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どうする?日本経済

民間の力を信じてほしい!


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    「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」

    第65回 
    民間の力を信じてほしい!
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【気が付けば、偏り始めていた、お金の流れ】

まずは例え話から。
世の中に、あなたと私の2人がいて、
あなたは80円を、私は20円を持っている。

私は「あなたから買い物をしたいが、現金があまりないので、
30円貸してほしい」と、あなたに頼み込んだ。
優しいあなたは私の願いを聞き入れてくれた。
その結果、2人とも50円ずつを持つようになった。

ところが図々しい私は、今度はこんなことを言い出した。
「財布の中が50円になったと言っても、半分以上は借金。
この借金体質を変えるのが優先なので、新たに15円をくれ」と。

人のいいあなたは、しぶしぶではあったが、私に15円を差し出した。
あなたの財布の中身は35円、私は65円。
さすがに、気まずい私は、あなたから5円の買い物をした。
が、すぐに「まだ借金がある。さらに15円必要」と、あなたに迫った。
これが通れば両者の財布は、あなたが25円、私が75円になる。
気付けば、貧富の差がまるまる逆転……。


【政府はお金を溜めこみ過ぎている】

言うまでもなく、強圧的で言葉巧みな「私」とは、政府のことであり、
優しくて人のいい「あなた」とは、民間のことである。

国債を発行して国民から資金を借りておきながら、
その返済資金を、驚くべきことに、金を貸した当人である国民に、
増税という形で提供させようという強欲ぶりである。

しかも、「今後は借金をしなくて済むように」と、
つまり「財政健全化」のためにと、
さらに多くの資金を国民に負担してもらいたい、と言っている。
消費税率の10%への変更とは、そういう意味である。

私は万年野党のように、政府のすることなすこと全てに反対、
などという気は毛頭ない。いい政策であれば支持するし、応援もする。
声がかかれば、お手伝いをすることもある。

また、税の徴収が悪いという話でもない。
問題にしているのは、集めた金を使わず、つまり民間に流さず、
政府が溜めこんでしまっていることである。


【低下する小規模企業の利益、そして実質賃金】

少し固い話になるが、マクロ経済から見ると、
国の収支は、国内民間部門、国内政府部門、海外部門から成り立っており、
国内民間部門収支+国内政府部門収支+海外部門収支=0となる。

ということは、国内政府部門が黒字になれば、
自動的に、国内民間部門ないしは海外部門の収支の赤字を招く。
つまり、国内政府部門の黒字化のために緊縮財政を続けることは、
「財政健全化」でも何でもなく、民間収支を赤字に追いやる政策なのである。

実際、読者の方々の中に、
年々収入(所得)が増えていると感じている人は、どれだけいるだろう?
ほとんどいないのではないだろうか。私もそうだ。
取引単価は良くて据え置き、黙っていればすぐに値下げだ。

さらに言えば、一見「据え置き」のように見えても、
消費税を内税処理している場合、税率が上がるたびに実質値下げとなる。
例えば100万円の売上高に内税3%が含まれていれば、
実際の売上高は97万874円だが、これが5%だと95万2381円、
現状の税率8%だと92万5926円となり、
仮に10%が導入されれば、一気に90万909円まで目減ってしまう。


【政府は緊縮財政を見直して、資金を市中に!】

むろん私の取引先も、意地悪で価格を押さえ込んでいるわけではない。
取引先も資金がないのだ。そして取引先の取引先も、また資金が足りない。
要するに、資金が政府に集まり、市中(民間)に出回らないから、
誰もが支出を減らそうと必死になってしまう。

その結果、小規模企業の利益は低下し、国民の実質賃金も低下する。
これがデフレスパイラルを際限なきものにしている。
この展開の行き着く先を想像するだけでも、寒けが走る。

もう何度も何度も訴えてきたことだが、政府は緊縮財政方針を見直し、
財政出動へと舵を切るべきだ。

私たち、民間を信じてほしい!
消費税増税などせず、
むしろ反対に溜めこんでいる資金を一刻も早く民間に放出してほしい。
そうすれば、私たちは意気揚々と働き、稼ぎ、使い、金を回し、儲け、
その結果、法人税や所得税をしっかりと納めることができるはずだ。

<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>

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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.85
(2019.3.22配信)より抜粋して転載しました。
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