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NICe関東×志成会 頭脳バトル第2弾 レポート


2012年6月16日(土)、東京・港区の女性就業支援センターで、「NICe関東×志成会 頭脳バトル」(第11回NICe関東・頭脳交換会)が開催された。これは1月14日に開催した「2012 NICe関東×志成会 学び始めの会(第7回NICe関東 頭脳交換会)」/レポートはこちら)第2弾となる合同頭脳交換会。プレゼンテーターは、NICeと志成会からそれぞれ1名ずつ登壇し、2部制で実施された。参加者は、NICeユーザーや志成会メンバー以外からも多数あり、東京都内を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県、さらに宮崎県から総勢44名が結集した。



●オープニング

NICe関東の実行委員長・石井英次氏の司会進行でスタート。石井実行委員長(写真右)、志成会代表・古屋文隆氏(写真左)からのあいさつに続き、前回の頭脳交換会のアフター報告が行われた。

  


●頭脳交換会アフター報告

■1月14日の合同開催でプレゼンテーターを務めた
自然電力株式会社 長谷川雅也氏からの報告


ファシリテーター役の小林京子氏が、長谷川氏の代理で報告した。



長谷川氏は本日、知人の結婚式に参列するため参加できず非常に残念であり、くれぐれもみなさんによろしく伝えてほしいと小林氏は前置きし、さっそく代理報告を始めた。

長谷川氏が1月のプレゼンでテーマにしたのは、「地域主体の自然エネルギーの普及」(参照:レポート)。地域主体で太陽光発電を普及させるためにどのような仕掛けや仕組み、アプローチがいいかを課題に挙げ、参加者全員でアイデアを出し合った。

まずは業界の現状について。プレゼン後の3月に政府が電力買取価格を発表したのに伴い、既存の企業が定款変更してエネルギー産業へ進出する傾向があり、当然、長谷川氏の会社にもいい流れが来ている状況だという。

「ここからさらに嬉しい報告が続きます!」と、小林氏の声に輝きが増した。
頭脳交換会のグループ発表時に、「船上にメガソーラーパネルを設置する」というアイデアが出された。突拍子もないようなアイデアだったが、現にそういう打診が寄せられているとのことで、間接的に役立っているという。
さらにもうひとつ。別グループが提案した「工場や倉庫の屋根に設置する」というアイデア。これが実現し、なんと今夏、熊本市で着工予定とのこと! そのことが新聞にも掲載され、様々な企業から問い合わせも受けているという。さらにさらに、「他企業と連携をしてはどうか」とのアイデアも活用され、実績あるドイツの自然エネルギー企業と業務提携することがほぼ決定! 現在長谷川氏らは熊本を拠点に、九州で展開していく計画であり、また今後も進捗状況を報告できるように頑張りたいとのこと。「頭脳交換会でいただいたみなさんからのアイデアに本当に感謝しています」との嬉しい報告の数々に、参加者から拍手喝采がわき起こった。


■1月14日の合同開催を機に出会い、誕生した写真絵本『てくてくま』。
5月NICe関東でプレゼンテーターを務めた前田政昭氏からの報告


 

続いて、1月の合同開催に参加し、そこで初めて会ったNICeな仲間・渡邊真弓さんと意気投合し、写真絵本『てくてくま』を出版することになった前田政昭氏からの報告。前田氏はその後、5月8日に開催した第10回NICe関東・頭脳交換会にプレゼンテーターとして登壇した(参照:レポート)。その時にテーマにしたのは、「日本へ、世界へどのように広めるか」だ。

前田氏は経緯を説明した後、できたばかりのプレスリリース第一稿を皆へ見せ、初版本が7月上旬に納本される予定だと報告した。まずは先行予約の受付けをスタートさせ、追って間もなく一般発売も開始する!と報告(現在すでに一般発売はこちらで開始している http://www.facebook.com/tekutekuma)。
今後は、写真絵本の頒布だけではなく、プロジェクトとしてより広く展開していきたいので、引き続きよろしくお願いしますと述べ、これに対しても参加者から温かな拍手がわき起こった。


