vol.255【増田紀彦の視点・第147回 サイゼとナフサとビジネスチャンス】

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Vol.255 2026.5.21
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe
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【1】「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」
厳しさを増す経済・経営環境に立ち向かうために、
増田代表が送る、視点・分析・メッセージ
第147回 サイゼとナフサとビジネスチャンス
【2】 NICeニュース
レポートup:5月16日開催
頭脳交換会inお城の町・白河(NICe協力)
ほか10本
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「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」
第147回 サイゼとナフサとビジネスチャンス
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【ペペロンチーノ税込み300円の衝撃】
埼玉県の与野に用事があったので、駅近で軽めの昼食を取ることにし、
あちこち見回していたらサイザリヤがあった。
サイゼは「安い」「早い」「多すぎない」。だからちょうどいい。
と、頭では承知していたものの、実際にメニューを開くと、
あまりの安さに「うそでしょ」と声を上げそうになった。
■ミラノ風ドリア税込み350円
■ペペロンチーノ同300円
■ほうれん草のソテー同200円といった具合だ。
上記の品を全部注文したとしても、
税込み850円にしかならない。
【安さのために、できる事をすべてやる姿勢】
サイゼの安さの秘密は、すでにいろいろなところで語られているので、
詳細に記す必要はないと思うが、おおまかにおさらいをしておく。
1 とにかく売れている。販売数が多ければ薄利でも大丈夫
2 原材料の多くがイタリア直輸入。世界最大級の購入量だから仕入れ値が安い
3 店舗運営に無駄がない。つまり時間のロスがない
4 徹底したコストカット。ご存じのとおり店舗も食器も超シンプル
5 現金決済が基本。だからカード会社などに支払う手数料を抑えられる
などが思い付く。要因はまだあるかもしれないが、
とにかくサイゼは令和に名を轟かせる「庶民の味方」である。
【他社が値上げするほど際立つサイゼの魅力】
とはいえ、昨今の円安や物流コスト・人件費の上昇には、
同社も苦労しているはず。
普通の企業なら、とっくに値上げに踏み切っているところだ。
しかし「驚くほどの安さ」こそ、同社の看板だし、
むしろ、他社が値上げすればするほど、
その安さが際立つという効果もあるから、
サイゼは、そう簡単に値上げには走らない。
そのぶん、来店数や来店頻度、回転率の向上を図り、
同時に効率化やコストカットをより強力に推進するのだろう。
【今後も「あのコップ」を確保できるのか】
さて、そうは言っても気になることがある。
サイゼのコップのこと。
記憶にある方もいると思うが、何年か前からサイゼのコップは、
「ガラスのようなプラスチック」に置き換わっている。
いや、プラだと言われなければ、
単に「軽いガラス」だと思っている人がいてもおかしくない。
実際、透明度はガラスと比してまったく見劣りしないが、
耐久性はガラスよりはるかに高く、しかも軽量だ。
あのコップ、今後も確保できるのだろうか……。
【ガラスコップの地位を奪いつつあるトライタン】
「ガラスのようなプラスチック」はトライタンという樹脂製品。
考えたら私も自宅で使っていた。
トライタンのコップやグラスは、
今ではおおよその雑貨店に並べられているし、
フードコートやホテルの朝食会場などでも見かける。
「タリーズ」も今年の5月からトライタン製品を導入したそうだ。
今やトライタンは、「おしゃれで便利」な雑貨として、
不動の地位を築いた観がある。
【トライタンもやはりナフサ由来だった】
昨今、ニュースでその名を聞かない日がないのが、ナフサである。
ナフサ不足のせいで、
「病院では手袋やガウンなどの医療資材の在庫がなくなりそう」
「薬局では薬を入れる分包紙が足りない」
「塗装業者はシンナーが手に入らない」
「印刷会社はインクが調達困難」(そのせいでカルビーのボテチの袋が白黒に)
「あれがない、これが足りない」……と。
懸念したとおり、トライタンもやはりナフサ由来だった。
それにしても、何がナフサ製で、何がナフサ製ではないのだろう?
結論から言うと、
私たちがふだん目にしたり触ったりするプラスチックは、
ほぼすべてナフサ由来である。
確かに天然素材由来のプラスチックも開発されているが、
残念ながら、それらはまだプラ製品全体の数%にも満たない
【プラスチック製品の「元締め」ナフサ】
では、原油がどのようにプラスチック製品になるのか、
トライタンのコップを例にして、川上から追ってみる。
●原油
↓(蒸溜してナフサを抽出)
●ナフサ
↓(分解して化学原料を製造)
●化学原料
↓(合成して樹脂を製造)
●トライタンなどのポリエステル系樹脂
↓(成形して製品化)
●トライタン製のコップなどのプラ製品
つまりナフサは、あらゆる石油由来プラスチックの「元締め」である。
この「元締め」の「不在」が長引けば、
世界中の産業と暮らしが危機に見舞われるのは、火を見るより明らかだ。
【「ナフサ不足で日本は6月に詰む」のか?】
私たちNICeの会員の中にも、
ナフサ由来の容器が調達できなくなり、
製品の製造・出荷に黄信号か灯った企業が出た。
4月のTBS「報道特集」で、エネルギー専門家の境野春彦氏が、
「ナフサ不足で日本は6月に詰む」と発言し、物議を醸した。
ついにその時が来たのか……。
もっとも政府はこの発言をすぐに否定し、「ナフサは足りている」と反論した。
果たしてどちらの言い分が正しいのか?
