■NICe東京定例会 第1回 2009年 5月25日
第2回 2009年 6月29日
第3回 2009年 7月27日
第4回 2009年 8月31日
第5回 2009年 9月28日
第6回 2009年10月26日
第7回 2009年11月30日
第8回 2010年 1月30日 (特別) NICe東京定例会レポート
第9回 2010年 2月22日

第2回NICe東京定例会レポート

 



2009年6月29日(月)、リーダーズサロン『なみへい』にて、第2回「NICe東京定例会」が総勢54名を集めて開催された。前回の好評を受け、2回目となる今回も申し込み者は定員をオーバー。キャンセル待ちで参加権を得た人も出る状況だった。



■開会のあいさつ
20090714135016.jpg
第2回のプレゼンテーターを務める
株式会社パノニカ 代表取締役
花房美香氏
20090714140204.jpg
NICe東京定例会実行委員会
委員長 佐藤浩司氏
20090714140211.jpg
NICeチーフプロデューサー
増田紀彦氏 
20090714140219.jpg
 NICe東京定例会の実行委員会・委員長佐藤浩司氏の司会によりスタート。
ディスカッションの進行役、ファシリテーターを務めるNICeチーフプロデューサーの増田紀彦氏のあいさつから。

「皆さん、ようこそ。前回はエコプロモーションの鈴木一樹さんの刺激的なプレゼンが行なわれました。あれから1カ月経ってどうなのか、最後にまた鈴木さん自身に報告していただきますが、実はまたまた劇的な状況です。彼は壁を超えて伸びる起業家の見本のような生き方をしています。継続的に定例会に参加するこ とで、ビジネスがどんな風に進んだり、立ち止まったりするか。そういう変化も当事者と一緒に味わっていただけると思います。さて、初参加の方にお伝えします。まずプレゼンテーターから15分間話をしてもらいます。そこで事業プランを理解し、その後の質疑応答では、自分だったらという意識で前向きな意見を出していただきたい。今日ここにはこれだけの頭脳が揃っています。その脳と脳を重ね合わせて建設的な提言を実現し、時間をつくってプレゼン準備をして来たプレゼ ンターに、来て良かったと思わせないといけないですよね。私も皆さんのステキな意見、情報を、引っ張り出すべく頑張ります」


■プレゼンテーション&質疑応答

増田氏「さて、今日プレゼンをする花房さん。クイズ番組に出たり、おとり寄せの口コミポータルサイト『おとりよせネット』でも有名です。今日は新しいビジネスに付いてお話しいただきます」

プレゼンテーターの株式会社パノニカ代表取締役 ・花房美香氏は、あいさつの直後に参加者へ質問。「テレビをよく見る人、まったく見ない人」に挙手してもらい、まったく見ないという3名から、その理由を聞いた。
鈴木氏「海外生活が長かったのもあるのですが、見たい番組は後からYouTubeやレンタルで見ます。わざとテレビを見ない、というか、テレビを持たないようにしています」
緒方氏「受験していた時にテレビを置かないようにしていたのですが、テレビがなくても生きていけると思って、そのままです」
金子氏「テレビを見ると、気が付いたら時間がスゴく経っていることがあるので、その時に得た情報量と比較して生産性がないような気がして、ほぼ見ないです」 

これらの意見を受けて、花房氏自身も、「テレビはさほど見るほうではなく、ニュース番組だけを見る習慣」と述べ、「テレビ離れが起こっている、テレビ局にとってはまさに冬の時代。ですが、私はこう考えました。本当にテレビは面白くないのか。本当に見たい番組があってそれを知ることができれば見るのではないか」と。そう前置きをして、プレゼンテーションを開始。 

その新事業とは、“世界を変える”新ビジネス、ネットを利用したテレビ(動画)番組情報マッチングサイト「NEXT TV(仮)」。テレビの特性(視聴者窓の幅広さ、一斉大量伝達性、操作性の簡便さ)と、ネットのメディア特性(とらわれない時間軸、嗜好にオンデマンド対応、口コミの威力)のそれぞれのメリットを生かし、さらにユーザーがより便利で楽しめる、テレビの新・視聴スタイルを提案するものだ。
20090714141225.jpg
20090714141610.jpg

