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厳しさを増す経済・経営環境に立ち向かうために、NICe増田代表理事が送る、視点・分析・メッセージ 。21日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
アフター・コロナは、もはや遠い将来ではない



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 「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

 第91回 
 アフター・コロナは、もはや遠い将来ではない
 
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【集団免疫をどう実現するかが今後の世界の課題】

世界的に見ると日本のコロナワクチン接種はかなり遅れている。
とはいえ、先行地域も接種率5割を超えたあたりから伸び悩みが生じており、
早晩、日本も他国のレベルに追いつくだろう。

つまり近々、日本も他国も自然感染+ワクチン接種済の人を、
いかにして国民全体の7割以上に持っていくかが、共通テーマになる。
その際、最初にすべきことは、
ワクチン未接種の人たちのセグメンテーションを実施することだ。


【ワクチン接種推進にはマーケティング的視点と手法が有効】

ワクチン未接種の人の中には、

・そもそも、医学的に見てワクチンを打つべきではない人
・ワクチンは人体に悪影響を及ぼすと考えて接種を拒む人
・身体への影響という理由以外で、接種を拒む人
・積極的に拒んではいないが、何となく怖がっている人
・ワクチンを否定してはいないが、接種が面倒だと思っている人
・ワクチン自体ではなく、注射もしくは注射器を恐れている人
・ワクチン接種情報が適切に届いていない人

など、何種類ものセグメントが存在していると考えられる。

したがって、各国のワクチン接種推進部局は、
各セグメントの規模を把握したうえで、働きかける優先順位を策定し、
対象がワクチン接種を受けるという意思を固めさせるべく、
各々の特性を捉えたインセンティブを用意し、
適切なキャンペーンを展開すべきである。


【コロナで生じた様々な変化は、どうなっていくのか?】

さて、ワクチン接種が進み、集団免疫状態に近づくようになれば、
私たちの生活や仕事のあり方も、また大きく変化する。
とはいえ、何もかもが元に戻るわけではなく、
また反対に、何もかもが新しくなるわけでもない。

以前にも書いたが、
コロナ禍によって生じた変化は、以下の3タイプに分類できる。

◎一過性の変化、つまりやがて元に戻る変化
◎合理的な変化、つまり変化が定着し、基本的には元に戻らない変化
◎規範の変容を伴う変化、つまりそう簡単には定着しない変化

一過性の変化とは、あくまで公衆衛生上、必要とされた変化のことで、
たとえばマスク着用、三密回避、飲食店利用や旅行の自粛などのことであり、
これは必ず元に戻る。
感染を抑えこんでいる米国や中国の様子を見れば、わかりやすい。

一方、合理的な変化とは、きっかけはコロナ禍だったが、
変わってみたら得だった、あるいは便利だったという変化のこと。
企業や自治体の出張の削減や、書類等への押印の廃止は、
基本、元に戻ることはないだろう。

なお、規範の変容を伴う変化をひとつ挙げるとすれば、
「政府やIT系企業への個人情報の提供」というテーマがある。

昨年、コロナ対策や給付金支給などをめぐり、
国民の個人情報収集が求められた。
こういう取り組みが強く進められたこと自体、変化だが、
ご存じのとおり、少なからぬ人々は、それらに非協力的な態度を取った。
コロナ以上に個人情報が筒抜けになるほうが怖いと考えたのだろう。
こうした日本人の精神性や歴史的な経緯にかかわる変化は、
理屈では必要と思われても、容易には定着しないと見ていい。


【在宅か出社か。このテーマは当面決着しないと予測】

なお、「働き方」に関する変化は、
今後しばらく、揺れ動く状況が続くと予想される。

この1年以上の歳月で、リモートワークにはメリットもあるが、
負けず劣らずのデメリットがあることも判明した。

昨年、経団連はここぞとばかりにリモートワーク推進を表明したが、
最近、政府から五輪期間中のリモートワーク推進方針が出されると、
「勘弁してくれ」と、すっかり態度が変わってしまっていることからも、
その悩ましさが見て取れる。

