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どうする?日本経済

日本人よ、「フラリーマン」になるなかれ


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

     第52回 
     日本人よ、「フラリーマン」になるなかれ
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【勤務先の駐車場で時間を潰す人々】

北関東のとある都市の創業塾に参加する男性が、受講動機をこう語った。

「最近は、私の勤務する会社も残業時間の上限を徹底しています。
その結果、会社の駐車場に停めてあるクルマの中で、
延々と時間を潰す社員が、山のように現れてしまいました。
問題だと思う一方、この状況はビジネスチャンスになるのではないか、
そういう思いが強まって、この場にやってきました」。

なるほど。仕事をしていればお金を使うことはないが、
会社を出て何かをしようと思えば、出費につながりかねない。
ところが残業代がカットされたから、その出費を賄うお金が足りない。
それなら夕食の時間までジッとしているに限る。そういうことだろう。

もっとも、その時間を家事や育児に当てることもできるはずだが、
それをしない男性「フラリーマン」は少なくない。

稼ぎもしない、家事もしない、大量の日本人……。確かにこれは問題だ。


【創業塾受講者の事業化に期待!】

この受講者は、「働き方改革」によって生じた事象=社会変化という、
環境要因(外的要因)から起業機会を掴もうとしている。
もっとも、人事部門でのキャリアが長い彼にとって、
「働き方」に関する事柄は、自身が有する資源とも重なり合うテーマだ。
では、この「機会」と「資源」を重ねると、どんな事業が起こせるのか?

普通に考えれば、
「ヒマになり、かつ、収入が減った人々」のニーズを満たすサービスになる。
私は、その事業を何とか実現し、軌道に乗せてほしいと思う。
この問題を解決しないと、日本のデフレがさらに進行してしまうからだ。


【「上限60時間」によって失われる賃金は8.5兆円】

政府は今国会で「働き方改革関連法案」を一括成立させたい考えだが、
ご存じのように、安倍首相の裁量労働をめぐる発言が問題となり、
思惑どおりにことは運ばない可能性もある。
とはいえ、月の平均残業時間の上限を60時間とする線は崩れないだろう。

大和総研の分析によれば、月の上限が60時間に規制された場合、
年間で8.5兆円もの賃金が失われることになるという。
ちなみにトヨタ自動車の直近純利益が1.8兆円だから、
これがいかに大きな金額であるか、想像に難くないと思う。
放置すれば、またぞろ個人消費が低迷し、デフレはもはや底無し沼だ。


【何のために副業を手掛けるのか?】

であれば、やはりここは、「副業のススメ」ということになるだろう。
しかし、そのせいで長時間労働に戻ってしまえば元も子もない。
そうなると、時間に縛られない「投資に近い副業」を考える人も出るだろう。
だが、言うまでもなく、投資には危険がつきまとう。
そこで登場してくるのが、マルチ商法的なビジネスだ。
「会員を集めれば集めるほど、あなたは儲かる」的なアレである。
この手のビジネスの勧誘は、今後間違いなく勢いを増すと予測できる。

でも私は、上記のいずれとも異なる提案をしたい。
「時間があるなら勉強しろ」。

自分に備わっている才能を的確に認識・把握するための勉強、
そして、その才能を磨き、伸ばすための勉強をしてほしい。
その勉強の一環として、副業に取り組んでほしい。
いわば「生涯に渡って稼げる力を付ける」ためのOJTだ。

減ってしまった収入を早く取り返したい気持ちはわかる。
だが、ことは残業代のカットだけで済むのだろうか?
言い換えれば、会社はあなたの面倒を延々と見てくれるのだろうか?

「会社がなくても生きていける自分を見つけ、育てるための時間を得た」。
駐車場で時間を潰している人々には、そう考えてほしいと願う。

<一般社団法人 起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.63
(2018.2.22配信)より抜粋して転載しました。
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