第1回 NICe東京定例会レポート
NICe東京定例会の実行委員会・委員長 佐藤浩司氏の司会によりスタート。
ディスカッションの進行役、ファシリテーターを務めるNICeチーフプロデューサーの増田紀彦氏のあいさつから。 「NICeは『つながり力を強化しよう』というスローガンを掲げています。私見ではありますが、世界経済は今、不況というより適正化しているんじゃないか と認識しています。ここ数年、極めて人為的、あるいは不自然なバランスで経済は膨張し、はじけ、収縮して小さくなっていると思います。小さくなっているの で大変ですが、適正な規模で、適者が生存していく時代だと思います。
そんな世の中で、自らが適正な存在であるために、大いに経営者魂を磨き直して、勉強し直すのが大事だと思います。と同時に、縮まった市場を相手に、ドン・ キホーテ・デ・ラ・マンチャのように、ひとりで立ち向かうのは大変困難。人間、万能ではありませんから。だから、自分に足りない経営資源、それは他の人、 他の企業が必ず持っています。つながり力とは、同じ魂を持っていて、なおかつ、違う能力、経営資源を持っている者同士が、信用し合って、手を組んで、共に 伸びていく、共にマーケットを掴んでいく。そういうことを成し遂げる力のことです。 今日は、そのつながり力をリアルの場で高める場にしようと思っていますし、定例会は回を重ねるごとに、つながり力を高める。そういう勉強会にしようと思っています」
増田氏 「プレゼンに沿って、皆さん一緒に彼の身になって、自分が彼ならどうするかという観点で知恵を出し合って下 さい。穴や不足もあるでしょうが、発展す るために!という肯定的な観点でご意見を述べてください。プレゼンテーターの事業をモデルにして、考えることで、自分の発想力、見識を高めていく。そして また、彼とつながる機会を探り出す。さらには、他の意見を聞いて、自分と近い考え方だとか,センスが合うとか、こういうセンスの人を求めていたんだとか、 そういうネットワークが起きていくような場にしたいのです。時間は限られていますが、集中して勉強しましょう」 NICe東京定例会 実行委員会・委員長 佐藤浩司氏 NICeチーフプロデューサー 増田紀彦氏 プレゼンテーターの鈴木一樹氏は、オーストラリア在住中に見た自転車広告に着目し、環境に優しいエコな自転車広告ビジネスを展開しようと起業した。 このような自転車広告メディアは、オーストラリア、アメリカ、フランスなど、欧米各国では既存だが、日本では初。また、トラック広告が競合となりうるが、 ジーゼル車規制が強まっている昨今、トラック広告よりも優位性が高いと予測して事業を計 画。特に、人口密度が高い、日本の大都市では十分に可能ではないか と判断し、資本金300万円を工面して、2008年に会社を設立。 しかも、この定例会の10日前になる5月15日に、鈴木氏の新広告媒体「エコプロモーション」は警視庁本部から走行を認められたばかり。その特製の3輪自 転車実機を、『なみへい』入り口前に展示し、本日にプレゼンに臨んだ。そんな鈴木氏の現在の課題はマンパワー。取締役は鈴木氏ひとりで、パートナーも社員 もゼロ。ひとりで事業を行うには、限界が見えているという。 増田氏 「トラック広告はCo2バンバン出しますが、自転車は、せい ぜいこぐ人がハァハァするぐらい(笑)。非常にエコなメディアですよね。本当にいいアイ デアだと思います。海外で既に成功しているビジネスモデルを日本へ持ってくる。これはアイデア発想の定番です。とはいえ、国が違えば規制も異なります。さ きほど、鈴木さんはさりげなく言っていましたが、警視庁に公認されたのは、わずか10日前。公道を使ってビジネスを始めようと、屋台や移動店舗を考える人 も多いのですが、日本の法律は厳しいです。道路上で、往来以外の目的で何かするのはとて難しい。そういう中で、よく認められたなと思います」 「ということで、心置きなくこのビジネスをできることになり ました。条件も市場も揃った。しかし、人がいない。明日からでも取締役になってくれる人が欲しいと彼が言っているのは本気です。鈴木さんが用意した資料の 中に、内部分析が記されています。とても正直に事業概要書を書いているのがわかりますね。リスクや弱点を吐露した上で、協力をあおぐ。とても好感が持てま す。というわけで、今日のテーマは、新しいビジネス、小さなビジネスの共同経営について勉強できればと思います。パートナーを捜す時、どうしたらいいの か、その点を考えていきましょう。でもまずは、事業そのものに関する質疑から始めましょう。質問ある方どうぞ」
増田氏
「プレゼンに沿って、皆さん一緒に彼の身になって、自分が彼ならどうするかという観点で知恵を出し合って下 さい。穴や不足もあるでしょうが、発展す るために!という肯定的な観点でご意見を述べてください。プレゼンテーターの事業をモデルにして、考えることで、自分の発想力、見識を高めていく。そして また、彼とつながる機会を探り出す。さらには、他の意見を聞いて、自分と近い考え方だとか,センスが合うとか、こういうセンスの人を求めていたんだとか、 そういうネットワークが起きていくような場にしたいのです。時間は限られていますが、集中して勉強しましょう」
NICeチーフプロデューサー 増田紀彦氏
プレゼンテーターの鈴木一樹氏は、オーストラリア在住中に見た自転車広告に着目し、環境に優しいエコな自転車広告ビジネスを展開しようと起業した。