■頭脳交換会 第1部 

ファシリテーターを務める小林京子氏から、頭脳交換会の進行とルールについて説明。
そして、志成会からのプレゼンテーター・柿本氏を紹介し、プレゼンがスタートした。

●プレゼンテーション
テーマ;「医療機関で患者や家族がワクワクする仕掛けとは?」
KAKKY CREATION 代表 柿本堅治氏




柿本氏は工業デザイナーとして大手重電メーカーに28年間勤務し、2012年3月、医療機関や地域コミュニティ活性化事業イノベーターとして独立した。今回のプレゼンテーマは医療機関をメインにするとし、まずは特技の“似顔絵サプライズ”を披露した。会話をしながらわずか40秒で描いていくのが柿本流。そのスピードと完成度の高さに、誰もがびっくり。

 

続いて、「人が幸せにならない仕事はしない」と明言し、2つの事業理念を挙げた、ひとつは、元気・活力・満足・幸せを提案すること。もうひとつが、どこにもないサプライズで感動を提供することだ。そのサプライズのひとつのツールが似顔絵であり、これをきっかけにして現場の課題を可視化し、引き出した課題から病室や手術室の空間づくり、新サービスの提案など、工業デザイナーの長年のキャリアと人脈を生かしてイノベーションする事業を展開していく。

似顔絵がなぜ、課題を可視化することに役立つのかについて説明した。柿本氏は先に実演したように、必ず会話をしながら似顔絵を描くのだという。40秒で描くことでまず相手を驚かせる、完成度の高さで感動させる、その間、対象者と会話をする。この3つを短時間で行うことにより、相手と自分との距離感を一気に縮め、コミュニケーションしやすくなり、問題点や課題のヒアリングが格段にスムーズになるのだという。たとえば、「診察までの待ち時間が長い」「病室の白い壁が怖い」「もっと人と関わりたい」「会話が少ない」「自宅で過ごしたい」「病気のことを忘れたい」「日常と同じに過ごしたい」など、患者はさまざまな不安や希望を持っている。また、患者やその家族だけでなく、医療従事者あるいは病院経営者も同様だ。だが、その不安や希望をなかなか声に出す機会はない。そのきっかけに、“似顔絵サプライズ”を位置付け、笑顔の中から課題を引き出すゲートウエイにしていると語った。

  

柿本氏のイノベーション構想は医療機関だけにとどまらない。街の病院を元気にすることで、そこに集う人、働く人も元気にし、それが院外へと派生して、病院を拠点にした元気な街づくりへと寄与していくことを理想としている。さらに将来のビジョンとして、先進国と後進国が相互補完していくメディカルツーリズム、地域医療サービスのボーダレス化、多様なライフスタイルと遺志に応えたサービスなど、社会イノベーションを創造していきたいと抱負を述べた。

すでに事業としては始動しているが、独立してまだ4カ月。対価基準の設定方法が今後の課題であり、似顔絵関連以外にもサプライズ案を検討していきたいという。最後にあらためて、「みんなの笑顔をつくっていきたいのです」とにこやかに述べてプレゼンを締めくくった。


●質疑応答

Q:患者さんとは、入院患者のことか、それとも通院の患者か?
小林氏:現時点では固定せず、グループごとにどちらかに特化して話し合っていただいてもOKです。

Q:医療機関を利用する層は年代も広く、多様なニーズがあると思うが、特にどの年代向けに考えればいいか?
柿本氏:高齢者が一番多いですが、若い人でも待ち時間を楽しくしたいとの声も聞きます。ですので、特に年代はしぼりません。また、病院といっても、企業病院、公立病院、私立病院で異なります。

Q:似顔絵でテクニック以外に要することは?
柿本氏:似顔絵を描く時には必ず相手の目を見て話します。また、笑いは治癒効果が向上するという見解もあります。安心していただくこと、第2の処方箋のような効果があります。会話を伴うことがベースです。
Q:笑顔を示すとか、ですね?
柿本氏:はい。パフォーマンス性も要します。

 

