■NICe東京定例会 第1回 2009年 5月25日
第2回 2009年 6月29日
第3回 2009年 7月27日
第4回 2009年 8月31日
第5回 2009年 9月28日
第6回 2009年10月26日
第7回 2009年11月30日
第8回 2010年 1月30日 (特別) NICe東京定例会レポート
第9回 2010年 2月22日

 

第7回NICe東京定例会レポート



2009年11月30日(月)、第7回「NICe東京定例会」がリーダーズサロン『なみへい』で開催され、初参加20名を含む総勢60名が、年内ラストを飾る勉強会に参加した。

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第7回のプレゼンテーターを務める
株式会社 笑足(わらかし)ねっと
代表取締役・白川正志氏

■開会のあいさつ

司会を務めるNICe東京定例会の実行委員長・佐藤浩司氏から、タイムスケジュールの説明とプレゼンテーターの紹介があり、ファシリテーターを務めるNICeチーフプロデューサーの増田紀彦氏のあいさつで勉強会がスタート。
 
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NICe東京定例会
実行委員長・佐藤浩司氏
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NICeチーフプロデューサー
増田紀彦氏
増田氏「いよいよ今年最後のNICe東京定例会となりました。今夜で7回目になります。皆勤賞は藤原さんですね(拍手!)。さて、一昨日新聞で日本の企業 寿命は世界で一番だという記事を読みました。日本では、江戸時代から現在まで続いている企業が2600社あり、明治時代に創業した企業になると2万 5000社ぐらいあるそうです。海外ではこんなに長持ちする会社がほとんどないのだそうです。なぜでしょう。要因として考えられるのは、代替わり、つまり 承継がうまくいくこともひとつかと思います。ですが、それ以上に日本人は変化対応がうまいのではないかと思います。柔軟性を持って、市場が大きく変わる 時、景気が大きく変わる時、今までの地位や場所に執着しないで、自分が築いてきた経営資源を違うジャンルに上手に適応していく。そういう知恵が非常に発達 しているのだろうなぁと思います。その新聞で、江戸時代から続く天然ろうの会社『セラリカNODA』さんが紹介されていました。ろうそくをつくってきたそ の会社は、戦前から戦後は主にポマードをつくってきました。ポマードを使ったことありますか? 私は矢沢永吉さんに憧れて、中学生の時に使いました (笑)。ポマードの原料はろうなんです。ろうが冷えると固まる性質を使って、ポマードをつくっていたんですね。でも、ポマードの需要が減ってきて、それを どこへ展開したかというと、キヤノンさんです。その当時のコピー機器は、外資系企業がほぼ独占していました。紙に印字するトナーの圧着技術が、日本はまだ まだ追い付いていなかったんです。その時代に、ろうを原料にしたポマードの技術を、コピー機に適応したわけです。そして業績をグンと伸ばし、今も頑張って いらっしゃる。こういう話は枚挙にいとまがないですが、日本人はピンチな時や市場が変わる時、柔軟に追っていけるのですね。でも、そこで大事なのは、野田 さんの話を聞く耳を、キヤノンさんが持っていた、ということです。「なんとしても外資に追随したい」という思いもあったでしょうが、互いの技術者が意外な アイディアでさぞや盛り上がったことでしょう。そういう空気がいいですよね。意外な出会いが意外なアイディアを生み、ピンチを打開する力になるのだと思い ます。
NICe東京定例会も今日で7回目です。これまでも、やはり意外な異業種の知恵がいっぱい出てきました。プレゼンテーターが思いも付かなかったような市場 のアイディア、商品のアイディアがたくさん出てきました。今日は今年最後になります。来年はさらに厳しさが増していきますが、それに立ち向かっていく視 点、発想を、もう一度ここでかためるような締めくくりの会にしたいと思います。どうぞよろしくお願いします! 今日のプレゼンテーターは、新潟県柏崎市か らお越しの白川さんです」



■プレゼンテーション&質疑応答
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盛大な拍手に迎えられ、株式会社笑足(わらかし)ねっと代表取締役の白川正志氏が登場した。まずは、「『ばらんすてっぷ』活用からウエルネスツーリズムへの展開」がテーマだと述べ、事業内容の説明からプレゼンテーションを始めた。

