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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、 始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。 そんな先輩たちの実体験から学ぶ「起業あるある!」&ワンポイントガイド。
第34回 ホテルオープンと同時にバブル景気崩壊、稼働率20%台に。出合った本が運を呼び、視点が広がり、生き方までも上向きに



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第34回 
ホテルオープンと同時にバブル景気崩壊、稼働率20%台に。
出合った本が運を呼び、視点が広がり、生き方までも上向きに

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 山地伸幸さん 2007年設立
 北海道札幌市
 
 株式会社ヤマチオフィス 代表取締役
 http://yamachi-office.com/ 
  
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札幌市内の交通至便な琴似駅近くに、
起業家のための「札幌オフィスプレイス」を営む山地さん。
大学卒業後、銀行員を経て父親の会社に入社し、
次男のため後継者ではないものの、
新規事業計画・実施、現場監督や営業、工場など、
さまざまな分野の事業立ち上げと実務・経営経験を積んできた。
東京でホテル支配人を務めた後に、地元・札幌へ戻り、
起業家支援に貢献することを決意したという。
「たくさんの方にお世話になってきたので恩返しをしたい、
けれどお返しできる人は限られている。ならば恩送りをしよう」との想いから。
起業メンターとして、豊富な経験と心温かな人柄も相まって、
道内外の多くの起業家から『ノブさん』と呼ばれ慕われている。

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「コロナ禍の影響で、今まさに苦境に立つ経営者やリーダーは多いと思います。
私の話は30年ほど前のことですが、共通することもあるかと思い、お話しますね。
私が最高責任者として、東京の蒲田という地にホテルを新設した時のことです。
数年がかりで事業計画を練り、新設、立ち上げ、実務、支配人を務めました。
しかし、いざオープンと同時に、バブル景気が崩壊。
事業計画ではビジネス客と観光客を見込んでいましたが、
まったく予想と現状が合わなくなってしまったのです。
稼働率は20%台と低迷し、宿泊業としては成り立たない状況でした。
支配人であり、経営の責任者でもあり、膨大な借金もある。
なんとかお客さまを得ようと、
毎日100軒、200軒と営業に回る日々でしたが、どこも空振り。
でも、「長」が落ち込むのは一番まずい。スタッフに暗い顔を見せたらいけない、
しかし部下に相談するわけにもいかず、辛かったし苦しかったです。

運命を変えたのは、本屋でした。
たまたま営業の帰りに本屋へ立ち寄って
実業家の斎藤一人さんの本が目に止まり、手に取ったのです。
そこに、『運がついている、と唱えなさい』と書いてありました。
よく経営者が『私は運がいい、運がついている』と言葉に出しますが、
私はそれを嘘だとずっと思っていたのです。
ですが、当時の私はどん底でしたら、とにかく真似てみようと、
毎日毎日、人がいないところでブツブツと
『運がついている』『頑張っている』と声に出し、
毎日1000回、2000回とつぶやき続けたのです。

それを3カ月ほど続けていたある日、
都内の知り合いのホテルにお邪魔して、フロントの方にお話を伺いました。
当時はまだインバウンド需要は少なく、フロントの方によると、
台湾や東南アジアのお客さまを受け入れるホテルが少なくて、
困っているらしいと。ならば!
うちのホテルは100室のうち、半分がツインなので団体さまも受け入れられる!
さっそく代理店に提案したところ、待っていました!と喜んでいただけて、
毎日のようにバスで台湾のお客さまがいらっしゃるようになりました。
羽田空港へ車で行きやすいことも好評で、それなら、
朝一の便に搭乗されるお客さまへアプローチしようと思いつきました。
今では送迎バスが一般的ですが、当時はまだなく、
タクシーでお送りするサービスを思いついたのです。
宿泊料1割引きするのと、空港へのタクシー代がほぼ同額でしたので、
宿泊料は変えず、空港まで無料タクシー付き、という策を出したところ、
大評判となり、大手旅行会社ではパック旅行まで設定してくださいました。

最初の頃は、ただやみくもに営業に回っていましたが、
お客さまは誰なのか、どこにいるのか、を考えられるようになってきたのです。
空港へ行きやすい、ならば頻繁に利用なさるのは誰かと考え、
航空会社へ提案したところ、客室乗務員の常宿として選んでいただけました。
キャビンアテンダントさんが毎日いらっしゃると話題になり、
稼働率は75%を超えるほどになったのです。
以降、8年間で20億円の借金も完済させ、ホテルの価値を上げて売却し、
私はリタイヤして札幌へと戻ってきたわけです。

オカルトのような体験談で、信じない方もいらっしゃるでしょうが、
苦境の時にいくら文句を言っても仕方ありません。
自分で自分のモチベーションを高めることが大切だとつくづく思います。
運が寄って来るように、自分の心の環境を日常的に磨くのが「長」かなと。
運がついている、頑張っている、と自分に言い聞かせて、
運の電波を発していくと、運が来てくれる。その運に感謝していると、
良案やご縁、学びをキャッチできる。そう確信しています」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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ノブさんのお話に、頷くことしきりでした。詳しい話は
別の機会に譲りますが、バブル崩壊の人心が乱れた時期、
私の会社で横領事件が起きました。ショックでしたが、
立ち直るキッカケをくれたのは、偶然手にした一冊の本
でした。また、アメリカ出張中にパスポートを盗まれ、
日本への帰国が叶わなくなった時も、リトル東京の書店
でたまたま手に取った本に救われました。まさに、これ
らの出来事は「たまたま」なのですが、ここ一番という
時にその「たまたま」を呼び込む力があるかどうか、こ
こが分かれ目になるのではないでしょうか。「でも、そ
んな力など鍛えようがない」と言われそうです。ごもっ
とも。そんなトレーニングが存在するなら、私が知りた
いくらいです(笑)。結局は諦めないこと、考え続けるこ
と、そして自らと周囲を信じること。信じて信じて信じ
抜くこと。その姿勢の先に「たまたま」が顔を出してく
れるように思います。ノブさんが言う通り、今の時代も
困難に満ち満ちています。でも、諦めたらそれまで。ピ
ンチはチャンスの母。自分には運がついていると言い聞
かせてください。必ず突破口が開くはずです。(ますだ)

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.166
(2022.6.13配信)より抜粋して転載しました。
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