Q:病院規模の設定は? 3人規模と1000人規模とでは異なるのでは?
柿本氏:今の時点ではニーズがあれば規模は問いません、
Q:すでに顧客は開拓しているのか、それとも新規開拓か?
柿本氏:新規開拓です。
Q:1カ所の病院に専任したいのか、それとも幅広く様々な病院か?
柿本氏:問いません。昨年、母が入院して、震災の3日後に大手術をしました。それが事業のきっかけでもあります。様々な病院にイノベーションを提供していきたい。似顔絵だけのニーズもあるかとは思います。
Q:引き合いが多かった場合に理想の社数は?
柿本氏:1年に10社ぐらいかと思います。

Q:柿本さんでないとできないビジネスを考えたいか? それとも、どこでも参入できる事業を考えたいのか?
柿本氏:この1年から1年半はトライ&エラーで私だけのビジネスでと考えています。また並行して、私と同じレベルに描ける人を最低5人は探そうと思っています。私は日本文化協会認定の初の似顔絵イラストレーターなので、全国どこでも教室が開けます。私が認めた人には認定書も発行されますし、規約に、私が紹介した病院で仕事ができると記す考えです。それでも5人ですので、年間10社くらいかなと思います。逆に言うと、それ以上は広げたくないのです。希少価値にしたいし、ろくに描けない、話せないような人に、たとえば自分の親と接して欲しくないですから。現在、芸大生3人ほどの候補がいます。
小林氏:フランチャイズ的なことはせず、ご本人あるいは認めた人のみで展開したいということですね。
柿本氏:はい。

Q:似顔絵はツールの1部ととらえ、もっと普遍的なワクワクするようなしくみができたてもいい?
柿本氏:はい。


▼6グループに分かれて15分間ディスカッションがスタート!
 

 

  


●発表タイム(各2分30秒)

Aチーム
・認知度向上のために、医療機関と通じている製薬会社の営業担当者と連携する
・病院で似顔絵教室を開催し、患者さんも生徒になり楽しんでもらう
・笑いそのものを提供するという発想から、落語やお笑いなど、芸能プロダクションと組む
・似顔絵付きの手紙を病院から送るサービスはどうか。定期検診、幼児検診のお知らせなどに利用できる。これは病院だけでなくほか業界にも効果的だと思うので、似顔絵に特化して展開するのもひとつだと思う

 


Bチーム
・ワクワクではない原因は医師にあるのでは?という意見からスタート
・医師=怖いイメージ、医師=理系、理系=コミュニケーション能力の不足、との仮説から、医学部在学中の若いうちにコミュニケーションUPする機会が必要ではないかと考え、大学の講義のカリキュラムに何か提案してはどうか
・病院の待合室には年配の方が多いので、その空間は畳の座敷にする。そこに似顔絵コーナーを設けては
・お笑い芸人を呼んで病院でイベントをする
・病院に直接営業しなくても、患者予備軍のいるところにアプローチしては。たとえば、ケアセンター、保育園、学校など

 


Cチーム
・事業展開について話し合った
・優秀な専門医は掛け持ちでいくつかの病院に勤務するケースが多いので、ひとつの病院に絞らずに、その専門医の個人的なブレインになってはどうか。複数の病院にアプローチもできる
・患者本人ではなく、見舞い客にもニーズがある
・動物病院もターゲットになるのでは。ペットや飼い主の似顔絵もニーズがありそう

 


Dチーム
・病院や介護センターは寂しいイメージがあるので、できるだけ楽しく過ごしてほしいという発想で話し合った
・いかに楽しくするか! たとえばバニーガール、ホスト、ホステスさんと交流できるイベントを病院で定期開催する
・患者の夢を似顔絵でカタチにしてあげではどうか。憧れだった職業など
・笑いや感動だけでなく、遺影のかわりにもなるのでは
・今後の事業展開として、課題をヒアリングした生の声をデータベース化して医療機関に提供する

 