柏崎市内で、使われなくなった元映画館を活用し、ジュニアとシニアの運動あそび塾『しらさんち』を2007年から運営。運動あそびとは、遊びの中で運動神経を鍛えるコーディネーショントレーニングのこと。通常の運動教室と大きく異なるのは、ひとりで運動するのではなく、参加者同士のつながりにこだわり、笑顔つながりを大切にしている点だ。『しらさんち』の利用者は、ジュニアが保育園児・幼稚園児から小学4年生ぐらいまで、シニアは70代が多いという。

次に白川氏は、なぜ『しらさんち』を始めたのか、動機と経緯を語った。そもそも、白川氏は今年58期を迎える鉄鋼業の『白川製作所』3代目。2002年に承継する際、ものをつくって販売して完結するビジネスではなく、何か違うことがやりたいと『しらさんち』を起こしたという。その背景にあったのは、白川氏が大学の卒業研究でテーマにした「人と協調するロボット」だ。いわゆる3K(危険、汚い、キツい)のためではなく、介護補助器具としてでもないロボット。人と同じ空間で、人の心まで豊かにするロボットをつくりたいという思いがあった。かつて介護の現場を訪れた時にも感じたという。福祉介護器具のロボットが必要にならないような、役に立つ道具と仕組みをつくることが、社会貢献のひとつになるのではないか。道具をひとつの選択肢として、使い続ける時間と空間と仲間まで関われるような事業を柏崎でチャレンジしてみたい。その思いから、遊び塾と商品開発に着手した。そして開発した機器のひとつが、健康運動遊具『ばらんすてっぷ』だ。これは健康増進ができると同時に、バカらしく笑えて面白く、人と一緒に楽しむ心までも生み出すもので、『しらさんち』でも特に人気のツールだという。このような道具づくりを『白川製作所』で行ない、それを活用する時間と空間と仲間を提供するのが『しらさんち』と位置付けて、参加者同士が笑かし合えるようなサービスの提供を心掛けていると語った。

市場の背景としては、日本の課題でもある少子高齢化による地域社会の持続危機を挙げた。その対策を担うのが『しらさんち』。ジュニアにとっては、体育塾の要素に加え、コミュニケーション能力を増進できる。またシニアは、介護予防教室授業を市から受託し、介護保険の費用がかからずに生ききるための生活機能能力の維持向上をはかっている。たとえば、転倒骨折予防運動もそのひとつ。転ぶ時はどうしても転ぶものだという前提のもと、それが大きなケガにならないように、一歩踏み出せるバランス能力を身につけてもらう工夫がなされている。他にも、マシンを使って、歩行時にすり足にならないよう鍛える、というものもある。

