とに取り組みを分けて活動してきました(参考1:最新の活動報告はこちら 参考2:「地震列島ニッポンに生きる起業家の生き方」2013年11月23日NICe増田代表講演「第4回N-1グランプリ」)。

そして2016年4月、熊本地震で被害を受けたNICeな起業家たちの支援も始めました。今後、時間の経過と共に様々な課題が発生すると考え、まずは現状課題の共有、今後の取り組みのための情報収集として、6月10日(土)・11日(日)に広報・岡部が訪問してきました。


○小野利雄さん(熊本県小国町)
http://www.info-ar.com/


阿蘇くまもと空港から車で1時間半、県北部の阿蘇郡小国町で、地域活性化のために地域別MapのWebシステムや、名刺・広告・ポスター・ちらしなどのAR化(拡張現実)事業を展開しているサポートゼロワン代表の小野さん。空港隣の西原村で話をうかがった。本震の夜はご家族と一時避難し、小野さんは愛犬とともに車中で夜明けを待った。自宅等の被害はなかったため、翌日からはご自宅へ。物流がストップしていた数日間は、地域の支援物資仕分け作業のボランティアに参加。本業への支障は今のところ感じてはいないそうだが、崩落した阿蘇大橋は、小野さんも日常的に通行していた生活ルートにある。特に冬期は他の国道が積雪で通行止めとなるため、熊本市街へ出る唯一の道。橋の復旧まで数年要すると言われており、冬期に市街へ出るにはかなり不便を強いられるだろうとのこと。また例年であれば、ちょうど阿蘇は夏の観光シーズンとなるが、観光客は激減。この状況は阿蘇郡および熊本県内だけではなく、近隣県まで波及しており、今後その影響も懸念される。


▲益城町に位置する阿蘇くまもと空港にて



○岡 初義さん(熊本県八代市)
http://www.nanohana987.com/



▲岡 初義さんと夫人の照代さん。八代市のご自宅にて

県南部の八代平野で200年続く、「い草」農家(栽培&畳表加工)7代目の岡さん。地震により築75年の母屋の柱に亀裂や扉のゆがみなどが生じ、しばらくは農舎や車中での生活を余儀なくされた。散乱した母屋や農機具、い草などの片付けをしつつも、当然のことながら農業に休みはない。12月に植えたい草の追肥・先刈り・杭立て・網張りなどの細かな管理も始まり、畳表の加工作業も同時進行。また岡さんは本業のい草のほか、小・中・高校での食育にも長年関わっており、環境保全型農業授業「菜の花プロジェクト」、地域の仲間との「やつしろ菜の花ファーム987」などの活動もしており、休む間がない状況が続いている。そのため一時は体調を崩したそうだが、8代目の息子さん夫婦の頑張りや全国からの応援も大きな励みとなり、この日も元気に畳表の加工に精を出していらした。
※い草農家は、い草を栽培・収穫するだけではなく、畳表に加工するまでが仕事。畳表に仕上げてから畳屋さんへ出荷する。

▼12月に植えたい草は現在60cmほど。収穫の7月には倍以上に成長する。倒状防止のための編み張りも大切な管理のひとつ。岡さんは、染土・着色剤・添加物など使わず泥染をしない“すっぴん・い草”を畳表に加工している



「やつしろ菜の花ファーム987」とは、2006年に岡さんが中心となり地域の仲間たちとスタートした、参加型・循環型の景観農業だ。九州新幹線沿線の休耕田に、地域の子どもたちと葉の花の種を蒔き、春は一面の葉の花畑にして景観を提供し、菜の花の蜂蜜も採取。その後は菜種を収穫して『菜の花オイル』として商品化し、さらに残渣を鋤き込んで菜種を搾った油粕で有機肥料にし、6月に田植えをして、お米『菜の花米』と純米酒『菜々』へと、様々な6次産業化商品を誕生させている。この取り組みを応援したい!という全国の人たちに「なの花 オーナー」になってもらい、新米収穫の時期に、これらの商品を“菜の花畑の贈り物”としてオーナーへ届けるという仕組みも岡さんが考案。


▲3月には2000万本の菜の花が満開に。毎年この時期に合わせて
岡さんらは菜の花ウオークラリーを開催している。画像は、
「やつしろ菜の花ファーム987」さんのFacebookページより



通常であれば毎年3月末で「なの花 オーナー」募集を締め切るのだが、NICeからの提案で、復興・事業を支援する「なの花 応援団」を新設することになった。岡さんたちの取り組みを応援したい!という方は、どうぞお申し込みを。


○「なの花 応援団」募集要項



■1口1万円(何口でも)
■募集期間 2016年10月末で締め切り
■新米の時期に以下をお届けします
・全員の方へもれなくプレゼント
  葉の花米 2kg1袋
・お好きな商品を以下から5品目お選びください(重複可)
 1 葉の花オイル 455g
 2 トマト酢っぴん(黒酢)150g
 3 晩白柚(ばんぺいゆ)酢っぴん (黒酢)150g
 4 酢っぴん (黒酢)300ml
 5 葉の花米 2kg

※プラス1300円で、純米酒『菜々』も発送できます

■お申込み方法
「なの花 応援団 参加希望」とのタイトルで、
 ご住所、ご氏名、電話番号、口数およびお好み5品目を明記の上、
 FAXまたは、岡 初義さん宛の以下メールにて、お申込みをお願いします。
・FAX :0965-52-0965(岡さんご自宅)
・メール:aijyooka@mocha.ocn.ne.jp

■会費支払い方法
郵便振込みの場合
 口座番号 (記号)17130 (番号)33527541
 口座名 オカハツヨシ
銀行振込の場合
 熊本県信用組合鏡支店 普通 2139284
 口座名 オカハツヨシ

■お問合せ
やつしろ菜の花ファーム987
代表 岡 初義さん
TEL:0965-52-0965(岡さんご自宅)
http://www.nanohana987.com/
https://www.facebook.com/nanohana987/


▲水田の周りの農業用水路は、日本三大急流の一つ球磨川の伏流水。岡さんはお孫さんと育てているというシジミを見せてくださった。387年前までここは海であり、干拓地だった。程良い塩分が豊かな土壌となり、上質ない草の産地になっている

※復興・事業支援 熊本のNICeな起業家報告2へ続く

取材・文、撮影/岡部 恵

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