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2013 NICe×志成会 学び始めの会レポート




2013年1月12日(土)、東京・港区の女性就業支援センターで「2013 NICe×志成会 学び始めの会」が開催された。これは前年2012年1月14日開催の学び始めの会(レポートはこちら)、6月16日開催のNICe関東×志成会 頭脳バトル(レポートはこちら)に続き、NICeと志成会との合同開催第3弾。今回のテーマは、「事業創造なくして、生き残る術はナシ!」。厳しさを増す経済・経営環境に、我々中小企業経営者、個人事業主はどのように立ち向かうのか。NICe増田紀彦代表理事の基調講演、そして、新たな事業創出を図る実践ワークの2プログラムで実施された。参加者は関東を中心に、岩手県、新潟県、伊豆諸島の利島、静岡県、愛知県、大阪府、和歌山県、ニュージーランドから総勢55名がかけつけ、業種、地域、世代の異なりを超え、さらに“組織”も超え、2013年の幕開けと事業創造へ向けての第一歩を共にした。


■オープニング





2013 NICe×志成会 学び始めの会・実行委員長の鬼頭秀彰氏が開会を宣言。続いて、志成会代表の古屋文隆氏から、参加者への感謝の意が述べられ、今回の会への意気込みを語った。



「昨年は1月14日にここで学び始めの会を行い、48名の方々と共に活動を始動しました。私は2005年11月に仲間と共に立ち上げた若手経営者・後継者の学びと実践の会、志成会の代表であると共に、一般社団法人起業支援ネットワークNICeの正会員として『事業創造なくして、生き残る術はナシ!』をテーマに本日の会を行う事を提案しました。

私たちの共通点、それは同じ国、同じ時代、同じ思いを共有する同志であること。志成会とかNICeの垣根なく、この厳しい時代の荒波を共に乗り越え、さらに時代の流れをつくり出す仲間であると思っています。人生一度きりならば完全燃焼で臨もうと。そういう思いを共有できる事業者の集団として、自分たちの周りにある、まだ気づいていない宝物を見つけ、磨き合い、発信していく。ひとり一人の力は小さくても、協力すれば、その流れがつくり出せると思うのです。

写真絵本『てくてくま」は、一年前、この場から生まれました。文字どおり、命を懸けたおふたりの存在が奇跡的にこの本を世に出すことにつながっていきました。この会がなければ、ない本です。

出会うことで新しいものが生まれる。新しいサービスや商品が実際に生まれていくのです。今日この会からまた、事業が加速的に生まれていく場にしていただきたい。事業創造としての連携強化ですので、そのエネルギーを産み出すためにも、今日は本音でぶつかっていただきたい。摩擦はエネルギーが大きければ大きいほど熱くなります。明るい未来をつくるために、敢えて厳しく、予定調和は要りません。それぞれ分野ごとのチームで刺激をし合い、大きな成果を出し、新たな商品やサービスを通じて、消費者に社会に貢献できる、そういうものが生まれることを願っています」


●前回のプレゼンテーターから、その後報告

6月16日開催のNICe関東×志成会の合同頭脳バトル(レポート)で、プレゼンテーターとして登壇したおふたりから、その後の報告があった。


「医療機関で患者や家族がワクワクする仕掛けとは?」をテーマに6月の会でプレゼンしたKAKKY CREATION代表・柿本堅治氏。柿本氏は2012年3月、医療機関や地域コミュニティ活性化事業イノベーターとして独立した。工業デザイナーの長年のキャリアと人脈を生かしてイノベーションする事業を展開している。この日の報告では、現在、北里大学病院と100万人の笑顔をつくるプロジェクトが進行中のほか、新プロジェクトやアドバイザー支援など頑張っているところという。また、10月から新エネルギー促進のTVキャスターを務めていると報告した。


「地方の中小企業がブランド力を武器に発展するには?」をテーマに、6月の会には宮崎県から登壇した有限会社スモーク・エース代表取締役の穴井浩児氏。報告は、小林京子NICe理事がメッセージを代読した。