Eチーム
・女性の患者さんはいつまでもきれいでいたいのでネイルサロンなどはどうか
・似顔絵は電子カルテや順番待ちの画面にも表示
・患者が病院で最初に会うのは医師。それが怖い顔だとより不安が募る。医師のネームプレートに、笑顔の似顔絵が表示されていれば、不安も和らぐのでは。また医師も、毎朝出勤時にその笑顔のネームプレートを着ける時に、「笑顔で務めよう!」と思うのでは
・似顔絵はどうしても個人対象だと思うので、不特定多数の対応では事業拡大は難しいのでは。なので、対象者を絞り、そこへ向けて喜ばれるサービスを深めてはどうか
・看護師さん向けの研修。似顔絵や手品など、笑いと感動をスクールで提供する
・院内合コン。高齢者でも若い人でも、病院生活を新しい出会いの場として楽しんでもらう
・病室の入り口に似顔絵とプロフィールを提示する。「なぜ入院したのか?」という会話よりも、似顔絵やプロフィールから会話が生まれれば、病院内も明るくなるのでは

 


Fチーム
・エンターテイメント性をもっとあげられないかという意見から、待合室でみんなテレビを見ているので、そのモニターを利用してはどうか。タブレットなども活用できる
・病院というのは身体を可視化している場である。笑顔を可視化しているのが似顔絵ならば、身体も可視化して見せてはどうか
・病気をイラスト化して、病気をやっつけるようなゲームにする

 


●フリータイムでアイデア出し!
テーマ「院内合コンで笑顔が広がるようなアイデアは?」




・スタッフはシフト勤務だろうし、患者さんもいろいろ体調もあると思うので、一堂集まるのではなく、「○○はどこで開催」のように、年代別やフロア別などに分けて開催してもいい
・似顔絵のカタログをつくり、気に入った人と会えるセッティングサービス
・男女でなくても趣味が一緒とか、好みも見える化してはどうか。どこかの待合室で少数単位で会えたらいいのでは? スタッフも参加することでコミュニケーションもアップする。離職率も医療ミスも減ったとなれば経営指標としても有効では
・病院内でSNSのようなバーチャル掲示板で表示し、囲碁の会、趣味の会などにしてはどうか
・妊娠バッチのように、似顔絵バッチをつくる。忙しそうな医師や看護師に話しかけてもいいのか戸惑うので、そのバッチを着けている時は、「今話しかけてもいいよ」のサインにする。入院患者も「今ならOK、お話ししましょう」マークになる
・長期入院していたが、入院患者が一緒に食事をするのが恒例だった。リビングのような雰囲気で良かったので、食事の時間を無理矢理合コンにしてしまうのもありだと思った。みんなで一緒に食べるだけで雰囲気はいいし、男女だけでなく、年代もミックスして座るように仕掛ける
・介護センター比較的時間もゆったりしているので、似顔絵で疑似恋愛のようなものも素敵
・食堂などに似顔絵を張り出し、医師の人気投票をする。患者や家族も投票に参加できて、人事指標にもなる

  

発表直後の柿本氏の感想:こういうことを病院側も一緒に考え、気付いていく。患者さんの思っているニーズも実現する。そういう双方向の病院がひとつでもできればと思います。「病気になって入院するのはつらいけれど、笑いによって新しい出会いができた、嬉しい」と、ひとりでも思っていただけたらと思います。みなさん、どうもありがとうございました。引き続き、これからもよろしくお願いします!



■頭脳交換会 第2部 

●プレゼンテーション

テーマ;「地方の中小企業がブランド力を武器に発展するには?」
有限会社スモーク・エース 常務取締役 穴井浩児氏


 

各テーブルには、穴井氏が宮崎から持参した自社製品『鶏炭火焼』と『鶏せせり香草焼』が皿に盛られ、試食をしながらスタートした。

有限会社スモーク・エースは、穴井氏の父が40歳の時に創業した宮崎地鶏と燻製専門店。父はかつてギタリストとしてスペインに長年暮らしており、その時の“青春の味=薫製品”を再現する薫製工房としてスタートさせた会社だ。この世にひとつしかないユニークな製品をつくり続けて30年。現在の人気商品は、宮崎地鶏を使った真空パックの『鶏炭火焼』。そのためか、焼き鳥屋だと思われることがあるが、あくまでも薫製工房なのだと穴井氏は強調した。

自身は高校卒業後に渡米し、27歳の時に帰国。久々に食べた故郷の味に感動し、「美味しいものは人を豊かにする」と確信してこの世界へ。商品開発から配送(工場直送)までを一環しているメーカーとして誇りも感じている。

