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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」158 地域発ヒット商品の作り方 



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<最近の発見> 地域発ヒット商品の作り方
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「また、その話か」と、嫌がらず、ひとつお付き合い頂きたい。

以前も、『うんこ漢字ドリル』について書いたことがあるが、
今回の舞台は沖縄県である。所用でお邪魔していた石垣市で、
普段なら足を踏み入れないような、典型的な沖縄土産物店を覗いた。
台風24号の襲来で身動きがとれず、
出掛けられる所といったら、そんな場所しかなかったからだ。

とはいえ、特産品を使った食品や菓子などの新商品動向は勉強になったし、
泡盛の新銘柄が増えていることも、いい情報になった。

さて、一通り食品や酒類をチェックした私は、
珍しく、雑貨コーナーにも足を向けてみた。
私のマブイ(沖縄方言で魂のこと)が、何かに導かれたようだ。
その「何か」は、他の雑貨を圧倒するオーラを放っていた。おおおっ!

『沖縄版 うんこ自由帳』!

例の『うんこ漢字ドリル』の関連商品である。
速攻で買った。帳面を開くと、さっそく「沖縄限定特別例文」が出てくる。

◆パイナップルのような形( )をしたトロピカルなうんこが出た。
◆ビーチで拾( )った茶色い巻き貝は、おそらくうんこだろう。
◆残( )念だけど、紅芋を食べても、うんこは紫色にならないよ。

それぞれの例文が示す情景を思い浮かべてほしい。笑いが止まらなくなる。
実際、私も道々、大笑いしたのだが、街路樹が倒れんばかりの暴風は凄くて、
自分の笑い声が、自分で聞こえないという貴重な体験をさせてもらった。

うんこの話はここまで。
沖縄限定。この4文字はやはり魅力的である。

ちょっと真面目な話になるが、私は沖縄県の高校生が使う、
「日本史」の副読本を持っている。正式には『琉球・沖縄史』という。
沖縄県の教育委員会に問い合わせて発行元を教えてもらい、購入した。

この本の巻末に掲載された年表を初めて見たときの衝撃は忘れられない。
私たち内地の人間が学校で習った時代区分と、
沖縄県のそれが全く異なっていたからだ。

例えば縄文・弥生・古墳時代の頃を沖縄では貝塚時代と呼ぶし、
平安や鎌倉時代の頃はグスク時代、
室町から江戸時代に至る頃は、尚氏王朝時代となる。
二つの歴史が一つになるのは、まだ最近のことである。

言わずもがなだが、沖縄県は、かつて「琉球王国」という、
日本とは別の国家として存在していたのだから、当然なのだが……。

気候も風土も文化も歴史も異なる沖縄県。
その「違い」は、日本にあって、数々の問題や課題の要因にもなるが、
ことビジネスに限れば、実に有効な武器になることは言うまでもない。

例の自由帳の例文にも出てきた「パイナップル」「ビーチの巻き貝」「紅芋」……。
いずれも沖縄の強力な産業資源である。

さて、ここからが本稿の真髄だ。
『沖縄版 うんこ自由帳』から学ぶべきポイントは3つある。

その1
農家や食品メーカーなどではなくても、特産品は扱える!

つまり、特産品を言葉や絵にすればいいのである。
特産品をモチーフにしたTシャツや雑貨はすでにポピュラーだが、
例の「自由帳」のように文具など、
あまり特産品をモチーフにしていない商品カテゴリーにおいて、
そうした商品を開発していくという視点だ。

ちなみに那覇市の高良楽器店では、ゴーヤマラカスを販売している。
ゴーヤの形をしたプラスッチック成型製品で、中に粒が入っていて、
振れば、シャカシャカといい音がする。
もっとも、この商品のすごいところは、機能をもうひとつ備えている点だ。

ゴーヤのヘタの部分を引っ張ると、スポッと抜けるようになっていて、
そのヘタの先にはブラシが付いている。そのブラシの毛先には、
黒いものがベッタリと付いているのである。何だ? マスカラだ。
要するに、ゴーヤマラカス兼ゴーヤマスカラ(笑)。話を戻す。

その2
特産品は全国的流行と合体させるとよく売れる!

防疫上、沖縄県産の紅芋を購入して県外に持ち出すことはできない。
仮にOKでも、紅芋を持ち帰る人は少ないだろう。重いし、人にあげにくいし、
だいたい、どうやって調理すればいいのかわからないし、わかっても面倒だ。
だから、「紅芋タルト」がよく売れる。紅芋=沖縄、タルト=全国的流行。
地域性と多くの人が好む商品ジャンルとの見事な結合である。
『沖縄版 うんこ自由帳』も、この地域性+全国的流行による商品開発だ。

その3
べつに沖縄県でなくとも、地域ヒット商品は開発できる!

例の「うんこ自由帳」、実は沖縄県だけで販売されているわけではない。
「GOTOCHI UNKO(ご当地うんこ)」ブランドというものがあり、
例えば、「福島県限定 赤べこ うんこ自由帳」もすでにあるし、
「岐阜県限定 合掌づくり うんこ自由帳」もある。
(いつか、全部の自由帳を揃えたい!)

あなたの身近な地域資源を、全国的あるいは全世界的流行とくっつける。
それだけだ。発信手段はいくらでもある。
地域発ヒット商品は、作ろうとすれば、作り出せるもの。そう思ってほしい。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第158号(2018/1015発行)より一部抜粋して掲載しました。
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