増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」319号 ピンチを「大ピンチ」にしないために

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<最近の絵本> ピンチを「大ピンチ」にしないために
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名古屋出張中、少し時間があったので、
鶴舞公園の中にある市立図書館に立ち寄った。
勉強熱心だと思われたら面映い。無料で涼める場所を探しただけだ。
とはいえ、館内に入れば、そこはもう知と智の宝庫。
書架を右から左へと眺め回すだけで、わくわくしてくる。
中でも刺激的だったのが、司書が推薦する子ども向けの本のコーナー。
そこに、ご存じ『大ピンチずかん』が鎮座ましましていた。
この本、売れに売れまくっていて、現在はパート3が書店の棚を埋めている。
図書館に置いてあったのは、パート1。
少年が牛乳をコップに注ごうとして、
うっかり溢れさせてしまったイラストが表紙に描かれている本だ。
ちなみにその少年、その後、テーブルの上にこぼれた牛乳を、
直接口をつけて急いで吸い込もうとするが、
頭がコップにぶつかり、コップの中で満杯になっていた牛乳まで、
テーブルの上にぶちまけてしまうという事態に陥る。まさに大ピンチ (笑) 。
もっとも、これは不運な出来事ではない。
主人公の少年の迂闊さが招いた二次災害である。
私も自らのせいで、何度となく二次災害に見舞われてきた。
例えば、盛岡駅から新幹線で八戸駅へ向かっていたときの話。
八戸駅到着寸前で携帯電話を持っていないことに気づいた私は、
車内や身の回りを必死で探すも見つけられず、列車はついに駅に到着。
あわててホームに降り、善後策を思案するうち、
「あれ、なんか身軽だな……」と、不思議な気持ちに……。
わわわわわっ! キャリーケースを丸ごと車内に忘れてきた!
だが、時すでに遅し。新幹線はとっくにホームを滑り出していた。
携帯を失くしたせいで、荷物まで失くしてしまうという、大ピンチだ。
(そのケースがどうなったかは、別の機会で紹介したい)
少年の話も私の話も、最初の失敗のあとに焦ってジタバタすると、
さらに大きな失敗を招きかねない、という典型的な事例である。
失敗に気づいたときは、まず、落ち着くよう自分に言い聞かせ、
それ以上の失敗を重ねないことを優先する、
という意識を徹底したいものである。難しいとは思うが、
それができれば、ピンチが「大ピンチ」にまでは至らないはず。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第319号(2025/7.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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