販売ルートは自社のネットショップと宮崎空港直営店で、穴井氏はネットショップでの販売に注力している。地方にいながら全国へ販売でき、食べていただけるネット販売に興奮したと語った。
だが、2006年に鳥インフルエンザが流行した時には、撤退も考えたという。だが、それまで以上に丁寧に情報発信することで、多くの協力支援を得てそのピンチを乗り越えた。とはいえその時に、原料次第で供給が非常に難しくなることを痛感。前宮崎県知事の東国原氏のPRにより宮崎地鶏は有名になったが、“宮崎名物”に頼っていたビジネスモデルへの限界も感じたと述べた。

前知事により宮崎地鶏が一時的なブームになった当時は、製造に明け暮れる日々だったという。だが今振り返ると、「幸せではなかった」と穴井氏は語った。売れ行きが好調なのに幸せではない? 会場内が少し騒然とした。

 

穴井氏はプレゼンを続けた。もちろん認知度の向上は大事なことだと認識はしており、売り上げも確かに上がった。だが、ブームにより模造品も増え、やがてそのブームも去り、時を同じくして日本経済も下降した。だからいまは地方・地域から情報発信をすること、会社のブランディングを強化することが、ますます重要だと感じている。

Webサイトは思いを伝えるツールとして位置付け、今まで以上に、会社のバックボーンや理念、つくり手の思いを発信していくことを重視。そのひとつとして、“お客さまの声”はテキストでの記載は信憑性を下げるため掲載せず、必ず手書きを載せるようにし、地道に発信するよう努めている。それが信頼につながるのではと思い、実践中とのこと。

前知事のPR効果によってブームとなった時、がむしゃらに働いて幸せを感じなかったと先に述べたが、では、どういう時に幸せを感じるか。それは、やはり薫製だという。いい原料を仕入れて丁寧に薫製し、それを美味しいと喜ばれること。それこそが幸せだと語った。

これからもその思いで展開していくため、どのようにブランディングをするかが課題。ブランディングの焦点は人なのか、会社なのか、他の何かなのか。美味しいものを提供することへの自信はあるので、より発信力を高めるブランディングについて、みなさんからアイデアをいただきたいとして、プレゼンを締めくくった。




●質疑応答



ファシリテーターを務める横山岳史氏から、質疑応答の前に補足として追加情報が提示された。横山氏が事前にリサーチしたところ、「宮崎地鶏」で検索すると穴井氏のスモーク・エースは最上位に表示されるとのこと(2012年6月現在)。SEO対策だけではない知名度の高さ、人気ぶりがうかがえると述べた。

「そのくらい、商品力はずば抜けています。そして商品の値段は高価です。高級品であるにもかかわらず売れていることの素晴らしさに、正直、私は驚きました。さらにブランド力を上げたいというプレゼンでした。また、宮崎地鶏だけではなく、国産食材にこだわりたいとのことです。商品ブランドだけでなく会社としてのブランドに磨きをかけるため、どのようなアイデアがあるか。その話し合いのために、まず質問ある方、どうぞ」

Q:レストランなどに卸しているか?
穴井氏:中規模のこだわりの飲食店さんからのご依頼は増えています。こちらもメニューを提案するなどし、また、レストランさん同士のネットワークができないかとも考えているところです。全国で現在10店舗くらいです
横山史:今はBtoCがメインですが、BtoBが1割とのことですね。売上げは、店舗販売が7割、ネット販売が3割。また、大量注文に応えられる設備も整っています

Q:最初に一言言わせていただきたいのが、非常に美味しいです!(会場から賛同の拍手喝采!)
穴井氏:ありがとうございます!
Q:アルコールなしで食べるのは厳しいです(笑)。スモークの原点はどこですか?
穴井氏:主にイタリア、スペインなどの、ヨーロッパです。当社の原点はスペインです
Q:あえて原点に店を構えるというのもありですか?
穴井氏:現時点で出店の考えはありませんが、そういうことが次のステップかなとは考えてはいます

 