この構想の背景として、花房氏は3つの要因を挙げた。ひとつ目は、地デジ化、有料オンデマンド配信、携帯ワンセグ、ゲーム機による動画配信など、テレビ・動画の大量供給時代を迎えていること。2つ目は、昨今の視聴者のテレビ離れだ。見たい番組が分からない、面白い番組がないと感じていること。そして3つ目は、供給側から告知されるテレビ番組情報メディアが、わずか3つの方法(新聞のテレビラジオ欄、テレビ番組情報誌、局発信による番宣CM・広告看板など)しか存在しないことを挙げた。 

そこで、「NEXT TV」では、視聴者、テレビ業界、広告代理店やマーケティング会社、この3つの層が持つそれぞれの不満を克服し、今までにないサービスを提供するという計画だと続けた。視聴者に対しては、無料で登録してもらい、個々の属性に合わせて、見たい番組情報を事前にお知らせするリコメンドメールや、情報交換できる場、編集コンテンツ、番組サイトや動画サイトなどへのリンクも提供、会員が見たい番組に辿り着けるコンシェルジェサービス&楽しさを届けるという。また、この事業の収益先となるテレビ業界に対しては、既存の広告料よりも安価で緻密な番組告知サービスを提供する。同じく収益先となる広告代理店やマーケティング会社とは、各種調査依頼を受け、視聴者データを提供する、という計画だ。既存の視聴率とはまったく異なる、視聴者のリアルな声とデータを番組づくりにも反映させ、将来的には、登録ユーザー1000万?1500万人、既存の視聴率とは違うユーザーオリエンテッドな番組評価システムの構築、放送文化の質向上に貢献し、視聴者×番組提供側とのコミュニケーションシステムの構築を果たしたいという。 

また、プレゼンでは、既存&非既存のネットサービス(Yahoo!TV、各局自社サイト、情報誌サイト、掲示板サイトなど)の競合他社との比較分析も展開し、本サービスは十分に優位性も見込めると述べた。花房氏が定例会参加者に求めるのは、出資(1口10万円)、人材(デジタル系の特化した弁護士、デスクワーク)情報、そしてテレビ離れをしている層に登録を促し活性化させるためのアイディアだ。  

増田氏「非常に明瞭で、あまりにも当然のビジネスのように淡々とプレゼンしましたが、これは歴史的な事件になると思います。テレビ開局60年、その間のテレビ離れの話、ラテ欄(新聞のラジオレテビ欄)の話、情報誌の話など、この事業プランの背景も語られました。これまでは、供給側の数が少なかった。独占的に放送できる大資本と、それを見たい数多の人々、という関係でずっと続いてきました。ところが、アメリカから多チャンネル時代がきた。それでも、さほどの影響はなかったですが、さきほど鈴木さんが『YouTube見ちゃうし』と言っていたように、日本のテレビ業界も思わぬところから牙城が崩れてきた。テレビ離れと言われるような時代が来た。供給が大量化してきて、山ほどの供給と多様な需要という構図になってきた。こうなった時にこそ、マッチングビジネスです。ここでやらずにいつやる! いわゆる、事業機会が到来したわけです。 

この花房さんの事業プランを最初に聞いた時、これは一昔前なら資本力のある大企業がやるビジネスだと思いました。例えば、大学生のための新卒採用情報誌、旅行情報誌などを手掛ける大企業です。膨大な人力と印刷力が資源となるモデルだからです。でもネットの登場で話は変わった。花房さんのビジネスは、わずか5人のスタッフで、この国にテレビが誕生してからの歴史につめこまれている市場をごっそり取ろうとしている。5人で世界を変えると言っているんです。もちろん、障害もあるでしょう。でも、乗り越えられた時に、新しい力がこの世に誕生します。今日、皆さんに感じてほしいのは、世の中が変わることによって、出合いたいもの同士の新たな関係がテレビ以外にも何か生まれて来ているんじゃないか、ということです。今日これから意見交換を通して学んだことを、違う市場に置き換える、という発想もできるわけです。 