シニアに関してはさらに、高度医療に頼らない生き方の推進だけにとどまらず、生きがいづくりも目指している。「なぜ健康でないといけないのか」と いう思い を利用者が自覚し、生きがいを感じ、仲間を感じ、生きる志を持てるよう、心にアプローチできる取り組みだ。そのためにはノウハウを確立し、広めていけるよ うにブランド化したいと意気込みを語った。
また、現在は行政サービスの一環として利用してもらっているが、今後は受益者自身が対価を払っても価値があると 思われるように移行していくことも望んでいる。さらに新たな事業展開として、笑足(わらかし)運動あそびリーダー養成講習会を開催したいと述べた。そのた めにも実践の場である柏崎へ、多くの福祉健康関連の関係者を誘致したいという考えだ。だが、どのようなアプローチが必要か、地方都市に足を運ぶ意味付けと して他に何が必要なのかを模索中。他にも課題は多々あるが、今日の勉強会では、ブランド化について、コラボの可能性について、関係者の柏崎への誘致につい て、アイディアとヒントを求めたいと結び、プレゼンテーションを終了した。
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増田氏「ひと言で言うと、心の健康と体の健康を一体的に楽しみながら、しかも参加者同士がそれを実現する、ということですね。私はプレゼンを聞いている途中から、子供の頃のことを思い出しました。カンケリとかよくしましたよね。体育の授業で『校庭何周!』って言われると、苦痛以外の何ものでもないのに、遊んでいる時はたぶん授業よりも走行距離が出ていますよね。思い切りダッシュもする。夕方、日が暮れるまでカンケリをやっていたら、たぶん逃げまくって、1km以上は平気で走り回る。体は元気になる、友だちはできる、いかに見つからないように隠れるかで知恵はどんどんつく。改めて、子供の頃にやっていた遊びのスゴさを今聞いていて感じました。私もメタボ対策のために運動しなくてはと思うのですが、指導されるのはイヤで (笑)。でも、カンケリだったら、やりたい。
が、恥ずかしいですよね。それに公道で、いい大人がやったら逮捕される可能性もあります。電信柱の陰に隠れた りして、いかにも怪しい(笑)。大人って不自由だなぁと思います。でも、というのは既成概念であって、ひっくり返すチャンスがあるということです。こうい う健康増進サービスは、白川さんがおっしゃるように、公的機関が民間委託しているケースが多いです。実際に楽しんで健康増進に励んでいる人自身が対価を払 うのかというと、あまり聞いたことはありません。やはり健康増進は税金でやってくれるというイメージがあります。
そこで、まずこのビジネスモデルは受け入れられるのか、どうか。あるいは、何かプラスすることで、受益者がちゃんと対価を払うようにしてもらえるのか、ビジネスになるのか。これがひとつです。
もうひとつは、この活動を広めるには、実際にやっているところへ、運動支援者やリーダー達が柏崎へ見に来てもらうことができるのか。主に課題はふたつですので、分けて話していきましょう。柏崎への誘致の件は後ほど」
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一瀬氏「バカらしい笑えるところって、具体的にどうバカらしくて面白いのですか? 相手を思いやる気持ちが生まれると資料に書いてありますが、どうやって思いやることになるんですか?」
白川氏「『ばらんすてっぷ』の実物を持ってくれば良かったですね。これは空気でふわふわしたものに、3人が乗って使います。つながり方が3人以上だと、自分の片足は、必ず違う誰かの足と同じところに乗る状態になります。直結で皆の空気が一カ所に集まって制御するのではなく、バランスボールというものに乗ります」
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増田氏「『ばらんすてっぷ』の説明は配布物にありますが、わかりますか? 皆さん」
白川氏「右足は、誰かの片足と同じものに乗り、左足は誰かと同じものに乗ります」
増田氏「あ、隣の人というわけでなく、ブラックボックスなんですね」
白川氏「そうです。実際に乗ってもらった審査員のコメントで、バカらしいと(笑)」
増田氏「たとえば、僕ら3人で背中向きに乗るとしますよね。どうなるのですか?」
(増田氏、北出氏、小杉氏の3人が前に出て、背中合わせになる)
白川氏「下は不安定で、チューブを引き合ってバランスを取ったり、誰かを落とそうとしたり。その反応やバランス感覚を遊びの中で刺激になれば、という象徴的な道具です」
増田氏「なんか、バカらしさがわかってきました(笑)」
白川氏「この道具なら、相手と一緒にやることで、思いやるということができます。たとえばチームとして闘うことで、同じ『ばらんすてっぷ』に乗る3人は思いやりが生まれるというイメージです。つながることにより、人との関わり合い、触れ合いを感じられる道具のひとつになるのかなぁと」
増田氏「他者と協調しなくちゃいけないので、うまくバランスを取るという神経も使いますよね」
一瀬氏「やってみたいですね、それ。子供からお年寄りまでできるのですか?」
白川氏「できます。ただ、年配の方は、これで後ろに転ぶのを防がないといけないので、マンツーマンでスタッフが後ろで支えられるようにしています。」
一瀬氏「世代を問わず遊べる道具って今、必要で、その課題が解決できるとさらに面白いと思いました」