【政府はパニック状態回避を優先している?】
仮に政府が境野氏の言うとおりだと認めてしまったら、
日本中がパニックに陥ることは予測に難くない。
オイルショックの時のトイレットペーパー騒動の再来だ。
そんな事態を避けたいから、政府は強弁している気もする。
そう考えると「節約しろ、節電しろ、省エネしろ」と言わないのも、
同じ理由からかもしれない。
もちろん、昨年の米不足騒ぎの時と似た展開で、
流通が製品を抱え込んでいる、あるいは特定企業が買いだめしている、
という可能性も否定はできない。
ただ、どちらにしても、本当に必要な人に、
必要な原材料や製品が徐々に行き届かなくなっているのは事実だ。
【ナフサありきの事業モデルからの脱却を】
米不足に続くナフサ不足のせいで、
私たちは茫漠とした不安に飲み込まれ始めている。
実際、政府がウソをついているかもしれないし、
特定の企業や団体が原料や製品を押さえ込んでいるかもしれない。
しかし、仮にそれが事実だと判明したところで、
状況が好転するだろうか。そうはならないだろう。
であれば、私たちができること、すべきことは、
疑心暗鬼を振り払い、ピンチをチャンスに転換するために計画を立て、
いち早く、そのプランを実行に移すこと。それのみだ。
例えば食品メーカーや化粧品メーカー、雑貨メーカーなどは、
プラスチック製の容器ありきで事業モデルを構築しているが、
この前提から脱却した企業が、次のフェーズで競争優位に立つはず。
「化石燃料由来製品の使用を減らそう」と謳って久しいが、
目の前にそれらが安価で並んでいれば、あえて捨て去ることは難しい。
だが、それが「ない」のなら、紙系やバイオ系の容器への変更や、
プラ容器に頼らない製造・流通・販売の仕組みを考える好機になる。
【トヨタもセブンもサイゼもピンチを梃子にして成長】
ピンチをチャンスへ転化することは決して簡単ではないが、
それをやり遂げることができれば、事業は躍進する。
今では誰もが知る「トヨタ生産方式」は、
戦後の資金不足と部品不足の中で、
必要な分だけ作り、在庫を極限まで減らすトヨタの努力から誕生した。
セブン-イレブン・ジャパンは、
オイルショックで物流コストが上昇した時、
高回転+POSデータ分析+多頻度少量配送を実行し、
在庫ロスの大幅減少に成功している。
そしてサイゼリヤは、
外食業界が原材料高、人手不足、人件費高に喘ぐ中、
メニューの絞り込みやセントラルキッチンの強化、QR注文などで、
超効率的運営を成し遂げ、「安さ」をブランドにまで昇華させた。
【今が過去の延長ではないことを肝に銘じよう】
「やればできる」などと無責任に言うつもりはないが、
「やらなければ、それまで」だ。
私は6月に「日本が詰む」とは思っていないが、
この事態に際して何ら転換策を講じない企業は、早晩「詰む」と思う。
私たち小規模企業は、
歴史的な転換期の只中にいることを、心の底から認識し、
従来とは異なる意識と頻度と方法で、生き延びる道を探るべきだ。
そのための知恵と情報を共有・循環させる「つながり力の強化」が、
私たちの行く手を照らす光になると信じている。
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>
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NICe NEWS
Web更新、勉強会、お知らせ
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《REPORT》 5月18日更新
レポートup:5月16日開催
頭脳交換会inお城の町・白河(NICe協力)
/archives/55966
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《Mr.NICe》 5月14日更新
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」337号
<最近の視察> 「菜」を取るか「実」を取るか
/archives/55925
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《NEWS》 5月8日更新
NICe日記大賞2026 4月の月間大賞
「循環を作る」」
/archives/47672
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《Mr.NICe》 5月7日更新
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」336号
<最近の要点> 生成AIを使うなら、NGワードを指定する
/archives/55917
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《NEWS》
【防災備蓄収納自慢BJ-1グランプリ】
継続開催のためのクラファン応援お願い
https://for-good.net/project/1003494
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《Event》
開催決定!エントリー募集スタート
防災備蓄の収納が 「観て・楽しく学べる場」
オンラインイベント【防災備蓄収納自慢BJ-1グランプリ2026】
https://bichiku-shunou.or.jp/bj1-2026/
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《Trial Lesson》
一般社団法人 変形性股関節症と正しく向き合う会
個別相談付きメディカル・アロマケア(=股関節ケア)個別体験会
5月は満席、6月13日
https://henkeisei-kokansetsu.com/lp-medical-aroma-massage
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《Seminar》
一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会
「防災備蓄収納2級プランナー講座」
5月26日、6月18日、7月7日、8月6日ほか
https://bichiku-shunou.or.jp/qualification/qualification-2kyuu/schedule/
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《Seminar》
一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会
「防災備蓄収納1級プランナー講座」
東京6月9日&10日、大阪6月29日&30日
https://bichiku-shunou.or.jp/qualification/qualification-1kyuu/
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《Seminar》
一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会
「職場備蓄管理者 認定資格講座」
WEB7月22日、ほか
https://bichiku-shunou.or.jp/qualification/qualification-manager/
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┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃
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福島県白河市で5月16日に開催した「頭脳交換会inお城の町・白河(NICe協力)」。
市内外から30名を超える参加者のみなさまが集い、
プレオプション「小峰城と白河だるま」ツアー、
翌日のアフターオプション「天鏡蒸溜所見学ツアー」ともに、
学びと発見と感動と驚き、そして、
笑い声と「つながり力」満載の充実した2日間となりました。
ご参加、ご声援、応援くださり、ありがとうございました。
レポートをアップしましたので、どうぞお目通しください。
/archives/55966
次号の「つながり力で起業・新規事業!」
NICeメルマガは、6月11日の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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増田紀彦代表およびNICe会員への講演・取材
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