それにしても花房さんのプランは非常に大きな野望ですね。視聴率という、いわゆるブラックボックスが独占しているところに、一石を投じるというところにグッときませんか。よく六本木や赤坂の飲食店などで、テレビ局の人たちの会話が耳に入りますが、もう何年も同じような話題ばかりしています。数字か内容かって。花房さんのビジネスは、数字だけではない、視聴者のリアリティある声を拾い上げられるところが面白いですよね。数字も内容も吟味できるわけです。今日は皆さんに、スゴいビジネスのスタートラインに立ち会っているという思いを前提に、話を進めていきたいと思います。まずは質問から」
20090715112315.jpg
鈴木氏「番組データベースというのは、本サイトで行なうのですか? 誰かを雇って?」
花房氏「国内トップの有人監視をしている会社があり、協力が内定しています。レベニューシェアで使わせてもらう人力、もしくは資金調達できれば、有料で買うことも可能です」
藤原氏「私のうちのハードディスクレコーダーに、すでにこういう機能がついています。ネットでつないで機械で録画すると、ネット配信されて、録画率のランキングが出る機能。これが先程の競合分析に載っていませんでしたが」
花房氏「大手ポータルサイトではすでにそのような情報発信をしていますし、テレビ情報誌のサイトでもあります。ですが録画率は録画率でしかありません。面白そうだなと思って録画を入れる、それを後で見て本当に面白かったかどうかは示していませんよね。ユーザーが番組を見て格付け・点数化する。そういう情報も加えて提供する予定です」
増田氏「定量情報と違って、定性情報を評価するシステムもあるわけですね。この辺も、分析システムをつくるということですね?」
花房氏「はい」
増田氏「医療機関の病院格付けサイトなどもありますが、やらせをはじける、本当にちゃんと評価している人たちが居るというのが分かるシステムですね」
原氏「会員登録は無料ですか?」
花房氏「はい、無料です」
増田氏「発展系として、大手SNSでも有料会員ありますね。ベースは無料ですけれど、一部には有料化という考えもありますか?」
花房氏「はい。将来的には考えています。ネット業界では黄金律というのがあって、ゼネラルなサービスもしくは一番バリューのあるサービスは、課金してはいけないという法則があります。ニッチなサービス、この場合でいうと、視聴情報が欲しいとか、この番組のタイトルをどう思うか、などのニーズに課金します」
金子氏「2点ほど確認させてください。キャッシュの流れですが、出るほうが多くて入るほうが少ない気がしたんです。今、会員は無料とのことで、ますます気になって。どこから収入を得るのか分からない。それと、私はこの中で一番テレビを見ない人間だと思うのですが、テレビを見ない層へのアプローチをどうお考えですか?」
増田氏「2つ目はぜひ皆さんにも考えてほしいところです。ここが本日の意見交換のテーマと言ってもいいですね。ではまず、収益モデルについて」
花房氏「私は入るほうが多過ぎかと思っていたので(笑)、今のご意見びっくりしました。番組制作側は、告知するためにものすごいお金をかけられる番組から、ほとんどお金をかけられない番組まであります。少ない予算から、どれだけ告知できるかすごく悩んでいると聞きます。ラテ欄の囲みで紹介される5×5cmの広告枠と、ラテ欄内に色付き背景のワンセットで500万円と聞きました。そんなにかけられる番組ばかりじゃありませんよね。しかも1日に何本の番組が流れているか考えてみて下さい。私は適正価格で適正利潤を商売の基本と思っているので、当サービスのリコメンドメールなどで、広告枠を1か2付けて1通あたり1?3万円ぐらいかなと思っています。毎日毎日、リコメンドメールを何通も出します。この不況時代と言われる中にあっても、テレビ業界にはある程度まとまった予算があります。その中で、無理のない金額と帯を考え、少なくても1時間番組が気軽に広告を出していただけるようなシステムと形態にして、なるべく本数を出していただきたいと考えています」