このような自転車広告メディアは、オーストラリア、アメリカ、フランスなど、欧米各国では既存だが、日本では初。また、トラック広告が競合となりうるが、 ジーゼル車規制が強まっている昨今、トラック広告よりも優位性が高いと予測して事業を計 画。特に、人口密度が高い、日本の大都市では十分に可能ではないか と判断し、資本金300万円を工面して、2008年に会社を設立。
しかも、この定例会の10日前になる5月15日に、鈴木氏の新広告媒体「エコプロモーション」は警視庁本部から走行を認められたばかり。その特製の3輪自 転車実機を、『なみへい』入り口前に展示し、本日にプレゼンに臨んだ。そんな鈴木氏の現在の課題はマンパワー。取締役は鈴木氏ひとりで、パートナーも社員 もゼロ。ひとりで事業を行うには、限界が見えているという。
「トラック広告はCo2バンバン出しますが、自転車は、せい ぜいこぐ人がハァハァするぐらい(笑)。非常にエコなメディアですよね。本当にいいアイ デアだと思います。海外で既に成功しているビジネスモデルを日本へ持ってくる。これはアイデア発想の定番です。とはいえ、国が違えば規制も異なります。さ きほど、鈴木さんはさりげなく言っていましたが、警視庁に公認されたのは、わずか10日前。公道を使ってビジネスを始めようと、屋台や移動店舗を考える人 も多いのですが、日本の法律は厳しいです。道路上で、往来以外の目的で何かするのはとて難しい。そういう中で、よく認められたなと思います」
「ということで、心置きなくこのビジネスをできることになり ました。条件も市場も揃った。しかし、人がいない。明日からでも取締役になってくれる人が欲しいと彼が言っているのは本気です。鈴木さんが用意した資料の 中に、内部分析が記されています。とても正直に事業概要書を書いているのがわかりますね。リスクや弱点を吐露した上で、協力をあおぐ。とても好感が持てま す。というわけで、今日のテーマは、新しいビジネス、小さなビジネスの共同経営について勉強できればと思います。パートナーを捜す時、どうしたらいいの か、その点を考えていきましょう。でもまずは、事業そのものに関する質疑から始めましょう。質問ある方どうぞ」
配付資料 「基本成長戦略/事業概要書」
西田氏
「以前に メーカーでマーケティングを担当してい ました。その時に、ラッピングバスの活用を検討したことがあるのですが、鈴木さんの競合モデルはトラック広告ですよね。トラック広告って、通行人が一番最 初に気付くのは、大音響です。音についてはどのように考えていますか?」
鈴木氏
「今はスピーカーを買うお金がないのですが、やるつもりです。1カ月前に大手ゲーム機メーカーさんが興味を持って下さり、お台場を走らせようとなっ たのですが、音はどうかと問われて、できます!と即答しました。ただ、苦情も聞きますので、音響のボリュームはどうしようかと。トラックのようにある程度 のスピードで走り去るものではなく、歩行者の横をゆっくり走るので……。でも音を出す方向では営業しています」
「面白いですね。音でまずアテンションさせるというのもありだけれど、横でガンガンされたらうるさいというメリットとデメリットが共存しますね。どうですか?」
阿川氏
「音はやはり度を超さないほうが……。でも、度を超さないと広告としてはしょうがないですね(笑)」
浦上氏
「エコと言うなら、民族音楽とか。音というより も音楽というポジションでやったらどうでしょう。クライアントのニーズもあると思うのですが、フェアトレードとかロハス的なアフリカの音楽など」
榎本氏
「昔からあるお豆腐屋さんとか、音だけじゃなく、匂いでわかる焼き芋屋さんとか。音と匂い、そういうアテンションならばありじゃないですか?」
「そうそう、音というよりサインのようなね。ラーメンのチャルメラの音とか、金魚売りの声とか、記号的な音ですね。エコならではの音を浸透させるの は大変かも知れないですが、逆に、第一人者にはなれますよね。新たに作曲してもらうとか、エコのイメージをモチーフにするとか」
「強力な役員をひとり見つけるのではなく、いろんな能力を持った若手軍団と共に成長していく。イメージできますね」
久田氏
「若い人と社長のマッチングの場、ありますからね」
斎田氏
「それで、ドライバーから始めてもらうとか」
「社会起業家へのプレゼンとかしたことはないのですか? 社会起業家に詳しい人もこの中に居ると思うんですけど」
実機を説明する鈴木さん
広告塔には NICeのフラッグが
開催前の明るい時間に撮影 ご満悦の増田氏
5月生まれのメンバー集合!
川野さんが着火すると・・・
開花のようにオープンし、 音楽が!!
歓声とともに満開に!
「初めてのことで、申し込み方法から全てが手探りで、皆さんに来て頂けるか、喜んで頂けるか、とても不安でした。でも結果は大満足です。記念すべき 第一回にふさわしく、見事なプレゼンをしてくれた鈴木さん、活発な意見交換をしてくださった参加者の皆さん、本当にありがとうございました。毎月最終月曜 日に開くNICe東京定例会では、このようにNICe登録起業家による事業プランのプレゼンテーションを行い、その発表をもとに、参加者が意見交換を重 ね、全ての参加者が起業家としての視点と見識を磨くことを目指しています。第2回も今回以上に皆さんに喜んで頂けるよう、頑張ります」
撮影・取材・文/NICe編集委員 岡部 恵