6月に登壇した時は、人前で話をすること、しかも東京でということでいっぱいいっぱいだったが、真剣に聴いてくれる姿勢と温かなフォローで、なんとかプレゼンができたと思う。頭脳交換会で得たものは大きく、伝えることの大切さ、ご縁を知った。自分ではマイナス要因だと思っていた炭火焼の黒色を生かすアイデアや、食べ方の意見なども新鮮だった。さっそく自社Webサイトにレシピを掲載して好評を得ている。また頭脳交換会後に代表取締役に就任し、今後も伝統を大切にしつつ新商品開発をしながら、本物志向の専門店としての原点に磨きをかけていきたい。今日は参加できずに大変残念。また近いうちに上京し、会に参加したい。再会の日を楽しみにしていると感謝の意と嬉しい報告を伝えた。


続いて、1年前の「2012 NICe×志成会 学び始めの会」に参加し、その後5月に開催された第10回NICe関東・頭脳交換会(レポート)にプレゼンテーターとして登壇した前田政昭氏からの報告。前田氏は、先の古屋氏のあいさつでも紹介された“てくてくま”の生みの親だ。



「ちょうど一年前の学び始めの会に参加し、その後の懇親会でたまたま隣り合わせて話したのが、NICeのメンバーである渡邉真弓さんでした。私の名刺を見て、『これは何?』と質問していただき、説明したのが事の起こりです。名刺にあったのは、テディベアの小さな写真でした。妻は亡くなる前、2年間テディベア作家として活動をしていて、亡くなる3カ月前にコンテストでダブル受賞した作品の写真を名刺に入れていました。その話をしたら、渡邊さんが『これは何かのカタチにしないと』と提案していただき、今に至ります。

その3日後に打ち合わせをし、渡邊さんが原稿を書いてくださり、それを受けて、私が撮影をしました。その原稿がこの写真絵本『てくてくま』に入っています。が、これも遺作となってしまいました。渡邊さんは4月に亡くなりました。

原稿も写真もあるものの、どうカタチにしようかと悩んでいましたが、NICe発足前から渡邊さんと旧知だった増田代表理事に編集作業していただき、愛娘の育実さんとの協力で7月に写真絵本『てくてくま』が完成しました。優しさと勇気、ちょっと癒しを届けながら、一歩ずつでも前に進むことが大事であり、それを応援してくれる仲間がいるというメッセージになっているかと思います。
初版は300部で、限定でステッカーがついていますが、これは名古屋のNICe正会員である野田哲也さんが無償で協力してくれました。このように、いろんな仲間の力でできあがった写真絵本だと思っています。

また写真絵本だけでなく。このマインドとメッセージをもっと広げていきたいと思い、ほかのグッズやツールも動き出しています。アンドロイド対応の万歩計“てくてくまんぽけい”。そして今進行しているのはデジタルツールです。もしみなさんの事業や専門分野で、あるいは知り合いで、“てくてくま”を使ってこういうものはできないか、というアイデアがあれば、ぜひご一報ください。志成会とNICeだけでなく、頑張っている人たちを元気にしていくことを強く願っています」
てくてくまhttp://tekutekuma.jimdo.com/




■基調講演



「政治や大企業に依拠せず、
 仲間と経営資源を重ね合い、
 新規事業を起こして未来を切り拓こう!」

一般社団法人起業支援ネットワークNICe 増田紀彦代表理事




●アベノミクスへの期待と不安
前政権の経済路線とは?