増田氏「ビジネスの強みを金子さんの質問で触れてもらえました。そもそも500万円、いや1000万円を使える番組がたくさんあったとしても、限られたスペースしかラテ欄にはないわけです。不動産と同じで、土地ありきで多重に売ることができない。一生懸命に番組をつくった人は、ひとりでも多くの人に見てもらいたいわけです。しかも、見てどうだったか、2wayな関係性も、番組制作側はとってもほしいはずです。2wayの情報、低予算での告知。ほかにはない強みですね」
齋田氏「引っ掛かるのは、YouTubeとの提携です。著作権の問題があると思うんですよ。その点、収益先として想定している広告代理店やテレビ局がどう出るか。正規のチャンネルも最近は出て来ていますが、著作権の問題、どうお考えですか?」
花房氏「YouTubeに関しては、アメリカではほぼ合法化してテレビ局の公式チャンネルでも流しています。日本ではまだですが、これは時代の趨勢としてそうなるものと考えています。ですので、現時点では非合法で抵触するということで、テレビ局や大手広告代理店が嫌がるのは分かっています。そういう場合、抵触しない方法で提供するしかないと思っていますが、基本的には、オリジナリティなサイトですし、後で言及しようと思っていたのですが、皆さんに教えてほしいこととして、デジタル著作権に強い弁護士さんを探しています」
齋田氏「アメリカのほうはそのような流れというのもわかりますが、ネット側が考えている著作権と、既存のテレビ業界や広告代理店が乗ってくるか。相手は帰属の方なので危機感感じています」
花房氏「テレビ局は今年4月に著作権を一元化してクリアにする団体を設立しました。現在&過去の番組資産、今までは権利処理にものすごく時間と労力がかかっていたので、いろいろグレーでしたが、クリアにするという業界の方向性が決まっています。YouTubeはグレーゾーンなのは分かっていますが、ぜひつなげていきたい。ネットユーザーの6、7割は、自分で検索してYouTubeで見るということはないと思うんです。YouTubeに行く前のサイトとして使っていただければいいかなと思っています。抵触するならYouTubeのリンクは今のところ外すという可能性は高いです」
増田氏「テレビはこれまで著作権が本当に面倒でした。例えば僕だったら、『夜のヒットスタジオ』とか見たいですけど(笑)、あの人は今? 状態になっていて、出演者の行方が分からなかったりします。その人たちを捜して、再放送の許可を取らないと放送できない。そうなっているから、使えないコンテンツがいっぱいある。再放送してくれたらいいなぁと思っていたりする番組が、実は著作権の壁でできなかった。それが改革されてきているので、これも追い風になってきています」
中島氏「規模感が大きいと思うのですが、5人でスタートするんですよね? 地デジ化の節目がある中で、スケジュール的には? どういう時期にどのようなサービス、アウトラインを考えていますか?」
花房氏「実は今年11月にカットオーバーを考えています。リコメンドサービスだけでも始めたいと。そして年末年始のすさまじい時期に試練を乗り越えて大きくなっていこうと思っています」
増田氏「花房さん、今日、特に皆さんからいただきたいご意見、アイディアをもう一度」
花房氏「求むリストとしては、出資者をすごい勢いで探そうと思っています。ひと口10万円で何口でも。次に人です。私はwebプロデューサーなので、広告やテレビに強いマーケッターの方をひとり。それと、デジタル著作権に強い弁護士さんをひとり。それと、私たちの仕事を手伝ってデスクもできる人材を探しています。ご存じでしたら教えていただきたいと思います。それと、テレビが好きで、よくブログに書いているようなブロガーさん。これは大きなキーマンだと思っています。建設的な意見を述べてくれる方を探しています。それと、皆さんにユーザーとして登録いただきたいと思っています」