藤原氏「これは遊ぶ道具を提供する事業ですか? それともこれをもとに、たとえば社員研修などでチームワークとかマネージメント研修とか、そういうのに使うのですか? 子供が遊ぶ道具ですか?」
白川氏「道具の説明しか配付資料がないのですが、モノを売るだけでなく、モデルとして確立したいんです」
増田氏「これは健康増進だけじゃなくて、今、藤原さんが言ったように、企業などの研修ツールになるかもしれませんね。さて、白川さん、『ばらんすてっぷ』以外にも何かあるのですか?」
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白川氏「グーパーでえいっ!! というのを紹介します。第一段階は、片手を前に突き出して、もう片手を胸に当ててください。そして腕を伸ばしたほうの手をパーに、縮めているほうの手をグーにしてください。そして左右の腕を交互に伸ばす・縮める動きを繰り返す時に『えいっ!」と言いながら、同時に、両手もパーとグーを入れ換えてください。はい行きますよ」
(参加者全員でやり始めた。何度か繰り返すうちにコツを掴み、ほぼ全員が合格の様子)
白川氏「第二段階です。今度は伸ばした腕のほうをグーにして、縮めた腕のほうはパーにする。これをまた『えいっ!』と言いながら、腕を交互に伸ばす・縮める動作を繰り返して、手のパーとグーも入れ換えてやってください」
(グーとパーが変わっただけで妙にマゴマゴする参加者も)
白川氏「次は第三段階です。伸ばした腕はグーで、胸に当てる腕の手はパー。そして入れ換える時に、パンと手を叩く動作を入れてやってください」
増田氏「だんだんできなくなってきた?(笑)」
(かけ声の『えいっ!』に混じって、あれ? だめだ!の声が続々。できない自分がおかしくて笑顔になっていく)
白川氏「もうひとつ紹介します。グーの右手で右足の太腿辺りをトントンと叩く。と同時に、もう片方の左手はパーで、左足の太腿辺りをスリスリします。これ も、左右の手のグーとパーを交互に入れ換えて行ないます。グーでトントン、パーでスリスリです。はい、右でトントン(左はスリスリ)、右でスリスリ(左で トントン)」
(うわー、難しい! と言いながら、できてもできなくても、皆の表情がどんどん笑顔に)
白川氏「では、この次の段階です。グーでトントン、パーでスリスリしていたのを、今後はグーでスリスリ、パーでトントンしてください。これを何度が入れ換えながら続けます」
(できない!! 参加者のほとんどができなかったが、みんな笑顔!)
増田氏「わーっ、汗かいた(笑)」

白川氏「日常生活ではない動きで、やりにくい動作なのですが、遊びの中でやることで、とっさの時に自分が意識する前に、体が反応する。その刺激に役立てればという運動のひとつです」
増田氏「道具がなくてもできるのですね」
白川氏「そうです。実際は道具を使わずにやることのほうが多いです」
増田氏「どこでもできますね」
白川氏「はい。他にも、2人組みとかチーム組んでやるものもあります」
増田氏「確かにバカらしい(笑)。自分が滑稽で笑えました」
白川氏「はい。笑顔つながりというのも、できなくても笑えて、できなくても恥ずかしくない。みんなでやって、みんなで笑える。つくり笑顔じゃなく、笑顔が広がっていく、それが笑顔つながりです」
増田氏「白川さんが『しらさんち』でやっていること、やろうとしていること、皆さんもわかってきましたね。このプログラムは何分ぐらいやるのですか?」
白川氏「1時間です」
増田氏「しんどいなぁ(笑)。1時間でいくらですか?」
白川氏「単発だとひとり700円です」
(参加者から『へ??っ』と声が)
増田氏「何?その声。それは安い、高い。どっちのへ???」
(『安い』)
白川氏「それは関東の方々のご意見かと。柏崎では、シニアだと受け入れられていなくて、自分でお金を払うならいいですと。子供には、学習塾の延長で、運動の塾と思って月謝を払うことは保護者には受け入れられています。子供達にはすごい活用いただけています」
増田氏「なるほど。でも、シニアには難しいと」
白川氏「はい。週2回、月8回で4000円の設定にしています」
増田氏「単発では700円だけれど、月単位なら1回500円に下がるのですね。それに単発で参加するよりも、回数を重ねたほうができるようにもなりますしね」
白川氏「はい。これの良さは、年齢に関係なくつながって、できるようになるという実感が持てる点です」
増田氏「そうすると、バカらしいと思っていたのもマジになって、達成感とか成長の喜びもわいてきますよね」
白川氏「そうなんです。それで、新しく来た人には、前からいる参加者が教えたり」
増田氏「値段設定の話で700円が安いという意見がありました。この価格はどうでしょう?」

