第65回 「冷感商法」で猛暑をぶっ飛ばせ!

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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第65回 「冷感商法」で猛暑をぶっ飛ばせ!
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7月20日投開票の参院選に向けて、
各党の幹部たちが街頭演説を繰り広げている。
ニュース映像を見ると、誰もが汗だくだ。
「国民のために汗をかく」というが、それはあくまで比喩。
本当にビショビショになってどうする!
むしろ、熱中症で倒れでもしたら、
却って選挙結果に悪影響を及ぼすかもしれない。
と、えらそうに言っている私も、講演などの際は、
この季節にもかかわらず、ついつい上着を着てしまう。
「ちゃんとした身なり」であるべきという思いもあるが、
冷房が効き過ぎた室内に長くいられないという事情もある。
もっとも、その格好のまま屋外に出たら、これまたヤバい。
なので私は、室内外兼用の夏用アウターが欲しいと常々思っている。
もちろん、接触冷感機能付きの服が売られていることは知っている。
熱伝導率の高い素材を使って、肌の熱をサッと逃がす仕組みだ。
ところがそういうアウターは、概して、
私より若い世代向けのデザインばかりで、どうにも買う気になれない。
確かに高齢者が、この時期、上着を着て出掛ける頻度は高くなく、
市場として見れば、うま味が少ないかもしれない。
あれこれ調べても、年配向けの夏用アウターというと、
カーディガンやジャンパー、ベストくらいしか出てこない。
しかし、年々、高齢の働き手は増えていくわけだし、
そういう世代は、スーツやジャケットにこだわる意識が強いから、
ニッチなセグメントとして、一定の市場規模は期待できるはずだ。
もうひとつ、暑さ対策で考えていることがある。
接触冷感もいいが、非接触冷感も侮れないものがあると。
私が言う非接触冷感とは、
服にファンを付けるとか、冷感スプレーで気化熱を働かせるとか、
日傘の内張りに使うような遮熱性・遮光性のある素材を服に用いるとか、
そういう物理的なことではなく、直接、人間の脳に働きかける方法だ。
結局のところ、暑いだの寒いだのは、脳が判断すること。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言うではないか。
とは言え、そんな境地に至るのは無理。
そこで、半ば強制的に、脳を寒からしめてやろうという作戦だ。
つまり、脳に恐怖を与える。
人間は「怖い」と感じた瞬間、脳が非常事態発生と判断し、
交感神経を活性化させて、体温を心臓や脳に集めようとする。
そのため血管が収縮して手や足などの末端の血流が減り、
結果として、背筋や手足が冷たくなる、というわけである。
かと言って、本物の恐怖など味わいたくはない。
だから「フェイク恐怖」を味わえばいい。その代表格が怪談である。
怪談が夏に流行るのには、ちゃんとワケがあったのだ。
怖い話というのは、本当にインパクトがあるもので、
私も二つ、三つ、身の毛がよだつような話を知っている。
とくに、私の会社の社員から聞かされた話は、
「なぜそんな話をオレにするんだ」と、相手を恨みたくなったほどだ。
実際、その話を聞いたあとは、何年もの間、思い出すたび体が震えた。
今、暑いと感じている人がいるなら、
その恐ろしい話をここに書いて読ませてあげたくらいだが、
怨念を撒き散らしてしまいそうで、とてもじゃないが、できない……。
どう? こんな前振りだけでも、ちょっと寒気がしない?
というわけで、暑さの問題は、
本質的には気候変動を食い止めることでしか解決しないが、
それをすぐに達成することは難しく、
当面は、物理的な方法、もしくは心理的な方法で何とかするしかない。
ゆえに、悩ましいことだが、「冷やし」の商機は広がる一方だ。
さあ、あなたも創意と工夫を発揮して「冷やしビジネス」に挑戦しよう!
以上、「冷感商法」のススメ。お後が宜しいようで (笑) 。
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.235
(2025.7.11配信)より抜粋して転載しました。
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