増田氏「さて、ここからが討論です。会員登録者を増やす。最初はゼロです。どうやって増やしていきましょう?」
緒方氏「テレビではなく、パソコンでネットとつないで見る人を狙えれば、接触頻度が高くなると思います」
小杉氏「取れる限りのユーザーのトラッキングデータを全て取っておいて、ユーザーが積極的に発信するんじゃなくて、このタレントが出た時に反応するとか、その人を見たい、無意識含めて番組情報を出すとか。人によって見せるCM変えるとか、テレビ局側で5パターンぐらい用意して、この人にはこれ、この人にはこれ、そういう判別を解析してリアルタイムにテレビ局に送り、見られるということもできるわけですよね」
20090715113420.jpg
20090715113447.jpg
増田氏「番組をテーマで見たいというのもあるけど、小杉さんが言うように、誰が出ているかで見たいっていう動機もありますね。たとえば、マニアックな俳優のファンとかいますよね。ちょっとしか映らないけれど名傍役とか。そういうファンはネットで検索したりする。そのファン倶楽部的な。テレビに出るマイナーな人たちを探しに来た人たちを捕まえる方法ってないですかね」
花房氏「キーワードとかでロングテールの部分の検索をかけられたものに関して、何らかの拾う方法のロジック考えて、それをまたクラスターにグループ分けして似た属性の方にはこれを提供するとか、それはあると思います」
鈴木氏「今のマニアックな部分をデータベース化できればいいとおっしゃっていましたが、実は先日お会いした社長さんの会社では、毎週70人体制で1番組1コーナーのデータベースをつくっています。BtoBで月に数百万で情報を提供する、そのサービスを今後広めていきたいと。24時間体制でやっていますので、ご紹介できればと思います」
花房氏「私がテレビ業界の方に聞いているのは、1秒単位の出演者情報が全部入っている業界データベースがあって、それを業界の人は使っていると」
増田氏「すごいですね。この人、この番組にも出ている!って、人力で調べているんだ!」
20090715113119.jpg
20090715113124.jpg
 久田氏「もうたくさんイメージあり過ぎて、後で10個ぐらい。今は3つだけ言います。ベタですが、登録者を増やすには得点のようなものを設定する。ガズーバの時代からあるような「Send-to-Friends」が一番いいんじゃないかな。友だち招待したら最初に500ポイント、そんなベタなものでも普通にいけるんじゃないかな。すごく分かりやすいコンセプトとサービスなので。2つ目は先ほど増田さんからも出ました、マイナーな方って何かないかなと。過去情報より未来の情報を取らないと、アーカイブ情報がたくさん集まらなくて無駄になる。そこで、マイナーな俳優さん自身も書き込めるといいと思うんですよ。「僕、この番組に出ますよ」と。国内旅行情報誌もそこが強いと思うんです。旅行代理店からの情報は限られているけれど、旅行情報誌は宿の人が「自分のところには、こんなのがあります」って自ら書くでしょう。それが強いと思うんです。それと個人的には、『大岡越前』の、とある脚本家が書いた回を見たいので、その辺をフォローしてくれると嬉しいと思います(笑)。3つ目は競合会社です。競合分析で発表がなかったところでいくつかほかにもあると思いますので、固有名詞は後ほどお伝えします」
増田氏「そうそう、端役の人にアピールさせたいですね。ファンとしたらたまらないですしね。僕は、俳優ではなくスタッフさんで見ることあります。大道具とか、この監督とこのスタッフ組んだら、みたいな。映画のデータベースはありますが、テレビで、どの人が制作に関わっている、なんていうのも楽しいですね」