滝川氏「安いです。私は母を介護しているのですが、週に3日ぐらい行って欲しいぐらいです。自分で自分のためにお金を払うのではなく、預かってもらえると考えたら、とても安いです」
増田氏「デイサービスなどとの比較もできますね。アクティブなシニアを対象にして。ということは、シニアの子供が料金を支払うという発想もありますね」

八木氏「私も介護をしていますが、認知症予防というキーワードでやると、元気なシニアは認知症になりたくないと思っているので、一回の料金がもっと高くても取れると思うし、メニューも足して運動以外も増やせばいいのでは。もっとニーズがあると思います。高齢者の時代なので。介護保険使っていない人が多いですから。8割は元気な高齢者ですよね。そういう方々に、認知症予防として売るのはどうでしょう」
増田氏「柏崎市の高齢率は高いですか?」
白川氏「高いと思います。合併前の山間部まで含めると25%は越えているかと」
増田氏「そう考えると市場は大きいですよね。八木さんのご意見のように、これができるシニア層は大きいと思いますね。今は1カ所でやっているのですか?」
白川氏「はい、元映画館で。もちろん出張もしています」
増田氏「認知症予防のキーワードでやったことはありますか?」
白川氏「一度、あります」
八木氏「あっ、認知症予防ではなく、認知力向上と言わないといけないんでした」
 
増山氏「うちは公民館の前にあって、大きなスーパーもそばにあって、午前中は行動的なご老人でいっぱいです。認知症とか介護からちょっと離れて、行動的な人にアプローチしてはと思います。東浦和なのですが、そういう人を呼び込むための集客手段として、例えばお店で1000円買うと10ポイントたまって、数ポイント溜まるとその遊び塾に参加できるとか。企業の差別化にもなるし、社会的貢献にもなる。運動遊びがその地域の集客ポイントになるんじゃないかと」
増田氏「行政とか個人だけじゃなく、ビジネスという面もありますね。素晴らしい観点です。役場からとか、受益者からじゃなく、企業と提携して、集客や差別化の材料として打ち出す」
増山氏「高齢者で居酒屋へ行く人は少ないですがいますよね。どういう人かと言うと、つながりがあって、同じ仲間がいて飲み合うわけです。居酒屋で飲むと、ポイントがもらえて、『お酒も飲むけど運動もするよ』って、笑かしにもなる。なんか真剣に考え過ぎちゃうと、介護保険制度のようになっちゃうから」
増田氏「白川さん、企業との連携での実績は?」
白川氏「場所が中心市街地にあるので、商店と連携していければとは思っています。笑足の会員カードというのがあって、床屋さんと美容室をやっているところで提示すると、初回は500円引きになるというのをやっています」
増田氏「BtoBで考えると、どんな業種と組んだらいいでしょうね。シニアと仲良くしたい企業。どうでしょう?」
 
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相澤氏「サプリメント」
敷田氏「銭湯。汗をかいたら風呂に入りたいし」
増田氏「そうかそうか。脱衣所でやってもいいですね」
敷田氏「健康ランドとか」
増山氏「健康ランド、いいですね。温泉行くと大カラオケ大会とか、高齢者が集まるイベントをやっていますしね」
増田氏「そう考えると、日本旅館の広い畳の上でやるのも気持ち良さそうですよね。団体客が来なくなっている温泉旅館の大宴会場とか」
藤原氏「バス旅行とか」
増田氏「NICeでやっちゃおうかな(笑)」
白川氏「ツーリスムとの組み合わせとか」
原氏「これは整体院ですよ! 整体に通ってプラス健康増進って、いいコラボだと思います」
増田氏「整体師の原さんが言っているんだから間違いないですね(笑)。あとで商談してください」