また、今月になって米国アップルは、完全リモートワークを中止し、
9月以降は、月曜、火曜、木曜の出社を求める方針だと発表した。


【意識すべきは「コロナ以外」の社会課題】

さて、ここまではコロナに関連した変化について考察したが、
そろそろ私たちは、アフター・コロナ社会において注目される変化にも、
意識を向ける必要が来ている。

とくに、コロナ禍で中断や停滞、縮小傾向にはなっていたものの、
コロナの克服に応じて、あらためて重視されるだろう変化についてだ。
私は、その代表格がSDGs(エス・ディー・ジーズ)の推進だと思う。


【小規模ビジネスはSDGsを事業として追求すべし】

すでに日本国内でも大手企業のみならず、
地方自治体や中小企業もSDGsにもとづく活動を開始している。
また、そうした活動をファイナンスで支える地域金融機関も少なくない。

もっとも、大手企業や中堅企業は豊かな体力を背景に、
有形無形の経営資源を非営利的な活動に投入することが可能だが、
こと、小規模ビジネスでは、そうもいかないのが現実だろう。

だからこそ、小規模ビジネスはSDGsにもとづく取り組みを、
本業あるいは新規事業として立ち上げ、しっかり稼ぐことで、
持続可能な社会づくりに貢献できる道を選択するのが本筋である。

またそれこそが、アフター・コロナ社会において求められる変化を、
ビジネスチャンスへと転化するための有益な視点である。


【コロナ禍を衝いて実施された「SDGsビジネスプランコンテスト」】

今年の2月から募集が始まった、
「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」の最終結果が、
この6月に決した。
https://bita-choco.com/official/sdgs-bizcon2021.html

同コンテストは名古屋市に本拠を置くNPO法人ビタショコが主催し、
多くの公的機関や金融機関、マスコミが後援する盛大な取り組みであった。
私たち一般社団法人起業支援ネットワークNICeも協賛団体となり、
「NICe賞」を提供させて頂いた。

コロナ禍を衝いて実施されたこのコンテストには、
世界がアフター・コロナを迎えた折りに、
即着手すべき数々のテーマを的確に捉えたプランが多数寄せられ、
その中から、以下に紹介する7件のプランが最終審査に進んだ。


【持続可能な社会をつくる、持続可能なビジネスモデル】

●食物アレルギーや病気、ダイエットや妊娠中の方専用のレシピサイト、
”tasukeai(仮)”の運営
●子供の考える力を鍛えて未来のイノベーターを育てる!
●ジビエレザーで作られた花「DEREIN」を普及させることで、
獣害問題の啓蒙活動とSDGsを推進する
●花の廃棄処分を無くす!デザイン×廃棄花のアップサイクル
●選ばれる事業所に!
発達支援力アップのための障がい福祉サービス現場の人材育成
●「共感」で「介護施設」と「学生」をむすぶ
共感型求人サイト musubun~ミスマッチをピタマッチに~
●「笑顔で生きるお手伝い」
健康寿命の延伸を目的とした予防的スキンケアと心のケア

私も同コンテストの審査委員を務めたのだが、いや、驚いた。
従来、社会性の高いテーマに挑戦する人のプランは、
概して収益性や採算性に弱点があることが多かったのだが、
上記の7件のプランのほとんどが、
「このビジネスを通じていかに稼ぐか、稼ぎ続けるか」を、
精緻に説明していたのである。

まさに、持続可能な社会をつくるための、
持続可能なビジネスモデルをとことん追求した、
見事なプランのオンパレードだった。

SDGsを知らない、あるいはよくわからないという人は、
あらためて、概略だけでもいいので把握してほしい。

世界が取り組むべき「17の目標」の中から必ず、
あなたがやりたいたこと、やれること、やるべきことが見つかるはずだ。
まずもって、それを探すことが、「変化を活かす」ための第一歩である。

アフター・コロナは、もはや遠い将来ではないのだから。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>


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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.144
(2021.6.21配信)より抜粋して転載しました。
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