花房氏「演出とか、カメラマンとか、スタイリスト、ヘアメイクさんとかまであります」
増田氏「おー。そこまでいくか」
花房氏「ブログでいろいろ書いている方がいて、それをうちのスタッフがチェックしてくれたんです。いろんなニーズがあるなと確認はしています。入り込める範囲でできる限り、情報に入れたいと思います」
増田氏「番組のテーマとか、野球だからとか、この人が出演しているからとか、そのほかにテレビ番組を選ぶ理由はありますか?」
花房氏「再放送も結構キーワードかなと思っています」
増田氏「個人的に見たい再放送って、見られない時間帯だったりして、チェッて思うことあります。定時で録画予約できないものもありますよね」
山里氏「これは携帯メールにも配信されるんですよね? たとえば人と待ち合わせしていて、1時間待たされることになった。その時、何かおすすめはない? とこちらから質問をかけて、メッセージを返してくれるとかは?」
花房氏「システムの組み方次第だと思います」
増田氏「先に属性を登録しておけば可能かもしれないですね」
花房氏「そうですね。今13:50だから、あなたに合った14時からの番組はこれ、とかはできるかも」
山里氏「その時の気分で、たとえば明日から温泉に行くと。いつもなら趣味じゃないし見ないけれど、今日私はこれが知りたいって時に、こちらからアプローチかけてパッと返信がくるような」
増田氏「誰が出演しているからとかじゃなく、見る側のTPOによって見たくなる番組ってありますね」
小杉氏「検索サイトによっては、そのサイトのメール機能を使うと、使っている単語からその人の趣味嗜好が分かって、検索キーワードに出て来たりしますよね。ほかのメディアと何か組み合わせないとダメじゃないかなと」
花房氏「インタレストマッチという方法があります。うちもがんばってやります」 
武本氏「僕 は、本当にテレビを見ない人って、誰が出ているとか、出演者の情報が分かっても、興味が沸かないんじゃないかと。それよりも、たとえば、「web検索で売 り上げアップの秘密とは」、みたいなコンテンツの中身が分かったほうが、より見るんじゃないかと思ったんです。っていうのも、テレビを見ない人でも、情報 は欲しいわけですから。仕事なり、何なりの。せっかく本サイトで趣味嗜好とかの個人性が分かるわけですから、サイト用のテレビ番組をつくって、ユーザーは 検索するとその情報に引っ掛かって、テレビ番組が出てくるとか」
増田氏「課題を解決するソースとして提供されてきたものが、実はテレビ番組だったということですね」 
花房氏「それはデータベースのマッチングでいかようにも。高度かも知れないですが、キーワード分析で可能かも。うん、いいですね」
武本氏「1 時間番組の中の15分間だけデザインの特集とかありますよね。そういうのは見たいけど、新聞のテレビ番組欄ではどの時間帯にやるのかまでは分からないんで すよ。もっとそういうことが分かるようになれば、テレビを見ない人にとっても、見ることで情報を得られるわけですから、より活用してもらえるんじゃないか なと思いました」
花房氏「それはデータベースのマッチングでいかようにも。高度かも知れないですが、キーワード分析で可能かも。うん、いいですね」
20090716142233.jpg
武本氏「1時間番組の中の15分間だけデザインの特集とかありますよね。そういうのは見たいけど、新聞のテレビ番組欄ではどの時間帯にやるのかまでは分からないんですよ。もっとそういうことが分かるようになれば、テレビを見ない人にとっても、見ることで情報を得られるわけですから、より活用してもらえるんじゃないかなと思いました」
増田氏「今、武本さんが言われたように、ネットを見る人って、何か解決したい課題とか、掴みたいニーズがあって検索しますよね。たとえば、ハト、フン、対策、とか入力する。そうすると、専門業者とか、ブログがヒットしたりするけど、ハト問題を特集していたNHKの『ご近所の底力』に飛ぶとか、できないんだろうか」