「あけましておめでとうございます!」と新年のあいさつをした増田氏は、今日の本番はこの後のグループワークであり、本番である理由は、「事業創造なくして、生き残る術はナシ!だからです」と、強い言葉で講演をスタートした。

年末の総選挙で自公新政権が発足して以来、アベノミクスへの期待がマスコミ報道に多い。日本経済はよくなるのでは? それこそ事業創造なんかしなくても大丈夫では? という楽観した空気に対し増田氏は、「それらに関係なく、政治がどうであろうと、大事なのは自分たちの力!ではないのか?」と檄を飛ばした。

ちょうど前日の閣議で20兆円を超える緊急経済対策が打ち出された件にも触れ、なぜ20兆円なのか、なぜ緊縮路線だった財務省が新政権とタッグを組もうとしているのか。その理由をこう述べた。

「緊急経済対策によりGDPが2%上昇するとの計算です。GDPが上昇すれば、それを前提にした消費税率アップのお膳立てが整います。この20兆円のニュースは、財務省と自公政権が、うまく組めたという証拠です」

2%以上のインフレ目標設定、日銀による金融緩和拡大、公共事業による需要の追加。このアベノミクスが三つ揃えで実現した場合と、部分的に実現した場合の危険度を増田氏は解説した。たとえば、前述の消費税をはじめとする増税。行き過ぎた金融緩和の行く末。使い道のないマネタイゼーションによる資産経済加速とバブルの誘発。為替相場の政治介入。TPPやRCEPなどのブロック経済化による国際摩擦などだ。アベノミクスは市場にも好感され、政権交代後に円安・株高傾向にある。だがこれも、輸出産業の企業には歓迎だろうが、輸入産業にとっては打撃だ。

では、前政権のままではどうだったか。増田氏の解説が続く。円高・株安・デフレは止らず、さらに国民ひとり700万円の借金を背負っているというマスコミキャンペーンにより、増税の必要性を謳い、消費マインドをさらに低下させた。事業仕分けなどの歳出削減など、財政出動せず徹底した緊縮路線だった。平成23年度では予算を余らせていたほどという。そしてTPPへの参加推進。あのままでは、投資意欲も消費意欲も労働意欲も萎える一方だった。

なぜ、前政権はここまで緊縮型の政策だったのか? 
「いわば官僚主導の政策でした。財務省は中小企業の法人税や個人所得税を当てにはしていません。日本を守るためには民間人の力には頼れない。もし私が金庫番でもそう思うでしょう。日本の税収を支えている大企業がこの状態ですから。前政権はまるで財務省のスポークスマンのようなことを言っていました。国民ひとり774万円の借金をしていると。しかし、国債を買っているのは国民です。債務者ではなく債権者です。前政権の緊縮路線は、投資意欲も消費意欲も労働意欲も奪い続け、希望や活力が見いだせないものでした。それで今は新政権に期待が高まっています。しかし、先に述べたように、アベノミクスも短期的には盛り上がるかもしれませんが、その後かえって危険が増す可能性も大きいのです。

政治家も官僚も精いっぱい頑張っています。それでも、新政権にも前政権にも結局は期待できないということです。前も今もいずれも厳しい状態です。万能薬はありません。外交や福祉、防衛、教育など全面的に政治が左右できる分野もあります。ですが、経済において、政治は脇役です。私たち自身が経済の主役なのです」




●経済の主役は誰か?
物事を生み出し、物流させ、消費するのは誰?


「何に期待をしているのですか? 国が悪い、政治家や官僚が悪いと言うのは簡単ですが、政治家も閣僚も頑張っています。人のことを言うなら、自分たちがやることやった上で言いましょうよ。自分たちが本当に厳しい経済の中でやるべきことをやっていますか? 人の財布を緩められるような商品やサービスを提供する努力をしていますか? 経済は誰かがやってくれるものではない。事業者、起業家、経営者であり、消費者でもある私たちが主役としてやっていかないといけないのです」

増田氏は、加えて民間の中でも中小企業に期待していると話を続けた。20世紀型の世界経済をリードしてきた大企業は、従業員数も多く、その人件費、オフィスや工場の維持費など、それらが今や負の遺産となっている。メイドインジャパンを支えて来た大企業は、大量にものづくりする仕組みをつくりあげたが、今ではそれら負の遺産が足かせとなり、Apple社のように大工場も持たずに身軽なものづくりをしている企業との競争にも苦しんでいる。