Q:売上げが上がったのに、幸せではなかったとのお話をもう少し
穴井氏:自分たちのDNAが薫製工房というところあるかと思います。炭火焼は確かに売れましたが、薫製をする時間がないことにジレンマを感じたことが当時の心境です
Q:幸せがキーワードかと思いました。今できるかは別にして、こんなふうだったら幸せというイメージは?
穴井氏:美味しいと言われることが一番の幸せで、人の人生を豊かにすることに貢献できたら幸せです
Q:美味しいものは世の中にたくさんありますよね? スモーク・エースでないといけない理由、成功の定義というか、こうなったら満足するというイメージは?
穴井氏:美味しいものを提供して成り立つことが経営的にも大事ですが、たとえばギフトとして商品を贈る方が誇らしく感じてくださるかどうか。そこまで今は至っていないと感じるので、自慢して贈ることができ、受け取った側も喜んでくださる、贈って良かった、そういうパイを増やしたいのです



Q:ブランドロイヤリティかと思う。たとえば、さけ茶漬で超有名な老舗があるが、知らない人は知らないし、知っている人には「すごいいい贈り物をもらったね」となる。そういう状態になることがゴールかと思う。プレミアム商品を置いている店はいいお店というような、戦略がいいと思います。そういう考え方はありですか?
横山氏:それはアイデアなので、ぜひグループで話し合ってみてください

 

Q:DMを拝見すると、商品名が一般的だと感じました。これは意図的にそうしているのか?
穴井氏:どうしても固くなってしまうのが正直なところです
Q:地方の中小企業とテーマにありますが、「地方の」というのは、地方の中で売れるようになりたいのか? 宮崎は関係ないのか?
穴井氏:宮崎に本拠地があることに価値を感じています。ただ、原料は宮崎産に限定せず、全国区で闘える商品展開に広がればと思っています

 

Q:話し合ううえでの自由度を確認したい。鶏、イカ、卵、など薫製になりますが、ほかの食材でも可能か?
穴井氏:はい、ぜひ他の食材でも考えていただきたいです
Q:薫製にはできないものは?
穴井氏:堅いものは難しいかもしれません
Q:ドリアンでもOK?
穴井氏:試したことはありません(笑)。

Q:薫製のノウハウは特別か?
穴井氏:独自開発しています。木をくりぬいてスモークするのが原点で、長時間いぶしながらスモークする古典的な方法です
Q:その開発した薫製技術やノウハウを提供することは可能か?
穴井氏:していません、企業秘密なのでお断りしています
Q:オファーはあるのですね?
穴井氏:はい



▼6グループに分かれて13分間ディスカッションがスタート!
 

 

 


●発表タイム(各2分30秒)

Aチーム
・製法のノウハウは企業秘密で公開できないとのことなので、なぜここの商品は黒いのか? という観点からスタートした
・黒というダークなイメージをブランドにしてはどうか。ブラックチキン、ブラックポーク、ときて、イカだけ「ブラックデビル」と命名するなど笑いも含めてみる
・国産にこだわるということなので、日本の食文化とコラボレーション展開も考えられる。ワインに合うとのことだが、あえて日本酒にこだわる。日本酒の蔵元と共同開発する。器も黒にこだわり、備前の窯元とのセット販売なども考えられるのでは。相互にネット販売してリンクしあう
・この主旨を理解していただいた飲食店で、ブラック会席コースなども可能では。とにかく黒にこだわる!でまとまった

 


Bチーム
・美味しい商品はこの世にたくさんある。美味しいものをつくれる技術こそが、やはりブランド力ではないか。その技術をどうアピールしていくかを話し合った
・食糧難の時代を考えると、薫製の技術そのものにもニーズが増してくる。すでに薫製の調理法キッドは流通しているが、まだ一般的ではない。スモーク・エースの技術力を生かして、家庭用の薫製キッドを開発してはどうか。それにより、薫製そのものの認知度も上がり、パイは広がるのではないか
・そのピラミッドのトップに、スモーク・エースあり!ということにつなげられるのでは

 