半谷氏「そういう場所を考えるなら、インストラクターを育てないと」
増田氏「そうですね。必要ですね。レクリエーションを指導できる方、今どのくらいいるのですか?」
白川氏「専属で3名です。日本コーディネーショントレーニング協会というのがありまして、どちらかというとスポーツ系、あるいは介護現場の方で、興味がある人が個人的に資格取られて取り組んでいます。うちの場合は、笑足運動遊びのブランド化を目指していて、うちだからこれしかできないというものではないです。運動遊びリーダー養成講座を受けてもらう、というのもやりたいんです」
増田氏「一般的なリーダーではなく、あくまでも、笑足運動遊びのリーダーですよね。怖い顔して指導する人じゃないですものね。面白いことが大事ですから。そういう精神を伝えるリーダーを養成する。受講料はいくらですか?」
白川氏「構想としては、交通費別で2日間で1万5000円。飲み会付きで(笑)」
増田氏「そこでも収益を上げることができそうですね。行政から、個人から、ではなくて。お年寄りと距離感が近い事業者と手を組めないか、という増山さんからのご意見がありました。企業というご意見があった一方で、もうひとつ進めてみましょう。まず場所は元映画館。渋くていい感じですね?。中心市街地ということは、昔栄えた場所でやっていらっしゃるということです。さぁ、研修場所としてどうでしょうね。どうしたら人が来るでしょう。まずは柏崎って、よくわからないですよね。行ったことある人? 何をしに行ったんですか?」
原氏「災害ボランティアで行きました」
田村氏「取材です」
石田氏「コンサートです」
増田氏「私も行ったことがありますが、佐渡がくっきり見えて、こんなに近いんだなぁと思いました。海岸線がとても長いですね。災害があって、原発、花火、とか。何かそれ以外で思い付く人はいますか? 大阪から参加の目次さんはどうですか?」
目次氏「場所がどこかもわかっていないんで(笑)」
増田氏「なるほど。関西、関東、どちらからも行けますが、イメージがあまりないんですね」
白川氏「7月の花火大会は有名です」
一瀬氏「歴史で言うと、戊辰戦争とか、桑名藩の飛び地とか」
白川氏「陣屋と呼ばれる飛び地がうちそのそばにあります。温泉もあります」

増田氏「どうも柏崎ということだけで呼び込むのは難しいかもしれませんね。さきほどの逆転の発想で、誰も知らないからこそ呼べること、昔は栄えた中心市街地を活性化するという観点での利用法など、本業以外の魅力で誘致する方法はあるかも知れません。この研修以外の魅力で、何か付加価値で人を呼ぶことはできるでしょうか」
増山氏「僕は自治会の会長をしているんですが、さらに自治会が集まる自治会連合というのがあるんです。それの旅行って、大名旅行で、各自治会から会長が参加する。『こういうことをやりに行きました』という大名旅行のお題目にいいかなと」
増田氏「そうですね。飲めや歌えやだけだと、今はなかなか難しいですから」
増山氏「今問題になっていますから。無駄なところへ行っているんじゃないかと」
増田氏「研修してきたことを自ら地域の中でやる、公民館使ってやりましょう、と」
増山氏「しかも、会長クラスはだいたいお年寄りばっかりなんです」
増田氏「ですよね。実に筋が通ってきますね」

田村氏「さっきインストラクター養成講座をやると言っていましたが、そのインストラクター自体をすごく元気なお年寄りにして、例えば86歳のおばあちゃんが教えています、みたいな実例をつくれば、視察者殺到みたいな(笑)」
増田氏「受けそうですよね、高齢者ネタは。熊本県の天草のケーブルテレビの女子アナも80歳は越えているし、葉っぱビジネスで地域おこしをした徳島県の『いろどり』で活躍しているのもお年寄り達ですね。お年寄りがやっている、というのはネタになりますね」
石田氏「理学療法士の人ってスゴく研修が好きなんです。私の担当の先生もしょっちゅう参加しています。面白ければ全国どこでも行く。片道5、6時間かかるところでも行くんですね。しかも抽選で」
増田氏「理学療法士さんへのアプローチはどうですか?」
白川氏「地元ではあるのですが、地域を越えたケースはまだないです」
石田氏「理学療法士って、プラスアルファでノウハウや資格を持ちたいようです」
増田氏「今は柏崎でやっていますが、市場は県外に広げていったほうがありそうですね。市場を掴もうと思ったら、県外からの呼び寄せになりそうですね。ところで、今日初めて定例会に参加されている方は多いですよね? 何かご意見は?」