「大企業がチェンジするのは大変です。今すぐ勝負できるのは、負の遺産を抱えていない、小規模ビジネス、もたざるものこそが先に走るべきです。大きな会社が経済を動かすという考えが、私たちの中にしみ込んでいます。ですが、変わっていかざるを得ない時代です。期待を大企業にしてはいけません。政府や官僚にも期待してはいけません。みなさん一生懸命ですが、やはり主役は、自分たち小規模ビジネスだということをぜひ認識してください。沈みゆく1000億円に期待するのではなく、伸びゆく1000万円を生み出す。これが今、考えるべきテーマではないかと思います」


●仲間と経営資源を重ね合い、
新規事業を起こして、強靭な“背骨”に


では私たちはどう頑張るのか。限られた経営資源しかない小規模経営者や個人事業主が、未来を切り拓くには? その展開の順番を増田氏はこう示した。

1.何が自社の資源なのかを正しく認識する
2.その資源を投入すべき市場を常に意識する
3.同時に、志が一致する仲間を常に探し、深く付き合う
4.市場参入のために不足する資源を割り出す
5.仲間が有する資源を理解する
6.仲間と経営資源を重ね合って、新規事業を起こす!


「世の中に選択されるようなビジネスを起こすにはどうするか? 私たちの会社は小さな企業です。経営資源も限られていますし、資金もない。しかし、何もないわけではありません。人間として生きてきた中で、個人として、企業として資源があります。ですが本人はその資源の凄さに気づかない。同業者の中では当たり前でわからない。
他者の目、人から見つけてもらわないと見つけられないのです。異なるものと付き合うことで、自分の強みを認識することがまず大事。それを何に投入するかをいつも考え、生かすかを考える。同時に、同じような目標を持つ人を探し続けるのです。

ビジネスを考えてから次にリソースを探すことはよくあります。ですが、見積もりだけの関係は、いずれ金の切れ目は縁の切れ目となります。相手を信じていいのかと確認もしなくてはならない。しかし、普段から付き合っていて深くかかわっていれば、裏切りたくない関係が既に確立されます。金の切れ目が縁の切れ目、にはなりません。人間関係をしっかりつくっていることが大事です。先にビジネスマッチありきでやるから崩れるし、強い方が締め付けることになり、下請け関係をつくり出してしまいます。むしろ、富を分け合いたくなるような人間関係をつくる。そのためには、常に仲間を探し、チームの中で足りないものはないかと探していくことです」



最後に増田氏は、この前日に参加したNICe会員主宰の勉強会「たまビジネス元気塾」での話題に触れた。その日の講師は、NICe正会員の北出佳和氏だった。

「昨日、北出さんのセミナーを聴いたのですが、最後にとてもいいことを言っていました。『これからの時代は背骨が大事です。鉄の棒じゃいけません』と言うのです。要するに、鉄は強靭性があるけれど柔軟性はない。背骨はひとつずつの骨は強く、しかも全体で柔軟性があるということです。まさに、今日の集まりにつながると思いました。ひとつの小さな骨が小さな企業である私たち。そのひとつひとつは強くなくてはいけない。その強い小さな骨がつながっていれば、背骨のように強靭で、かつ柔軟なコラボレーションがつくり出せます。
みなさん、ひとり一人が背骨の骨です。この時代を、政治や大企業に依拠せず、自由に動き回れる背骨になる。どうぞその意気込みで、この後に行うメインイベント、事業創造なくして、生き残る術はナシ!に臨んでください」


■事業創造なくして、生き残る術はナシ!