花房氏「そうですね、データベースに入れ込む情報次第ですね」
増田氏「いきなり番組が始まる、じゃなくても、番組を紹介するページに飛べたりね。要するに、タグの発想でハトとかフンとか入力すると、それを特集している番組ありますよ、と。そうすると、武本さんが言ったように、テレビというものを求めていなかった人も、情報を求めてアクセスし、結果、テレビにたどりつくと。今、取りこぼしているセグメントに対して引っ張り込めるということになるかもしれないですね」
花房氏「たしかに」
吉田氏「私はほとんど地上波は見ないです。ほとんどCSばかり。なぜかと言うと、地上波に見たい番組がないからです。今、テレビ局自体が収益重視に陥っていて、とにかく批判されようが何しようが、視聴率さえ取れれば、広告収入さえ取れれば、会社に利益あればいいという発想。今回、花房さんがやろうとしているビジネスで、テレビ局をどう動かすかに関心があります。テレビ局をどうやってより良い番組つくるために動かしていくか、という理念のようなものですね。私も一緒に考えたいと思います」
花房氏「それに関しては、このサイトの大きな柱だと思うんです。ユーザーが本当にいいと思った番組、どうでもいい焼き直しのような番組にはダメを出す。いいと思った、自分のニーズに合っていると思った番組には、レビューを書いて、いい格付けをする。それこそが、そういうことに跳ね返ると思うんです。プラス、レジュメの最後に書きましたけれど、編集の企画コーナーで、自分たちでドラマをつくるコーナーとか、投稿コーナーがあったらいいなと思ってて、この小説、このマンガ、この原作本で番組をつくるなら、キャストはこの人だよね。ロケ地はここだよねと」
増田氏「やりてー(笑)」
花房氏「みんなで投稿して、勝手につくっちゃうのはどうかしら。そういったところをちゃんと制作側に伝えていくことが、いい情報発信になると思うんです。それは絶対にやりたいと思っています」
増田氏「テレビドラマ見ていると、『この局様の役は松坂慶子のほうがいいよな?』なんて思います(笑)。そういう声を集めていっても面白いですよね。大きなテーマだけじゃなく、細かな指摘の声を集めていくことで、市場も変わっていくんじゃないかと思います」
松尾氏「発信側のタイミングではなく、自分が欲しいコンテンツがすぐ入るのは非常に素晴らしいサービスだと思います。現在、アメリカでとても大きなポータルサイトがあって、たとえば、今、飛行機に乗るのがカリフォルニアで、目的地のアトランタの気温は? セーター欲しいとか。その情報が1分以内に返ってくる。それを人力でデータベースにして1回の入力に3?9$のペイが支払われている。在宅で、テレビを見ながらとか、子どもにミルクをあげながら、質問に関する自分の強い情報をがんがん投げかけている人たちがいます。そういうシステムをつくって、今デートの間1時間余っちゃった。何か見たいんだけど、いい番組ない? って書くと、今これやっていますよ、というサービスが面白んじゃないかと思います」
石井氏「家事や育児で忙しい20代30代の代表です(笑)。忙しい女性って、やはり時間がないと思うんです。夜はなかなかテレビを見られないと思うので、この番組のこの情報を取りたいんだけれど、それを見るためにはずーっと9時から見てて、45分後になってようやく出てくると、結構、腹が立つんです。その情報をいつの時間帯か、30分より前か後かだけでも分かれば、ちょっと録画してみようかな?って気になるかなと思います」
増田氏「そうですよね。何も視聴者って、ラテ欄の線から線の中の番組すべてが興味ではない、ってことですよね。本当にポイントを絞った情報に接したい時代になってきている。さて、もっともっと話したいのですが、時間がきてしまいました。今日もいろんな視点で広がりができました。花房さんどうでしたか?」
花房氏「いろいろと、痛いこと、面白いこと、伺えて良かったです。どうもありがとうございます」