熊谷氏「お子さんの集客ができている、ということですが、高齢者の方とクラスは別ですか?」
白川氏「時間で分けています。お子さんのおじいちゃん、おばあちゃんという会員割引制度はありますが」
熊谷氏「というのも、2世代、3世代で一緒にできればいいなと思ったんです。少子化でお子さんと接することは少ないですよね。お孫さんに会う機会も少な い。でも、その塾へ行ったら、孫ぐらいのかわいい子に会えるとしたら、楽しみになるんじゃないでしょうか。私が思ったのは、そこが魅力的な場所という認識 が必要かと。機能しているモデル、お子さんとお年寄りというビジネスモデルをつくれば、視察も来ると思うんです。ひとつかたちをつくったら、いろんな人達 が見に来るし、リピーターも増えると思うんです。」
白川氏「ジュニアとシニアを一緒にやる構想はあるのですが、まだ一緒にはできていません」
増田氏「そうですね。大それたことではなくても、オンリーワン的な成功モデルをつくってアピールする。さきほどの『ばらんすてっぷ』も、お年寄りと子供と 一緒にやるのも可能ですよね。どの地域でも、お年寄りはたくさんいても、孫が近くに住んでいないとかありますよね。孫のような世代と交流したいというお年 寄りもいるでしょう。そういうサービスで実績をつくってそれをアピールすると届きやすいですね」
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齋田氏「運動は面白いけれど、呼び込みにくい。そこを考えると、運動という概念で考えるよりも、ダンスとか、ラジオ体操みたいなセットにしてやるとか。極端な話、歌をつくって、展開する。どこかと提携するというビジネスモデルじゃなく、著作権的なビジネスに展開できれば、人も来るし、メディアも使えるかなと」
増田氏「踊りと歌がセット。NHKで取り上げられたらスゴいですよね」
齋田氏「柏崎なんとかダンスとか(笑)。みんなでできるし、映画館だから音響もいいでしょう」
増田氏「その方向性もありますね。完成させてCDにして、DVDにして」
齋田氏「それで、第一、第二って、シリーズ化(笑)」
増田氏「コンテンツをもっと開発して、もっと面白くして、もっといろんなパターンをつくることもできますよね」

菊池氏「同じようなことやっているグループはないのですか?」
白川氏「あるかも知れませんが、知りません」
増田氏「行政でやっているところはあるのでしょう」
田村氏「愛知県豊田市には、市内各地域に交流館というのが29カ所あって、そこでいろいろな遊びとか趣味の教室をやっています」
増田氏「やっているけれど、行政が公民館などでやっているから、よその地域や市場を取るような展開ではないのでしょうね」
原澤氏「さきほど700円が安いか高いのか話題に出ましたが、たとえば氷川きよしさんが教えてくれるといったら、7万円でも安いと言うかも知れない。さっきの田村さんの意見のように、90歳のインストラクターが教えるって言うような、そういう底辺をつくる。NHKの『おかあさんといっしょ』も全国へキャラバンに行ってやっているでしょ。そこで体感すると、じゃ次は渋谷のフレンドパークへ行こうってなるわけです。同じように、この人が柏崎にいるとなれば、行こうとなる。行く前提になるかなと」
増田氏「スターなわけですね」
松本氏「運動をするということで、チームビルディングの企業向けにやっているところがありますが、視点が違うのかなと。そういうモデルもあります」
白川氏「企業向けに、組織の活性化のためにということもしています。普段はデスクワークで、個人で完結してしまうような職務向けに。2社程していています。導入した結果、その良さを実感してもらっています。ただ、もともと仲の良い職場なので」
増田氏「もう少しデータが揃ってくれば面白そうですね」