休憩をはさんで始まった事業創造は、予め参加者全員が5分野(1健康・福祉 2環境・エコ 3子育て・教育 4地域活性・一次産業 5海外展開)からエントリーし、各分野チームで新しい事業の創造を目指す実践型ワークだ。希望者が多かった分野は2グループを設けることになり、5分野・計7グループでの実施となった。

まず鬼頭実行委員長からタイムスケジュールが説明された。前半でSWOT分析、後半でクロス分析し、グループ内のさまざまな資源を掛け合わせ、事業創出案を発表していく。今日を事業創出の第一歩と位置付け、また自由意志で他グループのプロジェクトに参加するも善しという。さらに半年後には、再びNICe×志成会の勉強会を催す計画であり、そこで各プロジェクトの進捗状況を報告してほしいと語った。「70分しかありません、でも恋に落ちるのは一瞬です(笑)。時間の制約を乗り越えて、ぜひ濃い討議から事業創出の種を今日は見つけてください」

続いて増田氏から、前半のSWOT分析、後半のクロス分析について議事進行のアドバイスがなされた。通常は既存の企業やプロジェクトで行う方法だが、今回は各分野とグループメンバーの分析となる。

S 強み(Strength)
W 弱み(Weakness)
O 機会(Opportunity)
T 脅威(Threat)


SW内的要因では、メンバー個々の資源や不足を出し合う=補完し合えるものも見つけ出す。またOTの外的要因は、その分野の専門家ならではのOTにとどまらず、知らないからこその印象やイメージなど、業界外からの視点も重要だと述べた。脅威であると業界内では言われることは、その業界の人はタッチしないもの=チャンスとも言えるからだ。質疑応答がなされた後、さっそく第1ラウンドのSWOT分析(40分)がスタート!


▲▼5分野7グループに分かれてのSWOT分析は、事前に決めたリーダーを中心に議事進行。簡単な自己紹介をした後、メンバーそれぞれのSWを色分けした付箋に書き出し、模造紙に貼っていく。初対面の参加者同士だが、事前エントリーで参加しただけあってすぐに打ち解け、会話が弾んでいる






続いて、第2ラウンドのクロス分析。強みと機会を捉え、一見不利に見える脅威をチャンスと捉え、強みと機会をいかせている事業かをチェックしながら、いよいよ事業創出へ向けた本番!








●事業創出 発表タイム 各チーム2分半

健康・福祉A
【ロコモティブシンドローム対策を普及する事業】



「死ぬ瞬間まで自分の足で歩こう、みんないずれは高齢者」をキャッチコピーにして話し合った。厚生省が「健康日本21」をテーマに、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の認知を高めようという動きがある。これに先行して、【ロコモティブシンドロームを普及する事業】を進めたい。健康・福祉Aグループはメンバー全員が持つそれぞれの強みを生かせることも確認した。さっそくプロジェクトを始動する。


健康・福祉B
【住みたい街を目指したエンターテイメントセンター事業】



楽しいをキーワードに、子どもからシニアまでが健康に生きるための【住みたい街を目指したエンターテイメントセンター事業】。そのノウハウをまた他へ提供することで、収益をあげていけると考えた。地域の人を巻き込み、面白いものや面白いことは免疫が上がるということもアピールしていく。

質問・意見
・Aチームとのコラボも可能


環境エコ
【電力をタダにできる仕組みを事業化】



「電力はタダだ!」をキーワードに盛り上がった。参加メンバーの滝上耕太郎氏が、すでに自然エネルギー発電のプラント設計案があるということで、【電力をタダにできる仕組みを事業化】。設計技術は無償で地方へ提供し、その地域内でハード建設およびメンテナンスもできるしくみを提案する。環境エコおよび地域財源としても活用してもらえる。

質問・意見
・日本だけに限らず世界へも展開できるのでは
・最初の設備投資はどのくらい? 建設費用は?
→炉の大きさで費用は変わるが、基本設計はすでにできている。現物がないと信じてもらえないので、まずは自宅につくろうかと考えている。事業案としては、設計図を提供し、その街の鉄工所で製造してもらいたい。メンテナンスなどもその街の鉄工所。そうすれば、ほかの地域の企業にもっていかれることはない。家庭用なら30万円から40万、村や街なら数百万から数千万の建設費になると思う。