Cチーム
・売れる状況下で何が不満なのか?というところから、穴井さんが幸せになるにはどうするかを話し合った
・薫製業に関しては、薫製そのものを広めていくために、いぶし行脚をする。全国をいぶしてまわる“何でも薫製隊”
・商品に関しては、toCに特化したほうが、穴井さんは幸せではないか
・toCにアピールするためにはキャラクターも重要。ネット画面で、卵からニワトリへと成長するような表示にする
・商品のネーミングが月並みではないか。もっとワクワクする名前、個性のある名前にする。ユニークさや物語り性を感じられるよう改名する。せっかくのこだわり食材なので、エッジをきかせたほうがいい。これは何?と質問を受けることでコミュニケーションも生まれる
・せせり、モモなどの部位だけではなく、ニワトリ一羽丸ごと薫製にしては? かなりインパクトがあるのでは

 


Dチーム
・ポイントは2つ、プレミアム戦略と海外戦略でまとまった
・プレミアム戦略について。方向性の明確化と一貫性を持たせる。たとえば、美味しいし価格も高めだが、それに対してパッケージや広告が追いついていないのでは? この価格なのに美味しいという廉価品なのか、高級品なのか、見ただけでは不明瞭なので、高級品ならそれに応じたパッケージに変更する
・海外戦略について。宮崎のブランド力は前知事でブームとなったが、北海道に比べればまだまだ弱い。海外からの観光客に十二分にPRできるし、宮崎と姉妹提携しているアジアの都市と連携してPRしては。日本国内だけでないシナジーが生まれる思う 

 


Eチーム
・最高級品を設定することで、ほかの商品が売れる戦略はどうか。たとえば、超有名な超高級ふりかけのように、自分では買わないけれど、贈り物でもらったら嬉しいような商品づくりで展開する
・スペイン語で意味合いが出るような商品をつくる
・工場見学が可能ならば公開する。薫製に対する認識を広める。薫製文化を見せていく
・薫製の日をつくる

 


Fチーム
・ブランドコアは伝統、製法、美味しさなので、タッチポイントのひとつとして都心にアンテナショップを開設する
・キャラクターをつくる
・移動店舗を用意し、キャンペーンをする
・取り引きしている飲食店に、「あの商品あります」みたいなプレミアム感を提示してもらう
・若者世代にとっては高級品。大義名分を知ったほうが、購入意欲が湧くので、物語り性が重要。ドラマ、映画、本などにしてPRする
・ソーシャルネットワークを活用し、製造現場の人とお客さんが対話できるなどのコミュニケーションを図る

  



発表直後の穴井氏の感想:黒はネガティブだとばかり思っていました。目からウロコのアイデアをたくさんいただけて感激しています。ひとつひとつ具現化できるように頑張っていきます。みなさん、どうもありがとうございました!




■プレゼンテーターを務めた穴井浩児氏の感想と今後の抱負

「正直最初は私にプレゼンなどできるのだろうかと、非常に緊張しながら会場に向かいました。しかし、今回の機会をくださった小林京子さん、ファシリテーター役の横山岳史さん、そして会場の温かい雰囲気に不思議と気持ちが落ち着きました。

プレゼンではカッコいい事を話したい気持ちはありましたが、とにかく自身の事業について、みなさんに存在を知っていただこう。そのようなマインドに変化しました。真剣に話を聞いてくださる雰囲気に、自分でも話すつもりではなかった本心まで話してしまったような気がします。

驚いたのはみなさんからの活発なアイデアの嵐でした。私たちが考え付かないような、斬新な意見が次々に飛び出し、私にとっては頭脳交換会という名の学びの場になりました。

懇親会でも意見交換をする事ができ、新しいアイデアが次々と頭の中に浮かび、とても有意義な時間を過ごすことができました。新たなコラボレーションも誕生するかもしれません。それと、ファシリテータ―の凄さを思い知りました。的確に話の本質をまとめている姿に圧倒されてしまいました。

今後は宮崎から美味しい食品を製造販売し、そしてさらにブランド価値を高めるべく、人との出会いや情報発信を大切にしていきたいと思います。みなさま、貴重な時間をありがございました。お会いする事ができてとても嬉しかったです。これからもご縁が続くようよろしくお願いします」




取材・文、撮影/岡部 恵

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