相澤氏「収益を生む前に、ブランド化ということならば、ゴールを設定しないと。これをやっていく人がどうなるのかというゴールが今は見えませんよね。たとえば、ギネスの認定とか。『ばらんすてっぷ』をおじいちゃん100人で5時間続けたらギネスとか。それはそれで意外とそういうバカっぽいのがギネスに合うかなと(笑)。『俺達もまだまだやれるじゃん?』みたいなのが刺激にもなる。それをやるなら柏崎で、みたいな」
増田氏「ご当地ギネス世界記録は注目ですし、ギネス世界記録を目指す、そこへ向かうという喜びもありますね」
白川氏「大道芸人に『ばらんすてっぷ』を幾重にも重ねて乗ってもらったことがあり、受けました」
増田氏「いろんなご意見が出ましたね。このサービスの収益源を、行政だけでなく受益者に求めたい。またBtoBのモデルで、企業や町内会という観点も出てきた。そうなると、柏崎に呼ぶだけの魅力的なものがほしくなってきます。その切り口のアイディアも多々出てきましたね。あとは広報です。自力で宣伝するのは大変なのですが、おばあちゃんスターがいたり、ギネス世界記録に挑戦していたりとなれば、メディアでも取り上げてもらうことができる。活動の素晴らしさを今後もブラシュアップしていけば、全国的な注目度アップも無理ではない気がしてきました」
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敷田氏「相澤さんが言ったように、この『ばらんすてっぷ』を競技としてやって、その天王山は柏崎だと。小学校の運動会でやるとか、全国レベルにしてもらうとか」
増田氏「高校野球の甲子園みたいな存在になるわけですね、柏崎が。高校球児と呼ばれるように、“ばらんす球児”と呼ばれる子供達(笑)。そういう時が来る かも知れませんよね。最後までいいご意見をありがとうございました。ぜひ、白川さん、皆さんも、今日のご意見、発想を大いに生かしてください。どうもあり がとうございました!」

 

■PRタイム

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長谷川満氏
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松本真二氏
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石井亜由美氏
長谷川満氏/前職での様々なキャリアを生かし、今年6月に起業。ヒューマンサポーターとして主に、社長の頭脳を見える化・仕組み化した経営方針書のプログラムの提供、採用コストを軽減し、その分を自社ブランド化に生かすコンサルティング、人材育成コンサルティングなどを行なっている。前社でのキャリアと事業内容をアピールするとともに、各サービスで限定数社の無料相談、優待価格を設定していると述べた。



松本真二氏/コストをかけずに快適環境のオフィス開設&最適化サービスを提供している。IT、デザイン、士業関係の経営者との相性がいいとPR。また、オフィス家具をカタログなどで購入する場合、高額に思っている人が多いが、量販店で同じスペックのものを購入し、提携の塗装業者にペイントしてもらうなどの工夫で、見栄えがまったく異なる。オフィスづくりには、頭脳とセンスと思いを入れるといいとアドバイスした。



石井亜由美氏/12月6日に開催されるNICe伊東の実行副委員長として登場。「もう細かいことは言いません、ここ伊東で何かが起こります! 楽しいことがめいっぱいありますので、この申込書にすぐ書いて、私に渡してください!」と、短くも威勢良くPR。

■特別PR

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桜井由佳氏
桜井由佳氏/クライアントは東京・大阪が多いが、兵庫県在住であると短く自己紹介。その同じ兵庫県の佐用町で、8月9日に集中豪雨が起き、人口2万人のうち20人が亡くなるという大災害に見舞われた。自身は訪れたこともなく、ゆかりのない地だったが、災害直後に地域のSNSで現状を知ってから、ネットを通じて支援を続けている。水害で倒れてしまった佐用町の稲を、ボランティアが手で1本1本丁寧に刈り取り、『復興米』と名付けたという。そのボランティアのうちのひとりが、NICeメンバーでもある内藤勝氏HYPERLINK“https://www.nice-vec.jp/sns/member_profile/4486”だと紹介した。桜井氏は『なみへい』のロゴ、Webサイトの作成をしており、そのつながりで、今日の交流会にはその『復興米』を食材として提供。佐用の美しい風景写真も店内に展示したので、ぜひ、思いを馳せて味わって欲しいと述べた。



■交流会

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NICeシステムプロデューサー久田智之氏の
「乾杯!」の一言で交流会がスタート!!
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本日の料理は、新潟県佐渡産 いごねり八丁味噌かけ、長野県東御市産ミニチンゲンサイとエビ 青首ダイコン
おろしポン酢、島根県邑南町産 米粉パンのサン ドウィッチ、宮城県産 大粒カキフライ、長野県東御市産 白菜
の鍋仕立て、北海道根室産 エゾシカのソテー、兵庫県佐用町産「復活米」のおにぎり。
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料理人
鈴木信作氏
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定刻22時のお開きタイム。NICe東京定例会に全回参加の皆勤賞を誇る藤原純衛氏のあいさつで、2009年の定例会は幕を閉じた。2010年1月の定例会で、また元気にお会いしましょう。

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撮影・取材・文/NICe編集委員 岡部 恵