 
20090716165843.jpg
 増田氏「出資は1口10万円とリーズナブルな単位になっていますが、これは資金調達の意味合い以上に、新しい世界を拓く挑戦への賛同者を集めるという意味 合いが強いようです。それと、人材。特にデジタル系の著作権に強い人を求めていましたが、新しい事業を起こす時はその専門の法律家と付き合っていなかいと いけない。そこも抑えているということで、当然のことですが、経営者として花房さんはしっかりされています。ということで、今日もたくさんの意見が意見を 呼んで勉強になりました。ぜひ、この経験をみなさんご自身にも生かしてくださいね」

 

■PRタイム

20090716171050.jpg 20090716171149.jpg 20090716171200.jpg 20090716171248.jpg
桑原良弘さん
齋田和夫さん
上久保瑠美子さん
 
桑原良弘さん NICeトップページの「農商工連携シーズ活用ガイド」の紹介と、そこに紹介されている技術の製品化・販売力を求む!とアピール
齋田和夫さん> 自社開発の、アンケートフォームに入力するだけで簡単につくれるHPの紹介&お得なキャンペーンも案内 
上久保瑠美子さん8月5日に青森県十和田市で開催される「十和田NICe祭り」について愉快なパワポで元気に紹介 
20090717103517.jpg

 

■前回のプレゼンテーター鈴木一樹氏から、定例会1カ月後報告
20090717104221.jpg
鈴木氏「定例会後、たくさんの方から、有力者をご紹介いただきました。国内外に180店舗を持つ大手スキンケア会社と、都内の新店舗オープンに採用されることが決まりました。また、ニュース番組のコーナーで、フルに紹介してもらえることになり取材日も決まりました。そこで、警視庁に許可証を取りに行きましたら、最終的に東京都から『条例にこういう自転車広告を走っていいとは書いていないから』と言われてしまい、警察からも許可を出せないと言われてしまいました……。私はとりあえず、石原知事に手紙を書きました。どうして広告トラックはよくて、こんなおしゃれな広告はダメなのですか。ぜひ、許可してほしい。僕は非常に 渇望していると。速達でいくつかの部署に送ったら、2、3日前に前向きな返答が来ました。商業区域、工業区域では許可できるところがあると。つい前まで は、全然ダメだと言っていたのに、少し態度を変えてきました。明日、また都庁で協議することになっています。ひとつ、言いたいのは、こんなに苦しむとは思 わなかったです。会社登記して1年経つんですけれど……。
もうひとつ、いいニュースがあって、福岡で2台売れて(拍手!!)、千葉、神奈川でもやりたいと いう方もいて、県警も動いて下さって、かなり前向きな答えも出てきています。ということで、東京ではなかなか進まないにしても、できるところからどんどん 仕掛けて、いつか自転車を5,6台走らせて、1台ずつに、あ、り、が、と、う、と書いてお礼したいぐらいです。このNICeを通じて、ここ1カ月、いろんな方を紹介していただいて、何百人もの方からご声援をいただいています。花房さんも、これからいろいろあると思うんですけど、とにかく、強気で。僕も本当 に一歩も引かない。警視庁、国土交通省、東京都の方の前では、僕は一歩も引かない、と。そういう感じでやっていますので、テレビ関係も既存のメディアの方 がいろいろ言ってくるでしょうけれど、一歩も引かないでほしいと思います。まだ苦しい状況ですが、何かアドバイス、ご指導あれば、ご遠慮なくお申し付けい ただければと思います。よろしくお願いいたします」 
佐藤氏「役所の壁をぜひ破って、俺に続け!!ぐらいの勢いでやっていただきたいと思います」

■交流会
交流会の会場セッティングのため、5分間、『なみへい』の外でしばし歓談。その合間に集合写真も撮影。その後、再び店内に戻り、染谷光亨氏の乾杯の音頭で交流会がスタート! 

20090717114331.jpg
20090717114404.jpg 20090717114445.jpg 20090717114453.jpg
20090717114500.jpg 20090717114506.jpg
次々にお料理が。最右の料理は「おきなわ紅豚」を使ったお寿司。そのこだわりと思いを伝える手づくり冊子も配付された
20090723161146.JPG
20090717114902.jpg20090717114909.jpg20090717114917.jpg 
 
集合写真に写れなかった人も
飲みながら食べながら、トークに盛り上がる交流会
20090717115008.jpg20090717133548.JPG20090717133343.jpg
最後に、花房氏から「頑張ります」宣言

 

■実行委員会・委員長 佐藤浩司氏より皆さんへ
「皆さん、今回もどうもありがとうございました。さて、毎月最終月曜日に開かれるNICe東京定例会では、プレゼンテーターを募集しています。
1.私の事業は他にはなく、私ならではの内容である! 
2.私の事業は世の中に必要。だが協力者も必要!! 
3.私の事業の課題は他の人にも共通するはず。相談したい!!! という方をお待ちしています。
次回も、参加者の皆さん全員の方に満足していただけるようがんばりますので、よろしくお願いいたします」 

撮影・取材・文/NICe編集委員 岡部 恵