・競合はどこになるか?
→電力会社、太陽光発電がライバルでは?
・自然エネルギーのさまざまな方法が切磋琢磨されていくので素晴らしいことだと思う。


地域活性・一次産業A
【笑顔の「お福わけ】



地域活性化のために、ビジネスをつくり出すのではなく、活性化の中からビジネスが生まれるという逆発想で考えた。お金をかけずにハッピーに暮らしている人が集まっている場所があれば、そこに行きたいと思うのではないか。そこで、まず私たちが楽しい暮らしをし、人を呼び、地域を活性化させる成功事例となる。候補地は参加メンバーがすでに所有している土地。また、グループメンバーには広報部隊も揃っているので、その地域のいいものを発信する。ここを拠点に、各地域へブランディング提供するインフラ事業を進めたい。プロジェクト名は【笑顔のお福わけ】。

質問・意見
・土地はあるのか?
→埼玉県内にある。建物を建ててもOK。畑もある。
・環境エコチームの自然エネルギー発電もそこでできるのでは。


地域活性・一次産業B
【方言女子・47事業】



参加メンバーがすでに『方言女子・47』の商標を登録しているので、47都道府県の出身者アイドルでの展開案を話し合った。方言を話すアイドルグループ【方言女子・47事業】を進めたい。またグループの中には飲食店やサロンを経営するメンバーもいるので、47メニューや地域民芸、衣装販売、キャンペーンガールのように、地域のアイドルが店内を回る。標準語の通訳もするなどが具体案。故郷を応援したいお客さんにも喜ばれるのではないか。

質問・意見
・高級老人ホームへ出張サービスを。
・ナショナルブランドではなく、地域ごとの販促部隊としても生かせる。
・各TV局の地方物産の発信にもいい。


子育て・教育
【トータルコミュニケーション教育事業】



「ゆりかごから棺桶まで、人間力をつける」をテーマにした、【トータルコミュニケーション教育事業】。
コミュニケーションが取れない人が増えている。メールではできても実際に会うと礼儀も何もない。大人になってもコミュニケーション能力が低いまま。新入社員教育はあるが、その前の段階での教育の機会がない。人が集まればコミュニケーション能力を磨けるので、その機会を提供する。たとえば、地域ごと、年齢ごとだけではなく、就職前、社会人になってから、親になってから、定年退職後など、トータルで設定できる。参加メンバーは心理学を学んだ人も多く、学生教育、広告、コンテンツ、IT、などぞれぞれの強みも生かせる。

質問・意見
・誰が教えるのか?
→心理学を学んだ人、NICeメンバーとの連携も。
・家族間でコミュニケーションできていないケースが多いが、親ができていないのも要因。親だけ、子だけではなく、両方を交えたらどうか。
・祖父母と孫というようにセット入会もすすめられるのでは。




海外展開
【横連携による海外ネットワークづくり】



関東から、東海から、関西から、というように「○○から世界へ」というネットワークづくりを展開したい。
海外展開にはいろいろ立場の人が居て、国も事情もさまざま。日本国内で海外展開をしている人のネットワークをまずつくる。月1回集まり、海外文化の理解や解釈を深める勉強会なども開きたい。それぞれ得意なことを共有し、海外展開している人同士を結びつけたり、あるいはこれから海外展開する人のバックアップをしたり、ビジネスシェアもする。その前に人間関係をつくっていくことが大事なので、【横連携による海外ネットワークづくり】を進めたい。

質問・意見
・まずはインフラづくりですね。
・身近に海外の話ができるネットワークがあるのはいい。
・人の表情って笑っていれば言葉は要らない。イラストだけで伝えることも可能だと思う。文字なく、翻訳の必要なく感情も伝わる。
・写真も同じく。
・市町村レベルでのネットワークづくりもありでは。


▲各グループ発表を記録した小林理事から。「5分野7グループそれぞれのテーマでスタートしたディスカッションですが、こうしてキーワードを書き出してみると、このグループとこのグループのプランがつながるという発展の可能性も感じました」




取材・文、撮影/岡部 恵

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